レビュー第197号、思い出のカメラ・オブスキューラ!
はい、という事で、長い事お待たせしました。
遂にスコットランドのバンド、カメラ・オブスキューラの思い出が語られますよ!
・・・とは言ったものの、そんなに強い思い出、思い入れは無くて
主にどのようなシチュエーションでLPを購入したかという思い出です。
最近、記憶力が「3歩、歩いたら忘れる鳩レベル」へ低下中なので
覚えている内に書いて、記録しておくのです。

BiggestBluestHiFi.jpg
CAMERA OBSCURA 「BIGGEST BLUEST HI-FI」 (2001)
英 Andmoresound Records AND 17 33 (LP)
A1 Happy New Year
A2 Eighties Fan
A3 Houseboat
A4 Pen And Notebook
A5 Swimming Pool
 B1 Anti-Western
 B2 I Don't Do Crowds
 B3 The Sun On His Back
 B4 Double Feature
 B5 Arrangements Of Shapes And Space

この1stを購入時、まったく知らないバンドだったカメラ・オブスキューラ。
何だかやってくれそうなジャケットだったので、えい!買っておけ!と、購入しました。

購入した店は、店舗が新宿にあった頃のヴィニール・ジャンキーです。
ヴィニール・ジャンキーは2000年代中頃まで西新宿のレコード店街に店舗があり
その後、短期間、原宿に移転したんだっけ。 更にその後、下北沢に移転しました。
3歩、歩くと忘れる鳩レベルの記憶力なので、原宿移転は別の店だったかも・・・

サウンドは女性ヴォーカルがメインに歌うギター・ポップで、たまに男性も歌います。
女性ヴォーカルのトレイシーアン・キャンベルちゃんは、飾らない中音域系の歌声で
いっさい息継ぎをせず流れるように歌う(そんな訳無いけど!)ように聴こえます。
歌い方というより、彼女の作るメロディーが隙間なく流れる感じなのですけどね!

この流れるような感じは、米シンガー・ソングライター、ナタリー・マーチャント似で
ナタリーとトレイシーアンの声質は全然違うけど、この2人の歌い方と
隙間なく流れるような感じのメロディーはとっても好きです!

カメラ・オブスキューラはいつもギター・ポップのカテゴリーに入れられているけど
ガチャガチャとしたアノラック系では無く、しっかりと練られた音作りをしていて
ストリングスやホーンが入る曲なども多いし、もっと普遍的なポップスを感じます。

ただ、この1stは、わざとなのか、手作り感が出るような音のバランスがあり
若くてヤングでフレッシュな新人ギター・ポップ・バンドらしさもあるのでした。
うん、これはこれでよし!な、とても愛しくなる1枚です。

B5はインスト。 ジャケットに写る女性はバンドのメンバーではありません。
 

UnderachieversPleaseTryHarder.jpg UnderachieversPleaseTryHarderBack.jpg
CAMERA OBSCURA 「UNDERACHIEVERS PLEASE TRY HARDER」 (2003)
欧 Elefant Records ER-1104LP (LP)
A1 Suspended From Class
A2 Keep It Clean
A3 A Sisters Social Agony
A4 Teenager
A5 Before You Cry
A6 Your Picture
 B1 Number One Son
 B2 Let Me Go Home
 B3 Books Written For Girls
 B4 Knee Deep At The NPL
 B5 Lunar Sea

2ndアルバムは渋谷のゼストで購入。 この時期、ゼストはノア・マンションの5階から
向かいのビルに移転して、内装もおしゃれな感じになり、入りやすい店になっていたけど
英国インディーズ中心だったノア・マンション時代から、扱う作品もだいぶ変わっていました。

そんな「ノア時代から変わってしまった扱う作品」に着いていけなかった僕は
渋谷に行くたび、移転後のゼストも覗いてはみるものの、買う物が無くて、しょんぼり・・・
なのでカメラ・オブスキューラの2ndは移転後のゼストで購入した数少ない内の1枚です。

しかし、ゼストがノア・マンションの1室だった時代は、え?ここが店なの?
フロアーの廊下も暗いし、普通に人が住んでいる団地の1室って感じのドアに
最初に店に行った時は、ドアを開けるのにビビッてドキドキして
開けようかどうしようか凄く迷って、えぃっ!と目をつぶってドアを開けたのでした。

とにかくノア・マンションの5階にあった頃のゼストは価格も安かったし
特に12インチ盤とか破格でしたね。 よく通いました、本当にお世話になりました。

さて、この2ndアルバムの音は、まあ、ギター・ポップと言っていいのだけど
オールディーズの曲みたいなA3なんかもあり、やはり普遍的なポップス度は高く
可愛らしい曲がギュッと詰まっています。 ジャケットも可愛いよね!

ジャケットの2人はギター&ヴォーカルのトレイシーアン・キャンベルちゃん(黒い帽子)と
キーボードのキャリー・ランダーちゃん(白い帽子)。
白い帽子のキャリーちゃんは、この2ndから加入したようです。

・・・が! 彼女は2015年に病気で亡くなってしまいました。
2013年の「Desire Lines」のあと、バンドの作品が出ていないのも
彼女が亡くなってしまったからなのかも・・・まだ30代前半だったようです・・・涙。
 

LetsGetOutOfThisCountry.jpg
CAMERA OBSCURA 「LET'S GET OUT OF THIS COUNTRY」 (2006)
米 Merge Records MRG276LP (LP)
A1 Lloyd, I'm Ready To Be Heartbroken
A2 Tears For Affairs
A3 Come Back Margaret
A4 Dory Previn
A5 The False Contender
 B1 Let's Get Out Of This Country
 B2 Country Mile
 B3 If Looks Could Kill
 B4 I Need All The Friends I Can Get
 B5 Razzle Dazzle Rose

これは2006年作・・・この時期はネット利用もしていたけど、実店舗へもよく出動していました。
それだけ実店舗が多くあったという事ですが、閉店ラッシュの足音も近付いてきていました。
そんな時期に出たこの3rdは京都のジェット・セットで購入。
ネット通販ではなく、京都に行った際に実店舗で購入しましたねぇ。

また、このアルバムからダウンロード・コードが付き、時代の変化を感じる作品ですね。
たぶんこれが僕が買ったアルバムでダウンロード・コードが付いていた最初の作品です。
当時はデジタル・データで音楽を聴く事は無かったのでダウンロードしなかったけど・・・

A1は1980年代スコティッシュ・バンド、ロイド・コール&ザ・コモーションズの曲
「Are You Ready To Be Heartbroken?」をもじった曲名で、シングルにもなっています。
ストリングスも入って、キャッチーで盛り上がるね! これが彼(女)らの代表曲?

A2以降も、ギター・ポップではあるのだけど、60S、70Sのポップス系シンガーものや
オールディーズを聴いているようなキャッチーさと懐かしさがあり、良いですねぇ。
複雑なヴォーカル・ハーモニーは入らないのでソフト・ロック色は薄く、そこがまた良いのだ!

アルバム全体的には、ゆったりのどかに流れるタイプの曲が多いかな。
ジャケットの女性は又もや、メンバーではありませんので。
 

MyMaudlinCareer.jpg
CAMERA OBSCURA 「MY MAUDLIN CAREER」 (2009)
米 4AD CAD 2907 (LP)
A1 French Navy
A2 The Sweetest Thing
A3 You Told A Lie
A4 Away WithMurder
A5 Swans
A6 James
 B1 Careless Love
 B2 My Maudlin Career
 B3 Forests & Sands
 B4 Other Towns & Cities
 B5 Honey In The Sun

この4thは2009年作。 2009年ともなると、さすがの僕も新品はほぼネット購入で
さすがの僕も、アマゾンかHMVのどちらかで買ったのだと思います。
激安だった、e-media、CD WOWなどのネット・ショップも利用していた、さすがの僕。
この頃はアマゾンもたまに、新品LP1000円以下とか、あり得ない程安いのがありました。

実店舗もまだまだありましたが、さすがの僕もネットの価格の安さに負けてしまって・・・ね。
ネット購入じゃ、もう購入時の思い出も何もありませんし
ただあるのは価格を比較し、一番安いネット・ショップで買った、どケチな思い出だけです。
おかげで、さすがの僕も、前3作と比べ、本作に面白いエピソードはありません!
・・・ん? 前3作のエピソードも別に面白くはないか・・・失礼しました!

しかしこれ、なぜかレーベルが4ADだったので、えっ、4ADなの?
カメラ・オブスキューラの音って4ADのレーベル・カラーと合っていないよね。
もしかして、レーベル・カラーに寄せて、ちょっと実験的な方向に変わっているかも!と
さすがの僕もドキドキしながら盤に針を落としたら・・・まったく逆でした。

今まで以上にギター・ポップを超えた、オールディーズ的な響きの
3分間ポップス寄りになっていて、わーい、わーい! すっごく良いのですけど!
LPはダウンロード・コード付きでした。 わーい、わーい!
さすがの僕も、わーい、わーい!
 

DesireLines.jpg
CAMERA OBSCURA 「DESIRE LINES」 (2013)
米 4AD CAD 3314 (LP)
A1 Intro
A2 This Is Love (Feels Alright)
A3 Troublemaker
A4 William's Heart
A5 New Year's Resolution
A6 Do It Again
A7 Cri Du Coeur
 B1 Every Weekday
 B2 Fifth In Line To The Throne
 B3 I Missed Your Party
 B4 Break It To You Gently
 B5 Desire Lines

これは2013年の作品・・・アマゾンかHMVのネットで購入したんだと思います。
この頃のネット購入はアマゾンとHMVをメインに使っていました。
2021年の今はアマゾン、HMVともあまり使わなくなりましたね。
他にも良いネット・ショップが色々あるので、色々と利用しております。

で、この5thアルバムは、落ち着きがあるのにキャッチーな曲が並んだ最高傑作!
今までの作品は、ある程度捨て曲があった(失礼!)けど、本作は捨て曲が無いし
トレイシーアン・キャンベルちゃんの息継ぎ禁止の流れるようなヴォーカルも絶品!

サウンドは今まで通りのストリングスやホーンも入るギター・ポップなのだけど
もはやギター・ポップの枠を超えた普遍的なポップスの名盤の内の1枚ですよ!
短いインストのA1からA2の前奏へ繋がる瞬間から、あ・・・これ凄いかも?級で
最後の柔らかなカントリー・ナンバーB5まで、のどかなようで実は緻密な音作りで
絶対的にオススメの名盤です。 LPはダウンロード・コード付きです。

こんなさりげなく凄い1枚を出してしまって、このまま行くと次作では
世界的な人気バンドになってキャーキャー言われちゃうかも!・・・と、思ったら
キーボードのキャリー・ランダーちゃんが2015年に亡くなってしまい
バンドの活動も停止してしまったのでした。
彼女はこのアルバムの制作時に、すでに闘病中だったようです。

・・・にしても、カメラ・オブスキューラって、全アルバム、サウンドは一緒なのに
アルバムを重ねる毎にどんどん良くなるって、けっこう凄い事かも。
このタイプのバンドは、1st最高、2ndまあまあ、次から失速って多いですからね。
 

TracyanneAndDanny.jpg TracyanneAndDannyBack.jpg
TRACYANNE & DANNY 「TRACYANNE & DANNY」 (2018)
米 Merge Records MRG627 (LP)
A1 Home & Dry
A2 It Can't Be Love Unless It Hurts
A3 Deep In The Night
A4 Alabama
A5 Jacqueline

7"
A1 Baby's Got It Bad
 B1 2006
 B2 The Honeymooners
 B3 Anybody Else
 B4 Cellophane Girl
 B5 O'Keefe


 B1 Can't Get Over You

カメラ・オブスキューラの活動が停止している中、トレイシーアン・キャンベルちゃんは
裏ジャケで確認できる、こんな風貌のダニー・コクランさんとのデュオ作を発表しました。

しかし「トレイシーアン&ダニー」とか言われても、そりゃあ一体誰だ?的なので
カメラ・オブスキューラが好きな人でも、リリースを見逃していそうな作品です。
実際僕も見逃していて、リリースから1年位過ぎてやっと気付きました。

こちら、購入したのはディスク・ユニオンのオンラインショップ。
中古扱いの新品未開封品の安いヤツを発見して、7インチ付きのヤツをゲット!
7インチが付いていない通常盤というヤツもあるようです。

内容は、これカメラ・オブスキューラでしょ?な
オールディーズの名曲をギター・ポップ・アレンジで演奏しているかのような
素晴らしい楽曲の連発大作戦の素晴らしい内容です。

2人の名義なので、だいたいの曲で2人でハーモニーをつけて歌っています。
相変わらず流れるような歌い方のトレイシーアンちゃんのヴォーカルも最高だし
クセが無くて、どことなく切ない感じのダニーさんのヴォーカルも良いですねぇ。

ペダル・スティールが泳ぎまくるA4では突然エドウィン・コリンズが登場し
一瞬だけ歌って去って行き、最後の最後にまた登場して、エドウィン!キャー!
本作中最もギター・ポップ度高いB4では超高速カッテング・ギターが炸裂!
・・・など、色々と仕掛けあります。 どの曲も凄ーく良い! これホント!
7インチの曲も含む全12曲がダウンロードできるダウンロード・コード付きです。



ふぅ・・・何とか記憶をたどって、カメラ・オブスキューラの思い出を記録できました。
3歩、歩くと忘れる鳩レベルの記憶力で、これだけ書ければ万々歳。
いやホント、最近もうろくが激しいので、記憶を引き出すのギリギリでしたよ。

さて、じゃあ、カメラ・オブスキューラさん! もちろん新作も待っていますが
シングルやコンピ盤のみ収録曲などを集めた編集盤LPも出るといいな!
わたくし、記憶力も鳩レベルでギリギリですが
その他あらゆる方面でギリギリな状態なので、是非早目にお願いしますよ!
 

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