ああ ヘロン様 へロン様。
ヘロンこそが英国フォークの最高峰です。



  
HERON 「HERON」 (1970) 韓国 Si−Wan SRMC 1031 (CD/1995)
1 Yellow Roses
2 Car Crash
3 Harlequin
4 Smiling Ladies
5 Little Boy
6 Sally Goodin
7 Upon Reflection
  8 Lord And Master
  9 Little Angel
 10 Goodbye
 11 For You
 12 Sally Goodin
 13 Carnival And Penitence
 14 Only A Hobo
 15 John Brown
 16 Wanderer
 17 The Great Dust Storm
 18 Minstrel And King
 19 Winter Harlequin
 20 Love 13

このヘロンのデビューアルバムこそがブリティッシュ・フォークの最高峰である。
バックにきこえる鳥のさえずりと風の音。 音のバランスの悪さ。
決してうまくはない演奏とコーラス。 死ぬほど美しいメロディーライン。
そしてこの裏ジャケ。 これがレコーディング風景とは・・・。

彼らが確信犯だったかどうかは分からないけれど このはかなさは他に代わる物がない。
こんなレコードがこの世に存在する事自体が奇蹟としか言いようがない。

1〜13がオリジナルLP収録曲で 14〜20はセカンドアルバム収録曲などのボーナス・トラック。
ここでは韓国盤CDを紹介しましたが 英See For Miles からも
「The Best Of Heron」 というCDが出ています。
内容はほとんど一緒で 3 6 13 以外はすべて 「The Best Of Heron」 で聴けます。
英国盤の方が入手は容易だと思うけどオリジナルの曲順で並んだこの韓国盤の方を買いましょう。
曲間の会話なども入っていて雰囲気はバツグンです。

しかし数万円で取り引きされているというオリジナルLPは僕は見た事がない。
強力なブリティッシュ・フォーク・マニアの人は必ず持っているらしいけど・・・。
ヘロンには このファーストとセカンド(2枚組)と1971年に出た4曲入りEPがあり
そして1990年代の再結成CDもあるようです。 どこに売ってんだ? 聴きてぇー。




  
TRADER HORNE 「MORNING WAY...PLUS」 (1970)
MSI MSIF 7222 (CD/1994)
 1 Jenny May
 2 Children Of Oare
 3 Three Rings For Elven Kings
 4 Growning Man
 5 Down And Out Blues
 6 The Mixed Up Kind
 7 Better Than Today
 8 In My Loneliness
  9 Sheena
 10 The Mutant
 11 Morning Way
 12 Velvet To Atone
 13 Luke That Never Was
 14 Here Comes The Rain
 15 Goodby Mercy Kelly
ヘロンに続きまたもや定番中の定番トレイダー・ホーンの唯一のアルバムを紹介します。
ヘロンもトレイダー・ホーンもオリジナル盤はDawnというレーベルから出ていますが
このレーベルがフォーク系に強いというわけでもないようです。

トレイダー・ホーンはジャッキー・マッコーレイとジュディ・ダイブルの二人組で
ジャッキーは元ゼム ジュディは元フェアポート・コンベンションです。
このアルバムはどちらとも違う感覚の妖精達が今にも出て来そうな幻想的なフォークをやっています。

へなちょこなジャッキーのボーカルと それを盛り立てるジュディの絶妙な歌声。
そして様々なアコースティック楽器が絡み合い美しいメロディーを引き立てます。

その中でも何といっても5曲目の間奏の爆裂フルート これで決まりでしょう。
この曲は色々な人がカバーしているブルース・ナンバーのようですが
やっぱりトレイダー・ホーン・バージョンが最高です。

全体的にも繊細なナンバーとポップな曲のバランスが良く
ボーナス・トラックの14 15もナイスな仕上がりです。

1971年のジャッキー・マッコーレイのソロアルバムもこの感覚を継承しています。
こちらもCDで出ています。



 
DEVINE & STATTON 「THE PRINCE OF WALES」 (1989)
ベルギー CREPUSCULE TWI 873 (LP)
 A1 Under The Weather
  2 Friend Of The Family
  3 Bizarre Love Triangle
  4 We Deserve It
  5 Never Coming Back
  6 I Wish I Was
 B1 You're Almost There
  2 Like A Blind Man
  3 Break Up Your Heart
  4 Comprehensible
  5 Turn The Aerials Away From England
  6 Ugly Town


時代はぐぐっと飛んで 1989年のディバイン&スタットンのファーストを紹介します。
イアン・ディバインが演奏をしてアリソン・スタットンが素朴な歌声で一生懸命歌っています。

アリソンは1980年代のはじめ ヤング・マーブル・ジャイアンツ〜ウイークエンドと
ネオ・アコースティックの重要バンドのボーカリストでした。
ウイークエンド解散後 引退状態でアリソンよ君は何処へ・・・
と思っていた所へ突然このアルバムが登場しました。

ヤング・マーブル・ジャイアンツ時代のスカスカ感覚はそのままでしたが
あまりにも分かりやすく素直なサウンドに僕はネオ・アコースティックの終焉を感じたのでした。
だから このアルバムをネオ・アコースティックの文脈では語りたくはないのです。

実際にここできける音はフォーク・クラブで週末に演奏する
アマチュアレベルの音といっても過言ではありません。
実はそれがいい所であって A3などニュー・オーダーの曲をギター1本で聴かせてくれます。
これがまた素晴らしい。 フレンテ!はこのバージョンをパクったのかな?

B面後半はタンバリンが騒がしく鳴らされ否が応でも盛り上がります。
それとA6はこのグループの意思表明のような大名曲です。

ディバイン&スタットンにはセカンドもありますが こちらはゴージャスなサウンドでおしゃれ系です。
簡素から派手に変わるのはヤング・マーブル・ジャイアンツからウイークエンドへの移行と一緒ですね。


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