見かけた瞬間興奮して発作的に新品を購入!ってヤツに限ってその後
安い中古盤を発見してガックシ・・・ああガックシ・・・ってありますよね。
だからなるべく新品購入は控えて中古待ちってゆーのが僕の基本路線ですが
なかなか中古で出回らないヤツもあり その内新品も入手困難になってきて
更にガックシ もう買えねー!この世の終わりだ!・・・とまではいかないけどね。
新品を買うか中古待ちかその見極めはけっこう難しくて中古盤を狙っている人にとって
見極めは永遠のテーマ(?)となっています。 てな訳でここ半年位に中古で仕入れた
英国フォーク系のヤツを紹介です。 さあ見極めろ!



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DAVID LEWIS 「SONGS OF DAVID LEWIS」 (1970)
ヴィニール・ジャパン ASKCD 141 (CD/2003)

1 You Don't Know
2 On A Day Like Today
3 Such A Long Way To Go
4 Everlasting Love
5 Because Of The Love
  You've Given Me
  6 Take My Road
  7 Man Without A Name
  8 Love Is A Beautiful Thing
  9 Learning To Walk
 10 Put Away Your Tears
 11 Yesterday's Gold


このレア盤がCD化され奇蹟の来日公演もしてしまった北アイルランド出身の
デヴィッド・ルイス。 きっとライブを見た人は幸せな気分になれたでしょうねぇ。
僕はその時まだこのアルバムを聴いていなかったのでライブは行きませんでしたけどね。

本作のLPはプロモーション用に少数製作されたレア盤な上に内容も良いらしいぞ!
という事でCD化された瞬間はそのテのファンの間では大騒ぎだった1枚ですよ。
僕もはやく聴いてみたかったけれど新品だと税込2700円程の価格設定ときたモンだ。
2500円を超えると「あーそんな高級品買えねー!無理!無理!」と
駄々をこねてしまう甘えん坊な僕には手が出ず中古待ちに決めてしまいました。

発売当初の大騒ぎにも乗り遅れ その後もずーっと中古盤に出会う事も無く
この間やっと発見できた中古盤は約1500円と少々高額だったけど予定どうりゲットです。

で これ日本盤なので解説が付いているのだけどこの解説文がカタカナ表記する所を
全部アルファベットで書いていてヒジョーに読みにくく それ程長い文章ではないけれど
読み終えるまで30分もかかった上に内容を全然覚えていないという有様ですよっ。
でもこの文章の形態は面白い気もするので以下アルファベット表記してみます。

内容はPIANOで弾き語る曲が大半でPIANO系SINGER SONG WRITER作品ですね。
ちょっとHUSKYなDAVID LEWISのVOCALはSOULFULに感情たっぷりに
歌い上げてしまうのでFOLK色は薄くIRISH SOUL爆発ALBUMと言った方が良いかも。

SOULFULな歌い上げぶりがAOR度も高くしているので好き嫌いも分かれそうだけど
なぜかこの作品はAORっぽくてDAMEです!って文章を見かけた事がありませんねぇ。
僕もPIANO弾き語りで歌い上げる曲の連発はTSURAいはずですがこの作品は大丈夫。
VOCALが悲痛に響く瞬間が多くあり背中で泣く男の哀愁を感じるのが良いし
切なく泣かせるMELODY満載でとにかくHONTO曲が良くて全曲名曲じゃないですか!
ああ中古で買えて良かった・・・見極め作戦成功DEATH・・・うーんやっぱり読みにくいなぁ。
 



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JANCIS HARVEY 「TIME WAS NOW」 (1975)
韓国 M2U M2U-0010 (CD/2004)

1 Time Was Now
2 Darcy Farrow
3 Annie's Song
4 Farewell She
5 For Polly
6 Bolberry Down
  7 Cool Summer Wine
  8 Four Strong Winds
  9 Wild Flying Dove
 10 The Corner Cafe
 11 This Old Guitar
 12 The Night They Drove Old Dixie Down


ヤンシス・ハーヴェイは韓国M2Uから続々とアルバム5枚がCD化されました。
そのM2U盤は割と中古を見かけるので急がず少しづつ購入作戦をしています。

1st 2nd 3rd 5th の4枚はゲット済みでどれも素晴らしい内容でしたねぇ。
その中でも聴く回数も多くジャケットも犬ジャケがそそるこの3rdを取り上げてみましたよ。
しかし最高傑作と言われている4th「A Portrait Of Jancis Harvey」はまだ未入手で
中古待ち作戦が失敗する可能性も孕んでいます。 うーん新品買うかどうか迷うなぁ。

この作品のサウンドはギターの弾き語りが中心のシンプルなフォークでトラッド臭も薄く
ギターの弾き方なども英国フォークよりも爽やかなアメリカン・フォークな印象ですね。
収録曲も一緒に歌えそうな素直なメロディーを持った曲ばっかりで心地良く響きます。
また時折入るオートハープがちょっと彩りを加えてくれて効いていますねぇ。

そんなバックの音の感じとあまり深く考えず自分の好きな曲を歌いました的な選曲が
女性アメリカン・フォークのジョーン・バエズやジュディ・コリンズを思わせますねぇ。
ただ決定的な違いがあってジョーン・バエズが薔薇でジュディ・コリンズが百合だとしたら
ヤンシス・ハーヴェイはひっそりと野に咲く名も無き花の如くの雰囲気があるのです。

ジョーン・バエズとジュディ・コリンズも大好きなのだけどアルバム1枚聴いたら
何か疲れてしまって もういいや別の人のアルバムを聴こっか・・・となるんだよね。
それと比べるとヤンシス・ハーヴェイは何度も繰り返し聴いても疲れないのです。
薔薇や百合のように派手さは無いけれど心を落ち着かせ安らぎを与えてくれますよ。

どの曲も素晴らしいですが寂しげに響くジョン・デンヴァーのカバーの11曲目が
ホント良くて・・・こりゃージョン・デンヴァーのヴァージョンよりも数倍良いよなぁ。
うーん早く「A Portrait Of Jancis Harvey」も聴いてみたくなってきました。
新品でも2300円程なので手遅れにならない内に見極めないと・・・さあ見極めろ!
 



IfYouSawThroMyEyes.jpg IfYouSawThroMyEyesInner.jpg

IAIN MATTHEWS 「IF YOU SAW THRO' MY EYES」 (1970)
オランダ MK2 MK2-001/IRCD702 (CD/2003)

1 Desert Inn
2 Hearts
3 Never Ending
4 Reno Nevada
5 Little Known
6 Hinge I
  7 Hinge II
  8 Southern Wind
  9 It Come Without Warning
 10 You Couldn't Lose
 11 Morgan The Pirate
 12 If You Saw Thro' My Eyes


イアン・マシューズの1stは1000円切りの税込998円とナイスな価格で中古盤をゲット!
本来はヴァーティゴ・レーベルから「Ian Matthews」名義で出ていたヤツだけど
CD化にあたって名前の「Ian」の綴りが「Iain」に変更になっているですねぇ。
「Iain」って綴りは1990年頃から使用しているのかな? アイリッシュ風の綴りだそうです。

このMK2ってレーベルは韓国のM2Uと混同してしまいそうで僕も最初見た時は
マシューズも韓国盤のお世話になる程のレア盤の仲間入りかぁと思ってしまいました。
生産国表記が無いので「たぶん」ですがMK2はオランダのレーベルが正解のようです。

しかしナイスな価格で買えたので見極め作戦大成功だ!と思っていたら2005年7月に
日本盤の紙ジャケCDがユニバーサルから出ますとの情報をキャッチしてしまいました。
ユニバーサルの紙ジャケCDは価格もそれ程高くはなく良心的だし
きっとちゃんとした紙ジャケCDだろうから見極め作戦はビミョーに失敗でしょうか。

というのもMK2盤も紙ジャケだけどプラケースと同サイズの長方形なのがイマイチだし
見開きを開くと写真のように切り込みがありこのポケットに盤を差し込むようになっていて
可哀想にせっかくのマシューズの物憂げな写真が鼻の下で分割されちゃっているのです。
・・・でもMK2盤を入手しちゃったから日本盤が出ても買い替えはしないと思うけどね!

で 内容は爽やかな米国西海岸風味も含みながら英国の陰影も感じさせるという
この時期の彼のの平均的な音といったところ。 マシューズ・サザン・コンフォートと比べると
英国臭の方がちょっと強くなっている気もして いやぁ憂いのある美しい音ですよ。

数曲にフェアポート・コンヴェンション時代のお友達も参加していて 一発でそれとわかる
リチャード・トンプソンの独特な音色のギターも数曲で入り いやぁ存在感のある音です。
サンディ・デニーとデュエットする12曲目は初期フェアポートの再現って感じでは無く
サンディのソロ作にマシューズがゲストで歌ったようなピアノ系歌い上げ曲ですね。

マシューズ関連のレヴュー
「Matthews' Southern Comfort」・・・第6号 2000/2/21 遂に登場英国フォーク最重要バンド
「Scion」・・・第71号 2003/7/5 英国爽やかサウンドで涼しくなってみせるぜ
 



FolkHeritage.jpg

VARIOUS ARTISTS 「FOLK HERITAGE」 (1973)
HUGO-MONTES PRODUCTION HMP CD-026 (CD/2004)

1 FOLKWAYS October Song
2 COMBINE HARVESTER Rawtenstall Annual
3 BLUE WATER FOLK Matt Highland
4 HORDEN RAIKES Maid OF The Mill
5 BLUE WATER FOLK Willie's Gone
6 FOKAL POINT Sweet Sir Gallahad
7 THE YARDARM Lancashire Fusilier
  8 PARKE Whitby Smuggler's Song
  9 GALLERY Staten Island / Harvest Home
 10 PAUL & GLEN A Beggin'
 11 MIKE RAVEN & JOAN MILLS Queen Of The Night
 12 THE JOVIAL CREW Jonny Lad
 13 PARKE Dancers Of Stanton Drew
 14 THE BLUE HORIAON I Never Will Marry


ヒューゴ・モンテス・プロダクションというレーベルの最近のレア盤CD化ぶりは
ホント激しくてヒューゴ・モンテスは怪しげ再発レーベルの最右翼(?)と化してきましたねぇ。
僕ももうここが何を出しているか全貌は把握できていなくて 中古で見かけて
そういえばこれも出ていたんだぁ じゃあ購入しとくか・・・てな感じになっています。

このフォーク・ヘリテッジ・レーベルのオムニバス盤も「てな感じ」で中古を見かけて
購入したので見極めでも何でもありませんね。 でも思いがけず中古を購入できたので
「俺は見極めた!俺は凄い!」という気分にもなったりして・・・見極め作戦成功なのです。

収録芸人はトラッド系のグループが多いようですが英国トラッドな暗さはあまり無く
皆で楽しく歌ってしまう雰囲気がブラザーズ・フォアなど米国のカレッジ・フォーク的です。
また田舎の祭りの日に無名トラッド・バンドが次々に登場し演奏しているが如くでもあり
老人と子供だけの観客のまばらな拍手が聴こえてくるようなのどかな曲が多いですね。

・・・と大した内容でも無いのに英国フォークのレア盤という理由だけでそのテのマニアが
喜ぶ1枚かというとそんな事はありません。 もちろん大騒ぎする程の内容でも無いけど
こーゆーのどかで素直な音楽はたまに聴くとなかなか心地良く響いて良いですねぇ。

女性ヴォーカルが入ったヤツで何曲かおお!と思う曲がありますがその中でも
このCDを聴いた人なら誰もが反応するであろう6曲目のフォーカル・ポイントがあぁぁー!
ちょっと舌足らずで儚げな雰囲気の女性ヴォーカルだけでもうメロメロになる上に
このジョーン・バエズのカバー曲はバエズの曲の中でも僕が最も好きな曲じゃないですか!
これは激しく必要以上に鼻血ブーだしヨダレもダラダラ垂れるってゆーモンです。

フォーカル・ポイントがやっている「Sweet Sir Galahad」はジョーン・バエズ・ヴァージョンも
素晴らしいのでそちらも是非! 「One Day At A Time」ってアルバムに入っていますよー。
 



Runaway.jpg

TUDOR LODGE 「RUNAWAY」 (2003)
ベル・アンティーク BELLE 03809 (CD)

1 Promise Me
2 Just Say goodbye
3 A Shade Off Colour
4 Up And Down
5 It Isn't You
  6 Love Of The Hurting Kind
  7 Saving Me
  8 I Think I'm Going Home
  9 Stranger Looking In
 10 Crazy
 11 October Sun
 12 Winter Into Spring
 13 Pride Comes Before A Fall
 14 Runaway


これはチューダー・ロッジが1990年代後半に再活動してから3枚目のアルバムです。
再活動後の「Let's Talk」と「Dream」はまあそれなりに良かったけれど
昔の名前で出ています状態にガックシしてしまった部分が強く
この作品もそれ程期待はしていなかったので最初から中古盤待ちを決めていました。
ところがこれ なかなか中古を見かけず もう忘れかけていた頃に中野のレコミンツで
新品未開封品を税込1780円で発見したのでゲットです。 よーし見極め成功だぜ!

再活動後のチューダー・ロッジはジョン・スタンナードとリン・ホワイトランドの
ジジ・ババ・デュオになっていて当然1970年の大傑作アルバム「Tudor Lodge」のような
英国の田園風景を思わせる奇跡的な美しい響きとはいきませんよねぇ。
また女性ヴォーカルのリン・ホワイトランドの歌声もアン・スチュワート様と比べてしまうと
アン様のような美しさや儚さは無いので見劣り(聴き劣りだね。)してしまうのですよね。

ところが本作は中々どーして 2人のヴォーカル・ハーモニーにアコギ2本とベースの
基本サウンドにたまにその他の楽器が入る程度のシンプルなフォークなのが良いし
ジジ・ババ・デュオでありながら枯れているどころか瑞々しさのあるナイス・アルバムですよ。
・・・そう サウンドは違うけど再結成ヘロンの「Black Dog」と同様の瑞々しさがあり
優しく頬をかすめる初夏の風とどこまでも続く青空を感じさせる素敵な音じゃないですか!

草の上に寝転がって風を感じながら聴きたいなぁ。 以前ヘロンを屋外に持ち出して
初夏の草の上に寝転がって聴いた事があったけどあれはもう最高でしたからね。

1曲目の軽快なカントリー調のフォーク曲から寂しくゆったりと流れる最後の14曲目まで
明るくありながら憂いも含んだ楽曲のメロディーがすんなりと耳に入ってきて良いですよ。
プログレ臭やトラッド臭はほとんど無いせいか英国臭ってゆーヤツもあまり感じませんね。
CD帯の「ブリティッシュ・プログレッシヴ・トラッドの雄」って文句に騙されんなよ!

チューダー・ロッジのレヴュー
「Tudor Lodge」・・・第3号 2000/1/21 女性ヴォーカルの魔力に廃人寸前
「It All Comes Back」・・・第17号 2000/7/11 それでもレア音源はやって来る
 


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