ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキ(Gorky's Zygotic Mynci)にハマってます。
見かける度少しづつ購入していたアルバムも揃ったので大特集をかましますが
はっきし言って正体不明の1970年代の英国フォークを手探りで聴くよりも
断然身元がはっきりしたゴーキーズをオススメします。
・・・って今まで散々訳の分からないレア・フォークなんかを紹介しておきながら
こいつ何を言い出すんだ?って感じですが それ程良いのだよおおぉー。
1990年代にデビューしたバンドだからといってあなどってはいけません。
彼らは時代をとび超えています。 10年後いや100年後でも聴けますよ!
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1992年に10インチLPとして発表された1st。 このCDはボーナス曲を大量に追加して 1994年に発売されました。 録音は1991年から1993年となっていて ちゃんとしたスタジオ録音からライブ音源 自宅の部屋で録音したデモっぽいのと 色々とバラついて入っています。 初期の彼らはヴォーカル&鍵盤類担当の エイロス・チャイルズと ギター担当の リチャード・ジェイムスが中心にやっていたようで 収録曲はこの2人の共作曲が多くを占めています。 歪んだギターをかき鳴らすタイプの曲が多く この後の素晴らしいアルバム群を聴いてしまった 今となってはイマイチな内容のアルバムですねぇ。 素直でないひねくれた曲の展開になっているし 数曲でミーガン・チャイルズの独特なフィドルも入るし アコースティック色ある曲もあるし その後彼らの得意技となる動物の鳴き声も入っていて ゴーキーズの音にはなっていると思うのだけど・・・ ウェールズ語の歌詞は違和感無く リズムやメロディーに乗っています。 ウェールズ語ってフランス語訛りの英語 ・・・といった感覚で響きますね。 しかしエイロスの声が若い・・・っていうか子供の声です。 最も初期の録音だとエイロス君は15〜6歳でしょうか。 うーん少年好きにはたまらねーアルバム? フィドルも入る11曲目が一番好きです。 |
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変なジャケット&変なサウンドで 毒キノコ・バンドとしての地位(?)を確立した スンバラシー内容の2nd 「タティ」 です。 エイロス君の声はもう大人で裏声も多用して 現在のスタイルに近くなりました。 歪んだギターで一直線だった1stと比べると サウンドもかなり整理されています。 まあ整理されたといっても 変なアンサンブルなのですけどね。 変態的に爆発する部分と アコースティックで美しく響く部分の静と動の コントラストがついた感じがありますね。 オルガンやシンセザイザーなど エイロス君が弾く鍵盤類が大活躍だし 詞曲もエイロス単独作が多くなり ここでエイロスがバンドのフロントマンに 踊り出たという事でしょうか。 7曲目はマッチング・モウルのカバー という事ですがマッチング・モウルって バリバリのジャズ・ロックだと思っていたら こーゆー可愛らしい曲もやっているんだぁ。 マッチング・モウル・・・覚えておこう。 そして9曲目はケヴィン・エアーズが ブリジット・セント・ジョンとデュエットした 「The Oyster And The Flying Fish」 の如く ウララ〜とコーラスが入りますねぇ。 リコーダーが入ってとても愛らしい曲。 これはギターのジョン・ローレンス作です。 その他も良い曲ばっかりです。 初期の名盤と断定しちゃっていいでしょう。 |
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この3rd 「ブード・タイム」 こそ 僕が一番最初に購入した彼らのアルバム。 どこかで試聴してから手を出した訳でも無く どーして購入してしまったか思い出せませんが もしあの時手を出していなかったら 現在もゴーキーズを知らずにいたかも。 本作でドラムスがオシアン・エヴァンスから エイロス・ローランズに変わりました。 1曲目からいきなりテクノなドラムスから始まる 変なサンバな曲でこりゃークソ・アルバムだ! という印象が強く暫くほったらかし状態。 今回あらめて聴き直してみたら 時折はっとするような美しいメロディーが 流れてきてクラクラーっとなってしまいました。 まあ彼らの全アルバム中 最も毒キノコで変態なアルバムと 思われるので拒否反応を示す人も 多そうなアルバムではあります。 ブリティッシュ・フォークは好きだけれども インクレディブル・ストリング・バンドはダメ という人が多いのと同じ現象? B面の妖しい流れなんてインクレ度高いです。 インクレよりもうちょっとロック色あるけどね。 ウェールズ語の歌詞が 「焼けた〜焼けた〜」 と聴こえるA7はジャケットの如く 悪魔の放つ光線で魚を焼いているような 軽快なキャンプ・ファイヤー・ソング。 曲の終わりにシタールも飛び出し混沌として トリップ・ファイヤーって所かな。 最高。 |
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4th
「バラファンデル」 は第53号で レヴュー済みなのでそちらもご覧下さい。 本作からウェールズのインディ・レーベル アンクストを離れメジャーのフォンタナへ移籍。 そのせいなのかアンクスト時代よりも メジャー感が出ているような印象があります。 メジャー感の正体は割とクセの無い曲が 何曲か収録されているからでしょうかねぇ。 妖しげな毒キノコソングも多く入っていますが 特に4曲目 6曲目あたりは変な展開でも無いし メロディーも綺麗なので誰でもまともに 聴けるタイプの曲だと思います。 またいかにも英国的な美しさを感じさせる フォーク色も強くなり これがたまりませーん。 4曲目の 「パティオ・ソング」 が大好きなのですが いつも聴くたび夏の海を感じちゃうんだよね。 というのもこの曲 加山雄三の 「君といつまでも」 のようなメロディーを持っていて 加山雄三といえば夏の海ですからねぇ。 しかし加山雄三のカツラ疑惑は いつになったらはっきりするのでしょうか。 気になって気になって今夜も眠れません。 |
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ゴーキーズは中心人物のエイロス君の担当楽器が 鍵盤類なもんでピアノやオルガンを基調にした曲も多いですが この5th 「ゴーキー5」 はギター・サウンドが耳に残ります。 曲の途中で大爆発して混沌とするシングル・カット曲B3や タイトルどうりロシア民謡を思わせるB4など 毒キノコな曲もあるのですが これらもちょっと綺麗に まとまり過ぎかなぁといった印象があります。 そうねぇ このアルバムから切ないメロディーを持った 穏かな曲を聴かせる方向に向いた感じはあります。 こちらもシングル・カット曲のA3 ジョン・ローレンスがヴォーカルをとるA4 インストのA5 B面ではB2 B5 B6あたりがそーゆータイプの曲。 またこの後の作品で時折顔を覗かせる のどかなカントリー・サウンドを持ったA6なんてのも登場。 でも次作以降の更に更に美しくて切ない曲が並んだ アルバムと比べちゃうと負けているんだよなぁ。 本作は過渡期的なアルバムですかねぇ。 いや過渡期とか言ってもそこはゴーキーズ。 B5〜B6の流れなんてホント泣いちゃいます。 うぇーん。 |
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マントラ・レーベルへ移籍しての6th。
切ないメロディーを持った美しい曲が多く並びます。 間奏のフィドルがたまらないゆったりとしたA5。 珍しくミーガン・チャイルズがヴォーカルをとる 可愛らしい小曲A6。 優しげなカントリー・ロック風味のA7。 幻想的な森に迷い込んだようなフォーク曲B5。 裏声の使い方にジョン・レノン風味も感じるB6。 ヨレ気味のヴォーカルで迫るB8であの世行き。 また本作からシングル・カットされたA2とB3が 動物大集合状態でたまりませーん。 A2では犬の鳴きまねヴォーカルが 「アウアウアウォーン」 って! 最高ですよぉー。 B3では馬のいななき&蹄の音の効果音が入ります。 この曲はアコースティックな響きを持った 心地良さのあるポップ・ソング。 うーん名曲。 アルバム丸ごと良いなぁ。 でも地味っちゃー地味なので これからゴーキーズを聴いてみようという人には 最初に手を出すアルバムではないのかも。 最初に手を出すなら変態性と美しさの両面が バランス良く入った 「タティ」 か 「バラファンデル」 ではないかなーと思うのですが・・・いかがでしょう。 |
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8曲入りミニ・アルバム
「ブルー・トゥリーズ」 は 第72号でレヴュー済みなのでそちらもご覧下さい。 しかし良い雰囲気のアルバムですねぇ。 音楽に良い雰囲気を求める僕にとっては傑作でしょう。 もちろん楽器の構成が好きだとか ヴォーカルの声やコーラスが良いだとか 美しいメロディーにググっとくるとか 好きな音のポイントはいくつかあるのだけど そこに流れる空気を感じさせてくれる音楽に惹かれます。 空気感のある音楽は僕を別の場所へ連れて行ってくれ 様々な風景を思い浮かばせてくれるのです。 だからいつも各レヴューを書く時は その曲を聴いてどのような風景が浮かぶか・・・ なーんて事を多く書いちゃうんだけどね。 まあ音楽を聴いても何の風景も思い浮かばない人は 浮かばないし この感覚は分からないんだろうけど。 「ブルー・トゥリーズ」 は聴いていると 目の前に穏やかな田園風景が浮かびます。 柔らかい陽射し・・・草の香り・・・優しく吹く風・・・ そして夏の終わりの切なさ・・・うーん 泣きそうです。 特にB3 B4は気絶しそうな名曲。 大傑作です。 |
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ちょっとジャケットが意味不明ですが これも又傑作ですねぇ。 「スパニッシュ・ダンス・トゥループ」 の 路線を更に推し進めた感じで もう毒キノコソングは入っていません。 ギターのジョン・ローレンスが抜け ロードリー・パウに変わりました。 ドラムスもピーター・リチャードソンに 交代していまいました。 生ピアノやアコギが美しく響く曲を 聴いていると別にバンドじゃなくて エイロスあるいはリチャードの ソロ・アルバムみたいではあります。 ギターをガシャガシャ弾く曲も無く ドラムスをズンドコ叩く曲も無いし 脱退の理由も何となく理解できます。 バンドとしてどーなのよ? という感じはありますが収録曲の 美しさったらないですよ。 特にA面が全曲好きなのですが B面ではB3が黄昏の寂しさを感じる 名曲で・・・うおおぉー良いいぃー! シングル・カットされたA3は リチャード・ジェームス作で ヴォーカルも彼がとっています。 |
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アンクスト・レーベル時代に出したEPとシングル盤 計6枚分を全部ブチ込んだ編集盤。 ほとんどの曲がアルバム未収録曲でお得だし シングル盤のジャケトを全部ミックスして構成した 毒が溢れ出さんばかりの盛りだくさんジャケもお得。 シングルB面曲などは オリジナル・アルバム収録曲以上に 無茶苦茶やっていてヒドい事になっていますねぇ。 毒キノコサウンド大爆発で 編集盤ながら1枚のアルバムとしても なかなかまとまっていると思います。 11曲目はケヴィン・エアーズのカバー。 オリジナルは聴いた事ありません。 そして14 18曲目にはペダル・スティールで B.J.コールのクレジットもあります! 21曲目は曲名表記の無いシークレット曲。 1曲目のデモ・ヴァージョンみたいですね。 なお編集盤はもう一枚 「An Introduction To Gorky's Zygotic Mynci」 というのが出ています。 そちらの収録曲はアンクスト時代のアルバムと 本盤があれば全部聴けると思います・・・たぶん。 「An Introduction To・・・」 は持っていないので あくまでたぶんですけどね! |
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そしてサンクチュアリに移籍して 2003年秋に出た最新作 「スリープ/ホリディ」 です。 うぇーん 又々涙ボロボロの 名曲満載のアルバムですよぉー。 僕はLPで欲しかったので CDが店頭に並んでから暫く 様子を見ていたのだけど ガマンできなくてCD買っちゃいました。 今後もLPは出そうに無いですね。 シングル曲の3曲目がドライブ感のある エレキギターが暴れるロック。 6曲目は曲名どうり もろカントリー。 9分越の11曲目は幻想的に迫ります。 生ピアノの音が耳につくアルバムで リチャード・ジェームス作5 10曲目が アコギを基調にしていて 更に英国フォークの色合いも濃く アルバムの流れの中で効いています。 特に2曲目 8曲目 12曲目とかが 胸を締め付けられるような 切ない切ない名曲なのだけど いやぁ全曲良いです。 捨て曲ナシ。 素晴らし過ぎですゴーキーズ。 |
3rd 「BWYD TIME」 の見開き内側より。 |