美しく儚く響くフォークなんかを聴いていると あれこれと妄想が膨らみ
郷愁も感じたりして 気分は自分の内面へ内面へと向かって行きます。
英国フォークは暗い曲も多いしこのまま死んでしまいとさえ思う時もありますよ。
そんな時はヤングで元気なロックを聴いて内面へ向かった気分を治療しましょう。
いやぁ若いってイイね!ナウいね!・・・ちっきしょー!アッタマにきたので
ヤングなロックをもっとたっぷり聴いて若いエキスを激しく吸引 吸引です。
よーしこれでものすごい加齢臭を放っていてもヤング気取りで行けるぜ。 やった!



Hal.jpg

HAL 「HAL」 (2005)
日 FELICITY MTCD1056-7 (CD)

 disc one
 1 What A Lovely Dance
 2 Play The Hits
 3 Keep Love As Your Golden Rule
 4 Don't Come Running
 5 I Sat Down
 6 My Eyes Are Sore
 7 Fools By Your Side
 8 Worry About The Wind
 9 Satisfied
10 Slow Down (You've Got A Friend)
11 Coming Right Over
 disc two
 bonus tracks 
 1 Out Tonight
 2 Bicycle
 3 Softly Spoken
 4 (Leave You) Far Behind
 enhanced CD (video clips)
 1 Play The Hits
 2 What A Lovely Dance
 3 Worry About The Wind


何気なく試聴して良かったので購入したアイルランドの男性4人組ハル。 素晴らしい!
可愛らしいジャケットも良いし彼らを語る時は愛情を込めてハルちゃんと呼んでいますよ!
これは彼らのデビュー・アルバムで英盤はラフ・トレード・レーベルから出ておりますが
この日本盤CDはボーナス曲を本編と分離した2枚組でナイス!じゃないですか。
更にジャケットも紙ジャケにしたという体制で 良い仕事してますねぇー状態です。

彼らのサウンドは裏声を多用した複雑なコーラスが特徴的でペット・サウンズ以降の
ビーチ・ボーイズ風味を感じます。 メンバーに鍵盤奏者がいるのでキーボード類も
多用していますがキーボードはイヤーな感じでは入らないし またホーンやストリングも
聴こえてくるけどこちらもギター・サウンドに彩りを与えていますといった程度でしつこくなく
全体的な印象はほんのりとアコースティックな響きのあるギター・バンドですね。

しかし何だぁ エドゥイン・コリンズがプロデュースしたこの2曲目は・・・ホント最高だよ!
お気に入りのバンドがヒット曲を演奏して女の子は大騒ぎっていう内容の歌で
バカっぽくもあるのだけどこの躍動感とキャッチーさには参った! シャッポを脱ぎました。
何度も何度も連続で聴いてCDに合わせて一緒に歌ってシャッポを脱ぎました。

その他ちょっとトボけた雰囲気のあるギター・ポップの4曲目がまた楽しくて良いし
ゆったりと美しく流れ「フレンズ」期のビーチ・ボーイズを思わせる6曲目も魅力的。
切ないメロディーに涙が出そうになるミドル・テンポの胸キュン・ソング8曲目もあるし
シングルB面曲を収録しているというボーナス・ディスクではチャリーンと効果音入りの
「Bicycle」がサーカス小屋サウンドの3拍子でゆったりと流れて良いんだなぁ。

それにしても2曲目の「Play The Hits」はホントに僕の2005年のベストソングになりそう。
落ち込んでいてもこの曲を聴くと幸せな気分にさせてくれるという大名曲ですよ!
パイロットの「マジック」やホフディランの「スマイル」に並ぶ 聴くだけで幸せで楽しい
気分にさせてくれる曲シリーズの最高峰なのでニート症候群のそこのアナタも
さあチャレンジしてみよう! さて僕ももう1回聴いて加齢臭なんかブッ飛ばすぜ!

ヴォーカルの声もクセの無い声でとっつきやすいし 美しいメロディーを連発する楽曲の
キャッチーさがメジャー感も漂わせています。 今後大物になるかな? どうだろう。
 



LetsBottleBohemia.jpg LetsBottleBohemiaBack.jpg

THE THRILLS 「LET'S BOTTLE BOHEMIA」 (2004)
英 VIRGIN V2986 (LP)

A1 Tell Me Something I Don't Know
 2 Whatever Happened To Corey Haim ?
 3 Faded Beauty Queens
 4 Saturday Night
 5 Not For All The Love In The World

bonus 7"
 A City Of Long Nights
 B1 Our Wasted Lives
  2 You Can't Fool Old Friends With Limousines
  3 Found My Rosebud
  4 The Curse Of Comfort
  5 The Irish Keep Gate-Crashing


  B The Irish Keep Gate-Crashing (inst.)


こちらもアイルランドのバンド スリルズの2ndアルバムですよ。
彼らの1stはビーチ・ボーイズ風味とカントリー・ロック風味が同居したサウンドで
中々良かったのですが この2ndはビーチ・ボーイズ風味もカントリー・ロック風味も
後退していてちょっと期待していたのと違いました。 そんなんだったモンであれれ?
・・・と購入してから2〜3回聴いて ああスリルズ失速しちゃったなぁという印象でした。

後はほったらかしだったのですが ある日ちょっと聴いてみるかと盤に針を落としたら
これが良い! その後1stもかけてみて聴きくらべたら1stよりも良かったよー。
ああ僕は今迄何を聴いていたのでしょう。 これにはちょっとびっくりシャッポを脱ぎました。

サウンド的にはギターとピアノをメインにしたフォーク・ロックにその他の楽器が絡む感じで
全体的に疾走感があり前作以上にヤングでフレッシュで いやぁ楽しいアルバムです。
楽曲のメロディーも素直で無いようで実は素直なので一緒に歌えてしまうし
ちょっとハスキーなヴォーカルも前作以上にナルシスト入っていて絶好調ですね。

ストリングスが流麗に流れバーバンク・サウンドになっているA2やB5なんか最高だし
こちらもストリングス入りの切なく歌い上げるA5がまた胸に染みますねぇ。
そしてブッ飛ばしのロケンロールB1で「アホか?」って合の手が入ったと思ったら
オーソドックスで心地良いフォーク・ロック曲B2の出だしでも「アホか?」って歌ってるよ!
ちっきしょー! ホントこのアルバムは楽しいぜ! 聴くたびどんどん良くなってきたぞ。

オマケ7インチのA面はチープな感じのリズム・ボックスを使っているし
B面はバーバンク・サウンドなストリングスによるインスト曲でちょっと変化球ですね。
このインスト曲は本編の歌入りのB5とはまったく違う曲のように聴こえて面白いです。 

レコーディングにはヴァン・ダイク・パークス REMのピーター・バックらが参加していて
彼らは主にアメリカで活動をしているようです。 メジャー感も漂うし今後大ブレイクして
大物になっちゃうかも。 その時は思いっきりシャッポを脱がせていただきます。

1st「So Much For The City」のレヴュー・・・第73号
 



HorseFabulous.jpg HorseFabulousBack.jpg

THE STANDS 「HORSE FABULOUS」 (2005)
英 ECHO ECHLP64 (LP)

A1 Turn The World Around
 2 Soon Come
 3 Just Enough Love
 4 I Will Journey Home
 5 Back To You
 6 Mountains Blue And The World
   Through My Window
 B1 Nearer Than Green
  2 When The Night Falls In
  3 Bluer Than Blue
  4 Do It Like You Like
  5 You Said


英国はリバプールから登場したスタンズの2ndアルバムが出ましたよ。
彼らの1st「All Years Leaving」はシンプルで飾りの無い割とフツーのフォーク・ロックを
中心としながらも 男気香る雰囲気のカッチョ良さと バンドとしての一体感と
良いメロディー満載の楽曲の持つ普遍性でノックアウトなシャッポを脱ぐ傑作でした。

てな訳で相当期待して聴いたこの2nd。 2004年にライブを見た時最高にカッチョ良くて
シビれたあのドラムのアンちゃんが脱退したのも影響してか少々サウンドに変化が!
1曲目からホーンとストリングスとコーラス隊まで入って別のバンドみたいでドッキリですよ。
でもこの1曲目の素直で覚えやすいメロディーはレコードに合わせて一緒に歌えるし
最後にパッパラ・コーラスが繰り返され気分も盛り上がる事うけあいな名曲じゃないですか。

1stに入っていたようなシンプルなフォーク・ロック曲やロケンロール曲も入っていますが
全体的には1曲目に象徴されるようにホーンやストリングスが印象的に入っていて
カラフルなイメージが増しましたねぇ。 それにともなってメジャー感もアップですね。

男気なロケンロールのA2 B1 B4 といったあたりはは相変わらずカッチョ良いし
アコースティックな響でのどかに迫るA4 A5 もまた素晴らしいったらありゃしない。
越路吹雪が「ラストダンスは私に」を歌い出しそうなB2も楽しくて良いですねぇ。
哀愁のメロディーのインストのA6もメジャー感アップに貢献しています。
最初聴いた時はドッキリしたけど何度か聴いていたら1stに負けない良い曲満載ですよ!

確かB1は2004年に見たライブでも演奏していたような気が・・・この曲は僕が本作中
最も好きな曲で出だしのカチャカチャってゆーギターのカッティングで決まり!だし
ロケンロールのカッチョ良さとじわじわとサイケデリックな雰囲気でシャッポを脱ぎました。
ああ こーゆー曲を聴くとあのドラムスのアンちゃんの脱退が悔やまれますよ。
でもスタンズは良いメロディーを書けるという点があるのでメンバーが変わっても
サウンドが多少変化しても次から次へナイスなアルバムを届けてくれそうですね。

1st「All Years Leaving」のレヴュー・・・第98号
 


表紙へ戻る

inserted by FC2 system