過去に作ったページを見ていたら まとめて何枚もアルバムを紹介して
これは良い!凄い!と絶賛沙汰したにも関わらず
その後ほったらかし沙汰にある芸人の何と多い事。
これはイカンなぁと反省沙汰し その後出たアルバムをフォロー沙汰です。
・・・とザタザタ言ってみたけど 「沙汰」 って流行るかなぁ。
もうこの 「沙汰」 で今年の流行語大賞とるつもりになっているので
今後もサブリミナル効果を狙ってあらぬ所に無駄に 「沙汰」 を盛り込んでいくぜ! 
なお 「沙汰」 を最初に使い出したのは僕ではなくOくんで・・・彼は天才沙汰です。


MakeTheCowboyRobotsCry.jpg

BEACHWOOD SPARKS 「MAKE THE COWBOY ROBOTS CRY」 (2002)
米 SUB POP SPCD 593 (CD)

1 Drinkswater
2 Hibernation
3 Ponce De Leon Blues

 4 Sing Your Thoughts
 5 Galapagos
 6 Ghost Dance 1492


米国のビーチウッド・スパークスは第53号で1stと2ndアルバムを紹介沙汰。
これはその2ndの後発表された6曲入りミニ・アルバムになります。

2nd 「Once We Were Trees」 と比べるとカントリー・ロック風味は同じですが
軽快な曲は6曲目だけで後はゆったりとしたテンポの曲ばっかりです。
このバンド独特のサイケデリックな浮遊感を強調したようなアルバムですね。

ドラムレスの2曲目なんかはアシッド・フォークと言ってもいいような曲だけど
結果的にアシッド臭漂ってしまう天然系では無く 狙った音として響きますよ。
1曲だけ入ったロケンロールな6曲目も迫力無いし良く分かりません。

高い声質のヴォーカルは相変わらずへなちょこだったり美しかったりで
どの曲も悪い事は無いのだけど僕が期待をし過ぎだったのでしょうか。
彼らに魅力を感じていたスケールのでかさが後退してしまった感があり
聴きながら鼻血を流すような名曲の収録はありません。

でもダラダラとしていながらドラマティックな7分超の1曲目なんか凄い好きだし
前奏のグロッケンスピールが美しく響く3拍子のリズムの3曲目も良いなぁ。
キーボードの音が印象的な4曲目 のどかなバンジョーが鳴り響く
5曲目も良いし・・・と文句を言っても結局かなり好きなのですよ。

まあ まだ聴いた事の無い人はまず傑作2nd 「Once We Were Trees」 を
オススメします。 それでもっと聴いてみたいと感じた人は本盤もどうぞ。
・・・といったタイプのミニ・アルバム沙汰でした。

RainyDayMusic.jpg

THE JAYHAWKS 「RAINY DAY MUSIC」 (2003)
米  AMERICAN RECORDINGS/LOST HIGHWAY B0000080-01 (LP)

A1 Stumbling Through The Dark
 2 Tailspin
 3 All The Right Reasons
 4 Save It For A Rainy Day
 5 Eyes Of Sarahjane

B1 One Man's Problem
 2 Don't Let The World Get In Yor Way
 3 Come To The River
 4 Angelyne
 5 Madman

 C1 You Look So Young
  2 Tampa To Tulsa
  3 Will I See You In Heaven
  4 Stumbling Through The Dark (reprise)

 more rain (bonus tracks)

 D1 Fools On Parade
  2 Say Your Prayers
  3 All
The Right Reasons
  4 Caught With A Smile On My Face
  5 Tampa To Tulsa
  6 Waiting For The Sun


さて21世紀の米国カントリー・ロック業界 ビーチウッド・スパークスが出たら
第25号でアルバムを5枚も紹介したジェイホークスも登場させないといけません。
2000年に出た 「Smile」 に続く2003年作 「Rainy Day Music」 の紹介です。

本作のCDは初回盤だけボーナス・ディスク付きの2枚組でした。
LP待ちを決め込んでいたらその初回盤CDが市場から消え出したもんで
手遅れにならない内に購入しないと!とCDを購入してずっと聴いておりました。
この間新品LPがディスク・ユニオンで値下げされて1500円で置いてあるのを目撃。
ボーナス曲も入っていたしやっぱりLP欲しー!と発作が出てしまいLP購入です。

これがねぇ シンプルなジャケットがCDだと地味でつまんないねぇと思っていたけど
LPの大きなジャケットはかーなり良いのです。 いやマジでかーなり良いですよ。
CDからLPへ逆買い替え作戦に大成功だ! わーい やった!やった!
・・・と大騒ぎしてはみたものの冷静に考えると内容が同じなのに買い換えて
ムダに金を使ってなんか意味があんのか?とふっと思いますねぇ。
でもレコード屋で発作が起こったら最後 もう購入しか処方箋はありません。
そんな治療法しか持ちあわせていない僕はビョーキです。 もう廃人です。

のどかなバンジョー&タンバリン&大らかなコーラスで迫るA1から ぐわぁーっ!
バンジョー・ロール炸裂の軽快なカントリー・ロック曲A2で うぎゃー!ぬおーっ!
サビの 「テイルスピィーン」 って一緒に歌いながら鼻血流していました。
全体的にアコースティックな響きを大事にしたフォーク・ロック作品って感じですが
エレキでロックな曲もあるしカントリー・ロック風味も所々まぶされて
アメリカン・ルーツ・ロックの王道を行くアルバムになっております。 いやぁ良い!

本編全体が素晴らしい事になっている上にボーナス曲ももちろん素晴らしいです。
本編にも収録されているD3とD5はアコースティック・ヴァージョンになっています。
ライブ音源のD6はバンドの中心人物ゲイリー・ルーリスが弾き語り沙汰です。

WordsOfWisdomAndHope.jpg

TEENAGE FANCLUB & JAD FAIR 「WORDS OF WISDOM AND HOPE」 (2002)
英 GEOGRAPHIC GEOG14LP (LP)

A1 Behold The Miracle
 2 I Feel Fine
 3 Near To You
 4 Smile
 5 Crush On You
 6 Love Will Conquer

 B1 Power Of Your Tenderness
  2 Vampire's Claw
  3 Secret Heart
  4 You Rock
  5 Love's Taken Over
  6 The Good Thing


さて前項のジェイホークスをレヴューした第25号では
スコットランドのティーンエイジ・ファンクラブと一緒に並べて紹介して
この2バンドは互いを意識して同じ時期にアルバムを出すライバル関係だ!
と書いたのですが あれを書いた後どうやら和解が成立したようですね。
あのまま血みどろのライバル関係が続いていたら殺傷沙汰もあリ得たので
ティーンエイジ側が違う方向性でアルバムを出して和解してくれてホッとしています。

はい そしてこれがティーンエイジ側からの和解アルバムです。
ティーンエイジはバックの演奏だけでヴォーカルはジャド・フェアーが歌っています。
ジャドの語り系へなちょこヴォーカルが全編を覆いワールドが出来上がっていて
これはジャド・フェアーの作品と位置付けた方がいいようなアルバムですね。

作曲はティーンエイジが担当して詞をジャド・フェアーが書いているようですが
ティーンエイジが得意とする美しいメロディーはジャド・ワールドにかき消され
最初聴いた時は何じゃこりゃ?どーしてくれるんだ!と思いましたよ。

しかし僕はへなちょこヴォーカル好きという危険な持病もあるモンで
何度か聴いている内にこのすっとんきょうな歌声が心地良く響くという症状が・・・

バックの演奏はギター ベース キーボード ドラムスといったロック基本楽器で
最近のティーンエイジの単独作にあったストリングス入りの曲などはありません。
アコースティックな響きを持った穏かな表情の曲もあるけれど
全体的にエレキ・ギターが元気な曲が多くなっています。
僕が好きなのはA2 A3 A5 B1 B2 B6といったところですね。 

ティーンエイジは本作の後 2003年に新曲も数曲入ったベスト盤を発表。
ここでひと区切りっていう事でしょうか。 ナウいヤングからオヤジ世代の人から
僕のような末期症状患者まで楽しめるバンドなので今後更に楽しみ沙汰ですね。

TheLastGreatWilderness.jpg

THE PASTELS 「THE LAST GREAT WILDERNESS」 (2003)
英 GEOGRAPHIC GEOG18LP (LP)

A1 Wilderness Theme
 2 Winter Driving
 3 Vincente's Theme
 4 Flora's Theme
 5 Charlie's Theme

 B1 Everybody Is A Star
  2 Flora Again
  3 Dark Vincente
  4 Wilderness End Theme
  5 THE NU FOREST I Picked A Flower


前項のティーンエイジ・ファンクラブ&ジャド・フェアーのアルバムにはパステルズの
カトリーナ・ミッチェルが数曲ヴォーカルで参加し良い効果出していました。
次はそのパステルズです。 第64号で大特集を組んで以来久々の新作ですねぇ。

スコットランド仲間のティーンエイジとパステルズは1980年代から交流があったけど
本作ではジオグラフィックというレーベルも一緒になっています。
そしてパステルズ&ジャド・フェアー名義のシングルなんてのもかつて出ていたし
ここら辺のお友達人脈は追って行くとけっこう面白いです・・・僕は深く追わないけどね。
あ なおジャド・フェアーはアメリカ人沙汰でスコットランド仲間じゃないけど
類は友を呼ぶ沙汰なのでしょうね。

本作は久々の新作といっても映画のサウンド・トラック盤になっていてインスト中心。
演奏もパステルズのステファンとカトリーナ2人だけでやっている訳じゃなく
これってパステルズのアルバムなのかな?って感じもありますが1997年の
「ILLUMINATION」 からの流れを感じる隙間のある落ち着いた美しい音ではあります。
お友達人脈でティーンエイジのジェラルド・ラブもクレジットされていますね。

ヴォーカル入りはB1とB5だけでB1はカトリーナ・ミッチェルがメインに歌います。
「The Nu Forest」 というバンド名義によるB5は本作中唯一軽快なポップ・ソングで
ジャーヴィス・コッカー(パルプの人らしい)がヴォーカルをとっています。
といっても 「The Nu Forest」 の実態はパステルズとその仲間達ですね。

しかしへなちょこ度が高いアマチュア・レベルのバンドだと思っていたパステルズが
サントラ盤を手がけるまでになるとは・・・へなちょこな香りはそのまま残っているのに
プロフェショナルな音になっているのが凄いですねぇ。
睡眠導入剤として聴きたいどこまでも美しい1枚なので是非お試しあれ。

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