ブリティッシュ・フォークといえば女性ヴォーカル。
女性ヴォーカルといえばブリティッシュ・フォークというくらい
この系統の音楽は美声女性ヴォーカルの宝庫なのである。
なになに顔がイマイチ?
いやいや 声が美しいと顔もだんだんと美しく見えてくるからあーら不思議。



 
TUDOR LODGE 「TUDOR LODGE」 (1971)
日 BELLE ANTIQUE MAR 97361 (CD/1997)
 1 It All Comes Back To Me
 2 Would You Believe ?
 3 Recollection
 4 Two Steps Back
 5 Help Me Find Myself
 6 Nobody's Listening
  7 Willow Tree
  8 Forest
  9 I See A Man
 10 The Lady's Changing Home
 11 Madeline
 12 Kew Gardens


プログレッシブ・フォーク業界では メロウ・キャンドルの唯一のアルバム スパイロジャイラのサード そしてチューダー・ロッジのこのアルバムが 女性ヴォーカル物の3大アイテムという事になっているらしい。 しかし他の2枚にはプログレを感じるけど チューダー・ロッジのどこがプログレなんでしょう。 チューダー・ロッジのメンバーの方々は自ら 俺達はプログレッシブ・フォークだ という発言もなさっているようですが・・・。 肝心の音の方は 正に英国ならではの美しい室内楽フォークになっています。 ストリングスや管楽器がアコギのアルペジオと絡み盛り上げてくれます。 また このテのアルバムには必ず登場するダニー・トンプソンのダブルベースも相変わらずよろしいです。 基本は男性二人のコーラスなんですが ここぞという時にアン様が綺麗な歌声を披露してくれます。 アン様はフルートもお吹きになり このフルートがまたボーカル同様綺麗な音色で それだけでもイッちゃう事うけあいです。 ちなみにアン・スチュワート様はアメリカ人だそうですが この際そんな事はどうでもいいのです。 僕は8 9曲目が好きです。 特に9曲目は最初は男性ヴォーカルで始まり 間奏でアン様がフルートを吹き 後半はアン様も歌います。 この展開にはかなり参りました。 おいしい物は最後に食べる精神とでもいいましょうか・・・。 チューダー・ロッジは1990年代に復活して来日公演まで行いましたが 女性ヴォーカルが別のおばさんに代わってしまい アン・スチュワート時代の輝きはありません。 僕もそのライブは見に行ったのですが 一番良かった曲がリンディスファーンのカバーの 「Meet Me On The Corner」 っていうのも悲しいものがあります。 1999年夏にニュー・アルバム 「Dream」 が出た時は 銀座のHMVの新譜コーナーに 「Dream」 がずらりと並んでいてびっくり。 そんなもん並べるんなら この1971年のアルバム並べろよ。 といっても 「Dream」 も高水準。 もし1971年盤でアン様が歌っていなければ 「Dream」 も素直に好きになっています。 このアルバムのオリジナル ヴァーティゴ盤LPは新宿のVINYLで見た事ありますが ぼろぼろのジャケットで6万8千円! もうレコード1枚の値段とは思えません。 それでも買うヤツがいるんだな。 恐ろしい事だ。



 
SALLY OLDFIELD 「EASY」 (1979)
英 CASTLE CLACD 102 (CD)
 1 The Sun In My Eyes
 2 You Set My Gypsy
   Blood Free
 3 Answering You
 4 The Boulevard Song
 5 Easy
 6 Suns Of Free
 7 Hide And Seek
 8 First Born Of The Earth
 9 Man Of Storm


1968年に弟マイク・オールドフィールドとのフォーク・デュオ サリアンジーでデビューした サリー・オールドフィールドのソロ2作目を紹介します。 サリアンジーはどフォーク。 ソロ1枚目はミニマル・ミュージック寄りのポップ・ソング集。 そして 「Easy」 はジャケットがバカっぽいのもご愛嬌の 端正でポップなフォークとなっております。 サリーの伸びやかな裏声を多用した起伏の激しいメロディー・ラインの曲が多いですが 決して覚えづらいメロディー・ラインではない所が凄いです。 スティールギターやマンドリンなんかも飛び出して来て ふっと感傷的にさせてくれます。 その中でも特に間奏のマンドリンが心地良い6曲目がいいですね。 サリーはこの後も多くのアルバムをリリースしていますが キーボードのサウンドを中心にした楽曲が多くなり ここで聴けるアコースティックな肌触りはなくなってしまいます。 しかしアルバムに1〜2曲だけ入っている かわいいフォーク・タッチの曲が聴きたくて 僕はどーしようもないアルバムを また買ってしまうのです。




VIRGINIA ASTLEY 「TENDER」 (1985)
英 ELEKTRA EKR 21 T (12")

 A1 Tender

 B1 Mindless Days
  2 Tender Instrumental
  3 A Long Time Ago


このアルバム未収録12インチ 「テンダー」 こそがヴァージニア・アストレイの最高傑作である。 デビュー当初から英国の庭園風景を思わせる楽曲を発表してきたヴァージニアですが この曲ですべてを出し切ったという感じです。 いきなりアーアアーという天使のような無垢な歌声が聴こえ アコギが優しく鳴らされます。 もうだめだー 前奏だけで鼻血ブー確実。 ヴィオラとチェロが加わりヴァージニアが歌い始めたら 後は失禁するか死ぬかしかありません。 す・・・素晴らしい。 B面もまずまずの出来ですが やっぱり 「Tender Instrumental」 はインストバージョンでも興奮します。 1986年には坂本龍一プロデュースのアルバム 「Hope In A Darkened Heart」 を発表して ヴァージニアのファンは許さねえ坂本龍一! 俺達のヴァージニアを汚すんじゃねえ! という雰囲気でしたが このアルバムも間違いなく傑作です。 僕はこの12インチ・シングルを 1980年代の終わり頃 渋谷のZESTで買いました。 当時でも1500円位はしたはずです。 今いくらで売っているか知りませんが 1万円とかいう法外価格になる前に見つけたら必ず買いましょう。


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