男女デュオっていいよね。
ブロークン・アシェズをプッシュするために
各国男女デュオを登場させておきました。




IAN & SYLVIA 「PLAY ONE MORE」 (1966)
加 VANGUARD/PHONODISC VSD-79215 (LP)
 A1 Short Grass
  2 The French Girl
  3 When I Was A Cowboy
  4 Changes
  5 Gifts Are For Giving
  6 Molly And Tenbrooks
 B1 Hey What About Me
  2 Lonly Girls
  3 Satisfied Mind
  4 Twenty-Four Hours From Tulsa
  5 Friends Of Mine
  6 Play One More

男女デュオといって真っ先に思いつくのはカナダ人デュオ イアンとシルビア。
彼らは僕の男女デュオ人気投票ランキングでは5年連続1位を誇っています。
あなたも是非一票どうぞ。 えっ?どこへ投票すればいいか分からないって?
参院選に衆院選 地方議会の選挙とかいっくらでもあるじゃないですか。
迷わず投票用紙にイアンとシルビアって書いときましょう。

彼らの1st〜4thは名曲の収録もありますが全体的にはパッとしないフォーク。
それらからするとこの5thはバックに入るオルガンやストリングスが彩りを与え
ポップだけどポップになり過ぎていないフォークになっていて良いですね。

イアンが主旋律を歌いシルビアがコーラスをつけるっていうパターンが多いですが
これが大正解なんですよ。 イアンの男だぜ!って感じのバリトン・ヴォイスを
バックでシルビアが盛り立てている感じがこの2人の関係を物語っています。

聴き所はフィル・オクスの大名曲カバーA4。
エリック・ワイズバーグのバンジョー・ロールが炸裂するブルーグラス・ナンバーA6。
タンバリンがかっこ良く響き典型的フォーク・ロックに仕上がったB4。
ストリングスが入り盛り上げるB6の爽快さはスカッと爽やかコカ・コーラ級。
そしてイアンがひとりで歌うB5がまた気持ち良くて気持ち良くて。
馬車に揺られ谷間をゆっくりと下って行くようなのどかな曲です。

本作と同傾向で更にポップ度の高い6th 「So Much For Dreaming」 も最高。
更に更にポップ度を高めてダメになった7th 「Lovin' Sound」 (1967年)を発表後
8th 「Nashville」 (1968年)で彼らはカントリー・ロック時代へ突入します。
これ以降1972年のラスト・アルバムまでは凄い事になっているので必聴ですね。
・・・っつーかIan & Sylvia及びGreat Speckled Birdのアルバム全12枚揃えとけ!

関連作品レヴュー・・・Ian & Sylvia 「Ian & Sylvia」 →第1号
             Ian Tyson 「Old Corrals & Sagebrush」 →第7号




THE SALLYANGIE 「CHILDREN OF THE SUN」 (1968)
MSI 16089 (CD/1996)
 1 Strangers
 2 Lady Mary
 3 Children Of The Sun
 4 A Lover For All Seasons
 5 River Song
 6 Banquet On The Water
 7 Balloons
 8 Midsummer Night's Happening
 9 Love In Ice Crystals
 10 Changing Colours
 11 Chameleon
 12 Milke Bottle
 13 The Murder Of The
    Children Of San Francisco
 14 Strangers (reprise)
 15 Children Of The Sun (minus intro)
 16 Two Ships
 17 Colour Of The World

ブリティッシュ・フォーク男女デュオ定番中の定番サリアンジー。
サリー・オールドフィールドとマイク・オールドフィールドの姉弟デュオです。

これはかなり地味な非トラッド系フォーク作品となっています。
バックにフルートが入る曲が多く僕の好みの必殺サウンドではあるのですが
2人のヴォーカルの絡み方がイマイチそそらないのですよね。
線が細くかげろうの如くな当時15歳(!)のマイクの歌声に対して
演劇的な節回しを多用するサリーの歌声がちょっと耳につきイヤーな感じです。

とはいえ1曲目の出だしから小鳥のさえずりのようなフルートがたまらないし
アコギのアルペジオの上にハープシコードとストリングスが乗っかり
更にフルートも絡む2曲目などはヒジョーに素晴らしい失禁系になっています。
可愛らしいピアノの伴奏に童謡のようなメロディーでおとぎ話フォークな7曲目。
マイクのヴォーカルが虚ろに響く殺人ソング13曲目の中途半端な暗さも最高。

15〜17がボーナス・トラックになっていて当時シングルで発売された16と17は
サリーがひとりで歌う歌謡ポップス。 このド歌謡曲っぷりも又そそるんだ。
・・・と何だかんだと文句をつけても結局好きなアルバムなんです。

関連作品レヴュー・・・Sally Oldfield 「Easy」 →第3号




SEEMON & MARIJKE 「SON OF AMERICA」 (1972)
ヴィヴィド VSCD-719 (CD/1999)
 1 The Son Of America
 2 I Saw You
 3 Keep On Keepin' On
 4 Roselie
 5 Vegetable Stew
 6 The White Watch
  7 It Is All There
  8 Twin Souls
  9 Room 44
 10 Sitting On A Hilltop
 11 Everybody's Dancing

男女デュオ オランダ代表シーモンとマーレイケ。
いやオランダ代表といっても後はショッキング・ブルー位しか知らないからねぇ。
オランダのプログレ系のバンドは聴いた事無いし。

このふたりは1960年代後半にフールという芸術集団に在籍していました。
フールはビートルズのデザイナーとして小野洋子レベルに有名です・・・ホントかな?
フールにもアルバムが1枚存在し ヴィヴィド及びSee For MilesからCD化されていて
虚ろでは無いやる気満々のアシッド・フォーク(どんなんだ?)を聴かせてくれます。

本作はロサンゼルス録音〜1972年〜バックを固める米西海岸の芸人〜
プロデューサーにグラハム・ナッシュ・・・とくればおのずとサウンドが想像できます。
が これが想像を越えた無国籍サウンドが飛び出すんです。
ただ全体に西海岸の開放的な空気感みたいな物は漂っていますがね。

そして2人のヴォーカルの絡みもよく分かりませんねぇ。
シーモンの方は歌に演奏に大活躍ですがマーレイケは何やってるの?って感じです。
ゲスト・ミュージシャンがリード・ヴォーカルをとっちゃう曲も収録されているしねぇ。
シーモンとマーレイケ名義ではありますがこれは男女デュオとはいえないなぁ。

さて のどかなカントリー・サウンドの7曲目でお昼寝でもしますか。
後半の無国籍サウンドはキてるけど 全体を通してもお昼寝系アルバムです。




BROKEN ASHES 「BROKEN ASHES」 (1999)
LEAMINGTON DOVE MUSIC LDM-0301 (CD)
 1 I Don't Want To Know
 2 Love
 3 Living Without You
 4 All I Have To Do Is Dream
 5 Circle Game
  6 I Will
  7 Send Me The Pillow
  8 Return Of The Grievous Angel
  9 Lullaby
 10 The Last Thing On My Mind

ブロークン・アシェズの構成員は男性がShime 女性がKeiko Walker。
当ページにとっては掟破りの初の日本人歌手の登場です。

この2人 キャリアも長いしそれぞれソロでも活動していて
カントリー業界では有名ですが これだけ素晴らしいアルバムが
一部のカントリー・ファンの間だけでひっそりと愛聴されているなんて許されません。

インディーズ盤なもんで一般的な認知度が低いのは致し方ないのですが
こーゆーアルバムを聴いているとテレビの歌番組に登場する人たちなどは
恐るべき商業音楽に聴こえてきますよ。 でも売れたモン勝ちだけどね!

バックは全編地味なアコースティック・サウンドでフォーク〜カントリー〜トラッド風味。
1970年代のシンガー・ソング・ライター物を聴いているような感覚もあります。
そして何といっても2人のヴォーカルの力強さや瑞々しさはちょっと凄いですよ。
有名曲中心の選曲も覚えのあるメロディーが耳に心地良くすんなりと入って来ます。

色々な人のヴァージョンがある曲が多いので
他の人がやっているのと聴き比べてみてその凄さに身震いして下さい。
ただ5曲目 「サークル・ゲーム」 はアグネス・チャンのバージョンにはかないませんね。
「サークル・ゲーム」 は第1位・・・バフィ・セント・メアリ 第2位・・・アグネス・チャン
第3位・・・イアンとシルビアで銅メダルまで確定なのです。 これは揺るぎません。

銀座のカントリー・バー 「ナッシュビル」 で演奏の合間にケイコさんから直接購入。
彼女はアイリッシュ・トラッドやブリティッシュ・フォークも好きみたいですよ。
 



表紙へ戻る
inserted by FC2 system