2in1って最高ですかぁー? 最高でーす!・・・と2in1は収納が半分になるし
コスト・パフォーマンスも良いしCDというフォーマットに合った商品だなぁと
一時期は喜んで購入していましたが 現在はだいぶ気分が変わってきて
2in1って最低ですかぁー? 最低でーす! という気分です。
ただでさえ小さいCDジャケットに更に小さく2枚分のジャケットが並ぶのがダメだし
音の感触が全然違うアルバムの組み合わせだったりしたら更にムカつくぜ!
収録時間が長く最後まで集中して聴けないし・・・これはただ僕の集中力の無さかな?
ああいかん! せっかく便利な2in1なのにこんな文句ばっかり言ってしまってます。
これは足裏診断でもして2in1は最高でーす!と平気で言える体質にならないと。



BrinsleySchwarz&DespiteItAll.jpg

BRINSLEY SCHWARZ 「BRINSLEY SCHWARZ/DESPITE IT ALL」 (1970/1970)
英 BEAT GOES ON BGOCD239 (CD/1994)

brinsley schwarz
1 Hymn To Me
2 Shining Brightly
3 Rock And Roll Woman
4 Lady Constant
5 What Do You Suggest ?
6 Mayfly
7 Ballad Of A Has Been Beauty Queen
  despite it all
  8 Country Girl
  9 The Slow One
 10 Funk Angel
 11 Piece Of Home
 12 Love Song
 13 Star Ship
 14 Ebury Down
 15 Old Jarrow


2in1といえば2in1業界最大手の英BGO社が他を寄せつけぬ独走体制ですよねぇ。
以前から2in1率が高かったBGO社ですがここ数年更に2in1率に拍車がかかって
最近リリースされた商品の95パーセントは2in1です(当社比)・・・ってホントかな?

これはブリンズリー・シュウォーツの1st&2ndで2枚一緒に聴けるのは有り難いけれど
この2枚は音の感触が違うし 2ndの干草を担いだ少女の素晴らしいジャケットが
とても小さくて悲しい上に斜め30度に傾いていてこりゃーダメダメじゃないですか。

1stの「Brinsley Schwarz」はゆったりと流れるアコースティックな響きのフォーク・ロックに
3声コーラスが被さるタイプの曲が多くクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングと
ザ・バンドの中間を行くような音です。 まあ心地良くはあるのだけどメロディーに抑揚が
無いので各曲の印象が薄く 3声コーラスの多用もちょっとうっとうしく感じてしまいます。
ポコポコとパーカッションが暴れる2曲目やドラムレスの3曲目とかは中々良いし6曲目の
出だしの効果音には鳥のさえずりも入っているのに・・・おしい! もう少し! 残念賞です。

そして2nd「Despite It All」があぁー! バーズ〜ディランの「You Ain't Going Nowhere」に
そっくりのカントリー・ロック8曲目がフィドル爆発でいきなりもうノック・アウトですよ!
切ない9曲目は胸を締め付けられる名曲だし 楽しげな10曲目も素晴らしいです。
12曲目はどーって事の無いフツーのフォーク・ロック曲だけどなぜかフレンドリーな
雰囲気が出てしまい聴く者を幸せな気分にさせてしまうブリンズリー節だし
ペダル・スティール入りの3拍子のカントリー・ロック13曲目の心地良さったらアンタ!

そしてそして シンガー・ソング・ライター風味のフォーキーなドラムレス曲14曲目では
最後のライララーイ・コーラスの繰り返しで大盛り上がり。 このライララーイは
アリスのチャンピオンを軽く超えてしまっている大名曲。 うおぉー! 良い!
15曲目の吹きすさぶ雪の如くな曲調はアイリッシュの雰囲気だし・・・スゲェよ!

2ndは捨て曲無しだしジャケットも含め素晴らし過ぎなのでやはり2in1体制が
悔やまれまれる所ですが1枚モノに買い替える予定はありません。
もし紙ジャケCDが出ても買い替えないだろうなぁ。

Brinsley Schwarzのレヴュー
「Hens' Teeth」・・・第57号 2002/8/12 あの手この手でゲーノー界にしがみつけ
「Silver Pistol」・・・第77号 2003/10/31 もうコンパクト・ディスクなんかいらねー!
 



Creation&Beau.jpg

BEAU 「CREATION/BEAU」 (1971/1969)
英 SEE FOR MILES SEECD 421 (CD/1995)

 beau
 1 Welcome
 2 Imagination
 3 1917 Revolution
 4 Soldier Of The Willow
 5 Fishing Song
 6 The Painted Vase
 7 Pillar Of Economy
 8 A Nation's Pride
 9 The Sun Dancer
10 Rain
11 Morning Sun
12 The Summer Has Gone
13 The Ways Of The Winter
14 Welcome-Tag Piece
 creation 
 15 Nine Minutes
 16 There Once Was A Time
 17 Spider
 18 April Meteor
 19 Is This Your Day
 20 Creation
 21 Blind Faith
 22 Ferris Street
 23 Release
 24 A Reason To Be
 25 Silence Returns


英シー・フォー・マイルズ社のダンデライオン・レーベルの再発CDからボウさんです。
このシリーズも多くの作品が2in1体制で出ていてBGO社同様ジャケットが斜めに
傾いていますがBGO社が30度の傾きに対しこちらは25度なのでちょっとマシです。
・・・ってもちろんそんな角度なんか計っちゃいませんけどね。

タイトルは「Creation/Beau」となっていますが収録順番は1stのボウが先に入っています。
ブックレットの写真を見るとボウは童顔なくせに鋭利なもみあげが強力なもみあげ芸人で
ちょっと故ロニー・レインに似た雰囲気のあるやんちゃ坊主な風貌ですが
歌声は素直で優しげでサウンドも12弦ギターの弾き語り中心の英国フォークですよ。

1stの「Beau」は全編彼の素直な歌声とギターだけで淡々と曲が進みかなり地味です。
うおぉー!と大騒ぎするような核となる曲というのも見当たらないけれど
休日の午後のポカポカとした陽射しの中で聴いたら気持ち良くてうたた寝しちゃいそう。
全体の空気感にはあまり英国臭は感じませんが かといって米国フォーク風味でも無く
ふっと思ったのは声質や曲調がラルフ・マクテルに似ていると感じました。 うとうと・・・

1曲目から順番に聴いていたら急に15曲目から一気に空気を変えるロケンロー!
うとうとと気持ち良かった流れをブチ切るこの15曲目から2ndの「Creation」です。

2ndは弾き語りの曲もありますがバックにダンデライオンのレーベル・メイトの
The Way We Liveが参加していてエレキギターが暴れサイケデリックな雰囲気もあります。
囁く語りと効果音で曲が進行する20曲目とか 歪みまくったファズ・ギターが暴れ
空気を切り裂く25曲目とかなどはアンダーグラウンドでヤバい雰囲気が漂いますねぇ。
アルバムとしてはこの2ndの方が英国臭も香るし面白さはあるのですが
僕は1stのうたた寝フォークの方が好きだなぁ。

そしてやはり雰囲気の違う2枚のアルバムが合体してしまっているのは残念です。
トータルの収録時間が80分近くあるのもツラい・・・最後まで集中して聴けません。
 



DreamsAndImages.jpg LoveIsTheRevolution.jpg

ARTHUR 「DREAMS AND IMAGES/LOVE IS THE REVOLUTION」 (1968/1975)
PAPA'S CHOICE 4002 (CD/2002)

 dreams and images
 1 Blue Museum
 2 Children Once Were You
 3 Sunshine Soldier
 4 A Friend Of Mine
 5 Open Up The Door
 6 Dreams And Images
 7 Pandora
 8 Wintertime
 9 Living Circa 1920
10 Valentine Gray
 love is the revolution
 11 New Day
 12 Light Up Your Man
 13 Flowers After Childhood
 14 Strange Song
 15 Hymn
 16 Annie Moore
 17 I / Soldier / Time Love
 18 Songwriter Crusader
 19 Eleanor
 20 My Woman


米国人アーサーの2in1。 「Love Is The Revolution」の方はArthur Lee Harper名義です。
このCDは2枚分のジャケットをブックレットの表裏に配置していて良心的なタイプですね。
まあ良心的とは言ってみたもののこのパパズ・チョイスってゆーレーベルは何か怪しげで
まともな再発かどーか分かったモンじゃありません。 これって果たして良心的なのかしら?

アーサーは両作ともかなりヤバい事になっていますが特に「Dreams And Images」が危険!
いきなり1曲目から線の細い儚げなヴォーカルにストリングスがゆるやかに被さり
物哀しいメロディーを持った美しいフォーク曲が流れこれは即死級じゃないですか!
2曲目以降も同様のゆったりと流れるフォークっぽい曲にストリングスや管楽器が被さり
聴いていると気分は夢心地。 トロトローンとしてきますよ。

これはドリーミー・フォークってゆーヤツでしょうか。 アッシド・フォークでもいいのですが
アシッドという単語を使うような狂気はあまり感じず 狂気では無く線の細さで勝負です。
全10曲中9曲が2分台の尺で残り1曲は1分台。 トータル30分も無い作品ですよ。
おかげで集中して一気に聴けますが何かどの曲も同じに聴こえてしまうのが難点かなぁ。
・・・と文句は言ってみるものの このトローンとしたかげろうのような音は素晴らしいです。

「Love Is The Revolution」の方はバックの音もヴォーカルももう少し元気がありますねぇ。
ドラムスや鋭いエレキ・ギターなども入っているのでフォーク・ロック作品といった印象です。
ロックっぽい曲にはサイケデリックな雰囲気があり面白いけれど彼の線の細い歌声には
こーゆーロックな音は相性が悪いのかな? 「Dreams And Images」同様のトローンと
儚げなフォーク曲も数曲入っていて僕はこちらのタイプの曲の方に耳が行きますね。
また全編クラシカルなバイオリンが入ってこれが効いているような いないような・・・

このCDに印刷されている作品発表年情報では1968年と1975年作となっていますが
音の感触は両作とも1960年代末の香りで果たして1975年って本当なのでしょうか。
まあこの2in1はトータル収録時間が1時間も無いので集中して最後まで聴けるし
音楽の内容も良いしジャケットの配置などのアートワークも中々よろしいので
2in1でもまあ許せる範囲内の商品ですね。 許しますかぁー? 許しまーす!
 



WhyQuitWhenYoureLosing.jpg

COWBOY 「WHY QUIT WHEN YOU'RE LOSING」 (1970/1971)
米 CAPRICORN 2CX 0121 (LP/1973)

reach for the sky
A1 Opening
 2 Livin' In The Country
 3 Song Of Love And Peace
 4 Amelia's Earache
 5 Pick Your Nose
 6 Pretty Friend
 7 Everything Here
B1 Stick Together
 2 Use Your Situation
 3 It's Time
 4 Honey Ain't Nowhere
 5 Rip & Snort
 6 Josephine Beyond Compare
 5'll getcha ten
 C1 She Carries A Child
  2 Hey There Babe
  3 5'll Getcha Ten
  4 The Wonder
  5 Shoestrings
  6 Lookin' For You
 D1 Seven Four Tune
  2 Right On Friend
  3 All My Friends
  4 Innocence Song
  5 Please Be With Me
  6 What I Want Is You


カントリー・ロック風味の米国バンド カウボーイの暴力推奨ジャケのこの作品は
フツーの2枚組のオリジナル・アルバムだと思って購入したのですが2枚目をかけたら
何か聴き覚えがありました。 あれー?・・・と裏ジャケの文字を良く見たら1970年の1st
「Reach For The Sky」と1971年の2nd「5'll Getcha Ten」の合体商品じゃないですか。

2ndのLPは所有していたので聴き覚えがあったのだけど1stは所有していなかったので
半分だけ騙されました。 もし1stも所有していてフルで騙されていたら怒り狂ってアイツの
上履きや体操着を隠していた所でしたよ。 ふぅー危ない危ない。 ギリギリ・セーフです。

・・・とこのようなCDの2in1のような抱き合わせ商法はLP時代にもけっこうありましたね。
ただLPだと2枚分の作品を1枚に収録という技がLP盤の収録時間的に無理なので
2枚分のアルバムを2枚組で販売する2in2商法(って何だ?)が主流でしたねぇ。

本作は2枚のアルバムとも音の違いがそれ程無いので通して聴いても違和感が無いし
殴り合いで暴力推奨な表ジャケも面白くて 「何ぃー!エースのフォーカードだとぉー?
カードが1枚多いじゃねーか!てめーイカサマしやがっただろう?」と至近距離から
銃を向けて更に暴力推奨な裏ジャケも面白く この2枚セットは中々良いつくりです。

このキャプリコーンってゆーレーベルには豪快さんな米国南部ロックのイメージが
あるのですがカウボーイはそんな豪快さんでは無く のどかで大らかな音ですねぇ。

1stはB5なんかは豪快さんなロックですが全体的にアコースティックな響きの
心地良いカントリー・ロックが盛り沢山で正にA2のタイトルの如くな音ですよー。
特にスーパー必殺な曲というのは見当たらないけれど いやぁ気持ち良く聴けます。

2ndはカントリー臭が控え目になって大らかに流れるフォーク・ロックが中心です。
そのさりげなさが素晴らしいD4 D5 D6といったフォーキーな曲もあるし
この2ndは英国のマッギネス・フリントとイメージが重なります。 マッギネス・フリントには
ギャラガー&ライルがいたようにカウボーイにはボイヤー&タルトンがいる事だしね。
 



TheStoneRoses.jpg

THE STONE ROSES 「THE STONE ROSES」 (1989)
英 SILVERTONE ORE ZLP 502 (LP/1991)

A1 I Wanna Be Adored
 2 She Bangs The Drums

B1 Waterfall
 2 Don't Stop
 3 Bye Bye Badman
 C1 Elizabeth My Dear
  2 (Song For My) Sugar Spun Sister
  3 Made Of Stone
  4 Shoot You Down

 D1 This Is The One
  2 I Am The Resurrection


CD時代になってから収録時間がビミョーに長いアルバムも増えてきてLPだとAB面では
収まらないので片面3曲位入った2枚組ってゆータイプのLPも多くなりました。
最近だとR.E.M.の「アラウンド・ザ・サン」とかベックの「グエロ」とかが思い浮かびますが
このタイプのLPって片面すぐ終わっちゃって 盤を裏返して 2枚目の盤に換えて・・・
あー!面倒臭いし 面が変わる都度アルバムの流れがブッタ切られてよろしくありません。 

で これは英国ロック界で一時期マンチェスター・ムーブメントなるモノの一角を担った
ストーン・ローゼスの1stですが 元々1枚物だったLPを強引に2枚に分割した逆2in1です。
これがホント盤を裏返すのが面倒臭いしアルバムの流れが切れる 切れる。
アッタマにきたので僕はこの商品を逆2in1では無くあえて1in2って呼んでいますよ!

いやホントは1枚物のLPで良かったのだけど ストーン・ローゼスって聴いた事が無くて
当時ストーン・ローゼス素晴らしい!って話だったので聴いてみたいなぁと思っていた所に
ちょうどこれが店頭に並んでいたので購入してみたというチャレンジ商品なのです。

で 聴いてみて 当時ストーン・ローゼスを評して言われていたように気持ち良さや横揺れが
どーのこーのだとかあまり感じず 少々サイケな雰囲気が漂うフツーのロックに聴こえました。
今回 盤を裏返すのの面倒臭いのをガマンして久々に聴いてみましたが以前と印象は
変わらずフツーのロックですねぇ。 うーん現在のオアシスとイメージが被るんだよなぁ。
・・・と言ってみたもののオアシスもちゃんと聴いた事無かったんだった。 いけねぇ!

C1はメロディーがスカボロー・フェアで C3の哀愁のメロディーなんかも英国を感じます。
またその他の曲もメロディーが覚えやすくて一緒に歌えるし音もフツーのロックに感じる分
時を経ても古臭ささを感じさせない普遍性はあります。 本作は一応名盤ってゆー事に
なっているので まだ聴いた事が無い人はチャレンジしても損は無いと思いますよ。

しかし2in1のCDも収録時間が長くなると集中力が無くなってきてちゃんと聴けないし
1in2のLPも収録時間が短くて さあ集中したと思ったらもう片面終わっていやがる。
うーん やはり2in1や1in2を聴いていると体調を崩すのでもう買いません!
いや でもやっぱり買うけどね!・・・ってどっちなんだよ! こんな優柔不断はダメなので
やはり足裏診断でもして2in1最高ですかー? 最高でーす!と言える体質にならないと。
 


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