誰が考えたのか「アルタン祭り」っていう イベント名もちょっとねーと思うのですが このイベントはアイリッシュ・トラッド界では 絶大な人気を誇るアルタンをダシに使って 他のトラッドの人達を紹介するという ピーター・バラカンの陰謀イベントです。 アルタンはヴァージン移籍後 新作を発表する度来日公演を行っています。 「アルタン祭り」は1997年に続き2度目です。 前回の競演者は全組が アイリッシュ・トラッドの人達だったのですが 今回はルーマニアのじいさん達と スペインのアコーディオン弾きが登場。 アンコールでは出演者全員登場で ステージ上を30人位で埋め尽くすという始末。 グリーン・リネット時代のアルタンは アルバムを重ねる毎に演奏の迫力が増し 4thの「アイランド・エンジェル」で アルタン・サウンドは完成した感じですね。 1曲目からド迫力のリールが大爆発で 大音量で聴けば鼻血ブー確実。 激しいダンス曲の合間に 美しい歌唱曲が挟まるという 現代的アイリッシュ・トラッドの よくあるパターンのアルバムとしては この4thは最上級の部類でしょう。 4th発表後 フルートを吹いていた フランキー・ケネディーというオヤジが死亡し レーベルもヴァージンへ移籍。 5thはレーベルから ジャケット意匠から メジャー展開ぶりが伺えて レコード屋で手にとっただけで 音を聴く前に これはきっとダメ・アルバムだなぁーと 思ったのですが 実際ダメでしたね。 6thも同様。 やはりフランキー・ケネディーの フルートが入っていないのが致命傷。 演奏の迫力やアンサンブルの面では もう4thは超えられないでしょう。 そこに登場した新作「アナザー・スカイ」は のどかな歌物を中心にしており 激しい演奏は押さえ気味。 これは いいよぉー。 マレードの歌声は可愛らしく響いているし 悲しげなメロディーが涙を誘います。 で「アルタン祭り」です。 レコードではゲスト・ミュージシャンが 様々な楽器で参加していますが ライブでは完全にメンバーだけの演奏で 2本のフィドル アコーディオン ブズーキ ギターという構成。 ダンス曲は迫力があったなぁー。 5th以後演奏がダメになったというのは 撤回しなければいけませんな。 雨が降ったりやんだりの曇り空の下 マレードの天使のような歌声を聴きながら 黄昏の空を見上げていたら 恍惚とした気分になれました。 他の出演者も紹介すると ルーマニアの大所帯ジプシーじじい集団 「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」 下世話な歌にラテンのノリも感じられ よく分からないじじい達でした。 スペイン・バスク地方のアコーディオン弾き 「ケパ・フンケラ」 超絶テクの上 バックにはドラムスも入り ロック・ファンにも聴きやすいサウンドで 相当良かった。 歌はナシです。 司会者として登場は「ピーター・バラカン」 陰謀達成のため 各出演者について 分かりやすく説明をしていました。 相変わらず眠そうな目をしていましたが ヤツはあんな顔なんだな。 仕方ない。 全員参加のアンコールでは ジプシーじじいのバカな歌が轟き 場末のキャバレー状態 あるいは 怒涛のヨッパライ音楽になっていました。 アルタンとケパ・フンケラのバンドの人達は どうしていいのやら状態で かなり適当に演奏しているように見えたぞ。 いや これでいいんだよ 音楽なんて。 適当が一番。 | 1st 「HORSE WITH A HEART」 (1989) 米 GREEN LINNET GLCD 1095 |
2nd 「THE RED CROW」 (1990) 米 GREEN LINNET GLCD 1109 | |
3rd 「HARVEST STORM」 (1992) 米 GREEN LINNET GLCD 1117 | |
4th 「ISLAND ANGEL」 (1993) 米 GREEN LINNET GLCD 1137 | |
5th 「BLACKWATER」 (1996) 英 VIRGIN CDV 2796 | |
6th 「RUNAWAY SUNDAY」 (1997) 英 VIRGIN CDV 2836 | |
7th 「ANOTHER SKY」 (2000) 英 VIRGIN CDV 3001 |