先日 久々に渋谷に行ったので タワーレコードを市場調査。(カントリーコーナーだけ)
輸入盤CDが 2380円などという価格でずらーっと並んでいて びびりました。
欲しいCDは沢山あったけど 試聴だけして 何も購入しませんでした。
皆さん 外資系大型レコード店を よく利用するのでしょうか?
あいつら 値段高いですよ。
小さな店でも もっと良心的な価格のレコード屋は 沢山あります。



  
DANDO SHAFT 「EARLY DANDO SHAFT」 (1994) 独 InRespect 874 446 (CD)
  1 Rain
  2 Cold Wind
  3 September Wine
  4 Cat Song
  5 In The Country
  6 Drops Of Brandy
  7 End Of The Game
  8 Lazily Slowly
  9 Pass It On
 10 Kallyope Driver
 11 Prayer
 12 Sometimes
 13 Waves Upon The Enter
 14 Dewet
 15 Riverboat
 16 Harp Lady I Bombed
 17 The Black Prince Of Paradise
 18 When I’m Weary
 19 Till The Morning Comes
 20 Whispering Ned

タワーレコードで何も仕入れなかったので その足で
値段は安いけどたいした物は置いていない レコファンへ行ったのです。
そのレコファンでゲットしたのが ダンドゥ・シャフトの編集盤でした。 中古盤税込で892円。
いくら中古盤とはいえ マニアの人が喜びそうなこんなCDを
1000円以下で放出しているところが レコファンの凄い所です。
本作は 1st「An Evening With」(1970) 2nd「Dando Shaft」(1971)
3rd「Lantaloon」(1972) からの楽曲を収録しています。
第2集も出ていて 2枚あわせると1st〜3rdの全曲が聴けます。
(ブックレットにそのような事が書いてあり 僕はそう読み取った。)
彼等のサウンドは不思議な感覚のフォークで トラッドっぽくもあり
この時期独特の幻惑的なフォークでもあり ヒッピー感覚もあり なんとも形容し難いです。
1〜8が1stアルバムの全曲。 9〜15 19 20 の9曲が2ndから。
残り3曲16〜18が3rdからです。 1stは男ばっかりですが
2nd 3rdには 綺麗な声の女性ヴォーカリスト ポリー・ボルトンが加入しています。
タブラとダブルベースのリズムの中 終始マンドリンが騒がしい 疾走感のある2曲目や
春の日のうたた寝感覚でゆったりとした19曲目がこのバンドの真骨頂です。
僕はゆったりした曲の方が好きで 5 8 12 15 19 あたりは非常に気持ち良く聴けます。
フルートやフィドルといった ブリティッシュ・フォークの定番楽器もしっかりと登場します。
それにしても 5曲目の必殺フルートはやってくれます。
こちらが望んでいる事を分かっているような 間奏での突然の爆発ぶりです。
ダンドゥ・シャフトは2ndアルバムが名盤とされていて 英SeeForMiles と
独Repertoirから それぞれボーナス・トラック付きでCD化されています。
僕はオリジナル・ジャッケットの Repertoir 盤を持っているのだけど
ボーナス・トラックの内容が違うらしい SeeForMiles 盤も気になります。
中古盤で安かったら購入してあげてもいいのですが。
彼等は3rd発表後解散しますが 1977年に再結成して 4th「Kingdom」 を発表。
これもCD化されていて 僕は怪しいイタリア盤を持っています。
(もちろん中古盤。 ディスク・ユニオン新宿店で税込1260円。 内容はあまりよくない。)
1993年には再再結成のライブ盤 「Shadow Across The Moon」 が出ています。
これもイタリア盤です。 彼等はイタリアでは人気グループなのでしょうか。
CD化情報は 僕が確認した物だけですので 他にも出ているかも知れません。 




STRING DRIVEN THING 「THE EARLY YEARS 1968-1972」  (1968)
独 Green Tree TRC-GTR CD-007 (CD/1993)
 1 July Morning
 2 Say What You Like
 3 Magic Garden
 4 Wonderful Places
 5 I Don’t Wanna Wake Up
 6 City Man
 7 Another Night In This Old City
 8 That’s My Lady
 9 Catch As Catch Can
 10 No More You And I
 11 Lie Back And Let It Happen
 12 One Of The Lonely People
 13 Winter Is Coming
 14 Regent St.Incident
 15 Jack Diamond
 16 Argyle St.
 17 Old Love New Love

外資系大型レコード店の名誉のために書きますと
このストリング・ドリブン・シングのCDは HMV上野店で 新品税込525円でした。
もちろん セールのコーナーに入っていた 「誰も買わないで売れ残ったCD」 の一枚です。
確かにこんなバンド マニアの人しか知らないし 売れ残っても仕方ないかも知れません。
怪しいドイツ盤なので 普通に売っていたら 2500円位の価格は付いているはずです。
しかし そこのあなた。 これは少々高くても 見つけたら買いのアルバムなのです。
1〜12 が1968年 自主制作されたという1stアルバムの楽曲で
13〜17が録音時期不明の 音の悪ーいボーナス・トラックです。
でもって ここで聴ける音は フォークではありません。
サイケ期のホリーズに近い感じの カラフルなポップ・ソングです。
ホリーズ程のエフェクトの多用はないですが ホーンやストリングスなど 使用楽器は多彩で
自主制作とは思えない程の完成度を誇っています。
どの曲もメロディアスで コーラスも分厚く入り 思わず一緒にくちずさんでしまいそうです。
基本的に男性がメイン・ヴォーカルをとり サビで女性コーラスが入り盛り上げます。
7曲目は またもやの必殺フルートが入った曲で 聴くたび興奮します。
ボーナス・トラックは うつろなブリティッシュ・フォークが感じられる曲が並んでいます。
14と15は 1972年の2nd 「String Driven Thing」 にも収録されている曲ですが
こっちの方がいいな。 2ndでは 変態ヴァイオリニスト グラハム・スミスが加入しますが
このCDの ボーナス・トラックでも その変態プレイが聴けます。
その2nd と 1973年の3rd 「The Machine That Cried」 は
プログレッシブ・フォークのサウンドです。 1stではコーラスだけだった
女性ヴォーカルのポーリン・アダムスが メイン・ヴォーカルをとる曲も入っています。
彼等のアルバムは 4th 「Please Mind Your Head」 (1974)
5th 「Keep Yer ’And On It」 (1975) もありますが
この2枚はどーしようもないロック・アルバムです。
僕の確認したCD化情報では 2nd と 3rd と レアトラック集
それと 1990年代の再結成アルバム数枚がCD化されています。
恐ろしい事に これがすべてドイツ盤なのです。
彼等はドイツでは 人気グループという事にしておきましょう。



  
IAN TYSON 「OLD CORRALS & SAGEBRUSH」 (1983)
米 COLUMBIA FC 38949 (LP)
A1 Alberta’s Child
 2 The Old Double Diamond
 3 Windy Bill
 4 Montana Waltz
 5 Whoopee Ti Yi Yo
 6 Leavin’ Cheyenne
 B1 Gallo De Cielo
  2 Old Corrals And Sagebrush
  3 Old Alberta Moon
  4 Diamond Joe
  5 Night Rider’s Lament


素晴らしい内容のレコードを安く購入できたといえば
この カナダ人 イアン・タイソンの 何枚目なのかよく分からない中古盤LPなんかは
お茶の水駿台下の マーブルディスクで500円でした。 (この店は税金をとらない。)
馬にまたがった表ジャケットといい 小汚い盗賊団みたいな裏ジャケといいい
これを見ているだけで もう サウンドは想像できるのですが
彼の場合 カントリー・シンガーの制服としてのカウボーイ・スタイルではなくて
農場で牛を追っかけている 本物のカウボーイなのです。
そういうわけで 彼の歌声には 妙な説得力があります。
収録曲は オリジナルとカバーとトラッドがバランスよく入っており
カナダの大地を赤く染める夕日・・・といった印象の のどかな曲が多いです。
3拍子の曲が多いのも 僕の好みです。
バックの演奏も 派手ではないですが 心に染みる カウボーイ・ソングの連発です。
しかし 彼の低い歌声って 本当に心地良く響きますね。
カントリー・シンガーらしく 時折ヨーデルを織り込むのも アクセントになっています。
それにしても 彼のような キャリアも実力もある シンガー・ソング・ライターが
なかなか注目されないのは どういう訳なんでしょう。
彼のレコードは 新品CDは 僕が買い占めた店では 二度と入荷しないし
中古盤屋でも LPはめったに見かけません。 (そして 安い。)
この状況を打破するために トリビュート・アルバムでも作って盛り上げて欲しいものです。
彼が 1960〜70年代迄 妻のシルビア・タイソンとやっていた フォーク・デュオ
Ian & Sylvia のレビューは 第1号で紹介済みなので そちらもご覧下さい。


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