レビュー第202号、アナログ盤で聴くヘロンの夕べ ヘロンの1968〜69年に録音されたリハーサル音源が 遂に私の手元にもやって参りました! そう、あのヘロンですよ!それもアナログ盤でのディスク化だあぁぁ! これを記念して、所有しているヘロンのアナログ盤を全部聴くぞおぉぉ! いつも、グルグル回転する盤をひたすら見つめては またレコード買っちゃったよ、俺、一体何やってんだ?と思ったりもしますが 今日は記念なので、いつもより長い時間 グルグル回転する盤を見つめながら聴くぞおぉぉ! |
HERON 「THE BLACK DOG TAPES '68-'69 -JUST REHEARSALS BUT ALSO NICE-」 (2022) 日 Wasabi Records WSBLP-1/WSBEP-1 (LP+EP) |
A1 Something Inside A2 I Wouldn't Mind A3 The Devil A4 Better Believe Me A5 12 White Sisters A6 Lady In May A7 Getting 'Em Down |
B1 Stars B2 Harlequin 3 B3 The Morning B4 Miss Kiss B5 On My Side B6 Winter Harlequin |
Bonus EP A1 Something Inside -alternate take- A2 Lady In May -alternate take- B1 Getting 'Em Down -alternate take- B2 Harlequin 4 |
1968〜69年に録音されたリハーサル・テープ! リハーサル・・・つまり練習を録音した物で、そりゃー、中々の質の低さを誇っています。 まあ、ヘロンなので練習だろうが本番だろうが演奏がユルユルなのは納得で 問題は音質の悪さ・・・うーん、確かにこれは、こもった音で 音が悪くて困(コモ)りました・・・と、いきなりダジャレで、ごめんなさいねー。 ところがわたくし、こういった音質のレア・フォーク音源などを散々聴いてきたので この程度のこもった音なら全く困る事も無く、普通にすんなりと聴けるのでしたー。 まあ、曲の途中でいきなりブツッと切れて終了!な、A4にはびっくりしたけどね。 4人の演奏はベースとドラムスが入らないので、まあ、フォーク的なのだけど ここではオルガン、ピアノなどの鍵盤類が最も演奏を引っ張る感じになっていて フォークというよりもロック・バンドのデモ音源みたいな雰囲気もあり、面白いですね。 収録曲の内、A1、A2、A3、A7、B4、B6は2nd「Twice As Nice & Half Price」収録曲。 A6は1980年代に再結成した時の作品「Open Up The Road」に収録されていました。 B1は1990年代の再々結成盤「River Of Fortune」に収録されていて 未発表曲を含む編集盤「Odznenz」にも「Stars Fell On Alabama」のタイトルで 収録されていました。そしてB3も「Odznenz」に収録されていた曲ですね。 1st収録曲が1曲も無いのは謎で、実は・・・みたいな事実が後から出てくるかもね。 という事で、このアルバムで初出の曲はA4、A5、B2、B5、そしてEP収録のB2です。 ・・・と、この5曲で合っているかな?もし違っていたらすいません。 初出曲はホント全部良い曲で、感動!だし、これでハーレクインも2〜5まで揃って ハーレクイン祭り開催も近いね!(ハーレクイン1は「Winer Harlequin」なのかな?) しかし、あらゆる音源について言える事ですが、発表されなければ聴く事も無い訳で こうやってディスク化され、それもアナログ盤で聴けるって、有難いじゃないですか! そう、アナログ盤なので、LPだと1分間に33回もグルグル回る盤を見ながら聴けるし おまけに本作はEP付きなので、1分間に45回もグルグル回る盤も見ながら聴けて 盤がグルグル回って嬉しいな!・・・ああ、もう感動が溢れ、泣きそうですよー。 |
HERON 「HERON」 (1970) 英 Trading Places TDP54045 (LP/2020) |
A1 Yellow Rose A2 Car Crash A3 Harlequin 2 A4 Smiling Ladies A5 Little Boy A6 Sally Goodin A7 Upon Reflection |
B1 Lord & Master B2 Little Angel B3 Goodbye B4 For You B5 Sally Goodin B6 Carnival & Penitence |
美しくのどかな楽曲のメロディー、ユルくて柔らかくて温かみのある演奏やコーラス・・・ 屋外録音ならではの、風の音、鳥のさえずり、その他のノイズ・・・ アルバム全体の流れが素晴らしく、また、1曲1曲抜き出して聴いても全部名曲・・・ 裏ジャケのレコーディング風景がこのアルバムのすべてを象徴している 「雰囲気勝負」のヘロン。この写真にピンときたら、急いでダッシュで聴きましょう。 ピンとこないあなたは「雰囲気勝負」に負けたのです。聴く必要はいっさいありません! ・・・はい、こちら、毎度お馴染み「このような作品が存在する事自体が奇跡」な 奇跡のような音が詰まった、あり得ないくらいの奇跡の名盤、ヘロンの1stアルバムですが トレーディング・プレイシズから登場した再発アナログ盤を無事ゲットする事ができました。 (僕が買った時は)価格もお手頃!の素晴らしい再発で、45回転盤のため音も良い! ヘロンの1stのアナログ盤は、2013年にスペインのレーベルからも 「Bye & Bye」の4曲入り7インチEP付きで再発されていました。 しかし、いくらEP付きとはいえ、当時5,000円超の値付けがされていた記憶が・・・ 2022年の今では5,000円のLPを見ても、ああ又か・・・と軽く口をあんぐりする程度だけど 2013年の5,000円は口があんぐりどころか、顎がはずれるくらい口を開くレベルで 開いた口を元に戻すのに忙しかったので、そちらのスペイン盤は買い逃しちゃいました。 45回転のトレーディング・プレイシズ盤は、あの奇跡のようなヘロンの1stアルバムが 1分間に45回もグルグルと回るのを見ながら聴けるのですよ!やったね! グルグル回るレコード盤のおかげで、その素晴らしい音は更に素晴らしく響いています。 |
HERON 「BYE & BYE」 (1971) 英 Trading Places TDP12901 (12"/2021) |
A1 Bye & Bye A2 Through Time |
B1 Only A Hobo B2 I'm Ready To Leave |
さて、そしてトレーディング・プレイシズからは、1stアルバムに続いて 1971年に33回転の7インチで出ていたEPが、今回は45回転の12インチ盤で登場! 45回転なのでジャケットの表、裏に「45 RPM SINGLE」と印刷されていますね。 33回転のオリジナル7インチEPでは「33 1/3 MAXI SINGLE」と印刷されていました。 ジャケットに貼られたステッカーには「PURPLE HEAVY VINYL」の文字がありますが 実際の盤の色は、絵の具の色でいくと「パープル」というより、「バイオレット」に近いかな? ここに収録された4曲は、ちゃんとした編集盤CD「Upon Reflection」や メンバー自身がCD-Rで出した変な編集盤「Odznenz」にも全曲収録されていましたし 1st「Heron」の日本盤紙ジャケCDに8センチCDで入っていたりもしていて 音源的にはいつでもどこでも聴けるタイプになっていたけれど レコード盤がグルグル回るのを見つめながら聴きたいので、これも必死で購入しました。 ヘロンの1stアルバムと2ndアルバムは屋外録音だったため、このEPの曲は この時期に発表されたヘロンの曲の中では唯一のスタジオ録音になります。 が、スタジオ録音だからといって、かっちりとはしておらず、ユルユルのヘロン・サウンド! G.T.ムーアの吹くハーモニカがプヒーって言って最高!なボブ・ディラン作のB1だけ ドラムスは入りませんが、他の3曲はドラムスが入るのでロックっぽい内容ですね。 つまり、このEPの事を簡単に言ってしまうと「素晴らしい!」という事だし パープル色の盤が1分間で45回、回るのを見ながら聴けば効果は更にアップだぁ! なお、オリジナル7インチEPは1stアルバム発表後にリリースされましたが 録音自体は1stアルバム以前にされていたとの事です。 さて、最初に紹介したリハーサル音源はクラウドファンディングの形式をとっていて わたくしも支援者となり、そのリターンとして届いたアルバムな訳ですが 当初の予定のプレス枚数を見ると、LP+EPのセットが200枚、EPナシが150枚で これが本当なら350枚は製造されているはずで、支援者は87人(少なっ!)ですから 残りの枚数は今後、一般発売で入手できるアイテムなのかな? もし一般発売があったらゲットして、グルグル回る盤面を見つめながら聴きましょう。 ヘロンの事、たくさん書いています。 2017年1月2日更新の表紙ヘロン奇跡の来日公演 第178号 2011/9/12見開きジャケットでもシュリンク剥がしま宣言 第142号 2008/9/6ヘロンの「私ことはない」 第134号 2007/11/29英国フォーク・レア音源の最終兵器にもう泣くしかない 第87号 2004/5/16ヘロン祭りだ!わっしょい!わっしょい! 第31号 2001/2/10 ヘロン大量入手で心ここにあらず 第2号 2000/1/16英国フォークの最高峰ヘロン |
R.I.P. Tony Pook
グルグル回転するレコード盤をひたすら見つめながら表紙へ戻る