英国のプログレッシヴ・フォークと言われて僕が思いつくのはメロウ・キャンドルに
スパイロジャイラにルネッサンス あとはキース・クロス&ピーター・ロスくらいかなぁ。
うーん他にも沢山あるのだろうけどあまり思いつかないし
そのテの音を出しているのは英国以外の国の方が多い気がします。
今まで書いてきたヤツでも第86号のマッデン&ハリス(オーストラリア)や
第89号
のメリメリウム(アルゼンチン)などが思いつくもんなぁ。
・・・っつーか英国以外ではその2組しか書いていないかな?
とにかく今回は英国以外のプログレッシヴ・フォークの凄いヤツのレヴューなんです。



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TANGERINE 「DE L'AUTRE CÔTÉ DE LA FORÊT」 (1975)
仏 CRYPTO/SPALAX 14856  (CD/1994)

1 De L'autre Côté De La Fôret
2 Death
3 Méditations
4 Liberté
5 It's Ending
  6 Listen
  7 Time
  8 Éveil
  9 Direction Sud


・・・と英米以外の非英語圏の音楽もよく知っているかというと全く知りませんからね!
このフランスのタンジェリンもたまたま何となーく購入した商品で詳細なんか知るもんか!

右側の写真はブックを開くと登場する写真でアコギを抱えて屋外演奏の図ときたモンだ。
どーよこれ? こんな写真を見せられた日にゃーもう聴く前から大興奮でしょ?
写真は3人だけどクレジットではなぜかマネージャーも入って5人組になっています。

まず写真で興奮して次に音を聴くと正しくプログレッシヴ・フォークな音が流れ更に興奮。
ドラムレスのフォーク曲かなぁと思うと途中でドラムスがバシッと入り このドラムスが
無駄に手数の多い感じなのでこの辺にプログレッシヴを感じるんだよね。
まあいかにもプログレな曲調ではないのでこれは聴きやすくて良いですよ。

そして女性ヴォーカルは美声だし 全編に渡りフルートが炸裂していてクラクラー。
楽曲のメロディーはヨーロッパを思わせる陰影のあるメロディーで美しいですしねぇ。

一部の曲は英語で歌われていて 英語で歌われる5曲目はちょっと凄過ぎ。
前半は男女のヴォーカルの絡み方や優しげなフルートのフレーズが
チューダー・ロッジしまくっていて 後半のリズムが変わってフルートが炸裂する
インスト部分はトレイダー・ホーンの如くだなぁ・・・こりゃー大変な事になっていますよ。

軽快な最後の9曲目は盛り上がったままフェードアウトしていってアルバムの幕を閉じ
余韻が残って良い感じです。 しかしこの曲のフルートの切り込み方もたまらん!

ブックレットにはSPALAXレーベルのCDリストが印刷されていて そこを見ると
タンジェリンはあと2枚「Mémoire」と「Rêves Cristal」ってアルバムが存在しますねぇ。
本作がヒジョーに素晴らしいのでこれらのアルバムも見つけたらゲットですね。
他の作品も本作と同様の音楽性だと嬉しいのだけど・・・。
 



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CAROL OF HARVEST 「CAROL OF HARVEST」 (1978)
独 SECOND BATTLE SB 064(CD/2001)

1 Put On Your Nightcap
2 You And Me
3 Somewhere At The End Of The Rainbow
4 Treary Eyes
5 Try A Little Bit
 bonus tracks
 6 River
 7 Sweet Heroin
 8 Brickstone


オリジナルLPはかなりのレア盤らしいドイツのキャロル・オブ・ハーヴェスト。
美声女性ヴォーカル入りで歌詞も英語で歌われているってゆー事で
CD化された際は各方面でちょっと話題になっていましたねぇ。

僕も聴いてみたいなぁと気になってはいたけど中々手が出ず後回し後回しで
もう忘れかけていた2004年の秋に思いがけず中古盤を見かけたのでゲットです。
デジパック仕様でボーナス3曲付きという体制かぁ・・・うーんデジパックは嫌いです。

バンド名が「収穫の歌」でたまらないのに加えデジパックを開くとこれは草や農園や
太陽の歌だ!という文字が印刷されていてやってくれそうな雰囲気プンプン。
裏ジャケも収穫の喜びの図って事で良いのでしょうか・・・これって雨乞いっぽいよねぇ。
でも出てくる音に農園ののどかなイメージは感じず 何か硬質な印象があるのですよ。
女性ヴォーカルも美声だけど硬い感じだし・・・これはドイツのバンドだからなのかなぁ。
メンバーはなぜか「テクニック担当」のヤツも入れて6人組となっています。 

風の音の効果音に導かれて始まる1曲目は約16分の曲で思いっきりプログレですねぇ。
プログレ嫌いな僕が辛うじてギリギリ聴けるギリギリ・ソングで体罰一歩手前ですよ。
哀愁のあるメロディーは良いけど後半のシンセサイザー爆発はホント勘弁してくれー。
最後の5曲目も約10分のプログレっぽい曲なので僕がイケるのは2〜4曲目ですね。

その2〜4曲目がかなり良くて 2曲目と4曲目はドラムレスの哀しくて美しいフォーク曲。
3曲目はルネッサンスの「Ashes Are Burning」に入っていてもいいようなフォーク・ロックで
雨乞いをした結果ほんのちょっとだけ雨が降り喜んでいる風景が思い浮かぶ曲ですよ。
この曲が全曲中最も「収穫の歌」というバンド名にイメージが合っているなぁ。

ボーナス部分はライブ音源で音質が悪く生々しい感じが出ているのはいいけど
シンセサイザーがギュイーンでプログレ度高く 何じゃこりゃ?こんなん聴きたくねー!
・・・とどちらかといえばフォークよりもプログレ寄りのキャロル・オブ・ハーヴェストでした。
 



HarmoniumCase.jpg

HARMONIUM
「HARMONIUM /
SI ON AVAIT BESOIN D'UNE CINQUIÈME SAISON」

加 POLYDOR/UNIVERSAL MUSIC CANADA 4400163472 (CD/2001)

2ndのジャケットがたまらねー事になっているので
是非ゲットしなさい!とHさんに教えてもらったハルモニウム。
うわぁー!ちょっと気持ち悪くもあるけどおとぎ話度高くて
夢心地なこのジャケットは確かにたまらねーですよ。
楽器武装した1stのジャケットも面白いですねぇ。

僕は1stと2ndを紙ケースに収納した抱き合わせ商法の
CDを購入したので一応2枚組商品って事で2枚まとめて
レヴューです。 これってバラ売りもされているのかなぁ。
 
Harmonium.jpg
1st 「HARMONIUM」 (1974)

加 POLYDOR/UNIVERSAL MUSIC CANADA
833 991-2

1 Harmonium
2 Si Doucement
3 Aujourd'hui, Je Dis Bonjour À La Vie
4 Veilles Courroies
5 100,000 Raisons
6 Attends-Moi
7 Pour Un Instant
8 De La Chambre Au Salon
9 Un Musicien Parmi Tant D'autres
 SiOnAvaitBesoinDuneCinquiemeSaison.jpg
 2nd 「SI ON AVAIT BESOIN D'UNE
 CINQUIÈME SAISON」 (1975)
 加 POLYDOR/UNIVERSAL MUSIC CANADA 833 990-2

 1 Vert
 2 Dixie
 3 Depuis L'automne
 4 En Pleine Face
 5 Histoires Sans Paroles


ハルモニウムはフレンチ・カナディアンのバンドでフランス語で歌っています。
何人組みなのかよく分からないのだけどメンバーは全員男性で1stのブック裏には
いかにも1970年代ロックな風貌の長髪オヤジが3人写っていますねぇ。
2ndの素晴らしいジャケットには5人描かれているので1stから2ndに至る際にメンバーを
増員したのでしょうか。 しかし2ndのジャケットはやっぱりスンバラシーですねぇ。

1stは1曲の中で曲調が変わる曲もありプログレ風味も漂いますが演奏時間が
4〜5分の曲が中心なので大げさなプログレを感じないフォーク〜フォーク・ロックですね。
フランス語のせいなのか僕たち育ちも頭も良いもんねーといった雰囲気があるのだけど
そうだなぁー 「Seasons」や「Songs From Wasties Orchard」あたりの
一番素晴らしい時期のマグナ・カルタとイメージが重なる繊細で上品な美しい音ですね。

軽快なボサノバの2曲目。 ボサノバといえばそう・・・フルート炸裂パターンですね。
もちろんこの曲も最後に少しだけだけどフルートが切り込んできて必殺度アップです。
ゆったりと大らかに迫る4曲目もフルートが美しく響いてとろけちゃいますし
一瞬ビートルズの「Here Comes The Sun」か?と思うキラキラ輝く前奏の
弦の音(マンドリン?)で即死なドラムレスのフォーク曲 7曲目は素晴らし過ぎっ!
そして全曲中最もプログレを感じる3曲目には鳥のさえずりの効果音入りだぜ!
いやぁ大コーラスで盛り上がる最後の9曲目まで捨て曲ナシで名盤ですよぉー。

そして2ndは全5曲ってゆーのを見ても分かるようにプログレ度がアップしています。
しかしこれがイヤーな感じかというとまったくそんな事が無くてスンバラシーのです。
1stのスケールをでかくするため頑張ったら曲が長くなってしまったという感じですね。

タイトルどうりのディキシーランド・ジャズのような2曲目はホント楽しくて
後半の楽器バトル部分の盛り上がりぶりにはる大興奮ですよ。
シンガー・ソング・ライター風味の4曲目は切なく迫るフォーク曲でたまらねーし
波とカモメの鳴き声に導かれ始まる最後の5曲目は 時にもの哀しく時に幻想的に
流れて行くインスト曲。 メロトロンを使いまくっているし約17分という大作で
体罰度も高いけど どこまでもどこまでも美しいプログッレシヴ・フォークな名曲ですよ。
アルバム全編がジャケットのイメージと合っているなぁ。 この2ndもまた名作ですね。

しかしカナダのハルモウニウムはカナダ盤CDだし 前項で書いたフランスの
タンジェリンはフランス盤で ドイツのキャロル・オブ・ハーヴェストはドイツ盤ですかぁ。
世界各国の商品がフツーに入手できる日本ってあらためて凄いなぁーと思います。

そんな何でも手に入る日本に住んでいるのだからこれからも積極的に世界各国の
フォーク系のヤツを入手していくぜ!という意気込みは無いので非英語圏のヤツは
テキトーに気になったヤツをテキトーにポツポツ購入して行く感じでやっていきます。
 


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