RED TELEVISION 「RED TELEVISION」 (1974) 英 AUDIO ARCHIVES AACD 038 (2000)
|
レッド・テレビジョンは男性3人組のフォーク・グループ。 プログレッシヴ・ロックからハード・ロックからフォークまでアンダーグラウンドで 危険度バツグンのブツを扱うオーディオ・アーカイブスからの再発CDでの紹介です。 変な顔のオヤジの白黒イラスト・ジャケだけ見ていると音楽性が全く読めず レコード屋で見かけても素通りしちゃいそうな1枚なのですが そこのあなた!これは良いです。 見つけたら即ゲットしなければいけません。 彼らの基本サウンドは2本のアコギにヴォーカルという物で かなりのどフォーク。 たまーにパーカッションやエレキ・ギターやベースなどが入ります。 メンバーは3人の名前が印刷されているけどヴォーカルをとるのは1人だけで コーラス部分が無いのでヴォーカルのヤツのソロ・アルバムみたいな感じもあります。 3曲目には2声入っているけどこれはヴォーカルのヤツの重ね録りのようです。 終始トローンと虚ろで美しい曲の連続になっていてアシッド臭も濃厚。 バックは高度な演奏をしようとしたけど出来ずにもたついていまーすって感じがあるし もちろん録音はこもりぎみでヤバい条件が整った強力盤です。 哀しげなメロディーが繰り返され聴き進むにつれ落ち込まずにはいられない2曲目。 4曲目の 「カリフォルニア・フリーウェイ」 は時速30キロのダラダラ・ドライブか。 全曲中ヴォーカルが最も気合いの入っていない5曲目も良いなぁ。 前奏と間奏に哀愁の口笛が入り 木枯らしのロンドンの街角で ひとりたたずんでいるような絶望感を感じる6曲目がまた素晴らしい。 そして鋭いエレキ・ギターが登場する7曲目は12分以上もあるという体罰曲だぁ! しかしグループ名も意味深だしブックレットにはびっしりと歌詞が印刷されていて きっと政治的でもあり文学的でもあるグループに違いありません。 いや歌詞なんか一切読んでいないので勝手にそう思わせていただいています。 |
JUST OTHERS 「AMALGAM」 (1974) エヴァンジェル EV.007 (CD/1999) | 1 I Do Not Know Your Name 2 Question Of Emotion 3 A Ballad Of Lady Ann 4 We Are Not Alone 5 Close Your Eyes To The Sun 6 Concerning A Lost Love 7 I Miss You 8 Song For All Seasons 9 Ballad Of A Londoner 10 Where Is Her ? 11 A Dialogue Between A Young Man And The Night 12 At The End Of The Rainbow 13 Sing For Me |
男性2人組のフォーク・グループ ジャスト・アザーズの 「アマルガム」。 左側がCDのジャケットでピカピカ光る特殊な印刷が麗しいです。 そして右側がブックレットに載っていたオリジナルLPのジャケット。 頑張って描いたのだろうけど完成したらやる気の無い白黒イラストになっっちゃいました。 この作品がCD化された時はげげぇーこりゃー凄いアルバムが発掘されたもんだ!と あちこちで大騒ぎになりましたが確かに騒がずにはいられない素晴らしい内容です。 またブックレットに載っているCD化に至るまでの話は感動的なちょっといい話。 ぜひ読んで覚えて全然英国フォークとか興味の無い人に聞かせて嫌がられましょう。 1曲目からそよ風のようなマンドリンが飛び出し 柔らかい2人のハーモニーと 穏やかな初夏の陽射しを思わせる美しいメロディーにもうノック・アウトですね。 1曲目に代表される優しく温かみのあるメロディーを持ったお昼寝ソング・タイプの曲と 英国的な暗さのあるフォーク・ソングを中心に収録しトラッド臭はほとんどありません。 クラムホーンとリコーダーが入りアメイジング・ブロンデルの如く格調高く迫る3曲目や 楽しくシング・アウトな6曲目 ピアノのみの伴奏で歌われる7曲目というのもあります。 最後の13曲目はサビの部分が賛美歌みたいで格調高いですし 全体的に品の良さがあり得体の知れないレア・フォーク盤という感じはしませんねぇ。 でも所々ノイズが入ったり曲の出だしが不自然にフェード・イン気味で そこはやっぱりレア・フォーク。 押さえる所は押さえています。 |
MOUNTAIN ASH BAND 「THE HERMIT」 (1975) 英 VINYL TAP DORIS 2 (CD)
|
マウンテン・アッシュ・バンドのジャケットはしわくちゃのジジイの白黒肖像画。 こんなジャケットなもんで聴く前は田舎臭い農村系バンドなのかなぁと想像していました。 実際音を聴いてみると確かにトラッド色強くて農村系っちゃー農村系ですね。 しかしメジャーのバンドと比べても遜色無いレベルの内容を誇るヤバい1枚なのですよ。 曲順が1&2とかなっているのは各曲の前に短い語りが入るからで 語りのバックにはフィドルやリコーダーなどによるのどかなトラッド曲が流れます。 メインの曲はオリジナル曲のようで 演奏もコーラスもしっかりしているし 語り〜曲〜語り・・・と繰り返される構成が何か大物っぽくてレベル高いんです。 いかにもトラッドっぽい節回しをする男性ヴォーカルと女性ヴォーカルの絡みもいいし クラッシック教育は一切受けていませんな如くな田舎臭放つフィドルの音色が最高です。 2 4 10 12 14といったドラムスが入ったエレクトリック・トラッド色強い曲が強力で フィドルのダンス・チューンが挟まる4曲目なんて特に強力で身震いさえ覚えます。 メンバーは9人もいますが 作詞専門のヤツや語り専門のヤツもいるという状況。 ボーナス曲はライブ音源で本編に比べるとアマチュア度高いフォークになっています。 このCDはバックにかなりの勢いでブチブチとノイズが入るので盤起こしでしょうね。 そんな有り難い付加価値もあるというのに今や新品では見かける事は無いです。 1996年頃にCD化されたのかな? 毎日中古屋を回って必死で見つけましょう。 |
BLUE EPITAPH 「ODE BY...BLUE EPITAPH」 (1974) 英 KISSING SPELL/HOLYGROUND KSG 004 (CD/1995)
|
英国レア・フォーク界の最終兵器と言っても過言ではないブルー・エピタフ。 このキッシング・スペルからの再発CDは水色のバックになっていますが ホリーグラウンドからのオリジナルLPは白黒イラスト・ジャケになっております。 ホリーグラウンド物のCDは何枚か所有していますがどれも気合いが入っていなくて その中でも特に気合いの入っていないのがこのブルー・エピタフでしょうか。 ジャケットの女性の絵もなんか目がイッちゃっていて虚ろで危ないですしね。 演奏には7〜8人参加していますが基本メンバーは男性3人のようです。 基本サウンドは2本のギターとベースのバックに2声のハーモニーが乗っかるという物で 英国臭よりもアメリカン・カレッジ・フォークっぽい感じがあります。 ところが全体を覆うエコー感のせいなのか歯切れの悪いギターの音のせいなのか 霞の向こうから浮かび上がるような妖しい雰囲気がありアシッド臭が漂ってきますねぇ。 遥か彼方で音のはずれたグロッケンスピールも鳴り響く6曲目がトローンとして最高。 数曲ドラムスやピアノなども入る曲も登場しますがその中でも特にヤバいのが5曲目。 女性コーラスも入る美しいメロディーを持ったフォーク・ロックですが 僕ギター始めたばかりでーすと言いたげなリード・ギターがアマチュア度高くて強力です。 しかしこのアルバムはすげー冷静になって聴くとただ音のバランスの悪い カレッジ・フォークにしか聴こえなかったりしてしまうので冷静に聴いてはいけません。 とにかくこれは最終兵器なんだ・・・ヤバいんだ・・・と思い込んで聴きましょう。 |