1970年代フォーク〜ロックの業界団体を見渡してみると
第1位長髪業界 第2位ヒゲ面業界・・・とそこまでは確定しています。
第3位がビミョーなのですが もみあげ業界もランクインしそうな勢いですよ。
もみあげはヒゲと一体化している事がままありヒゲ面業界との対立も指摘されそうで
これから単独の業界として伸びるかどうかは疑問ですが・・・いや!確実に伸びますし
まだ未開拓の業界なので各方面の研究も今がチャンスでしょう。 急げ!



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RALPH McTELL 「YOU WELL-MEANING BROUGHT ME HERE」 (1971)
英 ABC ABCL 5084 (LP)

A1 Genesis I Verse 20
 2 First And Last Man
 3 In Some Way I Loved You
 4 Lay Your Money Down
 5 Old Brown Dog
 6 Pick Up A Gun
 B1 You Well-Meaning Brought Me Here
  2 Chalkdust
  3 The Ballad Of Dancing Doreen
  4 Claudia
  5 The Ferryman


英国フォーク・シンガーのラルフ・マクテルは中々憎いタイプのもみあげ芸人さん。
口の周囲までもみあげが伸びてきているけどギリギリヒゲにならず頑張っています。
よっ!憎いねぇマクテルさん!・・・でもギターの上にカップを置いて
テーブル代わりにしちゃーいけません。 ギターを壊す ギターに火を放つなどの
楽器破壊型の芸風の人もいるけどフォークの人は楽器は大事に扱わないとね!

この中古盤LPは税込525円で転がっていたのですが英国フォーク物のUK盤にしては
異様に安い価格だなぁと思い「英国フォークの深い森」をパラパラとめくって確認したら
オリジナルLPはFamousってゆーレーベルから出ていて このABCってレーベルのは
再発盤のようです。 うーん またひとつしょーもない知識が増えてしまいました。

1曲目から午後の柔らかな陽射しを思わせる優しげなフォーク曲で良いですねぇ。
アルバムの基本路線はこの1曲目のようにアコギのアルペジオの上に
他の楽器が軽く乗っかる程度のドラムレスのフォーク路線になっています。
一部の曲はドラムスやベースやエレキギターも入ったフォーク・ロック曲だけど
まあフォーク・ロック曲も激しく迫る事は無いので全体を通しても優しげな音ですよ。
程良くヨレ気味なヴォーカルもこの優しげなサウンドに良く合っています。

ギター ハーモニウム フルートと全ての楽器をラルフ・マクテル本人が演奏している
A4が可愛らしくて良いなぁ。でもこれフルートっぽくないね。リコーダーに聴こえます。

プロデュースはガス・ダッジョン。 ピアノでリック・ウェイクマンが参加。
クレジットにはダニー・トンプソンやトニー・ヴィスコンティの名前もあります。
そこら辺の参加芸人さんも興味深いけど まあそんな事あんまり関係無く
ゆったりと流れる素敵なアルバムってゆーだけで充分。 さあまたお昼寝ですね。

ラルフ・マクテル「SPIRAL STAIRCASE」のレヴュー・・・第59号
 



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NICKY HOPKINS 「THE TIN MAN WAS A DREAMER」 (1973)
米 COLUMBIA KC 32074 (LP)

A1 Sundown In Mexico
 2 Waiting For The Band
 3 Edward
 4 Dolly
 5 Speed On
 B1 The Dreamer
  2 Banana Anne
  3 Lawyer's Lament
  4 Shout It Out
  5 Pig's Boogie


ニッキー・ホプキンスっていう英国の芸人さんはソロ芸人としてよりもセッション芸人として
コロコロと転がる印象的なピアノを聴かせてくれる人っていうイメージがありますよね。
そんな彼のソロ・アルバムのジャケットは写真ではなく絵ですがしっかりと
ゴツいもみあげは描かれていて もみあげ業界を盛り上げていかなければ!という
意思が伝わってきます。 でも彼は1994年に死亡してしまってねぇ・・・合掌です。 

このジャケットはゴツいもみあげの描かれ具合いも中々素晴らしいですがよく見ると
指がピアノの鍵盤になっている&鍵盤が指になっている状態で気持ち悪くもあります。
また裏ジャケの猫もWhat’sマイケルの如くになっていてよく分かりません。

数多い彼のセッション参加作ではピアノなど鍵盤類を弾きまくりで名演も多いですが
このアルバムではヴォーカルにも挑戦していて何ともインパクトの無い歌声が
虚しく響いてアレレ?って感じです。 B1なんか栄養失調のジョン・レノンみたいですよ。
A5とB2のメイン・ヴォーカルではソウルフルな歌声のヤツが歌っているしね。
・・・ってこれ本人の声じゃ無いよねぇ。 この再発LPは参加芸人のクレジットが
印刷されていないのでソウルフルな歌声のオヤジが誰なのかは分からないのでした。

A2 4 B1 3あたりは穏かな響きのピアノ系シンガーソングライター作品といった
趣きの味わい深い素敵な曲です。 ここら辺は聴き込む程にしみじみと良いですね。

ピアノとオルガンで暴れるA3とピアノとサックスで暴れるB5のグルービーな
インストの2曲ではピアノ・プレイ全開で本領発揮といったところでしょうか。
しかし結構地味な作品でもあるのに21世紀になってこーゆーLPが再発されるのは
こーゆー踊れるインスト曲をクラブでDJたちが回すためってゆーのもあるのでしょうか。
きっとヤングな若者達は夜毎ニッキー・ホプキンスで踊り狂っているのでしょう。

ニッキー・ホプキンスがメンバーのグループSWEET THURSDAYのレヴュー・・・第76号
 



NevadaFighter.jpg NevadaFighterUp.jpg

MICHAEL NESMITH 「NEVADA FIGHTER/TANTAMOUNT TO TREASON」 (1971/1972)
欧 CAMDEN DELUXE 74321 822352 (CD/2001)

 Michael Nesmith And The First
 National Band
NEVADA FIGHTER」
 1 Grand Ennui
 2 Propinquity (I've Just Begun To Care)
 3 Here I Am
 4 Only Bound
 5 Nevada Fighter
 6 Texas Morning
 7 Tumbling Tumbleweeds
 8 I Looked Away
 9 Rainmaker
10 Rene
 Michael Nesmith And The Second
 National Band
「TANTAMOUNT TO TREASON」
 11 Mama Rocker
 12 Lazy Lady
 13 You Are My One
 14 In The Afternoon
 15 Highway 99 With Melange
 16 Wax Minute
 17 Bonaparte's Retreat
 18 Talking To The Wall
 19 She Thinks I Still Care
 bonus tracks
 20 Cantata & Fugue In C&W
 21 Smoke, Smoke, Smoke
 22 Rose City Chimes


マイケル・ネスミスの1stナショナル・バンド名義の3rdと 2ndナショナル・バンド名義の
唯一のアルバムの合体CD。 未発表曲3曲をボーナス追加していてお得盤ですねぇ。

なんだかんだ言っても もみあげ業界の最高峰といえばマイケル・ネスミスで決まりです。
彼のもみあげはモンキーズ時代から激しく鋭く ちょっと触れただけで指が切れます。
切れた傷から出血多量でオダブツ級な彼は正にもみあげ業界のナイフ野郎です。
そんなナイフ野郎なので ただジャケットを載せるだけでは本人も納得しないでしょう。
っつー事で顔面アップ写真も並べてみたので皆でそのナイフ野郎ぶりに感動しましょう。

出てくる音ははカントリー・ロックになっていて ゆったりと心地良く響く曲が多い上に
覚えやすいメロディー満載でポップで聴きやすくもあり名盤確定な「Nevada Fighter」。
実験的な曲が多くなかなかとっつきにくい「Tantamount To Treason」という感じかな。

ボブ・ディランの「Subterranean Homesick Blues」にそっくりのカッチョ良い1曲目。
ニッティー・グリッティー・ダート・バンドが名作「アンクル・チャーリーと愛犬テディ」で
カバーしていた2曲目。 ゆったりと流れる3曲目はマイケル・ネスミス節ともいえる
独特のメロディーで迫り 4曲目はのどかな3拍子の曲。 そしてブッ飛ばしの
カッチョ良いカントリー・ロックの5曲目・・・とこの流れは素晴らしい事になっています。

「Tantamount To Treason」の方は ピューンピューンと宇宙サウンドな
シンセサイザーが入る12曲目や宇宙サウンドなエコーのかかった13曲目などを聴くと
うーん プログレッシヴ・カントリー・ロックだよねぇ・・・ちょっとねぇーとも思うのですが
16曲目が最高峰な曲でねぇ。 前半はメロディーが綺麗で聴きやすく心地良く
後半にはペダル・スティールが爆発して更に心地良くなったと思ったら
続いてオルガンが大爆発してスーパー大興奮だぁー! いやぁすっげー名曲です。

やっぱり彼のもみあげは見かけ倒しじゃないね! 自分の音楽に自信があるからこそ
こんなナイフ野郎でいられるんだよね。 聴き込んで行くにつれ彼のもみあげは
更に鋭く見えてきました。 マイケル・ネスミスがいる限りもみあげ業界は安泰ですね。

マイケル・ネスミス「MAGNETIC SOUTH & LOOSE SALUTE」のレヴュー・・・第18号
 


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