ここのところ日本の再発CD業界は紙ジャケでの再発が激しいですね。
プラケースよりも紙ジャケの方が好きなはずの僕だけど買い替えはしないので
所有している紙ジャケCDって全部で15〜6枚しかありません。
その半分が日本盤で輸入盤ばかり購入している僕にとっては異例の高い日本盤率。
なんか売上げが落ち込んでいると言われる日本の音楽ソフト業界ですが
今回紹介する物は全部新品で購入したので僕も売上げに貢献しました。
でも一番重要なのはプラケースとか紙ジャケじゃ無くて盤に刻まれた音なんだよね。



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G.T. MOORE & THE REGGAE GUITARS
「REGGAE BLUE」 (1975)

エアー・メイル・レコーディングス
AIRAC-1035 (CD/2003)

1 A Girl's Best Friend
2 I Wouldn't Mind
3 C'est La Vie
4 Vagabond Kings
5 Running Down The Road

  6 People
  7 Otis Blue
  8 Let's Breathe
  9 Foreign Women
 10 Reggae Reggae

 bonus tracks
 11 Move It On Up (live version)
 12 Knocking On Heaven's Door
    (live version)
 13 C'est La Vie (live version)


はい やっと登場となりました。 ヘロンのメンバーだったG.T.ムーアさんが
ヘロン解散後結成したG.T.ムーア&レゲエ・ギターズの2ndです。
1st 「G.T. Moore & The Reggae Guitars」も同時に発売&そちらも同時購入で
定価2600円プラス税の商品×2枚で かーなり売上げに貢献です。

バンド名もそのまんまですがクレジットにも「Reggae Guitar/Martin Hayward」とあって
カッチャカッチャとギターでレゲエのリズムを刻む専門のメンバーがいますねぇ。
10曲目のタイトルなんか「レゲエ・レゲエ」だし これはレコード屋の
レゲエのコーナーに置いてあってもおかしくないレゲエ・アルバムですよ。

ヘロン時代の曲の再演2曲目「I Wouldn't Mind」は耳馴染みのある切ないメロディーに
ぬおぉー!木漏れ日レゲエだぁー!と一発でノックアウト状態だったのだけど
僕はレゲエのアルバムってUB40の「Labour Of Love」しか持っていなくて
レゲエに免疫不足だしヘロンからの流れを思いながら聴いたので最初聴いた時は
ヘロンのような美しいコーラスやメロディーはどこへ行っちまったぁーと面食らいました。

しかしこれが何度も聴いていたらだんだん心地良く響いて来るんですねぇ。
ヘヴィーなレゲエじゃないのでダラダラ感があるし ヘロン時代から得意技の
ディラン・カバーもあり オルガンやピアノが多く入る所もふっとヘロンを思わせます。
またファンキーで洗練された5曲目 レゲエのリズムが登場しないAOR風味の7曲目
ロニー・レインに通ずる懐かしさを感じる9曲目とか変化球も入っております。

G.T.ムーアのヴォーカルはほんの少しかすれた感じはあるけどクセの無い声質で
レゲエのリズムのせいなのかヘロン時代よりもソウルフルに迫ってきます。
これがまた完璧じゃなくてちょっとヨレている所がさすが!って感じですねぇ。

ボーナス部分のライブは本編よりスピード感を増した「セ・ラ・ヴィ」がカッチョイー。
間にメンバー紹介も入って当時のライブの雰囲気が味わえますねぇ。
この曲ウーララ・コーラスが入ってフェイセスの「Ooh La La」やマッギネス・フリントの
「When I'm Dead And Gone」同様一緒に歌わずにはいられませんよー。
ウーララ セーラヴィ ウーラララ ラララーって・・・ちっきしょー!良いフレーズだ!
 



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DAVE ELLIS 「ALBUM」 (1972)
エアー・メイル・レコーディングス
AIRAC-1036 (CD/2003)

1 I Have Been Amazed
2 I Don't Know
3 Foxtrot
4 Can You Tell Me
5 Autumn Love Skip

  6 Let Me Sing You Psalms
  7 Interlude
  8 Something Wrong
  9 The Last Girl
 10 Five Knuckle Shuffle

 11 Smile For Me
 12 Jingle
 13 You I Love You
 14 Nose Rag


エアー・メイルは前項のレゲエ・ギターズと一緒にこのデイヴ・エリスも発売しました。
レゲエ・ギターズと一緒に購入したから計2600円×3で激しく売上げに貢献です。

エアー・メイルは更にこの後コリン・ヘア ピート・デロ ウエストウインド オクトパス
アップル アフィニティ ドクター・ストレンジリー・ストレンジなど次々と紙ジャケCD化。
特にドクター・ストレンジリー・ストレンジは変形ジャケットを再現しており「買い」ですが
僕は今挙げたアルバムは全部輸入盤CDやLPを持っていたので購入していません。
・・・でもこのラインナップ 明らかにエアー・メイルさんはやる気満々ですよ。
今後も強力な再発が期待できそうなので注目しておかないといけませんね。

さて本作はほぼ全編アコギの弾き語りで地味なフォークといってもいいのですが
これが弾き語りだと楽曲のメロディーやヴォーカルに耳が向くはずなんだけど
アルバム中6曲がインストっていうのもありギターの音ばかりに耳がいってしまいます。
ヴォーカルはクセが無くて誠実なのもギターに耳が行く要因かも知れません。

そのギターの演奏はバート・ヤンシュに似た感じですがヤンシュより凄いかも。
あらぬフレーズをあらぬチューニングでやっていてかなり上手いです。 ヤバいです。
このギター奏法についてはライナーでも和久井光司氏が書いているし
各曲ごとにチューニングも載っているので ギター・キッズはレッツ・コピーですね。

パーカッシブな奏法で迫る1曲目。 2本のギターが壮絶なフレーズを弾きまくって結果
とてもきらびやかに響く8曲目。 ボサノバ風味の軽やかな11曲目なんかが好きです。

英国フォークらしい陰影のある2 6曲目。 穏かに流れる4 9曲目などで
地味なフォーク部分はきっちりおさえてあるし インスト曲の12 14曲目なんかを
聴いているとフォークというよりこれはジャズ・ギターだ!とも感じ 色々楽しめます。
しっかし8曲目や13曲目のギターは何度聴いても凄いなぁ。 絶句!
 



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SOUTHERN COMFORT
「SOUTHERN COMFORT」 (1972)

マスクラット RATCD-4221 (CD/2003)

1 River Woman
2 I Wanna Be Your Mama Again
3 Josephine's Biscuit
4 Moganbo / Devil's Canyon

 5 Cosmic Jig
 6 Lily Brown
 7 Russian River
 8 Ol' Rudd

  9 Harlem Girl
 10 I Don't Know
 11 Good Ol' 2-6-2


マシューズ・サザン・コンフォートからヴォーカルのイアン・マシューズが抜け
サザン・コンフォートになってからの2ndです。 このCDは2003年末に発売され
まだ買いたてホヤホヤって事でジャケットの紅茶からも湯気が出ております。

いや英国のバンドだから紅茶だと決め付けちゃうのも危険ですねぇ。
パッと見た感じはミルクティーかな。 ライナーではジャスミン茶じゃないか?と
書いているけど実は味噌汁だったらどうするんですか! 誰か確かめたんですか!
世の中どうなっているんですか!・・・そんなジャケットはヒプノシスによる物です。

このマスクラットというレーベルも以前ブリン・ハワースも紙ジャケCD化していて
こちらもエアー・メイルに負けず劣らずやる気満々のようですよ。
これを購入した時は一緒に並んでいた次項のフォーマット・ファット・ハリーも
同時購入したので又もや定価2600円×2でスッゲー勢いで売上げに貢献しました。

以前の僕だったら 何ぃー2600円だとぉー? CDポーン! CD棚ドーン!
挙句の果てショベルカーで店へ突っ込みズドドドドーン! という気分でしたが
ジェイドの3000円超LPを購入してから2600円程度では全然そんな気も起きず
フツーにあっこんなん出たんだー欲しいなー買おうっと・・・とにこやかに購入です。

で本作はマシューズ・サザン・コンフォート時代と変わらず米西海岸風味の音です。
どこか陰があり英国臭ってゆーヤツが感じられたマシューズの歌声の代わりに
爽やかなコーラスをぶつけてきた感じでマシューズ時代より更に爽やかさんです。

収録曲の大半が軽やかなカントリー・ロック・サウンドでアルバム全体が
ゆったりと流れる感じは心地良い事は良いのだけどちょっとインパクト不足かなぁ。
でもマンドリンが暴れるエレクトリック・トラッド風味な5曲目と
淡々としたサーフィン・ナンバー(?)な7曲目のインスト2曲が上手く配置されたりと
流れは悪くないです。 春のポカポカ陽気の中で聴いたらまた印象も違うかもね。
 



FormerlyFatHarry.jpg

FORMERLY FAT HARRY
「FORMERLY FAT HARRY」 (1971)

マスクラット RATCD-4222 (CD/2003)

1 Passing The River
2 My Friend Was A Pusher
3 About My Life
4 Please Go Away

 5 I Saw The Ringing Of The Bell
 6 Tell Me All About It
 7 Captain Heart
 8 Goodbye For Good


という訳で定価2600円の最高級品でもにこやか購入のフォーマット・ファット・ハリー。
非常に薄い紙でジャケットが作ってあってまだ購入からそんなに経っていないのに
早くもジャケット表面がCDの盤のかたちに丸く型押しされた状態になっています。

薄い紙はオリジナルLPの再現なのだろうけどオリジナルLPなど見た事無いので
うまく再現したねーと感心する事も無く へぇー当時のLPはこんな作りだったんだーと
思いをはせる事も無くこのペラペラのジャケットどーにかしてくれよ!という気分です。
まあ色んなCDを重ねて置いて本品を一番下に置いといた僕が悪いんだけどね。

LPと紙ジャケCDを比較してつくりがどーだとかそうゆう楽しみ方が出来ない僕は
紙ジャケ大好きというよりプラケースが嫌いなので紙ジャケの方がいいやって事です。
紙ジャケCDが好きな人の中には「モノ」としてコレクションしている人もいるようだけど
僕は紙ジャケCDを「モノ」としてコレクションするまでには至らないだろうね。
やっぱり集めたい!と魅力を感じるのは大きいジャケットのLPなんだよねぇ。
まあ紙ジャケCDでもプラケースのCDでもLPでも集めてしまっている事自体
気持ち悪いんだけどね! でも耳クソやかさぶたを集めるよりはほんの少しマシです。

本作は帯に「アメリカン・ルーツの彼方に英国田園の静寂感が漂う・・・」とあって
おぉーそりゃースゲー内容に違いない!とかなり期待してにこやか購入しました。
米西海岸風味も感じられるアコースティックな響きの大らかなフォーク・ロックで
スロー〜ミディアム・テンポの曲ばっかり並んでいるし帯の文句に間違いは無く
中々良い内容だとは思うのですが いまひとつ乗れないんだよねぇ。

うーん手数が多く曲の途中で叩き方が変化するドラムスがいけないようです。
こーゆーのどかなフォーク・ロックには合わないような・・・それが面白い所なのかな?

そんな中2曲目に「My Friend Was A Dreamer」という歌詞が聴こえてきて
そそるフレーズだなぁーと思った瞬間この曲が段々良く響き出しました。
タイトルの「My Friend Was A Pusher」って何だ?と思い調べたら
「Pusher」は「でしゃばり」の意味もあるけど「麻薬密売人」の意味もありました。

どんな事を歌っているのか気になり出したというのに本盤は歌詞カード無しなのよ。
歌詞・対訳も日本盤ならではの魅力なので是非つけて欲しいよね。
あんまり手抜くとホントに日本盤CDなんか皆買わなくなっちゃうよ。
価格じゃ輸入盤に勝てないんだからさ。 魅力ある再発をお願いしときます。
 


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