いやぁー大不況ですかぁー。 何でしょうこの閉塞感は。 気分もガンガン盛り下がります。
 僕のようなグータラなチンピラにおいてはこの状況を乗り切る知恵や行動力も無く
 あらゆる事が終了してしまうのも時間の問題で せいぜい盛り下がった気分を
盛り上げてくれる21世紀のナウい音楽でも聴いて気分を盛り上げる位しかできません。
そんなんでテキトーに作品を並べてみたら偶然にも全部1stアルバムが並んで やった!
これは何か良い事あるかも! あらゆる事を良い方向に解釈していかないとね。


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THE POLYPHONIC SPREE
「THE BEGINNING STAGES OF...」 (2002)
英 679 979L011TLP (LP)


A1 section 1 (Have A Day/Celebratory)
 2 section 2 (It's The Sun)
 3 section 3 (Days Like This Keep Me Warm)
 4 section 4 (La La)
 5 section 5 (Middle Of The Day)


B1 section 6 (Hanging Around The Day Part 1)
 2 section 7 (Hanging Around The Day Part 2)

C1 section 8 (Soldier Girl)
 2 section 9 (Light & Day/Reach For The Sun)

D1 section 10 (A Long Day)

パナウェーブ研究所にしか見えない白装束で登場した米国のポリフォニック・スプリーの1st。
ビューティフルでピースフルな素晴らしき高揚感を放つサウンドは気分を盛り上げてくれるので
彼らがもし本当にパナウェーブの構成員で電磁波遮断が目的であっても全く問題ありません。

しかし この1stでは白装束ですが 2ndではカラフルな衣装で 3rdでは戦闘服を着て登場し
彼らがパナウェーブでは無い事が判明しました・・・ほっ。 次はどんな衣装で登場するのでしょうね。

これだけメンバーがいますが半分くらいはコーラス担当で・・・コーラスというか大合唱ですね。
裏ジャケのホルンのアップ写真が象徴するかのようにホーン類や笛類を演奏するメンバーもいて
後はロック基本楽器であるギター ベース ドラムス そしてキーボード他・・・と一通り揃っています。
そんな多彩な楽器を使って演奏する曲はとにかくやたらスケールが大きく 何だかわからないけれど
やたら幸福感を感じてしまう楽曲の連発なのです。 メロディー自体も覚えやすいヤツが多いし
A2やB2やC1やC2あたりはホント気分が盛り上がり 閉塞感を忘れさせてくれる現実逃避系です。

ただ1枚物のCDを無理矢理2枚組にしたLPなので 2曲入りのB面とC面は収録時間が短くて
気分が盛り上がってきて これからいよいよ更に盛り上がるぞ!って時にその面が終わってしまい
盛り上がった気分も途切れてしまいます。 なので本作は流れの途切れないCDで聴くべきですね。
・・・と言っておきながら僕はCDで聴いた事が無くて・・・かーなりテキトーな事を言ってスマン!

逆に1曲しか入っていないのにやたら長いD面の「A Long Day」はひたすら記号のような
電子音楽がダラダラと流され正直ツラい物がありますねぇ。 果たしてこんな曲必要なのかしら?
マニアックでイケてる若いヤングから言わせるとこの曲こそポリフォニック・スプリーの最高の1曲かい?
ポリフォニック・スプリーの根本にある実験性の部分を全面的に打ち出した重要曲ってか?
笑わせんじゃねぇ! こんな曲いらねー! D面は2度と聴くか!・・・まあこの曲こそ最高峰!とか
言っているマニアックでイケてる若いヤングは見た事無いので 別に怒る必要も無いのですが
こんな聴き続けるのが拷問のような曲はホントいらないので無駄に怒っておきました。

曲名の前に「セクション」とつくのは現在も続行中で 3rdアルバムまででセクション32まで来ていて
この「セクション」とか お揃いの衣装など面白い仕掛けで楽しませてくれる上に スケールの大きな
ビューティフルでピースフルな音で気分を盛り上げてくれるので 閉塞感真っ只中のアナタも是非!

2nd「Together We're Heavy」のレヴュー・・・第117号 2006/8/30 コミューン生活者をちょっと覗き見
 


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THE TYDE 「ONCE」 (2001)
米 ORANGE SKY OS2201 (LP)
A1 All My Bastard Children
 2 New Confessions
 3 Strangers Again
 4 Get Around Too
 5 North County Times
 B1 The Dawn
  2 Improper
  3 Your Tattoos
  4 Silver's Okay Michelle

米国バンド タイドの1stアルバム。 針を落として流れてくるA1がどこまでも広がる空へ飛び立つような
高揚感と浮遊感を持った名曲で完全にやられてしまいました。 素晴らしい! 盛り上がってきたぜ!

タイドの音はアメリカ西海岸ロックの伝統を感じさるオーソドックスで爽やかなフォーク・ロックなのですが
光に包まれたジャケットの如く 柔らかな日差しの中で音がきらめいているかのような浮遊感が漂ってきて
何とも素晴らしい限りですねぇ。 同様の浮遊感はビーチウッド・スパークスというバンドにもあるのですが
実はタイドの6人のメンバーの内3人はビーチウッド・スパークスのメンバーでもあり 納得の浮遊感です。

基本はギター・サウンドだけど たまに宇宙サウンド的にピュゥーとか入るキーボード類がまた
ナイス・タイミング!で入ってくれて浮遊感を増幅させる演出をしてくれて もうホント素晴らしいですよ。
また時折声が裏返ってしまう感じのダレン・レイドメイカーの情けない泣き虫系ヴォーカルも良いですねぇ。

爽やかサウンドのフォーク・ロック A2 A3 A5 B2 B3 といったところはメロディーも素直で聴きやすく
カントリー・ロック風味もほんのり香ります。 情けない泣き虫ヴォーカルは好き嫌いが分かれそうですが
レトロな音色のオルガンが活躍するB3なんかホント良いし どんどん気分も盛り上がりますねぇ。
ゆったりと流れて行く最後の長尺曲B4は 曲が進むにつれじわりと浮遊感が増して行き興奮度アップ!

そして そして やはりA1があぁぁー! 高揚感で浮遊感で永遠系でサイケデリックでどんどん盛り上がり
前奏と間奏の印象的なギターのフレーズも耳から離れずグルグル回るという決定的な名曲ですよ!

タイドは 2003年に2nd「Twice」 2006年に3rd「Three's Co.」とアルバムを出ていますが
素晴らしき浮遊感がきらめきと共に迫ってきて気分が盛り上がる事ができるのはこの1stだけかなぁ。
2nd 3rd はメンバーも多少変わって もっとフツーな感じの西海岸ロックになってしまっています。

という事で タイドの本作とビーチウッド・スパークスの2nd「Once We Were Trees」は
この閉塞感を何とか打破しないといけない今こそ聴きまくっておかないといけません。
両作とも2000年代初頭の作品で 発表からちょっと経ってしまったので存在を忘れがちですが
忘れてはいけない名作。 こんな浮遊感は他にありそうで無いです。 常に頭の中に入れておきましょう。

ビーチウッド・スパークスのレヴュー
第53号 2002/3/31 若手ルーツ・ロック芸人でヤングとの溝を埋めてみよう
第80号 2004/1/11 流行語大賞とる勢いでフォロー沙汰
 


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THE MAGIC NUMBERS
「THE MAGIC NUMBERS」 (2005)
欧 HEAVENLY HVNLP 53 (LP)


A1 Nornings Eleven
 2 Forever Lost
 3 The Mule


B1 Long Legs
 2 Love Me Like You
 3 Which Way To Happy

C1 I See You, You See Me
 2 Don't Give Up The Fight
 3 This Love

D1 Wheels On Fire
 2 Love's A Game
 3 Try

 4 Hymn For Her (hidden track)

bonus 7"
A1 Watersong

マジック・ナンバーズは兄妹2組による英国のバンド。 基本的に彼らはデブで 内ジャケ左から2番目の
ベース担当ミッシェル・ストッダートなんかは女子柔道78キロ超級で活躍してもおかしくない風貌です。
一番左のドラムス担当ショーン・ギャノンは太くは無いですが 残りの3人はけっこうなデブですよ。

隣にいるだけで暑苦しいのでデブは嫌い! 特に夏場は勘弁してくれ! なんて人も多いと思いますが
この風貌に惑わされて聴かないのはもったいない。 気分も盛り上がるナイスな曲の連発です。

収録曲は大きく分けて 楽しげなギター・ポップ曲と メロウなソウル・ナンバー風の曲の2タイプあり
基本使用楽器は ギター ベース ドラムスで たまに内ジャケ右から2番目のアンジェラが演奏する
メロディカ&グロッケンスピールが彩りを与え ほんの少しキーボードやストリングスなんかも入ります。
そして一緒に歌いたくなってしまう覚えやすいメロディーがあり 気分が盛り上がるっていうモンです。

ヴォーカル&ギターのロメオ(内ジャケ右端)の歌声はまるで笑いながら歌っているかのように聴こえ
じっくり聴けば聴くほどじわーっとフレンドリーさが滲んできて こっちも笑いたくなってしまいますねぇ。
家族系バンドだからなのか バンド全体のサウンドもピリピリとした緊張感も無く妙にフレンドリーだし
けっこう複雑に絡むハーモニー・コーラス部分もしっかり歌っているにもかかわらずどこかルーズです。

楽しげなギター・ポップ曲では 古臭いオールディーズ時代のロケンローを感じる瞬間もありますが
やはり21世紀の音ではあります。 ハンドクラップも入る A2 B2 なんかはホント盛り上がりますね。

で このLPはポリフォニック・スプリー同様に1枚物のCDを無理矢理2枚組みにしたLPですが
割と長めの4〜5分台の尺の曲が多いので 無理矢理の2枚組み処理はあまり気になりませんね。
片面のみ収録のオマケ7インチは本編とはちょっと違うエレクトロニカ的なナンバーで異色です。

彼らは2006年に2nd「Those The Brokes」を出し 一緒に歌いたくなる覚えやすいメロディーや
フレンドリーさもそのままに メロウな曲はより一層メロウさに磨きがかかって 素晴らしかったですねぇ。
1stも2ndも高水準だけどマジック・ナンバーズといえばこれだ!という決定的な1曲はまだ無いかなぁ。
何か今後メロウなソウル・ナンバー風の楽曲で音楽史に残る凄い1曲を発表しそうな予感がしますよ!

この1stはけっこう売れたようで中古CDもよく見かけます。 今なら輸入盤中古CDは4〜500円位の
カス盤一歩手前の価格で転がっているので見つけたら入手しましょう。 損はしません・・・たぶん。
 


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THE FEELING 「TWELVE STOPS AND HOME」 (2006)
ユニバーサル・ミュージック UICI-9014 (CD)
1 I Want You Now
2 Never Be Lonely
3 Fill My Little World
4 Kettle's On
5 Sewn
 6 Anyone
 7 Strange
 8 Love It When You Call

 9 Rosé
10 Same Old Stuff
 11 Helicopter
 12 Blue Piccadilly
 13 Sun Is Shining (bonus track)
 14 When I Return (bonus track)
 15 
Miss You (hidden track)

一緒に歌いたくなってしまうキャッチーなメロディーと若いヤング感で気分が盛り上がらずにはいられない
英国の男性5人組フィーリングの1st。 いきなりパッパラ・コーラスではじまる1曲目からヤング感炸裂で
バカみたいにポップな冒頭の1〜3曲目で若いヤングのハートをガッチリとキャッチしてしまう罪な奴ら!

全体が非常にカラフルに聴こえるモンで ちょっとオーバー・プロデュース気味かなぁとも思うのですが
ギター ベース キーボード ドラムスのロック基本楽器による演奏が基本で ホーンやストリングスが入る
という事も無いのにカラフルな音に聴こえるのは 複雑なコーラス・ワークが多く入るからでしょうかねぇ。
また間奏でエレキ・ギターがギュィーンと入ったりする古臭いロックなパターンも頻繁に登場するくせに
全然古臭さは感じずフレッシュなポップスに聴こえてしまうという21世紀型バンドになっています。

スピード感のある元気な曲から ミディアム・テンポの切なげな曲まで メロディーの良さはもちろん
全曲シングル・カットしてもおかしくないような 1曲1曲を上手く聴かせる構成力もバツグンだし
さらっと歌っているようで相当複雑なハーモニー・コーラスも素晴らしく 演奏も達者なバンドですよ。
メイン・ヴォーカルもクセが無くて聴きやすいし そんなんで当然メジャー感もある音です。

2008年に出た2nd「Join With Us」もこの1st同様のキャッチーさと若いヤング感が炸裂していましたが
ずーっとこの路線で行ったらマンネリ化して飽きられてしまいそうでもあるので次の3rdが勝負でしょうか。
ポップス職人バンドとしてXTCみたいになるのか あそこまで職人的にはならず適当な感じも出して
「バンド」である事をアッピールしていくのか あるいは全く別の展開があるのか・・・どんなタイプの音でも
コントロールして出せそうな凄い技を感じるバンドなので 今後何が飛び出すか楽しみですねぇ。

今後の展開も楽しみにしつつ 今はとにかくバカみたいにキャッチーな冒頭の3曲を聴きまくって
盛り下がった気分を盛り上げていくしかないので 皆で聴きまくってバカになりましょう。
 


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HalInner.jpg

HAL 「HAL」 (2005)
英 ROUGH TRADE RTRADLP160 (LP)


1 What A Lovely Dance
 2 Play The Hits
 3 Keep Love As Your Golden Rule
 4 Don't Come Running
 5 I Sat Down

B1 My Eyes Are Sore

 2 Fools By Your Side
 3 Worry About The Wind
 4 Satisfied
 5 Slow Down (You've Got A Friend)
 6 Coming Right Over

フィーリングを聴いていたら同傾向のサウンドのアイルランドのハルちゃんも聴きたくなりました。
愛情を込めて「ハルちゃん」と呼ばずにはいられないこの1stアルバムは一時期毎日のように聴いていて
CDのレヴューも以前書いておりますが 収録曲が同じでもLPとCDはまったく別物だ!の法則により
今回はLPなので全く別の作品のレヴューです・・・でも詳しい内容は以前のCDのレヴューを見てね!

で このLPはCDのレヴューを書いた直後に下北沢のジェット・セットで発見した中古盤。
LPで聴くハルちゃんは何か音がボケて聴こえ CDで聴いた方が良く聴こえるね!って事で
LPでは2〜3回しか聴きませんでした。 でもこの可愛い図柄のジャケットが大きなサイズで
所有できるという喜びは何物にも代え難いのさ!・・・という考え方がどう考えてもビョーキですけどね。

しかし最近はCDでも全然聴いてなかったなぁ。 ましてや扱いが面倒臭いLPなんかで聴くはずもなく
今回本当に久々に1年ぶりくらいに聴いてみたハルちゃん。 聴き過ぎて飽きてしまっている上に
音がボケているLPで聴くというチャレンジ! 果たして今の僕の耳にどう響くのか? さあどうなんだ?
・・・と これが凄く良かった! 最高でーす! 全曲一緒に歌いました。 泣きそうなくらい良いです。
ポップさが炸裂しまくって楽しくて気分が盛り上がる大名曲A2を筆頭にホント良い曲満載ですよ!

しかしハルちゃんはこのアルバムの後 音沙汰が無くなってしまい 今どーしているのでしょうねぇ。
ねえハルちゃん 世間から忘れ去られる前に早いとこ2ndアルバムを出しませんか?
A2「Play The Hits」やA4「Don't Come Running」級の元気が出る曲をたくさんブチ込んだ
2ndアルバムを出して閉塞感溢れる世の中の気分を盛り上げて欲しいね!
ハルちゃんにはその力がある! ハルちゃんならできる! 頑張れハルちゃん! そして頑張れ俺!

ハルちゃんのCDのレヴュー・・・第107号 2005/10/31 ヤングなロックで加齢臭をブッ飛ばせ!
 

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