素敵な女性のジャケット写真は見ているだけで興奮します。
ここに紹介する盤は みんなフォーク系の音だし
ジャケットと音楽 両方素晴らしいのだー。



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 MARIANNE FAITHFULL 「COME MY WAY」 (1965)
 英 DERAM 820 629-2 (CD/1991)
  1 Come My Way version 1
  2 Jaberwock
  3 Portland Town
  4 House Of The Rising Sun version 2
  5 Spanish Is A Loving Tongue
  6 Fare Thee Well
  7 Lonesome Traveller
  8 Down In The Sally Garden
  9 Mary Ann version 1
 10 Full Fathom Five
 11 Four Strong Winds
 12 Black Girl
 13 Once I Had A Sweetheart
 14 Bells Of Freedom
 15 Blowin' In The Wind
 16 Et Maintenant (What Now My Love ?)
 17 That's Right Baby
 18 Sister Morphine

マリアンヌ・フェイスフルのデビュー・アルバムは2枚同時発売で
今回紹介するのは フォーク・ソングを歌ったアルバム。
もう1枚はヒット曲 As Tears Go By を収録したポップス・アルバムでした。
音楽は両方とも好内容ですが CDのジャケットはこっちの勝ちですね。
バックの青空 満面の笑顔 揺れる金髪。 これはたまりません。
裏ジャケに挿入された写真なんか めちゃくちゃ可愛いぞ。
袖の白いレースに失神しそうです。

彼女の声は今ではしわがれて 渋くて味わい深い喉を響かせているけど
ここでは今や聴く事のできない伸びやかな高音を聴く事ができます。
決してうまくはないけど なんて愛らしい歌声なんでしょう。
僕は何といっても 8曲目 サリー・ガーデン。
色々な人がやってる曲だけど しみじみ いい曲だと思います。

音は1965年という時期にありがちなアメリカ的なフォーク・サウンドが基本。
でも ここに流れる空気には明らかに英国を感じますね。
その要因は何だと言われると難しいのですが・・・。
クラッシック・ギターとダブル・ベースの音色のせいでしょうか。

15〜18はCDのボーナス・トラック。
15 16 17はアルバム発表時期前後の曲ですが
18だけは1969年の録音。 ミック・ジャガー&キース・リチャーズ作で
これは破滅に向かって一直線の時期ですね。
タイトルも凄いし・・・声もすでに枯れ始めています。



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 NICO 「CHELSEA GIRL」 (1968)
 英 POLYDOR/MGM 2353 025 (LP)
 A1 The Fairest Of The Seasons
  2 These Days
  3 Little Sister
  4 Winter Song
  5 It Was A Pleasure Then
 B1 Chelsea Girls
  2 I'll Keep It With Mine
  3 Somewhere Ther's A Feather
  4 Wrap Your Troubles In Dreams
  5 Eulogy To Lenny Bruce

ドイツ人のニコ(諸説あり)。 この1stの物憂げな表情はそそります。
彼女は見る角度によって美人に見えたり ブサイクに見えたりしますね。
裏ジャケ写真は本当に同一人物か?状態なので 載せるのをやめました。

彼女はベルベット・アンダーグラウンドの1stに参加し
Femme Fatale や I'll Be Your Mirror といった傑作曲でヴォーカルをとっていました。
声は舌足らずで 音程も不安定なんですが 低い声質のせいで
ロリータ・ヴォイスにならず むしろ大人の女の雰囲気があります。

このアルバムはアメリカ制作で 収録曲もルー・リード ボブ・ディラン
ジャクソン・ブラウン ティム・ハーディン等米国産の曲中心なのですが
空気は思いっきり 理想的な非トラッド系英国フォークです。
悲しげなギターのサウンドを基本に ストリングスやフルートが絡み
美しいメロディーがはかなさを演出するっていうのは
僕が何度も書いてきた必殺パターンだけども
そのようなサウンドの英国フォークの登場は1970年代になってからなので
もしかすると1968年のこのアルバムが手本になったのかも知れません。

ディープな英国フォーク・マニアの人はこのアルバムをどう思っているのでしょう。
紹介される時の文脈が違うので聴いた事すらないのでしょうか。
僕にとってはアメリカ産ブリティッシュ・フォーク(?)の傑作となっています。

彼女は1988年に死亡しており この素晴らしいアーティストは
伝説化して行く事でしょう。 そして音楽はより一層美しく響きます。



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 IDHA 「TROUBLEMAKER」 (1997)
 英 CREATION CRELP 184 (LP)
 A1 Sorry Sorry
  2 Always Been With You
  3 Going Down South
  4 Still Alive
  5 Mercy Me
 B1 Sweet September Rain
  2 Me And Johnny
  3 Troublemaker
  4 Fields Of Avalon
  5 Just Moved In

イーダちゃんの2nd。 裏ジャケの足の開き方のビミョーな角度はもう犯罪ですねー。
スウェーデン人のイーダは1994年 アルバム Melody Inn でデビュー。
カントリー〜フォーク・サウンドの その1stのジャケットも犯罪度は高いです。

この2ndではカントリー色は後退してロック〜ポップス系になりました。
いきなりA1から憂いを含んだバラードで 鼻血が出そうになりますねー。
アルバム全体を通して悲しげな雰囲気の曲が並んでいるんで
バカなポップス・アルバムにならずに済んでいます。
エレクトリック・ギターの活躍するA4やB3といったロックな曲は
夫のアンディ・ベル(ライド〜ハリケーン#1〜オアシス!)の影響でしょうか。
ちょっとアルバムの中では浮いているように聴こえます。
僕はA3が好きで こちらも憂いのあるミディアム・テンポの曲ですが
トランペット ストリングス コーラスが絡み理想的なポップ・ソングになっています。

イーダは 発売されるアルバム シングルともに全て購入している唯一のアーティスト。
このアルバムからシングル・カットされたB1のCDシングルには
A3のデモ・ヴァージョンが収録されています。
シンプルなバックで 曲の良さが引き立ち素晴らしいです。 こちらも必聴。
僕はこのアルバムを50回は聴きました。



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 MARIA McKEE 「YOU GOTTA SIN TO GET SAVED」 (1993)
 欧 GEFFIN GEF24508 (LP)
 A1 I'm Gonna Soothe You
  2 My Lonely Sad Eyes
  3 My Girlhood Among The Outlaws
  4 Only Once
  5 I Forgive You
 B1 I Can't Make It Alone
  2 Precious Time
  3 The Way Young Lovers Do
  4 Why Wasn't I More Grateful (When Life Was Sweet)
  5 You Gotta Sin To Get Saved

マリアさまぁー。 これは めちゃくちゃいいアルバムじゃないですか。
デニス・ホッパー撮影のジャケットはかっこいい系のアメリカの姉ちゃんといった感じで
これがサウンドにぴったりはまっています。

ロック カントリー R&Bといった音楽を
マリア様のソウルフルなヴォーカルで豪快に決めてくれます。
ヴァン・モリソンのカバーがA2 B3と2曲入っていて
アルバム全体でも正に女ヴァン・モリソンといった雰囲気ですね。
ギミック無しの素直で当たり前のサウンドなんですが
かっこいい曲の連発で とにかく曲がいいんです。
僕の1993年のベスト・アルバムです。

マリア・マッキーは1980年代 ローン・ジャスティスというバンドでアルバム2枚。
ソロでは現在まで3枚のアルバムを出していて どれも良いですが
このアルバムからすると見劣りしますね。

僕の持っているアイテムはヨーロッパ盤LP。
アメリカ盤は存在するかどうか分かりませんが
当時 アナログ盤を求めて多くのレコード屋を巡りました。
普段は行かない高田馬場のブラック・ダイヤモンドという店で奇跡的に入手に成功。
アルバム発売に合わせた来日公演ではチケットが買えなくて 渋谷のクアトロの前で
チケットありませんかーとやってみたりと 思い出深いアルバムです。
僕はこれを100回は聴きました。



VASHTI BUNYAN 「JUST ANOTHER DIAMOND DAY」 (1970)
加 MYSTIC DIVA MD-071 (CD/1998)
 JustAnotherDiamondDay.jpg JustAnotherDiamondDayBack.jpg
  1 Diamond Day
  2 Glow Worms
  3 Lily Pond
  4 Timothy Grub
  5 Where I Like To Stand
  6 Swallow Song
  7 Window Over The Bay
  8 Rose Hip November
  9 Come Wind Come Rain
 10 Hebridean Sun
 11 Rainbow River
 12 Trawlerman's Song
 13 Jog Along Bess
 14 Iris's Song For Us

うぇーん これはいいよー。 このジャケットは本当に必殺ですね。
ブリティッシュ女性フォークの最高峰 ヴァシュティ・バニアンです。
オリジナルLPはマニアの人は必死で探しているという激レアな逸品です。

このCDの音質はかなり悪いです。 音飛びしているし 盤面の製造番号も消されています。
そのくせレーベルの住所とバーコードはしっかり印刷されています。
限りなく海賊版に近い臭いを放つブツなので 今まで紹介しないでいました。

1曲目から 消え入りそうな歌声でラーラララなんて歌われ
リコーダーやストリングスが絡んできて 気が狂いそうな程良いです。
3はメロディーがキラキラ星で こんなの聴かされた日にゃ意識も もうろう。
リコーダーの前奏が死ぬ程美しい11まで行くと 完全に気が狂ってきました。
フィドルとヴォーカルだけの14まで聴き終えたら もう社会復帰できそうにないです。

プロデューサーが ブリティッシュ・フォーク界の大物 ジョー・ボイドだったり
ロビン・ウイリアムソンとフェアポート・コンベンションのメンバーが演奏をしていたりと
これはトラッドと室内楽とウイスパリング・ヴォイスの究極の融合ですね。

もう誰もこのアルバムの感覚を作り出すのは不可能な1970年の刹那。
こんな凄いアルバムが一部のマニアにしか知られていないという奇跡。
僕はまだ たった200回しか聴いていません。

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