英国フォーク〜シンガー・ソング・ライターの再発はずーっと途切れる事無く
続いている印象ですが そこら辺のって以前ほど激しく購入していない昨今です。
特にトラッド系は購入してねぇーなぁー。 いや購入していないと言っても
気になるヤツを見つけたらポツポツと拾ってはいる昨今なのだけどね。
ここ最近(といっても1年位)に購入したトラッド系のヤツを考えてみたら
いわゆるブリティッシュ・フォークは少なく 他の地域の芸人さんが多かったです。
こーゆー欧州トラッドも良いですねぇ。 でもこれ以上新しいジャンルに手を出すと
大変な事になってしまうので今後もポツポツ拾いでやっていきますよ。



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TRÍONA 「TRÍONA」 (1975)
アイルランド GAEL-LINN CEF 043 (LP)

A1 When I Was A Fair Maid
 2 Na Gamhna Geala
 3 The Wee Lass On The Brae
 4 O'Carolan's Farewell To Music
 5 Shíl Mé Féin
 6 Turlough Óg O'Boyle
 B1 Foinn Bhriotáineacha
  2 As I Roved Out From The Co. Cavan
  3 Kitty From Ballinamore
  4 Stór A Stór A Ghrá
  5 Here's To All True Lovers


やっぱりトラッドといえばアイルランドですよ。 というのも僕はブリティッシュ・フォークに
ハマる前はトラッドといえばアイリッシュ・トラッドを中心に聴いていましたからねぇ。
だからこのトゥリーナ(Tríona Ní Dhomhnaill)が誰だか知っていましたよ。
本作の中古LP適正価格はよく分からないけれど850円で転がっていたので
これはもしかしたら安いかも?と購入しました。

彼女は1970年代ボシー・バンド 1980年代レラティヴィティといったグループで活動し
1990年代はナイトノイズ(聴いた事無いんだけどね!)で活動・・・でいいのかな?
ちゃんと調べれば他にも活動歴が出て来そうですが アイリシュ・トラッド業界は
スコティッシュ・トラッド業界や米国のケルト系トラッド業界も巻き込んで出入りが激しく
もう訳わからない事になっているし そこら辺のデータ関連の調査が苦手な僕は
もちろん調べませんよ!・・・おかげで重要な活動歴が抜け落ちていたりするかもね。

で 本作はボシー・バンド以前に発表された(たぶん)唯一のソロ・アルバムです。
ボシーの1stはインスト曲の激しい楽器バトルを中心に聴かせるアルバムだったけど
激しいバトルの合間に ふっと息を抜ける感じでハープシコードの伴奏で
トゥリーナが歌う「Do You Love An Apple」って曲が入っていて あれは良かったなぁ。

本作はその「Do You Love An Apple」の世界をアルバム丸ごとやっている感じですね。
フィドルやイーリアン・パイプやフルートなども入るし 無伴奏で歌う曲もあるけれど
基本路線はハープシコードでトゥリーナが弾き語るというものになっています。
歌詞は英語とアイルランド語。 インストの曲も入っております。

彼女の歌声は美声では無いけれど かといってドスも効いておらず 素直な歌声。
そして楽曲はアイリッシュらしい寒そうで哀しいメロディーを持った曲が多いけれど
アルバム全体からは「何々?今夜の宿が無いって? じゃあ泊まっていきな。」と
言葉少なくぶっきらぼうだけど暖炉の前に誘い温かいスープも勧めてくれ
旅人を優しく迎えてくれるハイジのおじいさんのような温もりを放っています。
特に最後のB5なんて泣きそうで・・・おじいさーん!クララが立ったよー!級です。

決して名盤とは言わないけれど メイン使用楽器がハープシコードってゆーのは
トラッド物としては異色な面白さもあるし 何よりもほっと息をつける良い作品ですよ!
 



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FOLQUE 「FOLQUE」 (1974)
ノルウェー(?) PAN PACD011 (CD/1993)

1 Skløn Jomfru
2 Ravnene
3 Springar
4 Sjugur Og Trollsbrura
5 Nissedans
6 Harpa
  7 Sinclairvise
  8 Reinlender
  9 Alison Gross
 10 Steffa Går Til Selfjord
 11 Reven Og Bjørnen
 12 Heimat Låta


ノルウェーのフォルケの1st。 「フォルケ」はいつもの如く読み方がわからないので
適当にローマ字読みシリーズですが まんま「フォーク」って読んじゃってもいいのかもね。

しかしジャケットが良い! 家の前でパシャっと1枚撮っただけといえば撮っただけの
何て事ないジャケットですが 家の屋根やバックの木には郷愁を引き出す魅力があり
北欧を感じさせる寒さ漂う曇り空がまた良い! そしてダルシマーを持ったメンバー!
できる事ならデカいサイズのLPで欲しいなぁと思わせる素敵なジャケットですねぇ。

サウンドは女性ヴォーカルがメインに歌い フィドルも大活躍 インスト曲もありという
エレクトリック・トラッドになっていてフェアポート・コンヴェンションからの影響丸出しです。
女性ヴォーカルは気が強そうな感じがありますが それ程クセも無くて良いですね。

収録曲は英国のトラッドをやっているのかノルウェーのトラッドをやっているのか
わからないけれど もろ英国トラッドな美しい陰影のあるメロディーが連発されますよ。
(たぶん)ノルウェー語の歌詞と バンジョーが多く入るところはフェアポートと違うけれど
長髪の男どもの中に金髪の女性がいるという風貌はサンディ・デニーを思わせますねぇ。

僕はフェアポートの「Liege & Lief」を聴くとサンディのヴォーカルが痛々しくて何かなぁー
と感じてしまうのでこっちの方が好きですね。 また11 12曲目には笛が入って
笛が大好物の僕にはたまらない事になっているし 1分〜4分台とコンパクトに
まとまった楽曲の尺や トータル約37分という収録時間も集中して一気に聴けます。

フェアポートやトゥリーズを聴いて こーゆーの他に無いのかねぇと思っている人には
ぴったりなアルバムじゃないでしょうか。 彼らの作品はあと何枚かCD化されているので
他のアルバムも気になるところですね。 僕もテキトーに気にしておこーっと!
 



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FOLKDOVE 「FOLKDOVE」 (1975)
独 AMBER SOUNDROOM AS LP 001 (LP/2004)

A1 Willow Song
 2 Niebelung I
 3 Dark Eyed Sailor
 4 Reverdie
 5 The Wind And The Rain
 6 Dit Le Bourguignon
 7 Loibere Risen
 8 Borogove
 B1 Pretty Sarah
  2 Niebelung II
  3 Sylvie
  4 Lord Franklin
  5 O My Hart
  6 Lord Of The Dance


フランスのフォークダヴ唯一のアルバムの再発LP。  内容バツグンの傑作です。
フランスのグループですが英語で歌う曲も多く入っているためフランス臭ってゆーのは
薄くなっていて英国フォークの1枚として聴いてもまったく違和感が無い作品です。

バックはアコースティックな音で 可愛らしくて儚さもある絶品の女性ヴォーカル入り。
女性ヴォーカルがメインに歌う曲を中心にコーラスで聴かせる曲やインスト曲もあります。
トラッド〜アコースティック〜女性ヴォーカル〜オリジナル盤が危険なレア盤って事で
第43号で書いた英国トラッド・フォークのティカウィンダとイメージが重なりますねぇ。 

ギターとマンドリンのシンプルな伴奏が中心だったティカウィンダと比べると
こちらはフィドルやクラムホーンやグロッケンスピールや何だかよくわからない
弦楽器類も登場して彩りを与えています。 ・・・が聴いていても華やかさは感じず
こもった録音状態のせいもあるだろうけどレア盤独特の虚ろで儚い雰囲気が漂います。
おかげでティカウィンダと同じくらいかそれ以上の「凄いモノを聴いている感」があり
適切な判断をできなくさせる「凄いモノを聴いている感マジック」にやられまくりですよ。

暗いメロディーを持った曲が多い中 のどかだけど哀しみを纏った3拍子のA3で
誰もがノック・アウト! 可愛らしいギターのアルペジオで聴かせるB4がまた絶品です。

いやぁ良いなぁ。 無理して購入しといて良かったよ。 というのもこのLP
新品で3500円近い最高級品価格だったので1度引き抜いて悩んで戻したんです。
1ヵ月後くらいに同じ店に行ったらまだ置いてあったのでまた抜いて悩んで戻しました。
更に1ヵ月後同じ店に行ったらまだあったので また抜いて悩んで今度は購入しました。
それだけ悩んだおかげで結果的にポツポツ拾い作品になったし 内容も素晴らしくて
これは一石二鳥ってゆーヤツだね・・・ってこの使い方正しいのかしら?
 


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