レビュー第205号 新たなティーンエイジ・ファンクラブを探して そうなんです、探しています。 血眼になって探しています。 「血眼」って漢字で書くと怖いけど ひらがなで「ちまなこ」って書くと何か可愛いです。 という事で、血眼になって探しています。 |
TEENAGE FANCLUB 「ENDLESS ARCADE」 (2021) 米 Merge Records MRG742 (LP) |
A1 Home A2 Endless Arcade A3 Warm Embrace A4 Everything Is Falling Apart A5 The Sun Won't Shine On Me A6 Come With Me |
B1 In Our Dreams B2 I'm More Inclined B3 Back In The Day B4 The Future B5 Living With You B6 Silent Song |
スコットランドのティーンエイジ・ファンクラブ(以下TFC)。 もうかなりのベテランですね。これは何枚目のアルバムになるのでしょう? 2021年作品「エンドレス・アーケイド」です。 こちらのLP、欧州盤、アメリカ盤、日本流通盤、盤の色違いなど何種類も出ましたが どれもけっこうな高額販売だったので、わたくし血眼になって安いヤツを探し 結局アメリカのマージから出た普通の黒い盤を入手しました。 ジャケットの顔の部分が切り抜かれた特殊ジャケのヤツもありますが このマージ盤は切り抜かれておらず、とにかく普通の1枚なのが、もう悔しくて悔しくて! ただダウンロード・コードは付いていました・・・Pema盤には付いていなかったのかな? メンバーはノーマン・ブレイク、エイロス・チャイルズ、フランシス・マクドナルド レイモンド・マッギンリー、デヴィッド・マッゴーワンの5人がクレジットされていて、 大好きだったゴーキーズ・ザイゴティック・マンキ(以下ゴザイマン)のフロントマン エイロス・チャイルズが正式加入したので、ワクワク、ドキドキしながら聴きました。 エイロスが弾いていると思われるキーボードはけっこう目立っていて良かったですが ノーマン・ブレイク6曲、レイモンド・マッギンリー6曲と、きっちり2人で分け合って 提供している楽曲が、何かどれも弱いんだよね・・・ 数々の名曲を提供していたジェラルド・ラブが抜けてしまった穴は大きくて ジェラルドの受け持っていた3分の1がポッカリ空いてしまったような感じ・・・ まあ、じっくり聴けばどの曲も味わい深く、良い曲ばっかりのナイスなアルバムですよ。 でもやはり、ティーンエイジ・ファンクラブにはもっともっと永遠を感じさせる グッド・メロディーを求めてしまうんだよね・・・なので、今から探しに行ってきます! 新たなティーンエイジ・ファンクラブを血眼になって探しに行ってきます! ティーンエイジ・ファンクラブを書いたページ 第103号 2005/7/31・・・「Man-Made」 第80号 2004/1/11・・・「Words Of Wisdom And Hope」 第25号 2000/12/1・・・「A Catholic Education」「The King」「Bandwagonesque」「Thirteen」 「Grand Prix」「Songs From Northern Britain」「Howdy!」 |
LIGHTSHIPS 「ELECTRIC CABLES」 (2012) 欧 Geographic GEOG35LP (LP) |
A1 Two Lines A2 Muddy Rivers A3 Sweetness In Her Spark A4 Every Blossom A5 Silver And Gold |
B1 Silver And Gold B2 Girasol B3 Stretching Out B4 Photosynthesis B5 Sunlight To The Dawn |
血眼になって探していたら出てきました!こんなん出てきました! ティーンエイジ・ファンクラブを脱退してしまったジェラルド・ラブの ソロ・プロジェクト、ライトシップスです。うぇーん、これは素晴らしいよぉ! パステルズのステファン主宰のジオグラフィックからのLP、ダウンロード付きです。 参加メンバーはスコティッシュ人脈のようで、現在のティーンエイジのメンバー デイヴ・マッゴーワンや元ティーンエイジのドラムス、ブレンダン・オヘア あとはベル&セバスチャン(以下ベルセバ)の人など・・・が参加しています。 ライトシップスは2012年に、このアルバムと、シングルも出していたけど これ1回限りのプロジェクトだったようで、その後のリリースは無いですね。 盤に針を落とすと、ロマンティックで浮遊感のあるグッド・メロディーに ジェラルドの柔らかなヴォーカルが乗っかって、ティーンエイジを炭酸水で薄めて 風船に入れて青空に飛ばしたようなサウンドが展開されます! ・・・うーん、もはや例えが何言っているか分からないですが、けっこうソフトな感触で フルートとかも聴こえてくるし、ティーンエイジとは似ているようで違う音なのです。 まあ、とにかく素晴らしい事に間違いは無く つまり、わたくし、新たなティーンエイジ・ファンクラブを見つけました! ・・・あっ、「新たな」とか言ったけど、やっているジェラルド・ラブ本人が ティーンエイジのメンバーだった!・・・いっけねぇ!これは見つけたとは言えないなぁ。 ・・・仕方ない。今から別のヤツを探しに行ってきます! 新たなティーンエイジ・ファンクラブを血眼になって探しに行ってきます! |
JONNY 「JONNY」 (2011) 英 Alsatian Records ALSATIAN02LP 233 (LP) |
A1 Wich Is Wich A2 Candyfloss A3 Waiting Around For You A4 Goldmine A5 You Was Me A6 Circling The Sun A7 English Lady A8 The Good Night |
B1 Bread B2 Cave Dance B3 I Want To Be Around You B4 I'll Make Her My Best Friend B5 Never Alone |
久々にジョニーのLPを取り出してみたら、ライブのチケット半券が入っていました。 2011年5月18日(水)原宿アストロホール、サポート・アクトはカジヒデキとホフデイラン! ・・・そんな豪華な2組も出演したライブだったっけ?あまり覚えていないなぁ。 ジョニーはノーマン・ブレイクとエイロス・チャイルズの双頭グループで あとは、ドラムスでスチュワート・キッド、ベースでデイヴ・マッゴーワン・・・ あれ?デイヴ・マッゴーワンはここにも参加しているのか・・・ あれ?あれ?よく考えたら4人中、3人が現ティーンエイジのメンバーじゃないですか! 収録曲はノーマンとエイロスの共作が8曲、エイロス単独作が5曲となっています。 ノーマン単独の提供曲は無いし、アルバム全体はエイロス色がかーなり濃いですね。 ゴーキーズというより、エイロスのソロ作品に近い音で、とぼけた表情の曲が多いです。 演奏自体は、クレジットされた4人だけで演ってますという感じで あまり変な楽器とかも入らないシンプルな音で、良い曲もたくさん入っていますよー。 しかし、新たなティーンエイジ・ファンクラブを見つけた!と思ったら 4人の内3人が現在のティーンエイジ・ファンクラブのメンバーだったなんて そんなの「新たな」でも何でもないですよね。 ・・・仕方ないなぁ。今から別のヤツを探しに行ってきます! 新たなティーンエイジ・ファンクラブを血眼になって探しに行ってきます! |
THE NEW MENDICANTS 「INTO THE LIME」 (2014) 英 One Little Indian TPLP1208CD (CD) |
1 Sarasota 2 A Very Sorry Christmas 3 Cruel Annette 4 Follow You Down 5 Shouting Match |
6 If You Only Knew Her 7 High On The Skyline 8 By The Time It Gets Dark 9 Out Of The Lime 10 Lifelike Hair |
血眼になって探していたら、こんな凄いのを見つけました! はい、遂に出ました!ニュー・メンディカンツ唯一のアルバムです! こちらの作品はLPもリリースされたようなのですが、一瞬で売り切れたのかな? LPの現物は一度も見た事無くてねぇ。わたくしはCDを買いましたが LP欲しいなー、誰か再発してよ、ねえ誰か・・・2,500円くらいで・・・それは無理か! 3人のメンバーは米バンド、パーニス・ブラザースのジョー・パーニス&マイク・ベリツキーと あれ?あと1人はティーンエイジ・ファンクラブのノーマン・ブレイクじゃないですか! 彼はジョニーに続いて、ニュー・メンディカンツもはじめたのですね。 出てくる音は、柔らかな感触のフォーク・ロックで、とにかくグッド・メロディーがあり どちらかというと、ティーンエイジよりもパーニス・ブラザース寄りのサウンドでしょうか? まあ、ヤッベーくらい良い曲が並んでいて、聴かないともったいないアルバムです。 全体的にアコースティックな響きがあって、あまり練らずに、さくっと作った感じもあり 作り込まれていない事が、楽曲自体の良さを際立たせているのではないでしょうか。 エレキ・ギターとドラムスがうるさい5曲目が最もティーエイジ・ファンクラブぽい音で あと、サンディ・デニーの絶品カバー8曲目なんてのも絶賛収録中で・・・ああ、絶品。 しかし、新たなティーンエイジ・ファンクラブを見つけたと思ったら やっぱりティーンエイジのメンバーのノーマン・ブレイク自身がやっている作品でした。 ・・・うーん、仕方ない。今から別のヤツを探しに行ってきます! 新たなティーンエイジ・ファンクラブを血眼になって探しに行ってきます! |
SEASIDE STARS 「THE MAGIC OF STEREO」 (2001) 独 Firestation Tower Records FST 035 (CD) |
1 Good Timing 2 Kick Out 3 Change 4 Eyes 5 Old Room 6 Summery Girl |
7 Don't Mind 8 Close To The Sun 9 OK 10 For You 11 Fall 12 Playground |
「母ちゃん!俺、遂に、新たなティーンエイジ・ファンクラブを見つけたよ!」 「あら、ホントだ!これ、バンドワゴネスクの頃のティーンエイジにそっくりだねぇ。」 「そう、このギターのフレーズとか、このヴォーカル・ハーモニーとか、そっくりでしょ? 楽曲のメロディーもティーンエイジに迫る素晴らしさがあるし ティーンエイジの未発表曲ですと言われても信じちゃうレベルにそっくりでしょ?」 「ホントそっくりだねぇ。モノマネ業界的に言うとクリソツってヤツだね。」 「シーサイド・スターズはドイツの2人組。これは1stアルバムなんだ。 2001年の作品なので、本家のティーンエイジはハウディ!を出した後だね。」 「ん?2001年だって?アンタ!これ、20年以上前の作品じゃないかい! そっくりなのはいいけど、そんな昔の作品を「新たな」とか言って バレないとでも思ったのかい!」 「あっ!バレてたか・・・。 新たなティーンエイジ・ファンクラブを中々見つけられないので いかにも新しいかのように振舞って、古い作品を出してしまったよ。」 「アンタ!母ちゃんはね、全部お見通しなんだよ! アンタをそんなズルい事する子に育てた覚えは無いからね! しかし、バレないと思っていたなんて残念だねぇ・・・親の顔が見てみたいよ・・・」 「母ちゃん・・・」 「あと、これだけは覚えておきな! とりあえず4曲目の「Eyes」を聴いて、そのクリソツぶりに、びっくりしてみな! そして彼らには2ndもあって、そちらもティーンエイジにクリソツなんだよ!」 「母ちゃん、俺より知ってるな・・・」 |
THE BOYS WITH THE PERPETUAL NERVOUSNESS 「THE THIRD WAVE OF...」 (2022) スペイン Bobo Integral Records BBI-029 (LP) |
A1 As The Day Begins A2 Look Back A3 Isolation A4 In The Right A5 The Stars Go Round |
B1 Open Up The Box B2 Turning Red B3 Old Pictures Of Ourselves B4 Out Of Time B5 Old Ways |
そして、新たなティーンエイジ・ファンクラブをやっと見つける事ができました。 こちら、2022年作品なので「新たな」だし、サウンドもティーンエイジ・ファンクラブしまくり。 もう誰にも文句は言わせません!これだけ血眼になって探した甲斐があったよ・・・。 ボーイズ・ウィズ・パーペチュアル・ナーヴァスネスはスコットランドとスペインの遠距離デュオ。 これは3rdアルバムで、この長いグループ名はフィーリーズの曲からとったとの事です。 彼らは動物の絵のジャケット専門(?)でやっていて 1stはスポーツメーカーのプーマに影響を受けまくったジャケ。 2ndは100日後に死ぬワニの影響を受けまくったジャケになっていました。 このコウモリの3rdは、何の影響を受けまくっているのか只今確認中。確定次第報告します。 僕はワニの2ndで彼らを知ったのですが、その時すでに1stのLPは入手困難でした。 2ndがあまりにも素晴らしかったため、次は手遅れにならない内に買うぞ!という事で この3rdは出た瞬間(でもないけど)えいっ!と、バンドキャンプ経由で購入していまいました。 なお入手できなかった1stは配信等で聴けますが、悔しいのでまだ一度も聴いてません! そして、3rdは、2ndと同じくらい・・・いや、更に素晴らしくなっているのではないでしょうか? グッド・メロディーのパワー・ポップに、爽やかなハーモニー・ボーカル。 12弦ギターがけっこう多用されていて、初期バーズぽさが漂う所がまた良いし 全曲2〜3分台で、いっさい無駄が無く、ギュッと良い曲が凝縮されたアルバムです。 A3では、久々に名前を見たメアリー・ルー・ロードがゲスト・ヴォーカルでハモっています。 バンドキャンプ経由で購入したのでダウンロード&ストリーミングもできるようになり ダウンロードしてみたら11曲目に「Isolation」のメアリー・ルー・ロードがメイン・ヴォーカルの アコースティック・ヴァージョンがオマケで付いてきました。これがまたイイんだ! とにかくティーンエイジ・ファンクラブ好きは、絶対に大好きなサウンドです。 A5とか、何これ?「ノーザン・ブリテン」でしょ?ってなります。聴いたらビビりますよー! 血眼になって探せばこんな凄いのに出会えるので、これからも血眼で探し続けます。 ・・・にしてもやっぱり「血眼」って漢字で書くと怖いよね。 間違えて「けつがん」と読んじゃいそうだし・・・正解は「ちまなこ」です。 「ちまなこ」・・・やっぱり、ひらがなにすると何だか可愛いね! 今度、何かに名前をつける機会があったら「ちまなこ」ってつけます!必ず! |