鳥のさえずり・・・うぇーん たまらねーよー。
そう ヘロンを聴いて以来鳥のさえずりが入る曲には激しく反応し
必要以上に興奮する特異体質になってしまいました。
・・・と色々なアルバムをじっくり聴いていると鳥のさえずりが入る曲って
けっこう多いので聴くたびいちいち興奮していたら体がもたなかったりするけど
僕はもちろんいちいち興奮どころか昇天しまくっていますよ!



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VIRGINIA ASTLEY 「FROM GARDENS WHERE WE FEEL SECURE」 (1983)
HAPPY VALLEY/日本コロムビア CY-4457 (CD/1989)

From Gardens Where We Feel Secure
(Morning)
1 With My Eyes Wide Open I'm Dreaming
2 A Summer Long Since Past
3 From Gardens Where We Feel Secure
4 Hiding In The Ha-Ha
(Afternoon)
5 Out On The Lawn I Lie In Bed
6 Too Bright For Peacocks
7 Summer Of Their Dreams
8 When The Fields Were On Fire
9 It's Too Hot To Sleep

  10 Sanctus

  Melt The Snow
  11 Melt The Snow
  12 Melt The Snow (instrumental)
  13 Melt The Snow (instrumental)


ヴァージニア・アストレイの1983年のデビュー・アルバム(1〜9)にボーナス曲として
本CD発表時新録音の10と1985年の12インチ・シングル11〜13をくっつけたCD。
1曲目の出だしから鳥のさえずりチュンチュンでもう大変な事になっています。

ここでは彼女の清楚な歌声は10曲目と11曲目の2曲だけに入っていて
残りの曲はピアノやオーボエなどが奏でるインスト曲になっています。
ヴォーカル曲がほとんど無いので楽しみの要素のひとつが減っちまってつまらねーよ!
なんて事も無くどーしようもなく美しく響きます。 そう・・・スンゴイ傑作アルバムです。

室内楽風味のインスト曲中心なので格調高さもあり貴族的でもありますね。
また同じフレーズを繰り返す曲が多くミニマル・ミュージック風味も少々・・・かな?

鳥のさえずりの他教会の鐘や山羊の鳴き声や水車の回る音や
ミミズクの鳴き声(なのかな?)や虫の声などの効果音も終始バックで鳴り続け
これが英国の田園風景を思わせてくれて あぁーたまりませーん!状態です。

「モーニング」「アフタヌーン」の副題がついているのはLP時代のAB面ですが
朝の爽やかな目覚め〜午後のゆったりとしたひととき〜日暮れが訪れ
静かに夜へと向かう・・・なーんて風景が様々な効果音と共に見事に描かれています。
未知の生物との交信音みたいな宇宙サウンドな効果音が入る8曲目は
ちょっと異色だけど・・・これは夕暮れの幻想って感じかなぁ。

ヴォーカルを何重かに重ねて無伴奏で歌われる10曲目も天上の響きで美しいし
11曲目は2ndアルバム以降で聴ける室内楽ポップス路線になっていて
ディス・イズ・ヴァージニア・アストレイ・サウンドで・・・これも必殺ですねー。

さて彼女は1996年に「Had I The Heavens」ってアルバムを発表後
アルバムは出していないようで 音楽業界を引退してしまったのでしょうかねぇ。
うん 新作も聴きたいけど・・・このまま消えてくれても美しいよね。

傑作12インチ・シングル「Tender」のレヴュー・・・第3号
 



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DULCIMER 「ROB'S GARDEN」 (1995)
英 PRESIDENT PCOM 1144 (CD)

1 Rob's Garden
2 Across The Fields
3 Silver On White
4 Smoke
5 Mean Old Girl
6 Creation (Poet And The Firebird)

  7 Indian Jones
  8 Army Boy
  9 Martin Hussingtree
 10 Come The Day
 11 Shining Way
 12 Ghost Of England


ダルシマーの1971年作品「And I Turned As I Had Turned As A Boy」ってアルバムは
ブリティッシュ・フォーク定番アイテムになっていますが こちらはそのダルシマーが
1990年代に復活して3枚出しているアルバムの内2枚目にあたります。

来たぞ!来たぞ!1曲目のバックに鳥のさえずりが入ります。
この1曲目 歌い出しのメロディー・ライン&歌詞の響きがサイモンとガーファンクルの
「Old Friends」を思わせ 伴奏はギター&グロッケンスピールですよぉー。 たまらねー!
1970年代のダルシマーは3人組でしたが復活後は2人組になり
デュオ形式であるという所もサイモンとガーファンクルを思わせる要因ですね。

登場する楽器はギターやマンドリンやバンジョーやダルシマーといった弦楽器の他
ピアノやキーボードなどの鍵盤類も入ります。 何人かゲストが参加していますが
ほとんどの楽器を2人で弾いていてマルチプレイヤーぶりもアッピールですね。
何々・・・ジャケットの絵もメンバーの片方が描いているのかぁ。 うーむ多才ですねぇ。

・・・と1曲目に昇天はするもののアルバム全体ではインパクト不足って感じもあります。
ダルシマーって1970年代の作品でも感じる事ですが
ガツーンとインパクトのある曲ってゆーのが無いのですよねぇ。
うーん メロディーが弱いのが原因なのか・・・ヴォーカル・ハーモニーも美しいけど
このヴォーカルにもインパクトが無いのが原因なのか・・・。

まあ文句を言いつつ良く聴いている作品です。
お昼寝にはもってこいののどかなフォークですからねー。

発掘アルバム「Room For Thought」のレヴュー・・・第17号
 



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SOUNDS OF SALVATION 「SOUNDS OF SALVATION」 (1974)
HUGO-MONTES PRODUCTION HMP CD-008 (CD/2001)

1 Montage/Because My Mouth
2 Jesus Is The Rock/Overseers
3 Who Am I ?
4 Many Regrets
5 For An Instant
6 In The Dark
7 What's That I Hear ?
8 People I Live With

  9 Love III
 10 Kumbaya/Prayers
 11 What Is It Like Load ?
 12 For A Little Freedom
 13 The Way Of Freedom
 14 Psalm 94 
 15 Salvation Hymn
 16 Because My Mouth


宗教上のルールであの世行きなジーザス物のサウンド・オブ・サルベイション。
ここのところスンンゴイ勢いで英国フォーク系アイテムの再発をしまくっている
ヒューゴ・モンテス・プロダクションからのナウい1枚です。
うーん ヒューゴ・モンテス・・・やっぱりバックにブチブチとノイズが聴こえて盤起こしです。

1曲目の出だしにいきなり鳥のさえずりが入りますねぇ。
でもこの1曲目は曲というかサウンド・コラージュになっていて 様々な効果音が
次々と登場して自然を破壊して行く人間に対する警告のような音の流れになっています。

そして2曲目は酒場の喧騒の中で神様ありがとうな歌を女の子が歌い出し
ひとり ふたりとその歌に加わって行き 最後は皆さん大合唱状態ですかぁ。
なんか語りなんかも多く入るしアルバムとしての流れはコンセプト・アルバム度高く
宗教上のルールであの世行き度レベルMAXな胡散臭さも漂いますよ。

参加している人はかなり多いようで 曲によってヴォーカルをとる人が違います。
女性ヴォーカル&ピアノ&アコギ&フルート&パーカッションで迫る6曲目とか
美声でロリータ声の女性ヴォーカル&ハープシコードで強力な9曲目とか
ただ胡散臭かろうが何だろうが美しく儚いフォーク曲が並んでいて
やっぱし英国フォークは素晴らしいぜ!状態ですねぇ。

ソウルフルな男性(なのかな?)ヴォーカルがメインに歌う13曲目もいいなぁ。
ゆったりと心地良い8分の6拍子のリズムで間奏にリコーダーも入って素晴らしいです。
そしてギターの演奏の上に女性の語りが乗っかる14曲目ですよ。
この14曲目は全編にかなり大きな音で鳥のさえずりが入っていてクラクラします。

CDの裏に印刷されている曲名表記は14曲目の「Psalm 94」が3曲目になっていたけど
そのままだとなーんか曲順がおかしくて1曲づつズレるので勝手に直してみました。
果たして14曲目が本当に「Psalm 94」かどーかは知りませんからね!
 



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GALLAGHER AND LYLE 「WILLIE AND THE LAPDOG」 (1973)
英 RIVER RIVERCD014 (CD/2004)

1 Willie
2 Home
3 Give A Boy A Break
4 Sittin' Down Music
5 Dan
6 Among The Birks

  7 Jesus Saves Me
  8 SS Man
  9 Hotel Constantine
 10 The Lapdog
 11 Harmonium
 12 Thoughts From A Station


素晴らし過ぎの英国フォーキー・デュオ ギャラガー&ライルの2nd。
2004年 英リヴァー・レコード社が動き出し今までほとんどCD化されていなかった
オリジナル・アルバムたちが遂にCDになって店頭に並びました。

いやしかしこのアルバムは良いですねぇー。 1曲目の田舎道をゆったりと歩いて
家路に向かうような のどかで切ない曲調の「ウイリー」なんてホント名曲ですよ。
2曲目以降もマンドリンやらアコーディオンやらハーモニカやらを配した
アコースティックでのどかな響きのフォーク・ロック曲と優しく切ないフォーク曲の連続で
英国の田舎道サウンド全開のすっげー名盤になっています。

そして鳥のさえずりは6曲目に聴こえてきますねぇ。
うぇーん この曲は夕暮れ時の寂しさを感じる優しく切ないフォーク曲ですよぉー。
こーゆー曲を聴かされるとギャラガー&ライルはホント凄いなぁーと思います。
決して必殺の泣きのメロディーでも無いのに泣かしてしまうメロディーを作るんだよね。
そんな凄い曲な上に鳥のさえずりも乗っかった日にゃー気絶級じゃないですか!

しっとりとストリングス入りで室内楽フォークな最後の12曲目まで捨て曲無しです。
レコード・コレクターズ誌9月号のブリティッシュ・フォーク特集でも
ギャラガー&ライルはこのアルバムが取り上げられていました。 うーん名盤です。 

BBC音源アルバム「Live In Concert」のレヴュー・・・第54号
 



Melimelum.jpg

MELIMELUM 「MELIMELUM」 (1976)
アルゼンチン COLUMBIA 2-509112 (CD)

1 Rosado Atardecer
2 Matinal Surgimagico
3 Pinamar De Ayer
4 Terrores Primales, Liberiola III
5 Para Campanita

  6 En El Otoño
  7 Dame, Dame La Mano Vida, Liberiola !
  8 Comprendalo Señor
  9 Blues DE Los Diez Baldes De Arena
 10 Sol Amarillo, Liberiola II


アルゼンチンのメリメリウム。 アルゼンチンってスペイン語なのかしら?
よく知らねーし当然バンド名は激しく読み方適当シリーズでお届けしております。
また何枚目の作品だとかグループの詳細も知りません。 ジャケットの写真には
女性もいますが名前の雰囲気からしてメンバーは男性5人のようですねぇ。

このCDはちょっと小さ目のサイズの紙ジャケ仕様になっています。
下半身裸の男の子が水辺に佇むジャケットも可愛らしくてたまりませんねぇ。
更に左下にはキノコが2本もニョッキリだ! もうこれだけで名盤確定!

もちろん飛び出す音もかーなり素晴らしい事になっています。
優しげなアコギの音色と柔らかなハーモニー。 メローディー・ラインも美しいし
ドラムスやベースやエレキギターも入ってポップさもあり聴きやすいですよ。
フルートが絡む曲を多く収録していてチューダー・ロッジやトレイダー・ホーンなど
英国フォークの凄いヤツと並べても何ら遜色無い絶品アルバムです。
英語じゃ無い言葉の響きもあまり気にならないし僕も完全にヤられてしまいました。

鳥のさえずりは2曲目のバックでチュンチュン聴こえてきますねぇ。
この2曲目はフルート2本が美しく絡む後半の演奏部分で・・・もう昇天です。
そして3曲目でも波の音の効果音とともにカモメの鳴き声が入ります。
この曲もちょっとだけ入るフルートの切り込み具合いが絶妙で連続昇天です。

サビで「タランタラーン」「トロントローン」と歌っている5曲目なんか
もうどーしよーもなく名曲! ホント美しくてタラーントローンとなってしまいます。
その他の曲もとにかくたまらねー事になっていて昇天 昇天 ああ昇天です。
後半の曲はちょっとプログレ入っていますが これもイヤーな感じは無く
とにかく良いっすよアンタ! これからアルゼンチンも注目ですね。
 


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