うーん秋だねぇーはぁー・・・とため息をつく今日この頃。
なんかねぇ 悲しい事が多くてね ミョーに感傷的になっているのですよ。
えーい仕方ない! じわりと涙を誘うアルバムを聴いて更に切なさ満喫といきましょうか。
いや季節が何であろうがこれらのアルバムは聴きまくっているのですが
秋に聴くとひと味違って響きますね。 さあ皆で一緒にため息でもつきましょう。



HarvestTime.jpg HarvestTimeBack.jpg
WATER INTO WINE BAND 「HARVEST TIME」 (1976)
英 KISSING SPELL KSCD 912 (CD/1999)
1 Wedding Song
2 Waiting For Another Day
3 Scottish Suite
 4 Patience
 5 Moonglow
 6 Harvest Time

ウォーター・イントゥ・ワイン・バンドの2ndはタイトルが 「ハーヴェスト・タイム」 で
ジャケットも収穫風景になっていて 誰が何と言おうがもうそれだけで名盤確定です。

収穫を終えて空を見上げていたらゆったりと雲が流れて行き
楽しかった夏の思い出も雲と一緒にすぅーっと流れて行ってしまう・・・
そんなふっと哀くなってしまう秋の空のようなフォークで・・・もう泣きそうですよ。

基本使用楽器はギター ベース ピアノ フィドル グロッケンスピールといったところで
1曲目と2曲目でグロッケンスピールが多く鳴っているのはポイント高いですね。
でもこのグロッケンは電気増幅しているのかな? ちょっと音の余韻があり過ぎです。
僕の好みからいくともう少しちゃちい音が好きなのですけどね。

3曲目のスコティッシュ・トラッド・メドレーは最初に 「誰かさんと誰かさんが麦畑・・・」
の曲になっていて ドリフの影響受けまくりになっているじゃないですか!
指ではじく奏法のヴィオラ(かな?)の音もたまらないですねぇ。 郷愁を誘います。
中盤はフィドルによるインストで最後にまた「誰かさんと誰かさん」 で締める構成。
同じドリフの影響でも 「ニンニキニキニキ ニシンが悟空・・・」 でなくて良かったぁ。

アルバム・タイトル曲の6曲目がハイライトだと思うのですが
いきなり管楽器類が名画のサウンド・トラックかよ!という感じで迫って来ます。
いやそのテの音も嫌いじゃ無いのですが管楽器類がちょっとしつこいですね。
これはやり過ぎです。 そして15分以上もあって・・・キッついですねぇ。

・・・と嫌いな部分もあるので僕は1stの方が好きなのだけど秋に聴くと良いなぁ。
英国フォークを聴いてて良かったーという気分です。 あぁ あの雲はどこへ・・・

1st 「HILL CLIMBING FOR BEGINNERS」 のレヴュー・・・第22号



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AMAZING BLONDEL 「ENGLAND」 (1972)
英 EDSEL EDCD 501 (CD/1996)
the paintings
(three pastoral settings for voices,
flute, guitars and orchestra)
 1 Seascape
 2 Landscape
 3 Afterglow
 4 A Spring Air
 5 Cantus Firmus To Counterpoint
 6 Sinfonia For Guitar And Strings
   (from the suite "For My Lady's Delight")
 7 Dolor Dulcis (Sweet Sorrow)
 8 Lament To The Earl Of Bottesford Beck

アメイジング・ブロンデルの4thもタイトルの 「イングランド」 とジャケットの絵だけで
もう名盤確定シリーズですね。 内容も正にディス・イズ・英国といったフォークです。

このアルバムが切ない秋を感じさせる音かっていうと 枯れた音ではないのだけれど
収穫した秋の味覚を世界中から集めて好きなだけ食べてるような貴族サウンドです。

格調高い音が詰まっているので秋の味覚は高級食材の松茸が最も似合いますねぇ。
秋の高級食材=松茸という僕の発想もちょっとねぇ・・・という感じもありますが
実際松茸食べながら聴いてみましたよ! いや松茸にバッチリの音ですね。
食べたのは永谷園のお茶づけ海苔と一緒に入っているお吸いものなんだけどね!

「ザ・ペインティングス」 と題された前半3曲は 「スリー・パストラル・セッティングス・・・」
という括弧内の説明どうりの穏やかな陽射しを感じさせてくれる優しい音です。
バックに程良くストリングスが入っていて品があり のどかな農村系の音では無くて
王家の庭に響く庭園フォークといったところですかねぇ。

4曲目と7曲目もバックにストリングスが入った同傾向の曲になっていて
その他 「ハレルヤ」 の合唱が脅迫的に繰り返される5曲目。
流麗なギターとハープシコードが絡んでプログレ度も高いインスト6曲目。
パイプオルガンが響くインスト8曲目となっています。

2nd 3rdなんかと比べると古楽器の使用頻度が低くなっていますが
彼らのアルバムの中でも最も格調高い英国を感じさせる音なのではないでしょうか。
いつかは本物の松茸でもほうばりながら聴きたいものです。

3rd 「FANTASIA LINDUM」 のレヴュー・・・第9号



Stormbringer.jpg
JOHN AND BEVERLEY MARTYN 「STORMBRINGER」 (1970)
英 ISLAND IMCD 131 (CD)
1 Go Out And Get It
2 Can't Get The One I Want
3 Stormbringer
4 Sweet Honesty
5 Woodstock
  6 John The Baptist
  7 The Ocean
  8 Traffic-Light Lady
  9 Tommorow Time
 10 Would You Believe Me ?

ジョン&ビヴァリー・マーティン夫妻の1stは枯草の上に寄り添うジャケットが秋ですねぇ。
まったく幸せそうな2人で・・・ちっきしょー!こっちにも幸せを少し分けて欲しいモンです。

本作はザ・バンドの如く大らかでちょっと泥臭いフォーク・ロック曲と
英国を感じさせてくれる美しいフォーク曲が同居する内容になっています。
おっと そのザ・バンドのメンバーのリヴォン・ヘルムの名もクレジットされていますねぇ。

本作は同じ英国夫婦デュオのリチャード&リンダ・トンプソンとイメージがダブりますよ。
最も感じるのはビヴァリーの飾らない素直な声がリンダのヴォーカルと重なるのですが
ジョンの方も10曲目の歌い出しなんか えっ?リチャード・トンプソン?と思ってしまい
いやホントに声質だけじゃなく節回しなんかも似ててビックリです。

そのヴォーカルは2人で分け合ってリード・ヴォーカルをとる感じになっていて
2人が絡んでコーラスを聴かせる曲より1人づつ歌う曲の方が多いです。

美しい室内楽フォークの 2 7曲目 繊細なギターのアルペジオで迫る 5 8曲目
といったあたりのフォーク・タイプの曲に耳がいってしまいますねぇ。
そんな中僕が最も好きなのはギター&ハープシコードでゆったりと展開する9曲目。
秋の優しい風にゆらゆらと揺れているような音で・・・切ない名曲ですよぉー。

間奏の美しいピアノが落ち込んだ気分を更に落ち込ませてくれる3曲目や
2人のヴォーカルが絡んで盛り上がる6曲目とかも良いなぁ。
そして曲が進んでもやっぱりリチャード&リンダ・トンプソンな10曲目も!

このCD中古でよく見かけるのですが 1回聴いてガツーンと来るような
内容じゃないからですかねぇ。 ちょっとそこのアンタも売り飛ばすのを待って
じっくりと1曲1曲を噛みしめながら聴いてみましょう。 じわりと良いですよー。



SweetThursday.jpg
SWEET THURSDAY 「SWEET THURSDAY」 (1969)
EPIC/ソニー・ミュージックエンタテインメント ESCA 7878 (CD/2001)
1 Dealer
2 Jenny
3 Laughed At Him
 4 Cobwebs
 5 Rescue Me
 6 Molly
 7 Sweet Francesca
 8 Side Of The Road
 9 Gilbert Street

スウィート・サーズディは暖かそうな上着を着込んだメンバーのジャケットのせいで
僕にとっては秋〜冬のイメージの強いアルバムになっています。

5人のメンバーのうち一番右端の人がかなりの有名芸人なのですが
ここでは光が当たって顔が見えなくなっている可哀想な左から2番目の人に注目。
この人はドラムス担当のハーヴェイ・バーンズです・・・うーん知らねーなー。
その他のメンバーについて詳しい事は自分でCD購入して勝手に調べて下さい。

全体的にはピアノ オルガン ハープシコード等 鍵盤類が印象的に響いて
とても存在感があります。 こりゃー右端の人が弾きまくっているのですねぇ。

サビの切り込み具合いがディランの 「ライク・ア・ローリング・ストーン」 の如くな1曲目。
コロコロと転がるピアノが可愛らしくて歌謡フォークといった趣の2曲目が又たまらん!
曲が進むごとにヴォーカルが熱を帯びて来るのにバックのコーラス隊は
終始気の抜けたやる気の無い歌声で対抗する3曲目・・・と冒頭の3曲で
もうノック・アウトですねぇ。 うぇーん良いよー。

リズムギターにアコースティック・ギターを多く使っているし
3 4曲目にはリコーダーも切り込んできて・・・うおぉーたまねぇー。
そしてほんの少し1960年代の残り香なのかサイケ・ポップの味付けもありますね。
決して派手さは無いけど程よくフォーキーで程よくロックで程よく優しく程よく力強く
・・・とバランスの良い1枚になっているのではないでしょうか。

で 聴いていて涙を誘うのかというと 秋の枯れた音っていう訳では無いのだけど
この寒そうなジャケットを見ながら秋の夜長にひとり寂しく聴いていたら
どうしても秋の寂しげな音として響くので泣けるんだなぁ。 ああ切ないねぇ。



NoGuruNoMethodNoTeacher.jpg
VAN MORRISON 「NO GURU, NO METHOD, NO TEACHER」 (1986)
米 MERCURY MERH94 (LP)
A1 Got To Go Back
 2 Oh The Warm Feeling
 3 Foreign Window
 4 A Town Called Paradise
 5 In The Garden
 B1 Tir Na Nog
  2 Here Comes The Knight
  3 Thanks For The Information
  4 One Irish Rover
  5 Ivory Tower

ハゲオヤジ&仏像って! こんなジャケットじゃレコード屋で見かけても
購入意欲をそそらないヴァン・モリソンの1986年のアルバムです。
彼のこの時期のアルバムはどれもジャケットが買うな!と言っていて
ジャケットだけ見るとヒドい事になっていますがこれは切ない名盤なのですよ。

ミディアム・テンポのゆったりした曲が多く サクサクと足音を鳴らしながら
枯葉の積もった道を物思いにふけりながら歩いて行くような音ですねぇ。

そんな雰囲気を特徴付けているのはケイト・セント・ジョンがオーボエとcoranglais
(読めん!たぶんオーボエと似た楽器なんでしょう)で参加している事で
ふーっと柔らかいオーボエの音が聴こえてくると切なくなってしまうのですよね。

北アイルランド出身の彼の作品は時折トラッド風味のある曲もあります。
本作にも おぉ!トラッドをかますのか?と思わせるタイトルの 「Tir Na Nog」 と
「One Irish Rover] という曲がありますが この2曲にトラッドの香りはありませんね。

また女性コーラス隊なども入っているしAOR風味も感じられるのですが
ヴァンのヴォーカルのアクの強さでギリギリAORになるのを抑えています。

そして何といっても1980年代の彼を代表する決定的な名曲A5で失禁でしょう。
流れるようなピアノのフレーズに感情たっぷりに歌いまくるヴァンのヴォーカル。
どこまでもどこまでも美しい田園風景が目の前に広がるすっげー名曲です。

A5は歌詞でもアルバム・タイトルのフレーズを連発していて
これは 「無」 を歌っているのかなぁ。 まあ人生を達観したしたような曲ですよ。
僕もこの域に行ければ いちいちため息つかずに済むのだけどねぇ。
スゲェーなぁーヴァンというオヤジは・・・はぁー・・・と又ため息ですね。

ヴァンのアルバムの中でも最もジャケットが買うな!と言っている
「POETIC CHAMPIONS COMPOSE」 のレヴュー・・・第26号


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