MAGENTA 「CANTERBURY MOON」 (1978) 英 KISSING SPELL KSCD 938 (CD/2002) |
1 Foxtrot 2 Riding High 3 Marion 4 I'll Never Trouble You Again 5 Thornaby Woods/The Hare In The Corn | 6 Brother Can You Spare A Dime 7 Gipsy 8 Ever The Guiding Light 9 Canterbury Moon 10 Rocks Of Bawn |
2001年後半頃からジャケット裏にバーコードが印刷されるようになり まともなレコード会社の仲間入りを果たした(のかな?)キッシング・スペル。 バーコード導入後は廃盤になっていたアイテムも続々と再CD化され 2003年春にはホリーグラウンド・レーベル物もボーナス曲入りで再CD化されましたね。 そんな危険盤リニューアル再発業務の他コテージというレーベルのCD化も敢行。 そのコテージ・レーベル物から男性3人女性1人の4人組マジェンタです。 メンバーの風貌がそこら辺の歌好きなオヤジ3人withかなり凄い顔のババアですが あなどるなかれ!こりゃーかなり良いフォーク・アルバムになっています。 メンバーのアーサー・ブラウンの自作曲が大半を占め トラッド曲とカバー曲が数曲。 基本はアコースティック・ギターの伴奏にその他の楽器が程よく絡む感じのフォークで ヴォーカルは程よくバラつくコーラス中心に聴かせ その完璧じゃない所が良いんだな。 エレクトリック・ピアノとアコギの絡み方がヘロン(!)を思わせる2曲目。 凄い顔のババアが美しい歌声を響かせ途中からフルートも絡んできて必殺な4曲目。 切ないメロディーに切り込んでくるのはグロッケンスピールでこれも必殺な7曲目。 軽快に迫る8曲目はプレインソングのカバー(イアン・マシューズ作)で更に必殺。 アルバム・タイトル曲の9曲目はタイトルだけでも更に更に必殺で死者続出確実。 ゆったりとしたアコギのアルペジオにハーモニカとグロッケンスピールが入り全員死亡! 1 5 10はトラッド色濃厚ですが全体はトラッド・アルバムという感じはありません。 午後の陽射しの下でくつろいでいるようなのどかで美しいフォークです。 良い! |
BABY WHALE 「THE DOWNHILL CLIMB」 (2002) 英 KISSING SPELL KSCD 931 (CD) |
1 The Old Man And The Sea 2 The Downhill Climb/The Cuckoo's Nest 3 Cornfields/The Cuckoo 4 This Time 5 Circles And Circuses 6 Dependable Spokes | 7 Things Are Not Free 8 Evening Song 9 This Ain't My Life 10 Cabin Town 11 Easy Feeling 12 The Strangler |
うぎゃーっ!これも無茶苦茶良いぞ! 女性ヴォーカルやフィドルのメンバーも含む6人組ベイビー・ホエール。 ベイビー・ホエールなので鯨の赤ん坊3頭というジャケットも可愛くて好きだなぁ。 裏ジャケの長髪な男どもの風貌は1970年代ロックど真ん中なルックスですねぇ。 本作の録音は1973年で当時お蔵入りになった音源の発掘盤のようです。 エレキ・ギターやドラムスも入るアコースティックな感触のロックが展開され 一部の曲にはペダル・スティールやバンジョー等が入りカントリー・ロック風味もあります。 しかしカントリー風味の曲もアメリカンな感じは無く英国的な美しさを放ちまくりです。 でも女性ヴォーカルのアン・ベイカーという人はアメリカ人のようですね。 1曲目から美しい女性ヴォーカルやコーラスの被さり具合や各楽器の絡みが メロウ・キャンドルばりで この英国的な陰りのある美しさには失禁寸前でしょう。 メロウ・キャンドル・ミーツ・カントリー・ロックという感じの2 5 7 9曲目が凄過ぎだし 10曲目にあまり綺麗では無いバンジョー・ロールが大爆発した後11曲目の ゆったりと寄せる波の如くゆらゆらと美しいフォーク曲になだれ込む展開でああ失禁。 その他トラッド色のある曲やブルー・グラスしてる曲などもあります。 フィドルがスイングして気持ち良い4曲目は女性ヴォーカルがとぼけた感じで楽しいし。 ただ後半に何曲かカン高い子供声の男性ヴォーカルが入っちゃうのが減点かな。 しかしこんな凄い音源が今まで埋もれていたとは恐ろしい事です。 同じくキッシング・スペルからCD化されているトビー・ジャグ&ウォッシュボード・バンド そしてテレフォン・ビル&スムース・オペレイターズには ベイビー・ホエールのメンバーが参加しているようですねぇ。 僕は両方とも持ってないや。 手遅れにならない内にゲットしないと。 |
NIGEL MAZLYN JONES 「SHIP TO SHORE」 (1976) 英 KISSING SPELL KSCD 942 (CD/2002) |
1 A Singularly Fine Day 2 Take Me Home 3 The Man And The Deer 4 Follow Every Sunset 5 How High The Moon 6 Reality 7 Port Quin Song (The Lady On The Beach) 8 Ship To Shore | bonus tracks 9 All Brave Men 10 The Hunter And The Lady 11 Hunter's Tale (instrumental) 12 Ship Tales (instrumental) 13 Neap Tide (instrumental) 14 High Tide (instrumental) 15 Frozen Waves (instrumental) |
キッシング・スペルはフォーク系のアイテムだけ出しているという訳ではありません。 危険度バツグンのキッシング・スペルだからと何でもかんでも購入してしまうと 聴くために購入するのか集めるために購入するのか分からなくなってきますね。 金が有り余っているブルジョアジーの人はガンガン買って集めまくるのもいいけど 僕のようなプロレタリアートなチンピラにはどんな内容なのか見極めが必要です。 どんな音か分からなかったけど何かフォーク系っぽい臭いがしたので購入した物には ペギーズ・レッグ(KSCD 915)とダンサー(KSCD 917)っていうのがありました。 両方ともプログレ入っていてキツかったのですぐに売り飛ばし処理しちゃいましたよ。 聴かない盤はとにかく現金化・・・その金で又訳分かんないの買っちゃうんだけどね。 ちきしょー貴族になりてぇー。 誰か貴族のなり方教えて下さい! このナイジェル・マズリン・ジョーンズというオヤジもよく分からなかったのですが 中古で見かけてしまい裏ジャケに各曲の楽器構成が印刷されていたので見たところ アコギ中心だったのでこりゃーフォーク系に間違い無いよなーと仕入れてきました。 で聴いてみるとギターの弾き語りにリード・ギターとベースが被さる程度の音で大正解。 全体にかかったエコー感のせいなのか浮遊感たっぷりのアシッド・フォーク作品です。 フィドルやマンドリンが入る曲もあり 4曲目だけドラムス入りのフォーク・ロックです。 1曲目と8曲目(11分超体罰曲!)はじわじわと脅迫されているような不吉さが良いし ギターの爪弾きの感じとメロディー展開がドノヴァンしまくる5曲目と7曲目もあります。 そして決して醒める事のない深い眠りへの呼びかけのような虚しさがあり 美しくて哀しい2曲目で決まりでしょう。 いやこれはホント素晴らし過ぎです。 ボーナス曲は7曲も入っていますが11曲目以降はすべてギター中心のインスト。 繊細で美しいアルペジオからエフェクターがかかった宇宙サウンドまで聴かせ どれもアシッド臭漂います。 この人ギターの腕前は相当なようです。 |
BODGERS MATE 「BRIGHTER THAN USUAL」 (1978) 英 KISSING SPELL KSCD 939 (CD/2002) |
1 Brighter Than Usual 2 Fine Young Girl 3 Dunphy's Hornpipe/Trumpet Hornpipe 4 'T' Stands For Thomas 5 Tha Road To Lisdoon Varna | 6 Little Drummer 7 Planxty Urwin 8 Sigo Fancy/The Blackthorn Stick/Peter Street 9 Matty Groves 10 Swallow's Tail Reel/The Merry Blacksmith |
いつもお世話になっているレコード屋ディスク・ユニオンは店ごとに特徴がありますが 店舗によってはレーベルごとにコーナーを分けていたりします。 ユニオン新宿プログレッシヴ・ロック館ではキッシング・スペルのコーナーもあり 危険なキッシング・スペル商品が誰でも手軽に購入できるという異常な事になっていて 世の中正に21世紀型へ移行したんだなーと感慨もひとしおです。 まあ僕は2000円以上の商品でもかなりビビってしまうビビりまくり人間なので 税金を入れたら3000円級の新品のコーナーから抜いて購入という事はまず無く 今回紹介している4枚もすべて中古品かセール品を購入した物なのですけどね。 キッシング・スペルのコーナーは新しいのが出たかどうかチェック用にしているので 僕はいまだ20世紀から抜け出せないでいるのです・・・うーん何だそりゃ? で これは中古で見つけたコテージ・レーベル物のボジャーズ・メイト。 メンバー写真のバウロンを持ったハゲオヤジが全てを物語るオヤジ系トラッドで インスト物が6曲 歌物が4曲という内容になっております。 各楽器のアンサンブルが迫力満点に迫るタイプでも無く終始のどかですねぇ。 田舎の公民館で繰り広げられる演奏会レベルのアマチュア度の高い作品で こりゃー凄ぇーとか大騒ぎするような作品じゃ無いけどお昼寝のBGMにはもってこい。 フェアポート・コンヴェンションの名演で有名な9曲目も入っているし 何といってものどかなハーモニカが主旋律を奏でるインストの7曲目が絶品。 遊び疲れた子供をお母さんが「ごはんだよー」って迎えに来る風景が浮かぶ 懐かしくて幸せな昭和を感じさせる曲。 夕焼けを見ながら聴いたら泣いちゃいそう。 僕は20世紀から抜け出せていないけど昭和からも抜け出せていないようです。 |