オーストラリア出身のゴー・ビトウィーンズ(THE GO-BETWEENS)が遂に日本上陸! ハッスル&フィーバーを決め込んで6月9日渋谷クラブ・クアトロへ行って参りました。 彼らは来日していなかったオージー・バンド最後の大物と言ってもいい位の キャリアがあり 待望の初来日のはずですが・・・日本にはファンが少ないのかなぁ。 東京と大阪の2公演のみだったというのに当日券が余裕で買えましたよ。 まあ客の入りはぎっしりという感じでは無かったけどまずまず入っていましたね。 いやしかし滅茶苦茶良かったぞ! レコードを聴いていても地味な曲が多いので ライブは迫力満点とかライブで大騒ぎとかいうタイプでも無さそうだったので スタンディングのクアトロで盛り下がりはしないかなぁと心配していました。 ところが心配ご無用 やっぱり迫力満点で迫るという感じでは無かったのだけど ライブ向きのリズミカルな曲を多くやってくれたし狂喜乱舞のあの曲やあの曲も演奏し 一番前の方に陣取っていた僕は幸せな気分でギャーギャー騒いできました。 さて僕は新譜CDなんかでも 「レコード屋を覗いて初めて見つけてびっくり」 が得意技で 積極的に情報収集しない派なもんで来日公演情報なんかはほとんど知りません。 公演が終わってから ええぇあのバンド来てたのかよ! 知らなかったぜ!ちっきしょー見たかったなぁ という事も多々ある派なのです。 ゴー・ビトウィーンズはタワー・レコードでライブ告知チラシを発見してしまったもんで 昔から大好きなバンドの初来日となったらそりゃー見に行かざるを得ないでしょう。 当日券6500円という気の遠くなるような出費に暫くレコード購入を控えないとねぇ。 でも暫くレコード買えなくても充分有り余る幸せをもらいました。 良かったよー! ちなみに・・・外資系大型レコード店が嫌いな僕はもう何年もタワー・レコードでは 音楽ソフトを購入していないはずですが こういったチラシのチェックの他 試聴したりインストア・ライブを見たりといいように利用させてもらっております。 で これが問題(?)のチラシです。 ついでに(?)オリジナル・アルバムのディスコグラフィーをどうぞ。 1 「SEND ME A LULLABY」 (1982) 2 「BEFORE HOLLYWOOD」 (1983) 3 「SPRING HILL FAIR」 (1984) 4 「LIBERTY BELLE AND THE BLACK DIAMOND EXPRESS」 (1986) 5 「TALLULAH」 (1987) 6 「16 LOVER'S LANE」 (1988) 1〜3はレア・トラック満載のボーナス・ディスク付の2枚組で日本盤CDも出ています。 4〜6もかつて日本盤CDが出ていましたが現在は廃盤状態なのかどうだか知りません。 |
「THE FRIENDS OF RACHEL WORTH」 (2000) 独 CLEARSPOT/EFA CS 035/EFA LP 05425 (LP) A1 Magic In Here 2 Spirit 3 The Clock 4 German Farmhouse 5 He Lives My Life B1 Heart And Home 2 Surfing Magazines 3 Orpheus Beach 4 Going Blind 5 When She Sang About Angels |
ゴー・ビトウィーンズがオーストラリアで最初のシングルを出したのは1978年です。 グラント・マクレナン(赤シャツ)とロバート・フォスター(白シャツ)を中心に活動し アルバム出す度メンバーが増えていく体勢で1990年に解散しました。 彼らはアズテック・カメラやオレンジ・ジュースも在籍していたスコットランドの ポストカード・レーベルから1980年代初頭にシングルを出した実績があるもんで ネオ・アコースティックの文脈で語られる事が多いですね。 実際ネオ・アコースティックな響きの曲も多くありますがネオアコ・バンドというよりも 地味でちょっとひねくれたフォーク・ロックをやるバンドといった方が良いでしょう。 演奏能力も高いとは思えないし これといって凄い事やっている訳じゃないので ホント地味なんだけど聴くほどに味わい深い曲が多くて じわりと心に響くのです。 2人の風貌は人の良さそうなグラント 神経質そうなロバートって感じなのですが 実際書く曲もグラント・マクレナンはポップでメロディアスな曲が多いし ロバート・フォスターは一緒に歌えそうにないひねくれた曲が多いですね。 更にヴォーカルも音程があんまりとれないけど上手く歌うよう努力しますなグラントと 俺も音程とれないから語っちゃえなスタイルのロバートとなっていて面白いですよ。 それぞれ自分が作った曲でメイン・ヴォーカルをとるスタイルで 異なった2人のヴォーカルが交錯するのはサビの部分くらいかな。 1990年の解散後2人はソロでアルバムを出したりしていましたが 2000年にこの再結成アルバムが登場。 以前と変わらず味わい深い曲を連発です。 メンバーは5人になっていてグラント&ロバート以外は総とっかえ。 新メンバーの内2人は女性で メンバーに女性がいるのも昔と一緒ですね。 |
「BRIGHT YELLOW BRIGHT ORANGE」 (2003) 独 CLEARSPOT/EFA CS 035/EFA LP 05425 (LP) A1 Caroline And I 2 Poison In The Walls 3 Mrs Morgan 4 In Her Dialy 5 Too Much Of One Thing B1 Crooked Lines 2 Old Mexico 3 Make Her Day 4 Something For Myself 5 Unfinished Business |
再結成後の2枚目で通算8枚目のオリジナル・アルバム。 日本の梅雨時期に来日する事を見越してこのジャケットにした訳じゃないだろうけど 何年か後にこのLPを見ると梅雨時期に来日したんだよなーと思い出せるという スペシャルな来日記念盤なジャケットになっているのではないでしょうか。 前作とメンバーがちょっと変わってグラント&ロバートと女性ベーシストの アデール・ピックヴァンス(読み方適当シリーズ)が前作と一緒です。 ドラムスにグレン・トンプソンが加わり4人組となっております。 この4人が今回の来日公演で演奏した4人で間違い無いと思うのですが ロバートは明らかに1人だけマイクの位置が高く 写真で見ていた通りのでかい人。 グラントは昔から危なかったけど今やツルッパゲで やっぱり人が良さそうでした。 ベースのアデールは横にでかい肝っ玉母ちゃんな人でしたし ドラムスのグレンは毒キノコのようなでかいパーマネントが頭に乗っかっていて ルックス方面の確認もナマで見る事の楽しみのひとつでもありますね。 ライブは再結成後のアルバムの曲が半分 昔の曲半分といった構成でした。 途中で多少楽器を持ち替えたりもしましたが サポート・メンバーも無く 4人だけの演奏でシンプルなバンド・サウンドを響かせてくれました。 そのシンプルさゆえなのか特に再結成後の楽曲はアルバムを聴いていて 地味だねぇと思っていた曲がライブだと美しいメロディーが浮かび上がってきて ああこんな良い曲だったんだと再発見させていただきました。 いやこのアルバム自体もかなりシンプルな音の構成なのですけどね。 またバックでアコギ・ガチャガチャなリズミカルな曲を多く演奏したので ネオ・アコースティック色も強かったです。 そこら辺の曲では僕も踊りまくりましたが 2003年にこんなネオアコなゴー・ビトウィーンズが見られるなんて・・・ホント幸せです。 |
「1978-1990」 (1990) 英 BEGGARS BANQUET BEGA 104 (LP) A1 Karen 2 Hammer The Hammer 3 Castle And Cane 4 Man O' Sand To Girl O' Sea 5 Bachelor Kisses 6 Drainning The Pool For You 7 Spring Rain B1 The Wrong Road 2 The Clarke Sisters 3 Right Here 4 Bye Bye Pride 5 The House That Jack Kerouac Built 6 Streets Of Your Town 7 Love Is A Sign C1 8 Pictures 2 I Need Two Heads 3 When People Are Dead 4 The Sound Of Rain 5 People Say 6 World Weary 7 Rock And Roll Friend D1 Dusty In Here 2 A King In Mirrors 3 Second-Hand Furniture 4 This Girl, Black Girl 5 Don't Call Me Gone 6 Mexican Postcard 7 You Won't Find It Again |
こちらは1990年に解散に合わせて発表された2枚組ベスト盤。 AB面は代表曲が年代順に並んでいて正統派ベストという感じかな。 そしてCD面はシングルB面曲や未発表曲などが並んだレア曲中心の構成。 A5 「Bachelor Kisses」 は1980年代ネオ・アコースティックと呼ばれていた音楽の中でも ロイド・コール&ザ・コモーションズの 「Forest Fire」 ザ・ロフトの 「Why Does The Rain」 プレファブ・スプラウトの 「When Love Breakes Down」 などと並ぶ大名曲になっています。 哀しみに彩られたメロディーは青春の痛みを感じるしバックでタンバリンは鳴り続けるし 聴いた瞬間いてもたってもいられなくなる程魂が揺さぶられます。 CD面はオリジナル・アルバムには入らなかったレア曲ばっかりなのにこの素晴らしさ。 カントリーしている異色のD5や グラントのソロ作品に繋がる大らかで土臭い フォーク・ソングD7などホント素晴らしい楽曲がゾロゾロ並んでいますね。 今回の東京公演では 「Bachelor Kisses」 やそれに並ぶ名曲A3 「Castle And Cane」 を 演奏しなかったのはちょっと残念でしたね。 大阪ではやったのかなぁ。 うーん・・・ポップなB3の 「Right Here」 も聴きたかったぞ! でもA7 B4 B6あたりの代表曲をやってくれたし 本アルバムには入っていないけど パラッパ・コーラスで盛り上がる 「Love Goes On !」 をやってくれたのには大興奮。 そしてD4なんていうのどかで可愛らしいレア曲をやったのにはちょっと驚きだったし アンコールではデビュー・シングルの 「Lee Remick」 をかましてくれました。 でもどうなんだろう・・・待望の初来日で東京は1日限りの公演だったというのに 余裕で当日券が買えるくらいの客の入りにもう2度と来てくれないかも知れませんよ。 派手な方向転換をして新たに若いファンを取り込むぞって意気込みも無さそうだしねぇ。 いやゴー・ビトウィーンズにはこのまま地味だけど素敵な歌を歌い続けて欲しいです。 オージー・オヤジ・ロックの真髄と呼ばれる日も近いぞ!僕はどこまでもついて行きます! |