清楚な歌声の女性ヴォーカルは 穢れまくったリアルな世の中に適合できない
すべてのオタク野郎の心を癒してくれるヴァーチャルな世界であるというのが定説ですよね。
このテの穢れの無いエンゼル・ヴォイス・チャートで第1位を獲得しているのは
クラッシック・ヴォーカルのシャルロット・チャーチというのが定説なのでしょうが
シャルロット・チャーチは子供なので世間一般的には犯罪のかほりもしちゃいます。
なので大人の女性のエンゼル・ヴォイスで興奮するのが健全というのが定説です。
でもオタク的にはリアルな世の中に適合できないから子供に走るんだよなぁ。
お前は子供に走って評価を落としたマイケル・ジャクソンの気持ちを考えた事があるのか!
・・・と無駄に怒ってみましたが 僕はそんなの考えた事ありません。


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MARY HOPKIN
「THOSE WERE THE DAYS」 (1972)

東芝EMI TOCP-8307 (CD/1995)
1 Those Were The Days
2 Goodbye
3 Temma Harbour
4 Think About Your Children
5 Knock Knock Who's There
6 Que Sera Sera
  (Whatever Will Be, Will Be)
7 Lontano Degli Occhi
8 Sparrow
  9 Heritage
 10 The Fields Of St. Etienne
 11 Jefferson
 12 Let My Name Be Sorrow

 13 Kew Gardens
 14 When I Am Old One Day
 15 Silver Birch And Weeping Willow
 16 Streets Of London
 17 Water, Paper & Clay


ヴォーカルだけでいったら女性ヴォーカルで僕が最も好きなのがメアリ・ホプキン様です。
清楚なエンゼル・ヴォイスがたまらない上に アップル・レーベル時代の楽曲がまた素晴らしい!
てな訳でアップル時代の2枚のアルバム「Post Card」と「Earth Song/Ocean Song」に
未収録の曲ばっかりずらりと並んだイカす内容のベスト盤の登場と相成りました。

本作は1972年のオリジナルLPだとA面が 1 6 10 13 3 4 という曲順で
B面が 5 9 8 7 2 という曲順で収録されていました。 残りの 11 12 14〜17 は
CD化に際してのボーナス曲で曲順も大幅に変更されていますねぇ。
曲順変更により前半に歌謡ポップスな曲 後半にアコースティックな響きの曲という構成になり
これがけっこう良いのですよ。 いや LPの曲順に並べ替えて聴いた事は無いのだけど・・・

哀愁の大ヒット曲1曲目 ポール・マッカートニー作の2曲目 フィラモア・リンカーン作の3曲目と
素晴らしい歌謡ポップス曲の連続攻撃でクラクラしちゃう訳ですがその後の4〜6曲目までが
歌謡ポップス路線で これらもホント素晴らしい仕上がりでもう脳味噌がとろけそうです。

イタリア語なのでカンツォーネに聴こえる7曲目を折り返し地点にして 出たぁー! 出ました!
8〜11曲目はギャラガー&ライル作品の連発大作戦! その中でも11曲目の歌謡フォーク
「ジェファーソン」にぞっこんだぜ。 間奏前に「アッハー!」っていうメアリの合の手が
入ったと思ったらバンジョー・ロールが切れ込んできて興奮最高潮! 鼻血ブーです。

13曲目はハモるリコーダーの間奏が可愛らしく響くラルフ・マクテル作の「キュー・ガーデン」。
チューダー・ロッジもやっていたあの曲です。 くっそー! 悪い訳がありません。
14曲目は大傑作「Earth Song/Ocean Song」のアウト・テイクで ダニー・トンプソンが
弾いているであろうダブル・ベースの音も聴こえてきて・・・くっそー! 悪い訳がありません。
15〜17曲目は「Earth Song/Ocean Song」収録曲とくればもちろん悪い訳がありません。

清楚でありながも可愛らしさも併せ持ったメアリのエンゼル・ヴォイスに こんな良い曲が
組み合わさるなんて何か凄いなぁ。 ベスト盤なのでアルバムとして名盤という評価を
してしまうのはちょっと疑問ですが 1曲1曲単品で聴くとあまりにも素晴らし過ぎです。

ああ マイ・エンゼル・メアリ・・・ヴァシュティ・バニヤンの奇蹟の来日公演が実現したので
その内「メアリ・ホプキン奇蹟の来日公演」なんてのもあるかも知れないよ!

メアリ・ホプキン関連作品のレヴュー
Mary Hopkin 「Earth Song/Ocean Song」 (1971)・・・第1号
Mary Hopkin 「Post Card」 (1970)・・・第77号
Bob Johnson & Peter Knight 「The King Of Elfland's Daughter」 (1977)・・・第30号
Sundance 「Sundance」 (2002)・・・第57号
Oasis「Oasis」(1984)他参加アルバム各種取り揃えたレヴュー・・・第112号
 



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VIRGINIA ASTLEY
「PROMISE NOTHING」 (1983)

日本コロムビア YX-7326-AX (LP)
A1 We Will Meet Them Again
 2 Arctic Death
 3 Angels Crying
 4 Sanctus
 B1 Love's A Lonely Place To Be
  2 Soaring
  3 Futility
  4 A Summer Long Since Passed
  5 It's To Hot To Sleep


決して上手い歌い手とは言えないけれども 天上の響きの清楚なエンゼル・ヴォイスが
英国庭園ポップスとも言えるサウンドに見事に溶け込んで聴く者を別世界に誘ってくれる
ヴァージニア・アストレイ。 1996年に「Had I The Heavens」というアルバムを出してから
長い事沈黙していて・・・今何やっているのでしょう。 これはそんな彼女の2ndアルバム。
2ndと言ってもそれまでに発表されたEPやシングルを中心にした編集盤なのですけどね。

1980年代前半という時代のせいでバックの音処理が1980年代を感じさせるダサさもあり
また彼女が操る楽器は鍵盤類とフルートで「クラッシック出身」を感じる音でもありますが
楽曲のメロディーの持つ雰囲気はジャケットどうりの英国庭園ポップスになっているのです。

・・・とニューエイジ・ミュージック風味でミニマル・ミュージック風味でもあるので
彼女のエンゼル・ヴォイスに魅力を感じないとビミョーな音として響いてしまう恐れもあります。
なのでバックの音よりも彼女のエンゼル・ヴォイスに重点を置いて聴きましょう。

そんな中 この後発表されるシングルや1987年の3rd「Hope In A Darkened Heart」で
大爆発するヴァージニア・アストレイ・サウンドとも言いたい音に最も近いB1がたまりませーん。
そして珍しくエレキ&アコースティック・ギターを使用しているB2はアコースティックな響きの
英国田園ポップスの名曲で全曲中最もキャッチーなメロディーも覚えやすくなっていますね。

編集盤なので楽曲のオリジナル・リリースを書くとA面は全曲1982年のデビューEP収録曲。
B1 B2 はそれに続く2ndシングル収録曲。 B3はオムニバス盤カセット収録曲。
B4 B5 は1st「From Gardens Where We Feel Secure」に収録されているインスト曲。
鳥のさえずり入りのB4は鳥のさえずりが入ると無駄に興奮してしまうボクやアナタ向けです。

ああマイ・エンゼル・ヴァージニア・・・ヴァシュティ・バニヤンの奇蹟の来日公演が実現したので
その内「ヴァージニア・アストレイ奇蹟の来日公演」なんてのもあるかも知れないよ!

ヴァージニア・アストレイのレヴュー
12インチ・シングル「Tender」(1985)・・・第3号
「From Gardens Where We Feel Secure」(1983)・・・第89号
 



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FRANKIE KENNEDY & MAIRÉAD NÍ MHAONAIGH
「ALTAN」 (1987)

米GREEN LINNET GLCD 1078 (CD)
1 The Highlandman/The Cliffs Of Glencolumbkille/
  Old Cuff Street (highland and reels)
2 An tSenchailleach Gallda/Dermot Byrn's (jigs)
3 Tá Mo Chleamhnas A Dhéanamh (song)
4 The Cat That Ate The Candle/
  Over The Water To Bessie (reels)
5 Ceol A'Phíobaire (song)
6 Tommy Peoples'/Loch Altan/
  Danny Meehan's (reels)
  7 Rogha An Ghabha/Charie O'Donnell's (reels)
  8 The Sunset (slow reel)
  9 Thug Mé Rúide (song)
 10 Humours Of Whiskey/The Fairy Jig/
    Humours Of Whiskey (slip jig)
 11 Jimmy Lyons'/Leslie's Reel (strathspey and reel)
 12 Cití Na gCumann (song)
 13 Con Cassidy's Highland/
    Neilly O'Boyle's Highland & Reel (highland and reels)


アイリッシュ・トラッド・グループのアルタン。 これはアルタンというグループ名で活動する前に
アルタンの中心人物2人で出した「アルタン」というタイトルのアルバムで・・・ややこしいです。

エンゼル・ヴォイスはもちろん女性の方のマレードでとても美しく清楚な響きで可愛らしさもあり
ホントにヤバい事になっています。 ヴォーカル曲は曲名のうしろに(song)ってついている曲で
その他の曲はインスト曲です。 彼女はフィドルも弾くのでインスト曲でも大活躍ですよ。

男性のフランキー・ケネディはフルート吹きで インスト曲はだいたい彼のフルートがメインの
メロディーを吹くというパターンで このインストもいいんだぁ。 この後1990年くらいになると
キーボードが薄く入る癒し系を狙った響きのアイリッッシュ・トラッドものが全盛期を迎える訳ですが
本作は癒し系トラッド突入前夜という感じで まだそこまで到達していないギリギリ派ですね。

1曲目から聴き始めるとマレードのエンゼル・ヴォイスは3曲目にやっと登場するのですが
これが涙が出るほど良いのです。 ヴァン・モリソン&チーフタンズもやっていたこの3曲目は
ヴァン・モリソン・ヴァージョンよりもゆったりと流れる切ないメロディーが胸を締め付けます。
マレードのエンゼル・ヴォイスは本物の天使か?と思わせる美しい美しい響きがあり
それまでのダンス曲の2曲からガラッと空気を変えてくれる絶品曲になっていて即死級です。

なお男性の方のフランキー・ケネディはすでに亡くなっています。 ガンだったそうで・・・合掌。
アルタンはフランキー・ケネディ亡き後もマレードを中心に現在もガンガン活動しています。
ガンで亡くなったけれどガンガン活動・・・ってダジャレにするつもりは無かったけれど
結果的にダジャレになってしまいました・・・僕は最低です。 誰か叱ってください。

マレードのヴォーカル入りの曲は4曲と少ないけれど逆にたまに飛び出すのがたまりません。
インスト曲で好きなのはスピード感のあるダンス曲よりもゆったりとした8曲目あたりですね。
ああ マイ・エンゼル・マレード・・・これ以降のアルタンの作品もどれも素晴らしいよなぁ。
なお本作のプロデュースはアイリッシュ・トラッドもののアルバムでは90パーセントの確率で
名前が出てくると巷で噂のドーナル・ラニーです。 いや95パーセントです。 やり過ぎです。

2000年度のアルタン祭りの模様・・・第15号
 



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ALISON KRAUSS & UNION STATION
「EVERY TIME YOU SAY GOODBYE」 (1992)

米ROUNDER CD 0285 (CD)
1 Every Time You Say Goodbye
2 Another Night
3 Last Love Letter
4 Cluck Old Hen
5 Who Can Blame You
6 It Won't Work This Time
7 Heartstrings
  8 I Don't Know Why
  9 Cloudy Days
 10 New Fool
 11 Shield Of Faith
 12 Lose Again
 13 Another Day, Another Doller
 14 Jesus Help Me To Stand


米国ブルーグラス業界でエンゼル・ヴォイスを響かせるアリソン・クラウスの4thアルバム。
アリソンの美しくて可愛らしいエンゼル・ヴォイスに出会ってうおぉー!となったのは
僕が最もカントリー〜ブルーグラスにハマっていた1990年代前半でした。
この頃はブルーグラスのライブなんかにも出かけて観客の年齢層の高さにびっくり!とか
ハンク・ウイリアムスのCD10枚組BOXを気合いで購入!とか色々ハッスルしましたが
今やカントリー方面の作品はほとんど購入しないし多くを処分してしまいました。

でもアリソンはエンゼルなので処分しないシリーズ。 所有している彼女のアルバムを数えたら
ベスト盤とコックス・ファミリーとの共演盤も入れて10枚ありました・・・全アルバムあるのかな?
その所有している10枚の内この「Every Time You Say Goodbye」が一番好きな作品です。

彼女のアルバムでは1999年の「Forget About It」が 髪を金髪にしてルックスも垢抜けて
サウンドも垢抜けたアコースティック・ポップスで聴きやすく 最も一般受けしそうだけど
田舎のイモ姉ちゃんのような垢抜けないルックスとオーソドックスなブルーグラス・サウンドで
垢抜けない「Every Time You Say Goodbye」がなぜか一番好きなんだよねぇ。

使用楽器はジャケットでメンバーが抱える楽器どうりで バンジョー マンドリン ギター
ウッド・ベース フィドルで ゲスト参加者も無くこの5人だけで全部演奏しています。
アリソンのヴォーカルが素晴らしいのはもちろん 彼女はフィドルの腕前もかなりのモノです。
またメンバーのオヤジがメインに歌う曲が数曲 インストも1曲という構成になっています。

ブルーグラスを色々聴いていると 本当に生身の人間が演奏しているのか?と思うほど
ブッ飛ばしのバンジョー・ロールがスピード違反して そこに切れ込むマンドリンやフィドルも
スピード違反しまくるヤバいヤツもある訳だけど 本作はスピード違反をしていません。
全体的に法定速度キープでアリソンのエンゼル・ヴォイスを美しく聴かせる方向性ですね。

本作でどれか1曲! といったら切ないメロディーを持った3拍子の7曲目がとても美しい曲で
最高に泣けます。 ああ マイ・エンゼル・アリソン・・・でもサウンドはブルーグラスなので
こーゆーアメリカンな音がダメな人は絶対ダメだろうから手を出してはいけません。
 


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