THE GENTLE SOUL 「THE GENTLE SOUL」 (1968) 米 EPIC BN 26374 (LP)
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ジェントル・ソウルは米国は西海岸のグループだそうで これはすっげー名作です。 お花に囲まれた男女のジャケットがもろにラブ&ピースな感じだし 盤に刻まれた音も奇跡的な美しさを放ちまくりで現実逃避にはもってこいですよ。 本作はこの4月に米サンデイズドからボーナス・トラック9曲入りでCD化されました。 今回レヴューするのは2002年に再発されたLPなのですが 是非ボーナス曲も聴いてみたいしCDを購入しようかどうか迷っています。 ジャケットの2人は女性がパメラ・ポーランド 男性がリック・スタンリーという事ですが このLPはどこを見ても2人の名前が載っていないし楽曲の作者の表記もありません。 演奏陣とプロデューサーの名前は印刷されていてプロデュースはテリー・メルチャー。 演奏にはライ・クーダーやヴァン・ダイク・パークスなどの有名人の名前があります。 うーん サンデイズドのCDを購入すれば更に詳しい情報が得られるのだろうなぁ。 インストのA1からギターやハープシコードやフルートといった全ての楽器の音が 若草の如くキラキラと輝き 美しいメロディーは穏やかな初夏の陽射しを思わせます。 A2以降も同様の輝きの上に2人の柔らかいコーラスが乗っかり気分はもう夢の中。 ドラムスやエレキ・ギターはあまり入らないのでフォーク・ロックという感じでも無く 2人のハーモニーはフォーク系で複雑には絡まないのでソフト・ロックとも又違います。 アコギの上にウッド・ベースやハープシコードやフルートやストリングスなどが 乗っかるのは必殺室内楽フォークのパターンでもあるのすが 雰囲気が屋外なので室内楽というのもちょっと違うんだよねぇ。 草の上に転がって風を感じながら聴いたりしたらホント嫌な事全て忘れられそうです。 そして現実逃避したくない人ももちろん必聴盤ですよ。 とにかく無茶苦茶良いんだから。 やっぱりCDも購入しちゃおっかなー。 |
THE FLOWER POT MEN 「LET'S GO TO SAN FRANCISCO」 (1993) 独 REPERTOIRE REP 4344-WZ (CD)
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フラワー・ポット・メーン! フラワー・ポットって植木鉢? 変なグループ名ですねぇ。 彼らは1960年代後半に活動していた英国のグループでこのCDは編集盤です。 グループ名にお花が入っているし1960年代末最もラリパッパな街 サンフランシスコに行こうなーんてアルバム・タイトルで相当の現実逃避路線ですよ。 フラワー・ポット・メンにはソフト・ロック業界ではかなり有名な芸人が参加しています。 そのテの音が好きな人は誰が曲を作って誰がヴォーカルかとか調べてみるといいさ。 僕はソフト・ロックはよく知らないのでカーター&ルイスのソングライティング・コンビの 表記とか見ても誰?それ?って感じで全然トキメかないのですけどね。 それにしてもこの1曲目はホント素晴らし過ぎ。 邦題は 「花咲くサンフランシスコ」 だ! 出だしのコーラスやベースとドラムスの切り込み具合いだけで誰もが即死でしょう。 更にハイトーン・ヴォーカルや美しく複雑なコーラスに加えバックでメロトロンが爆発。 ペット・サウンズ〜スマイリー・スマイルあたりのビーチ・ボーイズを思わせる音ですが ビーチ・ボーイズよりもビーチ・ボーイズらしいサウンドではないでしょうか。 その他の曲もどれもよく出来ていてヒット曲職人の仕事って感じです。 ビーチ・ボーイズしまくる曲を中心に強力な歌謡曲路線が炸裂しています。 中でも特に8曲目はヒットチャート50週連続1位確実の如くなバカみたいにポップな曲。 一部ロックっぽい曲もあるし色々と楽しんで聴ける1枚ではないでしょうか。 彼らが1967〜69年の活動期間にリリースした作品はシングル盤のみで 1〜9がそれに当たります。 内6と7はフレンズ名義で出したシングルAB面です。 残りの曲は活動停止後発掘された音源で 発表できようができまいが 凄い勢いで完成度の高いポップ・ソングを録音しまくっていたのですね。 |
SCOTT McKENZIE 「SAN FRANCISCO」 (1967) 蘭 EPIC EPC 32483 (LP)
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スコット・マッケンジー! 彼の芸達者ぶりは第34号でも書いたのでそちらもご覧下さい。 でもスコット・マッケンジー名義のアルバム・レヴューはこれが初めてなのよね。 いずれにせよこのオヤジは僕がかなり入れ込んでいる人なのですよ。 ・・・入れ込んでいる割にアルバムはこれ1枚しか所有していないんだけどね! サンフランシスコを訪れたら髪に花を飾ろうと歌われるピース&フラワーなA面1曲目 「花のサンフランシスコ」 こそ1960年代最高峰の現実逃避ソングでしょう。 この曲には美しく切ないメロディーがありバックでアコギ・ガチャガチャ鳴っているし グロッケンスピールも絡み更にハンドクラップも入り・・・と僕の好きなパターン満載で 死ぬ程良いいぃ!と叫びたくなるフォーク・ロックに仕上がっているのです。 A1に続くドノヴァンの名曲のカバーA2も鉄琴とペナペナ・パーカッションが入り幻想的。 こちらの鉄琴の音は響きが電気増幅されていてグロッケンというよりビブラホーンかな。 その他ラヴィン・スプーンフルのカバーA3 ティム・ハーディンのカバーA5 B2があり A1 A6 B3 B4と4曲も楽曲を提供しているのは今は亡きジョン・フィリップスです。 なおB3とB4はママス&パパス・ヴァージョンもあります。 スコット・マッケンジー本人作はA4とB5の2曲だけ・・・同じ曲のヴァージョン違いじゃん。 実はこれが素晴らしくてフルート&ストリングスが絡み室内楽フォーク気味で美しいA4。 ギターの弾き語りでデモ音源みたいに生々しく響くB5となっています。 全体的にはフォーク・ロックといえる音ですがポップス度も高く これに麗しく複雑なコーラスが被さったらママス&パパスになっちゃうのかな? でもA1 A2 A4 B4あたりを繰り返し聴けば現実逃避できるので大丈夫。 ところでマッケンジーおじさん・・・今どうしているのかなぁ。 反戦運動してたりして・・・ |