第203号 魅惑のエイティーズ・トゥエルブ・インチ・シングル

1980年代は12インチ・シングル全盛の時代だったので
僕も12インチ、たくさん買ったけれど、たくさん処分もしてしまいました。
そして今、残っている12インチを見てみると・・・何と!
・・・おっと!これ以上は、今は言えません。
読み進むとその驚きの秘密が明らかになります。


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THE BLUEBELS
「ALL I AM (IS LOVING YOU)」 (1985)
英 London Records LONX 58 (12")

A1 All I Am (Is Loving You)

B1 The Ballad Of Joe Hill
B2 South Atlantic Way (Full)

スコットランドのブルーベルズ!ブルーベルズは本当に大好きなバンド!大好き!
彼らの曲はどれも一緒に歌いたくなるようなキャッチーな曲ばかりだけど
このラスト・シングルも、ブルーベルズらしいグッド・メロデイーに溢れ、キャッチーです。

A面曲「All I Am (Is Loving You)」は、少々憂いのある名曲「I'm Falling」の雰囲気に
楽しげな名曲「Young At Heart」をほんのり振りかけたような曲で・・・つまり名曲!
いつも通り、サビで曲タイトルを繰り返すパターンで・・・つまりブルーベルズ節!

この曲は、アルバム「Sisters」発表後のシングルなので、アルバムには未収録。
編集盤CD「シングルズ・コレクション」にも収録時間の関係なのか、入っておりません。
つまり、ここでしか聴けないので、このシングルを手放す事はできませんよね。

A面曲はこの時期の12インチならではのロング・ヴァージョンで収録されています。
わざわざ、そういうヴァージョンを作るあたりが1980年代なんだよなぁ。
まあ、ロング・ヴァージョンといってもそこまで長くなく、そこまで変なミックスではないけど
やっぱり加工されていない通常の7インチ・ヴァージョンの方が好きですね。

B面1曲目はトラッド曲で、ブルーベルズはこういったトラッド〜フォーク色強い曲も
けっこうやっています。アルバム1枚とシングル数枚しかリリースしていないのに
トラッド〜フォーク色のある曲は何気にけっこうあって、この路線も魅力のひとつです。
このB1「The Ballad Of Joe Hill」もアルバム、編集盤には未収録です。

B面2曲目はアルバム「Sisters」にも収録されていて、曲名の後ろに(Full)ってあるけど
アルバム・ヴァージョンとの違いがわからない・・・とにかくパーカッションが大暴れで
盛り上がる熱血系ナンバーで、ホント、盛り上がるなぁー。ブルーベルズ最高っす!

ブルーベルズを書いたページ
「Sisters」・・・第73号 ヤング・サウンド炸裂にキクチくんも赤面
「Second」・・・第95号 おーいキクチくーん!マックラスキー・ブラザーズだよー
「Exile On Twee Street」・・・第191号 スコットランドから愛を込めて
 


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THE MONOCHROME SET
「WALLFLOWER」 (1985)
英 BLANCO Y NEGRO NEG 12T (12")

A1 Wallflower (Saloon Bar Mix)
B2 Big Ben Bongo

B1 Wallflower (Public Bar Mix)
B2 Take Foz

モノクローム・セット!英国バンド、モノクローム・セットは本当に大好きなバンド!大好き!

「Wallflower」という曲はアルバム「The Lost Weekend」にも収録されていて
彼らの曲の中でも、1、2、を争うキャッチーさがあり、疾走感のある明るい曲です。

そんな「Wallflower」の12インチは、この時代ならではの、変なヴァージョン2曲入りだぁ!
・・・が、B1の「パブリック・バー・ミックス」はアルバムに収録されている
通常ヴァージョンと同じっぽいけど・・・僕の汚れた耳では違いがよくわからないです。
あと、スパイ映画サントラ風の妖しげ系インストB2も、アルバムに入っています。

そして、A1の「サルーン・バー・ミックス」の方は、通常ヴァージョンと歌い方が違うし
ミックス違いというより、全くの別演奏ヴァージョンと思った方が良いでしょう。
間奏ではバイオリンが飛び出したりして、面白い事になっていますよー。

で、A2こそA1の「サルーン・バー・ミックス」をインストにした本当のミックス・ヴァージョン!
・・・と、1980年代の12インチ・シングルならではの変な事をやっていますね。
うーむ、ここでしか聴けないA面の2曲・・・やはりこの12インチも手放す事はできません。

モノクローム・セットを書いたページ
「White Noise」・・・第195号 それでも聴きたい発掘音源
 


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THE JUNE BRIDES
「THIS TOWN E.P.」 (1986)
英 In Tape ITTI 030 (12")

A1 This Town

B1 Cold
B2 Just The Same

ジューン・ブライズ!英国バンド、ジューン・ブライズは本当に大好きなバンド!大好き!
バンド名が良い!ジャケットが良い!収録曲が良い!という事でこの12インチも手放せません。

このバンドの特徴は、へなちょこなヴォーカル、疾走感のあるカッティング・ギター
トランペット入り!ヴィオラも入る!・・・というギター・ポップなのですが、A面曲の「This Town」は
その要素のすべてが理想的な形で詰まった、彼らの最高曲ではないでしょうか。

B面の2曲もこれぞジューン・ブライズ!なジューン・ブライズ・サウンドで最高!
B2の高速カッティング・ギターとか絶対盛り上がるヤツで、今、正に盛り上がって聴いています。
全曲アルバム未収録・・・といっても、唯一のアルバムも8曲入りでミニ・アルバム的なヤツです。

中心人物のフィル・ウィルソンのソロ作を書いたページ
Phil Wilson 「God Bless Jim Kennedy」・・・第188号 1980年代英国ロックの青春が再びよみがえる
 


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COCTEAU TWINS
「THE SPANGLE MAKER」 (1984)
英 4AD BAD 405 (12")

A1 The Spangle Maker

B1 Pearly-Dewdrops' Drops
B2 Pepper-Tree

コクトー・ツインズ!コクトー・ツインズは本当に大好きなバンド!大好き!

スコットランドで結成されたコクトー・ツインズはアルバムとシングルは別物!
という感じのリリース体制になっていて、こちらの1984年作も全曲アルバム未収録です。

また、4ADレーベルはジャケットも統一感があって素敵なのも手放せない要因のひとつ。
おかげで、コクトー・ツインズは12インチ、7〜8枚は所有しています。手放せない・・・

そしてこの作品は7インチと12インチがあり、7インチだとA面が「Pearly-Dewdrops' Drops」
12インチだとA面が「The Spangle Maker」で、7インチと12インチでA面曲が違うのです。
なので、この作品を語る時、どっちのタイトルで語ればいいんだ?と、全員混乱中です。

このシングルからベースにサイモン・レイモンドが加入し、初期よりメロディアスになり
美しさとヒステリックさが同居するエリザベスのヴォーカルも完成しているし
溜めて溜めて、最後に爆発するA面。2曲連続で8分の6拍子(!)で迫るB面・・・と
とにかく3曲とも圧倒的に素晴らしく、圧倒的に感動する作品になっています。

そしてこの素晴らしいシングルの次に、名作3rdアルバム「Treasure」が出ます。
このシングル以降、4AD時代の作品は全部素晴らしくて、ハズレは無いですね。
フォンタナ移籍後は、まあまあ・・・って感じかな?
 


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VIRGINIA ASTLEY
「DARKNESS HAS REACHED ITS END」 (1985)
英 WEA Records YZ 53T (12")

A1 Darkness Has Reached Its End

B1 Shadows Will Fall Behind
B2 Darkness Has Reached Its End (Instrumental Version)
B3 The End Of Time

英国の女性シンガー・ソングライター、ヴァージニア・アストレイ!大好き!

表ジャケットに歌詞がビッシリと書かれたこのシングルA面は
アルバム「Hope In A Darkended Heart」のB面最後を飾っていた名曲ですね。
12インチ・シングルではかなり長くなったロング・ヴァージョンで収録されていて
まるで讃美歌かのような、この3拍子の美しい曲がたっぷり聴けるのです!

このロング・ヴァージョンは悪くない・・・というか、かなり良くてねぇ。
ヴァージニアのエンゼル・ヴォイスに子供コーラス隊なんかも入って感動の展開!
田園ポップスで、室内楽ポップスで、クラシカルな響きで
彼女の最高峰の超ド級の名曲「Tender」に匹敵するド級の名曲ですね。

B1も素敵なヴォーカル入りの室内楽ポップス。B2は表題曲のインスト・ヴァージョン。
B3は夕暮れの英国庭園へ導いてくれるクラシカルなインスト・・・うーん、素敵過ぎる!
このB3はEP「Melt The Snow」にタイトル無しで収録されていましたね。

・・・と、トータルの収録時間もけっこう長くて、充実の全4曲!
ジャケットの色味も地味だし、隙間でリリースされた感じの地味な存在の1枚ですが
これは輝いています。こんな輝きを放つ作品は手放せませんよ。

ヴァージニア・アストレイを書いたページ
シングル「Tender」・・・第3号 女性ヴォーカルの魔力に廃人寸前
「From Gardens Where We Feel Secure」・・・第89号 鳥のさえずりに興奮、そして昇天
 


Fiesta.jpg FiestaBack.jpg
THE POGUES 「FIESTA」 (1988)
英 Pogue Mahone Records FG2 12 (12")

A1 Fiesta

B1 South Austraria
B2 Sketches Of Spain

英国バンド、ポーグス!素晴らしい!大好き!

こちら、アルバム「If I Should Fall From Grace With God」(1988)からの第3弾シングル。
この時期のポーグスは絶好調で、曲良し、演奏良し、捨て曲無しで勢いがあります。

A面のバカみたいに盛り上がるパーティー・ソング「Fiesta」は、ブラス隊が大暴れして
スパニッシュでパンカビリーでマリアッチでウギャーと叫ぶ最高な曲です。もうホント最高!

で、このA面曲、そこまでの変化のあるヴァージョンではありませんが
アルバムに収録されているのとはブラスの入り方が違う別ヴァージョンなのです。
ヴォーカルはシェイン・マガウアン(僕は今までマッガワンと書いていましたが・・・)。

B1はトラッド曲をパンキッシュに決めてディス・イズ・ポーグス!なサウンド。
ヴォーカルはテリー・ウッズ・・・なのでしょうか?(テリー・ウッズの声に聴こえます)
A面「Fiesta」も運動会の競技中に流すと盛り上がる曲ですが、B2も借り物競争
(今やそんな競技やらないか・・・)のバックに流したら最高のインスト、ジェム・フィンナー作。

B面2曲もアルバムには未収録なので、全曲アルバム未収録ヴァージョン&未収録曲で
やっぱりこれも手放す訳にはいかないですね。とにかく盛り上がる1枚ですよー。

ポーグスを書いたページ
「Pogue Mahone」・・・第5号 男臭ーい英国バンドたち
「If I Should Fall From Grace With God」・・・第85号 1988年、僕の心はアイルランドへ
「Red Roses For Me」・・・第176号 制服から放たれるスターのオーラがまぶしくて・・・夏
 


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RED BOX 「CHENKO」 (1983)
仏 Cherry Red Records 12 CHERRY 73 (12")

A1 Chenko (Pow-Wow Press)

B1 Valley

ChenkoTenkaIo.jpg ChenkoTenkaIoBack.jpg
RED BOX 「CHENKO (TENKA-IO)」 (1987)
米 Sire Records 0-20785 (12")

A1 Chenko (Tenka-Io) (No Reservations Mix)

B1 Speeches
B2 Heart Of The Sun (Slash And Burn)

英国のレッド・ボックス!素晴らしい!シングルもたくさん持っています。大好き!

ご存知のように、1980年代のレッド・ボックスは、どの曲を聴いても素晴らしい訳ですが
チェリー・レッドからのデビュー曲「Chenko」も、ジャケット・デザイン含め
ネイティブ・アメリカン魂(?)が炸裂する哀愁のメロディーや印象的に入る大合唱隊など
素晴らしい事になっていますね。12インチは7インチとは違うロング・ヴァージョンだし
B面の「Valley」もあなたの心に突き刺さりまくる感動的な名曲!これは聴かないと損をします。

そして1986年の傑作1stアルバム「The Circle & The Square」にも「Chenko」は収録されますが
新録ヴァージョンになっていました。つまり「Chenko」のシングルは手放す事ができませんよ。

・・・と思ったらアルバム発表後に「Chenko」は再度シングル・カットされ、またまた別ヴァージョン!
この1987年版はアルバムに入っていたヴァージョンを元にしたリミックスなのかな?
色々と加工されてしまっていて、1980年代らしいつくりのロング・ヴァージョンになっています。
手元にあるのはアメリカ盤(英国盤も存在します)ですが、カタログ番号がつまらん・・・喝!

B面は2曲とも既発曲で、B1はシングル「Saskatchewan」のB面に入っていた曲。
B2はシングル「Heart Of The Sun」の12インチ・シングル・ヴァージョンと同じです。
という事で、A面の変な加工されたロング・ヴァージョンを聴くために所有している訳ですが
果たして、そんなにしょっちゅう聴くのか?と問われたら・・・まあ、聴きませんけどね!

というか、レッド・ボックスに限らず、1980年代の12インチ・シングル全般でも
どれをとっても、そんなにしょっちゅう聴きませんけどね!
なので、できれば手放して、レコード棚にスペースを作りたい・・・が、どうしても手放せない。
手放すどころか、持っていないシングルを見つけたら買っちゃう勢いです。

実際最近、12インチ・シングルの中古盤を買ってしまった・・・それも2枚も。
価格は、2枚とも納得の安さで購入できたけれど・・・もうしばらく聴かないかも。
・・・と、なるのも分かっていながら、買ってしまった・・・2枚も・・・トホホ。

レッド・ボックスを書いたページ
「The Circle & The Square」「Saskatchwan」・・・第8号 死ぬ程名曲サスカッチェワンを求めて
「Motive」・・・第153号 カス盤価格でつかまえて
「Plenty」・・・第188号 1980年代英国ロックの青春が再びよみがえる
「For America」・・・2012年5月27日更新の表紙
 

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