レビュー第194号、1980年代から始めるブリティッシュ・フォーク! ・・・という事で、お待たせしました! 1960〜70年代の音楽などは古くて、オヤジ・ロックなので 何だか聴く気がしないという若いヤングのあなたに朗報です! 1980年代! もう、これしかありませんよね。 1980年代英国といえば、デュラン・デュラン、カルチャー・クラブ、ワム・・・ まだあるよ! ハワード・ジョーンズ、ポール・ヤング、カジャ・グー・グー・・・ どうです? 1980年代、聴きたくなったでしょ? |
SWORDEDGE 「SWORDEDGE」 (1980) スペイン Guerssen GUESS138 (LP/2014)
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ブリティッシュ・レア・フォークのスウォードエッジ! 1980年! ジャケット写真を見ればわかるように 男性2人、女性1人という、この業界(どの業界だ?)ではとてもありがちなメンバー構成ですね。 収録曲はトラッド6曲、オリジナルが4曲で、アコギにその他の楽器がちょっと乗る程度の地味な演奏です。 ヴォーカルは男女ヴォーカルですが、コーラスで絡む部分は多くなく、ソロ歌唱が基本になっています。 有名トラッド曲のA1から美しい女性ヴォーカル&フルートが入って、もうホントそれは絶品! 曲調はマイナー調の、ブリティッシュ・フォークらしいブリティッシュ・フォーク曲が多いのですが 何でしょう、この全体から漂う瑞々しさは! 1980年の作品ですが雰囲気は1970年代中頃の感じだし 流麗なアコギ演奏もかなり素晴らしく、女性ヴォーカル入りレア・フォークのティカウィンダに似た感触です。 フルートがけっこう入るのが良く、アコギ&フルートという構成で昇天するという特技を会得している僕は 1曲目から当たり前のように昇天し、最後のB5もフルート入りで、昇天状態のままレコードが終わります。 さて、このLP、2014年という割と最近の再発盤なのにダウンロードのサービスは付いていません。 レコードなのだから、そんなモノ付いて無くて当たり前っちゃー当たり前です。 ターンテーブルに盤を乗せて針を落とし、A面が終わったら針を上げ、盤を裏返しB面を聴く・・・ それって面倒臭いけどガマンして聴きましょう。 それがレコードっていうモンです。 最後にはみだしプチ情報! スコットランドのトラッド・グループ、タナヒル・ウィーヴァーズのメンバーがブズーキで参加しています。 ・・・プチ情報なので参加もプチっと2曲だけですけどね! |
NO RIGHT TURN 「NO RIGHT TURN」 (1983) 日 EM Records EM1115LP (LP/2013)
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美しい歌声の女性ヴォーカルを擁する6人組、ノー・ライト・ターン! 1983年! A面を聴いていると、エレキ・ギター、ベース、ドラムスなども入る、割と普通のポップ・ロックです。 録音がフェアポート・コンヴェンションのベース基地であるウッドウォーム・スタジオで 確かに! B面はグンとエレクトリック・トラッド色濃くなって、ブリティッシュ・フォークの仲間入り! どの曲もメロディアスで、女性ヴォーカルが素敵で、雰囲気も良く、すんなりと聴きやすいです。 B3「Make It Easy」のキラキラと輝く朝露のようなマンドリンの音色にはノック・アウト!だし 何てこと無いアルバムのようだけど、けっこう万人受けしそうな魅力のある作品です。 さて、このLP、2013年という割と最近の再発盤なのにダウンロードのサービスは付いていません。 レコードなのだから、そんなモノ付いて無くて当たり前っちゃー当たり前ですよ。 ターンテーブルに盤を乗せ針を落とし、A面が終わったら盤を裏返してB面を聴くのかぁ・・・ わぁ! 面倒臭っ!・・・でも、ガマンして聴きましょう。 それがレコードっていうモンです。 そして、これは日本のEMからの再発盤なので、日本語解説も付いています。 ・・・日本語の解説というかfRoots誌のサイモン・ジョーンズさんの解説の訳ですけどね! 最後にはみだしプチ情報。 このLPは嬉しいボーナス曲入りになっています。 プチ情報なのでプチっと1曲だけのボーナス収録ですけどね。 1990年録音のトラッド曲です。 |
THE MEN THEY COULDN'T HANG 「NIGHT OF A THOUSAND CANDLES」 (1985) 英 Imp Records FIEND 50 (LP)
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パンキッシュに、ぶっ飛ばしのトラッド風ロックをブチかますメン・ゼイ・クドゥント・ハング。 1985年、これはファースト・アルバムで、まあ、同傾向の音を鳴らずポーグスにかなり似ている訳です。 この音はフォークというより、エレクトリック・トラッド風・・・やっている曲はトラッドじゃなくオリジナルですけど。 表ジャケットでは酒の瓶を持つメンバー、裏ジャケではタバコを持つメンバー・・・と、ワルのイメージです。 ポーグスも1984年の1stのジャケットで酒とタバコ(とケンカ上等!)の演出をしていたので サウンドだけでなく、ワルのイメージもポーグスと一緒で上等! なのです。 ちなみに本作、ポーグスのフィリップ・シェヴロンが4曲プロデュースもしています。 上等だ! トラッドでよく登場する楽器はあまり使われてなく、ギター、ベース、ドラムスのロック基本楽器が中心。 それでもトラッド風に聴こえるのは、アイリッシュ・トラッド風味の可愛らしいメロディーがあるからで そんなメロディー作ろうと思っても中々作れる物じゃなく、けっこう凄いと思います。 最後のB5はホイッスルやイーリアン・パイプも入り郷愁を誘い、しっとりと締めてくれます。 さて、このLPは1985年という古いリリースなので、デジタル音源サービスとか考える必要もなく ただ単にレコードとしてレコード・プレイヤーで聴けばいいだけで、そりゃー簡単でイイね! でもやっぱりレコードかけるのが面倒臭いあなたに、はみだしプチ情報があります。 このアルバムは2020年7月現在、スポティファイにあります。 無料プランでフル尺聴けるスポティファイでプチっと聴く・・・良いのか悪いのか・・・そんな時代です。 更にはみだしプチ情報! こちらで彼らの2nd「How Green Is The Valley」(1986)をプチっと書いていました。 第32号 2001/2/27 素晴らしきジャンル分けの世界 |
G.T. MOORE 「THE HARRY J SESSIONS」 (2018) 米 Partial Records PRTLLP001 (LP)
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この世に存在するアルバムの中で最も素晴らしい作品の内の1枚にHeron 「Heron」 (1970)がありますが そのヘロンのメンバーのG.T.ムーアさんの発掘音源が突然(?)リリースされました! ヒャッホーイ! ただこれはヘロンのようなフォークではなく、ヘロン解散後のレゲエ時代のムーアさんの音で まったくブリティッシュ・フォークではないので、購入にあたってはかなりの注意を要する1枚です。 今回のレビューの趣旨にも合っていない気もしますが・・・えーい! 勢いで書いちまえ! 録音は1980年、ジャマイカのハリーJスタジオ。 原曲〜そのダブ・ヴァージョンが続けて収録される構成で スリリングな部分もあったG.T.ムーア&レゲエ・ギターズと比べると緩くてメロウな雰囲気があります。 マイナー調の切ないメロディーが染みて、心地良く響きますが A3とB3(と、そのダブ・ヴァージョンA4とB4)はヴォーカルが入らないインストだったりするので そんなこんなでやはり購入にあたっては色々な方向から注意が必要な1枚なのでした。 なお、A1「ユートピア」は1980年当時、シングルでもリリースされていたとの事です。 さて、このLP、2018年という最近のリリースなのにダウンロードのサービスは付いていません。 ああ、レコードかけるの面倒臭っ! でも、ガマンして聴きましょう。 それがレコードっていうモンです。 と、思ったけどやっぱり面倒臭いからスポティファイで聴こうかなぁ・・・ プチ情報を言うと、このアルバムも2020年7月現在、スポティファイにあるのです。 無料プランでフル尺聴けるスポティファイでプチっと聴く・・・良いのか悪いのか・・・そんな時代です。 そして、ダメ押しのはみだしプチ情報があります。 G.T. Moore & The Reggae Guitars 「Reggae Blue」(1975)も以前プチっと書いていました、それも2回! 第81号 2004/1/31 日本盤紙ジャケCD購入で音楽ソフト業界に貢献 第142号 2008/9/6 ヘロンの「私ことはない」 |