DONOVAN 「PIED PIPER」 (2002) 米 MUSIC FOR LITTLE PEOPLE R2 78290 (CD)
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1996年の 「スートラ」 以来久々のドノヴァンの新譜。 米ライノ傘下の子供向け音楽のレーベルから僕が大嫌いなデジパック仕様で登場です。 裏ジャケのガキ2人はドノヴァンの孫たちでヤツらも1曲だけコーラスで参加。 孫もいる事なので今やドノヴァンも完全なジジイとなってしまったのですが ドノヴァンの嫌がらせのような童顔ジジイぶりはオバケのようでかなり恐いですねぇ。 これは臭くなくても 「おじいちゃんクチくさーい」 を理由に近付きたくない位恐い顔です。 顔はだいぶヤバヤバな事になっていますがアルバムの内容は素晴らしいのです。 1960年代から1970年代前半の自身の作品のセルフ・カバーをやっているのですが 子供向けアルバムらしく可愛らしいおとぎ話フォークの連発で良いですねぇ。 7 10 12は新曲かな? 僕の所有している過去の作品には入っていない曲ですね。 子供のコーラス隊も登場しますが大人の女性ヴォーカルも多く入っています。 2曲目のデュエットの女性は子供か大人か分からないけどそのテのファンは 即死確実のスーパー・ロリータ・ヴォイスが炸裂していて僕も即死させていただきました。 一番多く参加し美声を響かせているのはアニー・フェーラン(読み方適当シリーズ) という人で名前の綴りからしてアイルランド人かと思われます。 アニー・フェーランとのデュエットで聴かせる13曲目は柔らかなストリングスも入り トロトロと安らかな眠りへと誘ってくれる子守唄フォークで気持ち良いです。 この曲のドノヴァン・オリジナル・ヴァージョンは 「HMSドノヴァン」 に入っていましたが やはりメアリ・ホプキン様ヴァージョンが最高峰ですね。 「ポストカード」 に入っています。 4曲目は1970年頃ドノヴァンが主演した映画 「パイド・パイパー(ハメルンの笛吹き)」 からの曲と表記がありブックレットには映画のシーンからと思われるヤング時代の ドノヴァンの写真も載っていてこのアルバムとその映画何か関係があるのでしょうか。 ドノヴァンのアルバム・レヴュー・・・「Open Road」→第22号 |
LINDA THOMPSON 「FASHIONABLY LATE」 (2002) 米 ROUNDER 11661-3182-2 (CD)
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新譜を出す際は皆が知っているリンダ・トンプソン名義で発表しやがれと 第43号で書いたのですがその通りにリンダ・トンプソン名義で来やがりましたね。 このババア 僕の文章を読んでそうしようと決めたに違いありません。 1985年の 「One Clear Moment」 から実に17年ぶりの復活アルバム。 昔に比べて歌声がちょっと濁りぎみかなぁと感じますがそれも又味わい深く ダテにリンダのアゴは2つに割れていない事を裏付ける(?)ナイスな内容ですよ。 1曲目からエレキ・ギターの音色がリチャード&リンダ・トンプソン時代みたいだなぁ と思ったらその通りこの曲のギターはリチャード・トンプソンでした。 良い! リチャード&リンダの1975年の 「Pour Down Like Silver」 に入っていてもいいような 重たい雰囲気が漂う3曲目のエレキ・ギターもリチャードかと思ったらこちらは 一時期フェアポート・コンヴェンションにいたジェリー・ドナフューが弾いていました。 その他にも強力なバックアップ陣が登場し鋭い演奏を提供してくれています。 録音は8割方米国で行われていますが暗さ勝負のフォーク・ソング 4 10 もあるし たまに登場するダニー・トンプソンのウッド・ベースも効いていて 英国らしさの感じられるアルバムに仕上がっているのではないでしょうか。 リンダのアゴは若い頃から割れていたけどババアになって更に割れが鋭く感じます。 つまり皆でこれは良いいぃーと大騒ぎすべきアルバムです。 |
RODDY FRAME 「SURF」 (2002) 独 MARINA MA 55 (LP)
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ロディ・フレイムの新譜は全編アコギの弾き語りで素晴らしい事になっています。 まだ40歳前と思われるロディ様をジジイ呼ばわりしてしまうのはあまりにもヒドいですが 1980年代初頭にアズテク・カメラでデビューしてからもう20年も経つじゃないですか。 野球選手だったらそろそろ引退もチラつくベテラン選手の域ですよ。 でも漫才界ではまだまだ若手芸人呼ばわりされてしまう年齢でもありますが。 このアルバムが凄いなぁと思うのは弾き語りなのにどフォークという感じがしない所で アメリカンな感じの無いシンガー・ソングライター風作品として響きます。 かといって英国臭濃厚という訳でも無くてちょっとヒネりのきいたコード進行など これはロディだけに出せるロディ節ってゆーヤツですよ。 全体通してゆったりと穏やかな曲が並び まるで大人のための子守唄ですね。 収録時間も片面20分程度で睡眠導入剤としてちょうどいい長さです。 1960年代のボブ・ディランの曲のカバーのような趣きのB2もまた効いています。 いやぁ良いなぁ。 最初は何じゃこりゃ?と思った変な風景写真のジャケットも だんだん素敵に思えて来たりして。 たぶんロンドンの夜景だね。 僕が購入したLPはドイツのマリーナからですがCDはどこから出ているか知りません。 そして日本盤CDにはボーナス曲も入っているらしいので まともな音楽ファンはちゃんと日本盤を購入して 音楽ソフトが売れなくてヒーヒー言っている(のかな?)レコード会社を助けましょう。 |
FAIRPORT CONVENTION 「XXXV」 (2001) 英 WOODWORM WRCD038 (CD)
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フェアポート・コンヴェンションの結成35周年記念アルバム。 これは2001年の作品ですがこの間新品が安く転がっていたのでやっと購入しました。 裏ジャケの写真がギネスを飲みながらダラーっと聴きやがれというメッセージだなと思い そのメッセージの通り飲酒しながらダラダラと聴いてみたらこれが気持ち良いんだ。 ギネスは高額商品なので僕が飲んだのはスーパーマグナムドライ(発泡酒)だけどね! 誠実でありながらも楽しげな雰囲気が全体を覆いなごみますねぇ。 サウンドは違うけれども姿勢としてリンディスファーン化してきていますよ。 つまりオヤジ・ロックの真髄ここにありっていう事なんですよ。 メンバーはサイモン・ニコル デイヴ・ペグ クリス・レスリー リック・サンダース ジェリー・コンウェイという布陣で 何か聴いた事のある曲が多いなぁと思ったら かつて発表した曲(1980年代以降が多い)の再演も何曲か入っていました。 クリス・レスリーが大活躍で彼のクセの無いヴォーカルとマンドリンが入ると アメリカンな感じも漂い近年のフェアポートがイヤな人には更にイヤなのかも知れません。 リック・サンダースのフィドルなどもトラッド臭が薄く 彼のフィドルを中心に聴かせる インストの4曲目なんかイージー・リスニングに聴こえたりもしちゃいますよ。 でも今や1980年代に再結成してからのフェアポートの方が歴史が長くなった事だし 彼らは死ぬまで引退しそうに無いどころか現在のメンバーが全員死んでしまっても 誰かが存続させちゃうのでしょう。 もうフェアポートは伝統芸の域に入りつつあります。 リンディスファーンと共にこのまま老人ホームへ持ち込む勢いで付き合いましょう。 そうだ・・・酒の飲めないあなたは養命酒でもやりながら聴いてみましょうね。 フェアポート・コンヴェンションのアルバム・レヴュー・・・「Unhalfbricking」→第6号 「The Bonny Bunch Of Roses / Tipplers Tales」→第36号 |