ディープ・パープル〜レインボーという経歴のリッチー・ブラックモアが
女性ヴォーカルを引き連れフォーク業界に殴りこみをかけたブラックモアズ・ナイト。
フォーク側からは無視されているみたいですが僕はちゃんと1stから所有しています。
この間3rd 「Fires At Midnight」 が出たんでさっそく購入したのですが
クリアな録音&収録時間70分という体勢に耐えられずに最後まで聴いていません。
最近のクリアな音のヤツを長時間聴いていると頭にキーンと来ませんか?
僕が末期症状なのでしょうか。 いずれにせよ最近の新譜は音が良過ぎます。



LegendOfTheDreamstones.jpg

SHIDE & ACORN
「THE LEGEND OF THE DREAMSTONES」 (1993)
英 KISSING SPELL KSCD9310-f (CD)
1 The Coming Of The Raven (inst.)
2 A Gray Rider Approached
3 Autumn Lullaby
4 Eleanors Sony
5 The Lady & The Island
6 Heron Gray
7 The Sundial
  8 Riverman
  9 I Love The Day
 10 Shadow Of The Raven (inst.)
 11 The Gray Seas
 12 Goodbye Riverman
 13 Troll Forge, Mirandel

2001年に入りブリティッシュ・レア・フォーク怒涛のCD化を続けるキッシング・スペル。
キッシング・スペルからはシャイド&エイコーンのCDは3枚も出ております。
フォーク度でいくと他の2枚をお勧めしますが 音の悪さではこれで決まり!

裏ジャケには1969年ワイト島録音って書いてありますね。
ヒジョーに録音のバランスが悪くて 一瞬騙された!とも思ってしまう内容ですよ。
どの曲も嫌がらせのようにヴォーカルが終始遠く遠くに響いているんです。
そのおかげで全体的にアンダーグラウンドでサイケデリックな雰囲気が濃厚です。

ヴォーカルと各楽器のバランスの悪さよりも有難いのは音がこもっている事であり
当然高音の伸びが悪く キーンとしないので頭痛解消にはもってこいでしょう。
って事は言い換えればある意味今ハヤリの癒し系なのです・・・無理があるなぁ。

エレキ・ギターの使用頻度が高くて純粋なフォークといえる曲はほとんどありませんが
美声女性ヴォーカルも入っている事だし 突然爆発するフルートの切り込み具合といい
必殺ブリティッシュ・フォークの文脈でも充分通用する内容になっております。

ヘヴィーなエレキ・ギターとうねりを上げるオルガンとバタバタしたドラムスが絡み
無名バンドならではの勢いが感じられる2曲目がインパクトありますねぇ。
癒されたい人はぜひお試しを! 下北沢のフィルモアでゲットした1枚でした。



MaidenOfSorrow.jpg

LOUDEST WHISPER
「MAIDEN OF SORROW」 (1995)
英 KISSING SPELL KSCD9507-f (CD)

1 The Maiden of Sorrow

アイリッシュ・レア・フォーク業界では有名らしいラウデスト・ウィスパー。
こちらもキッシング・スペルからで この発掘音源は全1曲で収録時間が76分もあります。
録音状態がそれ程悪いって事は無いですが やはり音がこもりぎみなのは嬉しい事です。
76分も聴き通すにはこの程度はこもっていないと耐えられないので そういった意味で
何枚かCD化されている彼らの音源の内最もマニアックなヤツを取り上げてみました。

内容はラウデスト・ウィスパー名義ではありますが グループの中心人物の
ブライアン・オライリーというオヤジが制作した1975年の音楽劇を丸々収録しています。
って断言しちゃっていいのかなぁ。 ブックレットを読んでいないので詳しくは知りません。

基本的には生ピアノを中心にした伴奏で劇の登場人物が歌います。
全1曲といっても場面ごとに違う曲になるので実質的に20曲位は入っています。
バックにオーケストラが入ったり ドラムスが入りポップな感触になったり
コーラス隊が盛り上げてミュージカルしまくる曲など色々あります。
エレキ・ギターは登場しないのでロック色は薄いですね。

しかし しかし そのテのマニアにはかなりアピールできる内容になっておりますよ。
室内楽フォーク・サウンドに女性ヴォーカルという必殺パターンがかなりの頻度で登場。
ダラダラと流れて行く中でふっと必殺フォークになる瞬間がもうたまりませーん。
こーゆーアルバムにありがちなセリフのみの部分も無いのでそれも有難いですねぇ。

更に有難い事にブックレットに全歌詞が長々と載っています。 僕は一切読んで無いけど。
このアルバム 中古盤でたまに見かけるので興味のある人は購入して読みましょう。
僕もディスク・ユニオンで中古盤税込み1176円で購入しました。



FlyAway.jpg

AGINCOURT 「FLY AWAY」 (1970)
英 BACKGROUND HBG 123/6 (CD/1994)
1 When I Awoke
2 Though I May Be Dreaming
3 Get Together
4 Joy In The Finding
5 Going Home
6 All My Life
7 Mirabella
8 Take Me There
  9 Lisa
 10 Dawn
 11 Barn Owl Blues
 12 Kind Sir
 13 Through The Eyes Of A Lifetime
    (i) The Poem
    (ii) Peace Of Mind
    (iii) Closing In

このグループはアジンコートとかアジャンクールとか言われていますが
正しい発音は誰も知らないので僕は勝手にエイジンコートと読んでおります。

ヴァシュティ・バニアンはいつの間にかヴァシュティ・ブニヤンと表記されているし
ティラノザウルス・レックスをティラノソーラス・レックスと言っている人もいるし
ピーター・ガブリエルなのかゲイブリエルなのかといった永遠のテーマもあります。
つまりよく分からない綴りの英語は皆で好きなように発音しましょうって事なので
このグループも思い切ってアギンコウルトって読んでも全然OKなのです。

やる気の無いヘッタクソな絵のジャケットがやってくれそうに無い雰囲気ですが
得体の知れないブリティッシュ・レア・フォーク界でもかなりのレベルの内容ですよ。
アコギのアルペジオのバックに男性と女性のヴォーカルが乗っかり
間奏であまり上手く無いリコーダーが登場する2曲目で来たあぁーって感じです。

彼らのサウンドはエレキ・ギターやドラムスも入るポップなフォーク・ロックがメイン。
決して熱くならないヴォーカル バタつくリズム 楽曲のメロディーの良さといった所は
これは1980年代の無名ネオ・アコースティック・バンドなんだよと言われても
そーかなーと思ってしまう程で そこら辺のファンもアピールできる内容です。

もちろん音はこもっていて 土曜の夜中のAMラジオ(ラジオ日本だね)を聴いていたら
ふっとこんな素敵な音が流れて来ましたーって感じで 有り難味のあるこもり方です。
こちらも中古盤をよく見かけますね。 僕も当然中古で購入。 税込み1050円也。



WindmillLaneSessions.jpg

THE WATERBOYS
「WINDMILL LANE SESSIONS」 (1989)
英(?) THE HAPPY FIDDLERS TWB 011 (LP)
A1 Stranger To Me
 2 Girl From The North Country
 3 Wayward Wind
 4 I'll Be Your Baby Tonight
 5 I'm So Lonesome I Could Cry
 6 Drunken Head Blues
 B1 Death Is Not The End
  2 Blowin' In The Wind
  3 My Mafia
  4 Pale Blue Eyes
  5 Isis
  6 The Passenger

こちらはウォーターボーイズのカバー・ソング・アルバム。
プロモーション用に制作された物らしく 由緒正しき海賊盤では無いようです。

どこにも何も書かれていないので詳しいインフォメーションは分からないのですが
各楽器の構成から聴き取るとA面とB面前半はマンドリンやフィドルが大活躍で
カントリー〜フォーク風味が1988年の名作アルバム 「Fisherman's Blues」 に通じる音。
この部分がアルバム・タイトルどうりのアイルランドのウインドミル・レーン録音でしょう。
残りはエレキ・ギターがメインに使われたロックで1980年代前半の録音と思われます。

音のこもり具合はかなり素晴らしく 特にB面の音の悪さはさすがです。
最も録音状態の良い順番にA1から並べてみましたって事は無いだろうけど
聴き進むうちに音が悪くなるというパターンは中々構成力(?)があります。

A面全曲とB面 1 2 のマンドリン&フィドル炸裂の曲が素晴らしいですね。
リラックスした雰囲気の中にも鋭い瞬間があり やはりウォーターボーイズは凄い!

ボブ・ディランのカバーが多くて A2 A4 B1 B2 B5 と入っております。
A2はディランのアルバム 「Desire」 収録の 「Oh, Sister」 そっくりにアレンジされており
ディランの曲を別のディランの曲に似せるなんて ホントにいいセンスです。

A6などそのまま 「Fisherman's Blues」 に収録されていてもいいような完成度の高さ。
ディラン・ヴァージョンはゆったりとした8分の6拍子のB5はパンクなロックに変身。
この曲のヴォーカルはマイク・スコットの声とは思えませんね。
他のメンバーが歌っているのかな。 間違って別のバンドの音源が入っていたりしてね。


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