これは大事件! ヴァシュテイ・バニヤン35年ぶりの2nd「ルックアフタリング」が
発表されてしまうという2005年最大の事件が起きてしまいました。
それに伴って各音楽雑誌もこぞって彼女のインタヴューを載せていたようだし
ネット上の音楽ページでもびっくりする程皆さんこのアルバムを紹介していて
僕がしょーもない事書いてお茶を濁す事もないかなぁと思っていたのですが
やっぱり悔しいのでひとこと言わせてもらいます。
ねえ 母さん いいだろう ひとこと言わせてもらっていいかな? いいともー!


 
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VASHTI BUNYAN 「JUST ANOTHER DIAMOND DAY」 (1970)
米 DiCristina STEP04 (LP/2005)

A1 Diamond Day
 2 Glow Worms
 3 Lily Pond
 4 Timothy Grub
 5 Where I Like To Stand
 6 Swallow Song
 7 Window Over The Bay
B1 Rose Hip November
 2 Come Wind Come Rain 
 3 Hebridean Sun
 4 Rainbow River
 5 Trawlerman's Song
 6 Jog Along Bess
 7 Iris's Song For Us
 bonus 7"
 A1 Love Song
  2 I'd Like To Walk Around In Your Mind
 B1 Winter Is Blue
  2 Iris's Song (version two)

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「ルックアフタリング」を語る前にまず「ジャスト・アナザー・ダイヤモンド・デイ」を
語らせて欲しいのですが・・・いいかなー? いいともー! そうですねー!

という事でヴァシュティ・バニアンの1st「ジャスト・アナザー・ダイヤモンド・デイ」は
あまりにも素晴らし過ぎで もうため息しか出ない程儚く美しい奇蹟的な響きの作品です。
このアルバムは当ページ3度目の登場で極めて異例ではありますが
この度目出度く7インチ付き再発LPを入手したのでまたまた登場させてしまいました。

このLPは「ルックアフタリング」の米国盤CDと同じ米ディクリスティーナ社製品で
ジャケットを見ているだけでも昇天しそうなのに それがCDよりデカいサイズの
LPで所有できてしまうなんて! もう後は狂喜乱舞で踊り死にする位しかありません。
犬が先導して馬車がゆらゆらと進んで行く図の見開き内側にも誰もが鼻血ブーだし
フィドルを弾くヴァシュティ様のスリーブ付きの7インチにも鼻血がタラーリですよ。

ボーナス7インチも含め収録曲は現行のCDと一緒ですがLPなのでAB面があり
盤をひっくり返す作業で一旦流れが止まり B面から新たな流れが始まりますねぇ。
B面の最初が圧倒的な哀しみを纏った「Rose Hip November」なのがたまらないし
聴くだけでいてもたってもいられなくなる「Rainbow River」があぁ!・・・ああどうしよう。

ちっきしょー! もうしつこく何度も言っていますが これはまた言うしかないな!
もしこの音を真似て同じようなサウンドを作ったとしてもここに流れる空気感は
絶対再現不可能な奇蹟的な響きがあり その空気感でアルバム全体を感じてもいいし
また1曲1曲単独で聴いても曲の粒の揃い方がハンパじゃなく素晴らしいです。
このような作品がこの世に存在している事自体が夢のような信じ難い出来事なのに
平気でそこら辺で売っていて購入したら聴けてしまうなんて凄い事ですよ。

まだ聴いた事の無い人はダッシュで購入して聴いてください。 これは義務です!
もし購入して聴いたけれどアナタの耳に素晴らしい音として響かなかったとしても
一生の内に聴ける音楽の数なんて限られているので 聴かずに死んでしまうより
聴いておいた方が良いに決まっているんだから! 正にこれを聴いて死ね!ですよ。

以前本作は200回聴いたと書きましたが その後も聴き続けているので
聴いた回数は300回くらいになったかなぁ。 ああ死ぬ迄にあと何回聴けるのだろう。
さて今夜も盤に針を落として 流れてきました 笛の音と優しい歌声・・・ラーラララって。
ああ・・・何度聴いても奇蹟的に響きます・・・というか奇蹟です・・・ため息・・・。

過去の「Just Another Diamond Day」のレヴュー
カナダMYSTIC DIVA盤CD・・・第13号 2000/5/1 そそるジャケットに社会復帰不可能状態
英SPINNEY盤CD・・・第22号 2000/9/24 遂に出ましたヴァシュティ様の正規盤CD
 



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VASHTI BUNYAN 「LOOKAFTERING」 (2005)
米 DiCristina STEP06 (CD)

1 Lately
2 Here Before
3 Wayward
4 Hidden
 5 Against The Sky
 6 Turning Backs
 7 If I Were
 8 Same But Different
  9 Brother
 10 Feet Of Clay
 11 Wayward Hum


そして「ルックアフタリング」! フリー・フォークなヤング芸人が(発売レーベルも含めて)
バック・アップしているって事と 英国フォークの伝説の人の35年ぶりの2ndって事で
ナウい音楽に敏感なヤングな若者も ナウい音楽に鈍感な脂ギッシュなオヤジも
どちら側の立場からも話題性はバツグンで 興味深く聴ける作品になっております。

本作の音は 歌声は多少ババア度アップしていますが1970年当時と変わらない
ウイスパー・ヴォイスが全開だし バックの音もドラムレスでアコギやピアノに管楽器や
ストリングスやグロッケンスピールやハープやらが乗っかる美しい室内楽フォーク風味。
ホント「ジャスト・アナザー・ダイヤモンド・デイ」とそっくりな音でびっくりですが
これが自分自身のパロディーのように聴こえてしまう瞬間もありますねぇ。
ただピアノを基調にした曲が多くなったので変わっていないようで変わっていますね。
癒し系としても有効で「世界の車窓から」のバックで流れちゃうような雰囲気もあります。

・・・と「ジャスト・アナザー・ダイヤモンド・デイ」に対する思い入れが激しいので
どーしても比べてしまってマイナス・ポイントも探したくなってしまうのですが
結論を言うと「ルックアフタリング」は滅茶苦茶良いです。
特に楽曲のメロディーが際立っている3 4曲目あたりでホント気絶しそうになりました。
1曲目から最後の3曲目のハミング・ヴァージョン11曲目まで素晴らしさパーフェクツ!

思い入れを差し引いて2005年に購入した全アルバムを見回してみても
CD時代になって復活した何人もの英国フォークの芸人さんの復活作と比べてみても
凄い勢いで様々な風景を想像させてくれる大傑作! もーどしよーもなく大傑作です。

てな訳でこちらもまだ聴いた事の無い人は これを聴いて死ね!って事で
ダッシュ購入が義務づけられているので スンゴいスピードで走ってください!

僕はまだ30回しか聴いていないけど「ジャスト・アナザー・ダイヤモンド・デイ」と同様に
古臭さを感じず何度もしつこく聴ける作品なので10年後には300回聴いているかなぁ。
その時「ジャスト・アナザー・ダイヤモンド・デイ」は1000回聴いていないといけませんね。
しかし本作はCDしか存在しないのが残念。 その内LPも出るといいな。 LP欲しい!
 



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DEVENDRA BANHART
「REJOICING IN THE HANDS OF THE GOLDEN EMPRESS / NIÑO ROJO」 (2004/2004)

米 YOUNG GOD YG26 (LP/2004)

rejoicing in the hands of the golden empress
A1 This Is The Way
 2 A Sight To Behold
 3 The Body Breaks
 4 Poughkeepsie
 5 Dogs They Make Up The Dark
 6 Will Is My Friend
 7 This Beard Is For Siobhan
 8 See Saw
 9 Tit Smoking In The Temple Of Artesan Mimicry
B1 Rejoicing In The Hands
 2 Fall
 3 Todo Los Dolores
 4 When The Sun Shone On Vetiver
 5 There Was Sun
 6 Insect Eyes
 7 Autumn's Child
 8 Poem 1 (bonus track)
 niño rojo
 C1 Wake Up, Little Sparrow
  2 Ay Mama
  3 We All Know
  4 Little Yellow Spider
  5 A Ribbon
  6 At The Hop
  7 My Ships
  8 Noah
  9 Sister
 D1 Water May Walk
  2 Horse Headed Flesh Wizard
  3 An Island
  4 Be Kind
  5 Owl Eyes
  6 The Good Red Road
  7 Electric Heart
  8 Poem 2 (bonus track)


ヴァシュティ・バニアン復活劇にあたっては若手芸人たちが後押しをした訳ですが
彼女は「ルックアフタリング」が発表されるまで まるでリハビリでもするかの如く
それらの若手芸人の作品に参加したりして歌声を響かせていたのでした。
何作かの参加作がある中最も強力なのはアニマル・コレクティヴのEPなのでしょうが
僕はそちらは未所有なので この米国芸人デヴェンドラ・バンハートのLPを紹介します。

これは元々CDで別々に発売されたアルバム2枚を合体した2in2体制のLPですが
両アルバムともサウンドの違いがそれ程無いので連続聴きしても違和感はありません。
なお両アルバムとも単体のLPは存在しないようですねぇ。

問題のヴァシュティ参加曲はB1で この曲は演奏時間が約1分30秒と短いし
終始デヴェンドラ・バンハートとヴァシュティが同じメロディーを一緒に歌っていて
ヴァシュティの儚い歌声が単独で聴けないのでちょっと残念ではありますね。
しかし「ジャスト・アナザー・ダイヤモンド・デイ」に通ずる可愛らしい子守唄フォークで
2枚聴き通しても全34曲中最も印象に残る曲の内の1曲です。 あぁー良いなぁ。

その他の曲はアコギによる弾き語りフォーク曲が中心で パーカッションなどが
入る曲もあり 多少風変わりで変ではあるけど まあすんなりと聴ける音ではあります。
ただしデヴェンドラ・バンハートってゆー人は風貌も含めてヒッピー度が高く
インクレディブル・ストリング・バンドを思わせる部分もあるし 必要以上にビブラートし
コロコロ回るイヤーな感じのヴォーカルはマーク・ボランのようでもあり
ティラノザウルス・レックス度も高くなっているのでダメな人はダメかもね。

・・・とインクレもティラノザウルス・レックスも好きな僕はまあフツーに聴けるのですが
はっきし言って まともな音楽ファンは手を出してはいけない芸人さんですね。
購入したら後悔しますよ! 何じゃこりゃ? 金返せー!の確率85パーセントです。

そう 最近こーゆーフリー・フォークと言われる音楽が静かなるブームのようですが
表面的にも聴きづらいのが多いし 内面的にも心に訴えてくれるヤツは少ないです。
でもやはり一生の内に聴ける音楽なんて限られているので ヴァシュティ参加作って事で
もし少しでも気になったらチャレンジ購入でしょう。 正にこれを聴いて死ね!ですよ。
 


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