レビュー第198号、女と男のエレファント・レコード! スペインはマドリードのエレファント・レコード。 そう、そうなんですよ、エレファントといえば男女デュオ 男女デュオといえばエレファントというくらい 素敵な男女デュオの宝庫じゃないですか! どれも素晴らしいので、今、しゃかりきになって聴いています! |
ALPACA SPORTS 「FROM PARIS WITH LOVE」 (2018)
スペイン Elefant Records ER-1232LP (LP)
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今、しゃかりきになって聴いているのは、スウェーデンのアルパカ・スポーツ。 ジャケットの絵では3人登場しているけど、アーティスト写真やビデオ・クリップを見ると いつでも男女の2人組なので、アルパカ・スポーツは男女デュオって事でいいですよね。 彼らはミニ・アルバムとかリミックス・アルバムとか、色々出していますが 純粋なフル・アルバムとしてはこれは2枚目に当たる作品になるようです。 サウンドはソフト・タッチなギター・ポップで、特別驚きのある音では無いけれど とにかくグッド・メロディーの連発!とびきりキャッチー!で、本当に素晴らしく 思わずレコードに合わせて一緒に歌いたくなるような曲がズラリと並んでいますよー。 郷ひろみから空気を抜いたような声の男性ヴォーカルがメインに歌う頻度が高く 「空気抜き郷ひろみ」を簡単に言うと、スコティッシュのアリー・カー似の声って事です。 女性ヴォーカルは多く登場しないけど、小鳥のさえずりのように美しく、可愛らしい声! A2ではパパパとシャララが入ってうおぉー!トランペットも入ってうおぉー! このトランペット、レディバグ・トランジスターのゲイリー・オルソンじゃないか!うおぉー! 可愛らしい女性ヴォーカルもたっぷり聴ける、モータウン調のはじけるA5は 聴いたら最後、頭の中でキャッチーなサビのメロディーがグルグル回る、回り続ける! そして女性ヴォーカルが美しく歌う、ミデイアム・テンポのナンバーA6とB6! この2曲はA面、B面の最後を締めるのに効いていますね。 ゆらゆら漂うB6は10cc「I'm Not In Love」のようで・・・というか、もろ「I'm Not In Love」。 とにかくとても美しいこのB6でアルバムは幕を閉じます。素晴らしい! LPはダウンロード・コード付き。さあ、しゃかりきになって聴きましょう。 |
THE LAST DETAIL 「THE LAST DETAIL」 (2018)
欧 Elefant Records ER-1234LP (LP)
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今、しゃかりきになって聴いているのは、ラスト・ディテールの1stアルバム。 男性のメディ・ザナドさんはフランスの方で、フギュ名義で以前から活躍されている方。 女性のエリン・モーランちゃんはガール・コールド・エディ名義で活躍のアメリカの方。 そんなキャリアのある2人が組んだラスト・ディテール、ポップで素晴らしい作品です。 どの曲もしっかりとしたアレンジで、ポール・マッカトニー〜ウイングスなどを思わせる 王道のポップなロック・サウンドをやっていて、捨て曲ナシで完成度高いです。 男性ヴォーカルはクセが無くて耳心地が良く、女性ヴォーカルは近年流行の(?) 声を張り上げないタイプのフォーキーな女性シンガー・ソングライター風でもあり まあ、こちらもクセはありません。2人のヴォーカルは、激しくハモって絡む感じじゃ無く ソロ歌唱部分をメインに聴かせる感じかな。歌っている頻度は男女半々ですね。 多くの人が演奏に参加していて、たまに入るホーンやストリングスもとても良く ELOのような永遠系ソングA7と、ビーチ・ボーイズ風味のB4がハイライトでしょうか。 とにかく他の曲もシングル・ヒットしちゃいそうな良い曲ばかり、ずらりと並んでいます。 しかし、フランス国旗とアメリカ国旗がミックスされたようなジャケットの図柄。 ・・・というコンセプトでいいのかな?でも、このジャケットだとポップな音が想像できず インダストリアル系かなと思っちゃうので、ちょっとジャケットで損をしていますね。 なお、この作品は裏ジャケに「Made In EU」の文字があるので欧州盤としました。 そういう、割とどうでもいい所にこだわります。気の狂ったマニアなので・・・ LPはダウンロード・コード付き。さあ、しゃかりきになって聴きましょう。 |
GALAXY FINGERS 「THE LAST BASTION OF FOX QUALITY」 (2019)
スペイン Elefant Records ER-1246 (10")
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今、しゃかりきに聴いているのは、アメリカのギャラクシー・フィンガーズの10インチ盤。 メンバーは、アレックス・シモニアンさんとクララ・ムーアちゃんの2人ですが 他にベースやドラムスやシンセなどの演奏者も数人参加しているので 男女デュオという感じは薄くて、4人組くらいのバンドっぽい音になっています。 スロー〜ミディアム・テンポの曲が並んだそのサウンドはシューゲイザー系だけど ノイジーなギターはあまり入らずにサイケデリックに美しく流れる感じです。 まあ、コクトー・ツインズとかマジー・スターが思い浮かぶ素敵な音ですね。 クララ・ムーアちゃんの美しい歌声、アレックス・シモニアンさんの優し気な歌声。 ハーモニー・コーラスで歌う部分も多く、2人のヴォーカルの絡みもとても良いです。 アレックス・シモニアンさんが5曲、クララ・ムーアちゃんが3曲提供していて 特に切ないメロディーが印象的なクララちゃん作の曲(A3、B1、B2)に ググッときますねぇ。その内A3とB2は8分の6拍子!絶対にやられます!やられたぁ! この10インチ盤はダウンロード・コード付き。さあ、しゃかりきになって聴きましょう。 |
GALAXY FINGERS 「LET IN ELIJAH EP」 (2018)
スペイン Elefant Records ER-352 (7")
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ギャラクシー・フィンガーズは、こちらの7インチに収録されている A1「I Need Therapy」を最初に聴いて、うわぁぁー凄くイイ!となったのでした。 そして前項の10インチのミニ・アルバムをしゃかりきに何度も聴いた今でも やはり最高の1曲は「I Need Therapy」なので、この7インチも紹介しておきます。 「I Need Therapy」は、ゆったりとしたテンポのシューゲイザー系サウンドで 切ないメロディーが胸に突き刺ささる名曲!これもクララ・ムーアちゃん作だね! ・・・と、この素晴らしいA1に持っていかれちゃうけど、他2曲もとても良いです。 で、これ、ダウンロード・コード付きで、ダウンロードすると4曲目に 「Delivered」という曲もダウンロードできるというオマケ付き(?)になっています。 また、A2「Clap For Them」は10インチ盤に入っているのとは別ヴァージョン。 別ヴァージョンといっても、あまり変わっていないですけどね。 それでもやはり、しゃかりきになって聴くべきです。 |
MARIA RODÉS Y LA ESTRELLA DE DAVID 「CONTIGO」 (2021)
スペイン Elefant Records ER-1269LP (LP)
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今、しゃかりきに聴いているのは、マリア・ロデスちゃんとラ・エストレラ・デ・ダビデさんのデュオ。 2人共、ソロではけっこう長いキャリアがあるようで、2人で組んだ作品はこれが初です。 ジャケットの雰囲気からして「マニアの間では有名な1975年リリースの裏名盤」といった趣で 出てくる音も正にそんな感じの、エレファント・レコードには珍しい、カントリー・サウンドです。 多くの曲はのどかに心地良く響き、たまにカントリー・ロックなイカしたカッコいい演奏も飛び出し とにかく曲がメロディアスで親しみやすく、どの曲も凄く良いです。これホント! 美しくキュートな歌声のマリアちゃんが前面に出て歌い、男性ヴォーカルは バックでコーラスを付けているように聴こえるのだけど、実際は半々くらいで歌っています。 男性ヴォーカルがメインの曲では、何だかヨレヨレで情けない歌声で歌われ キュートなマリアちゃんヴォーカル・メインの曲とのコントラストが何とも面白いですね。 歌詞はスペイン語で、巻き舌がたくさん入り、ここが好き嫌いの分かれるポイントかな。 同じスペイン語でも巻き舌が気にならないヴォーカル・スタイルの人もいるけど この2人はけっこう耳に入ってきます。出身地とか関係あるのでしょうかねぇ。 サウンド的には本当に1970年代の裏名盤みたいな破壊力がありますので。これホント! LPはダウンロード・コード付き。さあ、しゃかりきになって聴きましょう。 |
NIZA 「CANCIONES DE TEMPORADA」 (2002)
スペイン Elefant Records ER-25-012LP (LP/2016) |
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今、しゃかりきになって聴いているのは、スペインのニーサ。 これは2002年にCDで出ていた作品を、2016年に初LP化したヤツです。 LP化にあたって、ボーナス曲が3曲追加され(A7、B1、B4) 更に2枚目のLPも追加し、C、D面には2005年の来日ライブ音源を収録! こんなファン垂涎のスペシャル・エディションが登場で大変な事に! ・・・とは言ってみたものの、実はわたくし、このLP化ではじめてニーサを知ったので 垂涎でも何でもありませんね。そしてグループはすでに活動はしていない模様です。 ニーサは男女デュオといっても、女性のシルビア・サンスちゃんがメインに歌い 男性は演奏中心のようで、ヴォーカルはちょっとコーラスで入る程度になっています。 ポップでメロディアスな楽曲に、シルビアちゃんの愛らしいウィスパー・ヴォーカルが乗り 歌詞はスペイン語だけど、フレンチ・ポップを聴いているかの如くの感覚に陥ります。 A1とかシルヴィ・ヴァルタンの「あなたのとりこ」を思わせるキャッチーな曲! フレンチ・ポップを思わせる曲の他、ギター・ポップ、エレ・ポップ、ボサノバもあって つまりエレファントのレーベル・カラーをギュッと詰め込んだ感じでしょうか。 とにかくどの曲もキャッチーで楽しさいっぱい!それはそれは素晴らしいですよ。 LP2枚目の来日ライブ音源は、しっかりと作ったバック・トラックを流して 歌っている感じで、カラオケ感もあり、ライブならではの大幅なアレンジの違いとか 迫力だとかはあまり無いですが、D1、D2、そしてニュー・オーダーのカバーD3は ギター1本の演奏で、ライブならではかな。あと、日本語でのMCも絶賛収録中。 こちらも、もちろんダウンロード・コード付き。さあ、しゃかりきになって聴きましょう。 さて、エレファントには他にも男女デュオがいるので、更にチェックしないといけません。 本当にエレファントといえば男女デュオ、男女デュオといえばエレファントのレベルで もう、アメ横といえば中田商店、中田商店といえばアメ横というレベルに等しいですね。 まあ、僕にとってアメ横といえば中田商店ではなく、イケダヤ靴店ですけどね! そして昔、アメ横にもディスク・ユニオンがあったのを思い出しますねぇ。 ・・・ん?これ何の話だ?どこからアメ横の話に変わっちゃったんだ? |