この間レコード屋の店内で聴き覚えのある音楽が
大音量でかかっていてすっげー良く聴こえたのです。
あれ?これ何だったかな?と考えたら第82号で書いた米国バンド
エセックス・グリーンの「Everything Is Green」ってゆーアルバムでした。
とりあえず大音量処理すると何でも良く聴こえるの法則ってゆーのもあるけど
その事件以降エセックス・グリーンとその周辺バンドが更に良く響き出しました。



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THE ESSEX GREEN 「THE ESSEX GREEN」 (1999)
米 ELEPHANT 6 E6-019 (12")

A1 Fabulous Day
 2 Trees
 B1 Chester
  2 New Orleans
  3 Bald
 Christopher Ziter
 Jeffrey Baron
 Sasha Bell
 Michael Barrett
 Timothy Barnes

第82号で1st「Everything Is Green」をレヴューした際 彼らの音楽には手作り感覚があり
聴くタイミングが悪いと何じゃこりゃ?なアマチュア音楽に聴こえてしまうと書いたけど
レコード屋大音量事件以降は手作り感覚なるモノはそれ程感じなくなりましたねぇ。
懐かしくて可愛らしい響きを持った一級品なポップ・ソングとして鳴りだしましたよ。

で これは「Everything Is Green」発表直後に出たらしい12インチ・シングル。
5曲入りなので僕は12インチ・シングルのつもりでいるのだけど回転数が33回転なので
公式にはミニ・アルバム扱いなのかもね。 レコード番号がどこにも印刷されていないので
この番号は盤面の遊び溝に刻まれた文字から読み取ってみました。

「Everything Is Green」同様ジャケットが緑色を基調にした意匠になっているし
A2のタイトルが「トゥリーズ」ですよ! 出てくる音もアコースティックでのどかな響きで
草の上に寝転がってお昼寝をしたくなる素敵なポップ・ソング集になっています。

A1の出だしから指パッチン&可愛いらしいフルートで迫ってきて これが良いんだなぁ。
曲の後半には出たぁー!鳥のさえずりが入って更にたまらねー事になっています。
指パッチンは必要以上に繰り返され あらためてポール牧の影響力を思い知らされますが
彼らは世代的には少年隊の「君だけに」の影響を受けている可能性大ですねぇ。

A2ではハンドクラップがタタッタタタで最高だし B1はビーチ・ボーイズ風味だし
フィドルが入るカントリー風味のB2がまた心地良くてさぁ。 全5曲どの曲も良いです。
そしてエセックス・グリーンのサウンドって可愛らしいフルートが印象的ですよ。
フルートは全曲に入っているという訳ではないけどこのフルートには耳が行きます。

男女の歌声で聴かせるヴォーカル部分には相変わらず手作り感が漂う瞬間もあり
この歌声が何じゃこりゃ?なアマチュア音楽に聴こえてしまっていた原因だったのかなぁ。
 



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THE ESSEX GREEN 「THE LONG GOODBYE」 (2003)
米 MERGE MRG 228 (CD)

1 By The Sea
2 The Late Great Cassiopia
3 Our Lady In Havana
4 Lazy May
5 Southern States
6 Julia
  7 Old Dominion
  8 Sorry River
  9 Chartiers
 10 Whetherman
 11 The Boo Hoo Boy
 12 Berlin

 Jeff Baron
 Sasha Bell
 Christopher Ziter

エセックス・グリーンの2ndはLPで欲しかったけどLPが見つからないので
CDで購入してしまいました。 うーん LPは発売していないのかも知れません。
タイトルが「ロング・グッバイ」なんて事になっているので もしかしてこれでグッバイ?
メンバーも3人に減っちゃったし今後のエセックス・グリーンの活動が心配です。

1曲目の出だしから可愛らしいフルートのフレーズが登場でもうたまりませんよ。
ヴォーカルは女性がメインに歌う頻度が高くなり このヴォーカルは男女ともに
ツヤが増した感じになっていて何じゃこりゃ?なアマチュア度はほとんど感じません。
その結果アルバム全体からもどことなくメジャー感が放たれるモンだから さあ大変。
こりゃー素晴らしいです。 聴きまくりです。

残念ながら本作には過剰な指パッチンは入りませんがナウいハンドクラップが入ります。
ハンドクラップはあらぬタイミングで入るモンで一瞬ダサく感じてしまうけど
何度も聴いていると楽しくて楽しくて異常に気分が盛り上がる事うけあいですからね!

優しげなハーモニーで聴かせるロケンロールな2曲目がハンドクラップ多用だし
バンジョーが入るインストの7曲目のメロディーは「カエルの歌が聞こえてくるよ〜」似で
あらぬタイミングで1度だけハンドクラップが入るもんで楽し過ぎですもんねぇ。
グロッッケンスピール入りの9曲目はネオ・アコースティックな響きの青春サウンド。
・・・と思いきや この曲もあらぬタイミングでハンドクラップが入るというオマケ付きです。

元気な曲とゆったりした曲のバランスも良く 飽きる事無く何度も気持ち良く聴けます。
うーん これでグッバイなんてもったいない・・・って勝手に解散させちゃいけませんね。
 



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THE LADYBUG TRANSISTOR 「THE LADYBUG TRANSISTOR」 (2003)
英 TRACK & FIELD HEAT 24LP (LP)

A1 These Days In Flames
 2 In December
 3 3 = Wild
 4 Song For The Ending Day
 5 Choking On Air
 6 The Places You'll Call Home
 B1 Gospel
  2 Please Don't Be Long
  3 NY - San Anton
  4 Hangin' On The Line
  5 A Burial At Sea
  6 Splendor In The Grass
  7 The Last Gent

 Jeff Baron
 Sasha Bell
 San Fadyl
 Gary Olson
 Julia Rydholm

レディバグ・トランジスター! エセックス・グリーンのジェフ・バロンとサーシャ・ベルは
こちらのバンドにも在籍しています。 実はエセックス・グリーンよりレディバグの方が
活動歴が長いようなのでレディバグが本家でエセックス・グリーンは分家って感じかな?
これは何枚目かは知らないけど今のところ最新作の2003年作品です。

僕はあと何枚かレディバグ・トランジスターのアルバムを持っているけど
こちらもエセックス・グリーン同様以前の作品に比べてメジャー感が増した感じです。
そして以前の作品ではビーチ・ボーイズ風味の音作りが幅を効かせていて
それに伴ってピアノを基調にしているバンドだねぇーというイメージだったけど
本作ではギター・サウンドが印象的になっていますねぇ。

まあ僕の耳に響く感じではエセックス・グリーン程大騒ぎではないので
なんとなーくBGM感覚で流して聴いてしまう事が多いのだけど 気が付くと素敵な曲が
ふっと耳に心地良く迫ってきてあぁー良いなー・・・ってそんな感じのアルバムです。
うん 切ないメロディー&ストリングスが入って涙を誘うA4とか間奏のオルガンの
フレーズ&サビの男女コーラスの心地良さがたまらないB1とかが良いですねぇ。

ジャッキー・デ・シャノンのカバーB6はペダル・スティールも入り
カントリー・ロック風味な仕上がりになっていて これも良いじゃないですか!
もちろんジャッキー・デ・シャノンの歌い上げヴァージョンよりこっちの方が好きです。

ヴォーカルは男女がいますが主に歌っているのは男性のゲイリー・オルソンのようです。
この歌声が低音ヴァリトン・ヴォイスなので嫌いな人は嫌いかもね。
 



UpTheCountry.jpg UpTheCountryBack.jpg

THE SIXTH GREAT LAKE 「UP THE COUNTRY」 (2001)
米 KINDERCORE KC063 (LP)

A1 Duck Pond
 2 Across The Northern Border
 3 Up The Country
 4 The Ballad Of A Sometimes Traveller
 5 Cannon Beach
 6 Descending Star
 7 Blue
 8 Last In Line
 B1 You Make The Call
  2 Shade Of Love
  3 27 Forever
  4 Spin Your Wheels
  5 300 Miles
  6 Rockin' Chair
  7 Lovely Today

 Zachary Ward
 Jeff Baron
 Christopher Ziter

 Sasha Bell
 Michael Barrett


こちらは以前掲示板で教えていただいて知ったエセックス・グリーンの
メンバーの別プロジェクト シックスス・グレイト・レイクです。
なる程メンバーはエセックス・グリーンから1人入れ替わっただけですねぇ。

ヴォーカルを男女で聴かせるのは同じですがメンバーがほぼ一緒なので
出てくる音もエセックス・グリーンとほぼ一緒だぜ!という事は無く
更にアコースティックな響きでフォーク〜カントリー色の強い作品になっています。

グラム・パーソンズの「GP」に入っている「A Song For You」に似た
美しいメロディーを持ったゆったりとした3拍子のA4でクラクラー。
バンジョー・ロール入りの曲もあるし 普段はフルート担当のサーシャ・ベルが
ジャケットの写真どうりピアニカを吹く曲もあったりして最高ですねぇ。

ちょっとカントリー・ロック風味の1970年代シンガー・ソング・ライター風でもあるので
そんな2000年代のヤングな音楽なんか聴けるか!という人もイケるんじゃないかな。
これは名盤だ!とは言わないけど 聴き込む程に心地良くてホッとする作品です。
ただスローな曲の一部に気だるい雰囲気が漂います。 その部分も好きですけどね。
いやぁ お昼寝のお供に有効サウンドとしてはエセックス・グリーン〜
レディバグ・トランジスター以上にのどかで素晴らしいですよー。

さて ここまで紹介したエセックス・グリーンとその周辺バンドのメンバーの詳細とか
全然知らないけど勝手に想像するとヤングな人達(20代後半とみた!)なのでしょう。
彼らの放つ音って音楽性も幅広くて 子供の頃から色々な音楽を聴いて
吸収してきたのだろうなぁ。 いや誰もが吸収はしているのだろうけど
それを表現して音として出せるって凄い事です。

という事で彼らは子供の頃 過剰な指パッチン・ソングである少年隊の「君だけに」も
聴きまくり&踊りまくりだったったのでしょうねぇ。・・・ってそんなバカな!
・・・と ふと「君だけに」の髪をかき上げる仕草の踊りを思い出してしまって大爆笑です。
そして全然関係無いけど少年隊ってメンバーはもうすぐ40代なのですよね。
ええぇー その年齢で少年隊って!・・・さすがです。
 


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