再発業界の末期症状はとどまる事を知りません。
リマスター盤にしたよ!ボーナス曲入れてみたよ!紙ジャケにしてみたよ!
・・・と人気のある盤なんかだと同じ音源の再々々々利用くらいまでいっています。
で 同じ音源の再利用だけが末期症状なのかというと
別のタイプの末期症状もあり再発業界の奥の深さを思い知らされます。
何とか騙されないようにこの末期症状時代を生き抜かないといけないのだけど
僕は騙され続けているし これからもすすんで騙されていく意気込みですよ!



RainsReinsOfChanges.jpg

MARC ELLINGTON 「RAINS/REINS OF CHANGE」 (1971)
英 SMALL TOWN CAMD3 (CD/2003?)

1 Oh No It Can't Be So
2 On Your Own
3 Saving Grace
4 Song For A Friend
5 Yarrow
6 I'm Leaving (America)

  7 Rains/Reins Of Changes
  8 The Life You Love
  9 Days Used To Be Much Warmer
 10 Aligator Man
 11 All The Times
 12 Blue Suede Shoes


マーク・エリントンのこの作品は英スモール・タウンからの再発CDを購入したら
すぐにヒューゴ・モンテス・プロダクションからも再発CDが出てやがんの。
そっちの方が価格設定が安くてガーン!と泣きたい気分になってたら
今度はトーキング・エレファントってレーベルからも出ているのを発見しました。
何だ?何だ?同じ時期にこれでもか!の再発ぶりで そんなに競って出す程の
大人気アルバムなのか?っつーとそこまでの人気アルバムでもないよなぁ。
・・・とこれは再発レーベル競合による末期症状です。 ああ恐ろしや恐ろしや。

ヒューゴ・モンテスは盤起しの怪しげな再発レーベルですが
このスモール・タウンってゆーのもちょっと怪しげなつくりではあるんだよなぁ。
トーキング・エレファントからのヤツがちゃんとした正規盤なのでしょうかねぇ。

さて本作のバックにはフェアポート・コンヴェンション〜マシューズ・サザン〜
フォザリンゲイ関連の人などが参加していて大変な事になっています。
また英国軍団に混じってフライング・バリトー・ブラザーズのヤツらも参加していて
カントリー・ロック色もあり英米いいとこ取りなナイスな作品になっていますよ。

1曲目の軽快なフォーク・ロック曲でまずガツーンとやられちゃいますね。
霧のロンドンの街並を切り裂くが如きリチャード・トンプソンの独特の音色のギターと
クリス・ヒルマンの爽やかなマンドリンのバトルが・・・いやぁ良いなぁ。

マーク・エリントンの歌声は曲によって表情が変わるけど基本は優しげな
バリトン・ヴォイスです・・・でも歌声よりバックに耳が行っちゃうんだなぁ。
暗いフォーク曲だと思ったら急に間奏でリチャード・トンプソンのギターが暴れて
一瞬で空気を変えてくれる9曲目とか凄いよなぁ。 うん 存在感のあるギターです。

フライング・バリトー・ブラザーズのスニーキー・ピートとマシューズ・サザンの
ゴードン・ハントレーの米英スティール・ギター聴き比べ対決なんかも面白いので
興味ある人は3種類の末期症状CDから1枚選んで さあ購入しようぜ。
そしてすっげーディープなファンの人は3枚とも購入して
どこがどー違うか細部まで聴き比べしないといけないですよ!
 



ItsABeautifulDay.jpg

IT'S A BEAUTIFUL DAY
「IT'S A BEAUTIFUL DAY/MARRYING MAIDEN」 (1969/1970)

英 COLUMBIA 494893 2 (CD/1999)

CD1 (It's A Beautiful Day)
1 White Bird
2 A Hot Summer Day
3 Wasted Union Blues
4 Girl With No Eyes
5 Bombay Calling
6 Bulgaria
7 Time Is

  CD2 (Marrying Maiden)
  1 Don And Dewey
  2 The Dolphins
  3 Essence Of Now
  4 Hoedown
  5 Soapstone Mountain
  6 Waiting For The Song
  7 Let A Woman Flow
  8 It Comes Right Down To You
  9 Good Lovin'
 10 Galileo
 11 Do You Remember The Sun


米国バンド イッツ・ア・ビューティフル・デイの1st&2ndの合体2枚組CD。
これは2〜3年前に購入しましたが 外資系大型店嫌いの僕には珍しくHMVでゲット。
セールでも無いのに2枚組で1500円位のお買い得感にやられてしまいました。

どーゆー経緯でめったに行かないHMVへ行ったのかは覚えていないけど
その当時イッツ・ア・ビューティフル・デイの1stの帽子を被った女の子の
絵のジャケットが「あのジャケ素敵だよなぁ〜」と気になっていたので
イッツ・ア・ビューティフル・デイのコーナーを見てしまったのが運のツキでした。

ブックレットを開くときっとあの素敵なジャケットが載っていると思ったら
何だよ!おい!ブックレットの中は文字だけしか印刷されてねーじゃねーか!
いいかげんにしやがれ英コロンビア!善良な市民を騙しやがったな!くっそー!
という顛末で・・・更に思うと2枚の別々のアルバムを強引に2枚組にしている
抱き合わせ商法でもあるし かなりレベルの高い末期症状CDになっています。

ちっきしょー!騙された!すっげー悔しいぜ!と裏ジャケに印刷された
文字を見てみたら権利関係でアートワークがうんぬん・・・って印刷されていてねぇ。
うーん そーゆー所もちゃんと見て購入しないといけない末期症状時代かぁ。

さてアルバムの内容は男女のヴォーカルが自由度の高いコーラスで迫る所や
じわりとサイケデリックなバックの感じがジェファーソン・エアプレインに似ています。
使用楽器はギター ベース ドラムス オルガン バイオリンが基本編成で
エレキギターなロック曲 アコーステイックな響きの曲と両方入っています。

時にゆらゆらと時に爆裂サウンドでトリップなCD1「It's A Beautiful Day」。
バイオリンが多く入りますが このバイオリンはトラッドやカントリーの
味付けは薄くアート系の香りがして「フィドル」ではなく「バイオリン」って感じです。
CD2「Marrying Maiden」はカントリー風味の曲やボサノバ曲も入って
バラエティに富み全体的にアコースティックな響きでのどかな空気感がありますね。

2枚ともなかなか良い内容ですがやっぱり末期症状ジャケットのため
ふん!ちゃんと聴いてやるもんか!とこっちの気分も盛り上がらなかったりしてさ。
ああ ケチんないでちゃんとしたジャケットのヤツ購入すれば良かったなぁ。
  



InnocenceAndDespairDisc1.jpg InnocenceAndDespairDisc2.jpg

THE LANGLEY SCHOOLS MUSIC PROJECT
「INNOCENCE AND DESPAIR」 (1976/1977)

米 GAMMON GMN2105 (LP/2003)

ALBUM ONE (Lochiel, South Carvolth, 
And Glenwood Schools,1976)

A1 You're So Good To Me
 2 To Know Him Is To Love Him
 3 Help Me, Rhonda
 4 Space Oddity
 5 I'm Into Something Good
B1 Band On The Run
 2 Rhiannon
 3 Little Deuce Coupe
 4 Saturday Night

 ALBUM TWO (Wix-Brown School, 1977)
 A1 Venus And Mars / Rock Show
  2 You're Sixteen
  3 Wildfire
  4 In My Room
  5 I Get Around
  6 The Long And Winding Road
 B1 Desperado
  2 Good Vibrations
  3 God Only Knows
  4 Sweet Caroline
  5 Mandy
  6 Calling Occupants Of Interplanetary Craft


ハンス・フェンガー(読み方適当シリーズ)っていうジョージ・ハリスン顔のオヤジが
カナダの小学校の生徒に歌わせ演奏させたアルバム。 学芸会レベルで強力!
これは2枚組ですが別々のLP2枚に分かれた体制でパッケージされていました。
本作は別ジャケットのCD(CDは1枚に全曲収録)も再発されております。

子供が歌い演奏するアルバムってゆーのは数多く存在するけど
まあ何事も低年齢化してしまう事自体末期症状ではありますよね。
そんな中でも本作はド素人の子供に歌わせていて末期症状中の末期症状ですよ。

そんなアルバムがLPで再発されてしまうなんてのは更に末期症状だし
それを購入して聴いてしまうなんて行為は更に更に末期症状じゃないですか。
そして有難い事に音もこもり気味で更に更に更に末期症状に拍車がかかります。
もう末期症状の蟻地獄状態で・・・つまりこのアルバムは良いって事です。

収録曲は有名なヒット曲がズラズラーっと並んでいて 覚えのあるメロディーが
お前も一緒に歌いやがれ!と言わんがばかり。 そしてビーチ・ボーイズの曲が
アルバム1のA1 A3 B3 アルバム2のA4 A5 B2 B3と多くなっています。
ビーチ・ボーイズの曲はコーラスで聴かせるタイプが多いので
こーゆー大合唱作品にはもってこいな選曲になっていますよ。

バックはアコギやピアノに打楽器類とグロッケンスピールが絡むくらいの
シンプルなモノなので合奏大会というよりもやっぱり合唱大会アルバムです。
ただアルバム1のA4だけはギュイーンと宇宙サウンドな音が飛び出し
サイケデリック少年少女合唱団状態なので演奏方面でも楽しめる曲になっています。

合唱する曲ばかりの中でアルバム2のA6 B1はピアノのバックに独唱ですねぇ。
キャー!すっげーロリータ・ヴォイスだ! こりゃーたまりませーん!
あ ロリータ声だけどもしかしたら声変わりする前の男の子が歌っているのかもね。
いや関係ねー!この2曲は絶品ロリータ曲で・・・すっげー良いです。

打楽器のリズムがズレたりするのは不安定で汚い音ともいえるけど
ド素人の子供がやっているが故の天然系のズレで・・・そりゃー美しいですよー。
うーん 突き詰めると良い音楽って美しく響くか否かって・・・そこにつきます。
・・・と音楽の本質が見え隠れするので荒んだ心で音楽を聴いている僕やアナタに
オススメのアルバムです。・・・ってこーゆー訳分かんないアルバムを
喜んで購入して聴いてみようという心が一番荒んでいるのだろうけどね!
 


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