英語圏のフォークやロックってやっぱり米英の音楽が情報量も多いし
僕が購入する再発CDって英米の芸人が大部分を占めていますよ。
後はカナダとアイルランド芸人も購入するけど この2国はお隣りさん関係で
米&カナダ 英&アイルランド・・・という括りをしがちかなぁ。
で 地理的に離れたオセアニア地域はどーかというと
あんまり持っていないけど これがけっこうヤバかったりします。



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SERENITY 「PIECE OF MIND」 (1972)
英 KISSING SPELL KSCD 930 (CD/2002)

1 Green And Sunny Weather
2 Devil Man
3 Millions
4 Away From Here
5 Sea Time Rain
6 Chance With Freedom

  7 Where Is The Lord
  8 Sandalmaker
  9 Pig
 10 The Golden Legend
 11 Shell
 12 Her Mind Holds You


英キッシング・スペル・レーベルは英国バンドのレア盤を中心にCD化していますが
こんなんも出しているんです。 セレニティはニュージーランドのグループですね。
キッシング・スペルが出すくらいだからオリジナルLPは相当レアなのでしょう。

メンバー3人の担当楽器はアコギ ベース ハーモニカですがドラムスやオルガンや
エレキ・ギター他のバックアップ参加がありフォークというよりフォーク・ロックですね。
そしてこのグループの最大の特徴はブルース色強いハーモニカが入るところで
曲調としてはそれ程ブルースっぽくは無いのにハーモニカが切り込んでくると
ブルース曲に聴こえてしまう・・・という中々個性的なサウンドになっていてヤバいです。

まあニュージーランドにはニュージーランドならではの音っていうのもあるのだろうけど
ハーモニカが入らない1 4 8 11曲目などを聴くと ん?英国のバンド?と感じるし
メンバーの苗字がレイン ブリッグス シンクレアとくれば思い当たる英国芸人もいて
英米でいったらどちらかといえば英国臭を感じる音になっています。

3人ともヴォーカルをとりますが アコギ担当のフィル・ブリッグス(真ん中のオヤジ)が
ほとんどの曲でメイン・ヴォーカルをとっているようですねぇ。
これが少々かすれ気味でありながら優しげで陰りのある歌声で良いんだなぁ。
1曲目の甘ったるい声はハーモニカ担当のマルコム・レインかな? この声が又良い!
  
ジャケット1番右側のヤツがハーモニカ担当のマルコム・レインですが この人
もみあげのデカさもかなりキているので鋭利なもみあげファンの人も大喜びですね。
マイク・ネスミス ニッキー・ホプキンス 尾崎紀世彦・・・などと共に
鋭利なもみあげファンや鋭利なもみあげコレクターは必聴ですからね!
 



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MADDEN AND HARRIS 「FOOLS PARADISE」 (1975)
韓国 M2U M2U-2001 (CD/2003)

1 Wishes
2 Fools Paradise Part 2
3 Wind At Eve
4 I Heard A Man Say
5 Margaret O'Grady
6 O Weary Brain

 7 Cool September  
 8 Fools Paradise
   a) Children Of Ice
   b) Will You Be There
   c) E. I. E. I. O.
   d) End Game

  bonus tracks
  9 Remember Me
 10 A Simple Song


オーストラリアのこの2人組はマッデン&ハリスと読んでいたらベルアンティークからの
日本盤の帯にメイデン&ハリスとカタカナ表記されているのを発見してしまいました。
くっそー!メイデン&ハリスが正しいのかぁ。 せっかく読み方適当シリーズで
読んでいたのに正解を知ってしまって頭にきたぜ!・・・と無理矢理頭怒るシリーズで
キミたちは今日から難波弘之&トム・マッギネスに改名だ!・・・ね 似てるでしょ?

1曲目から繊細なアコギのアルペジオにもの哀しいメロディーのフォーク曲。
途中メロトロンが絡んでプログレッシヴ・フォークって感じですねぇ。
全体的にもこの1曲目のような繊細なプログレッシヴ・フォーク・タイプの曲が多く
この程度ならプログレ嫌いな僕もOK。 ドラムスが入る曲も何曲かあります。

バックの音も繊細ですが2人のヴォーカル・ハーモニーもまた優しげで繊細ですよ。
全曲に貫かれた陰影のあるメロディーラインが英国 あるいはヨーロッパ的だし
聴いていてもオーストラリアの海や大地や緑というイメージはほとんど浮かばないので
英国プログレッシヴ・フォークの流れから聴いても問題ナシなアルバムになっています。

ただ変拍子で迫る6曲目などのプログレ度高い曲は勘弁してくれー!状態ですよ。
あと宇宙サウンドなエフェクトのかかったギター(なのかな?)が終始鳴り続ける
2曲目が中々気持ち悪くてイヤーな感じになっていますねぇ。

8曲目は組曲になっていて 子供のコーラス隊〜哀愁のエレキギター〜
何か色々飛び出す複雑なフォーク曲〜ヘヴィなリフにメロトロン&キーボードの
宇宙サウンド・・・とプログレグレグレで攻めてきますが
一番最後は切なく美しいフォーク曲で締めるので まあ良しとしておきましょう。

可愛らしいピアノが印象的な4曲目が一番好きだなぁ。 この曲だけ妙にのどかです。
この軽やかな感じはドノヴァンやマグナ・カルタなんかを思わせますねぇ。
 



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EXTRADITION 「HUSH」 (1971)
豪 VICIOUS SLOTH COLLECTABLES VSC016 (CD/2003)

1 A Water Song
2 A Love Song
3 Original Whim
4 Minuet
5 A Moonsong

  6 Dear One
  7 A Woman Song  
  8 I Feel The Sun
  9 Ice
 10 Song For Sunrise

 bonus tracks (live, march 1970)
 11 Honeychild
 12 In The Evening
 13 Ballad Of Reading Gaol
 14 Hold On To Me, Babe
 15 Seeds Of Time
 16 Ice


オーストラリア産アシッド・フォークのエクストラディション。 これはヤバいっす。
演奏参加者が多数クレジットされているので正式なメンバー構成が
分からないのだけどボーナス・トラックのライブは5人で演奏していますね。
ブックレット内にはタブラ 木製フルート ヴィーナ(シタールに似た楽器)を抱えた
男2人女1人の写真がありこの3人が正式メンバーなのかな?
この抱えてる楽器だけでもヤバさが伝わってきますねぇ。

綺麗な歌声の女性シャイナ・カーリン(読み方適当シリーズ)がメイン・ヴォーカルで
しっかりと歌うタイプだし爽やかさもあってジョーン・バエズに近いです。
基調となるアコギやハープシコードの上にハーモニウムや笛類他が乗っかる演奏は
演奏能力も高く音も綺麗なので 天然系で混沌!ってタイプでは無いですね。
隙間の多い音の間から放たれる「無」の感覚がアシッド・フォーク。
あるいはインド趣味を臭わせた瞑想フォークって感じでしょうか。

水の流れる音の効果音入りの1曲目とハープシコードが印象的な2曲目は
オーストラリアの広大な大地に咲く名も知らぬ花の如くの美しいフォーク曲。
3曲目以降からキてますねぇ。 聴き進むにつれ段々ヤバくなって行きます。

様々な打楽器がひたすら打ち鳴らされ これが6分近くもある3曲目は体罰だし
4曲目はジョージの「ワンダー・ウォール・ミュージック」に似た曲があるインスト曲。
陰鬱なメロディーの5曲目ではバックで虚ろな男性ヴォーカルが
「無縁〜無縁〜」って歌っているように聴こえて・・・キてます キてます。

7曲目の後半のヴィーナ&ヨレヨレ・フィドルは出たぁー!って感じで意識が遠のくし
穏かで美しいフォーク曲10曲目はフルート&グロッケンスピールが入って必殺!
・・・うーん男性コーラスが入った瞬間虚ろにトロトローですけどね。
トローリと9分超の6曲目がハイライト。 真夏に聴くと更にキそうですねぇ。

ライブ部分は本編とはちょっと違うイメージで地味なフォークかなぁ。
11 12曲目はペンタングルを思わせたりもするんですよ!
 


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