ブリジット・セント・ジョン様・・・新作を出した訳でも無いのに なぜか突然来日公演です。 彼女は英国フォーク女ジョン業界の最高峰を突っ走るババアなので この 「奇跡の来日公演」 を見逃したらバチが当たるっていうもんです。 5月19日土曜日吉祥寺のスター・パインズ・カフェに乗り込み 女ジョンを目撃してきたのですが なんか客の入りはイマイチで100人もいない位でした。 マニアな客ばっかりだったような気もしたし・・・あっ僕もそのマニアの内の1人なのか。 |
BRIDGET ST. JOHN 「ASK ME NO QUESTIONS / SONGS FOR THE GENTLE MAN」 (1969/1971) 英 SEE FOR MILES SEECD 408 (CD/1994) | ||
Ask Me No Questions 1 To Be Without A Hitch 2 Autumn Lullaby 3 Curl Your Toes 4 Like Never Before 5 The Curious Crystals Of Unusual Purity 6 Barefeet And Hot Pavements 7 I Like To Be With You In The Sun (Song For The Laird Of Connaught Hall) 8 Lizard-Long-Tongue Boy 9 Hello Again (Of Course) 10 Many Happy Returns 11 Broken Faith 12 Ask Me No Questions | Songs For The Gentle Man 13 A Day A Way 14 City Crazy 15 Back To Stay 16 Seagull-Sunday 17 If You'd Been There 18 Songs For The Laird Of Connaught Hall Part 2 19 Making Losing Better 20 The Lady And The Gentle Man 21 Downderry Daze 22 The Pebble And The Man 23 It Seems Very Strange |
CD時代になって幻のレコード達が次々と復刻された次はとうとう本人達の復活という事ですね。 1999年のチューダー・ロッジも 「奇跡の来日公演」 だったのですが この後も続々と 「奇跡の来日公演」 は行われそうな予感はしますねぇ。 「奇跡の来日公演」 予想としてアン・ブリッグス様 ヴァシュティ・バニアン様あたりは大本命。 そして第31号でお伝えしたライブ・ビデオも遂に発売されたヘロン様も対抗馬でしょう。 穴で 再結成の新作も出るらしいストーン・エンジェルなんかいかがでしょうか。 今回のライブはバック・バンドなども無く全編アコギ1本の弾き語りでした。 暫く音沙汰が無く何年かぶりに復活した人の歌声を聴くと あれ?同じ人が歌ってるの?なんか声が昔と変わってるんじゃない?という事もままあるのですが 彼女の歌声は30年前(!)のアルバムで聴けるのと何ら変わる事の無い 一言一言噛みしめるように歌うまろやかで優しい歌声そのままでした。 この1stと2ndのカップリングCDは収録時間ギリギリに無理矢理2枚詰め込んであるので 2ndから 「Early-Morning Song」 という曲がカットされてしまっています。 「Early-Morning Song」 ってタイトルだけでもそそるので是非聴いてみたい曲ですね。 このはじかれた曲は同じく See For Miles から出ているダンデライオン・レーベルの レア曲のコンピレーションCDに入っていたような気がします。 今度探しに行こうかなぁ。 1stはほぼ全編弾き語りでたまに2本目のギターが入って彩りを加える程度のシンプルなサウンド。 強力なのがアルバム・タイトル曲の12で 鳥のさえずりや教会の鐘の効果音が被さり 早朝の森を散策しているような錯覚を覚える名曲です。 今回のライブではこの曲がオープニング・ナンバーでした。 2ndはアコギに管楽器やストリングスが絡み 最も僕が好きなタイプのはかなげな室内楽フォーク。 全編通して最強 最高峰 必殺などという言葉が浮かぶ凄いアルバムなのですが ゆったりとした美しく切ないメロディーを持った15曲目あたりで皆で失禁しましょう。 アコギのアルペジオに柔らかなビブラフォーン(かな?)が絡んで廃人確実の名曲です。 |
BRIDGET ST. JOHN 「THANK YOU FOR...PLUS」 (1972) 英 SEE FOR MILES SEECD 428 (CD/1995) | ||
1 Nice 2 Thank You For... 3 Lazarus 4 Goodbaby Goodbye 5 Love Minus Zero, No Limit 6 Silver Coin 7 Happy Day 8 Fly High 9 To Leave Your Cover 10 Every Day 11 A Song Is As Long As It Wants To Go On | bonus tracks 12 Nice 13 Silver Coin 14 Fly High 15 Lazarus 16 The River 17 Thank You For 18 Ask Me No Questions 19 If You've Got Money |
3rdアルバムのCDにはボーナス・トラックとして1972年のライブが収録されているんで これを聴くと彼女のステージの雰囲気が分かると思います。 今回の来日公演も正にこんな感じで 演奏の前にその曲について短く説明するのも一緒だったし 途中でギターのチューニングを変えてみせるという芸風も同じでしたよ。 でもなぜかこのCDでは曲間の喋りはフランス語ですね。 来日公演ではもちろん英語でしたけど。 歌声を聴き比べると今回のライブの方がまろやか具合が良かったです。 生を聴いた後だとこのCDのボーナス・トラックはあまり出来が良くないと感じてしまいますね。 うーん やっぱりなんか喉の調子があまり良くない時の録音だったのかなぁ。 3rdアルバムの本編の方はエレキ・ギターやドラムスの他ペダル・スティールなども入っていて 1972年という時代らしい穏やかなシンガー・ソング・ライター作品に仕上がっています。 生ピアノとアコギのバックが悲しいメロディーを演出する美しい4。 ボブ・ディランの名曲のカバー5。 アコギとペダル・スティールに寂しさを煽る切ないメロディーの6あたりが聴き所ですね。 いやぁ実は全曲いいんだけどね。 これも失禁系の素晴らしいアルバムです。 |
BRIDGET ST. JOHN 「JUMBLEQUEEN」 (1974) 英 BEAT GOES ON BGOCD 260 (CD/1995) | ||
1 Sparrowpit 2 Song For The Waterden Widow 3 I Don't Know If I Can Take It 4 Some Kind Of Beautiful 5 Last Goodnight 6 Curious & Woolly 7 Want To Be With You 8 Jumble Queen 9 Sweet Painted Lady 10 Long Long Time | bonus tracks 11 Curious And Woolly 12 Come Up And See Me Sometime 13 Easy-Come Easy-Go 14 Moody |
この4thアルバムは第27号で英国フォーク3大女ジョン特集をした時に取り上げたので アルバムの内容についてはそちらをご覧下さい。 これもいいアルバムです。 しかし3大女ジョンとか無理矢理3人集めてみたけど他に女ジョンなんているのかなぁ。 オリビア・ニュートン・ジョンなんて どー考えても絶対にフォーク・シンガーじゃないしねぇ。 このジャケットもかなり怖い顔で写っていますが 実際に間近で見たブリジット・セント・ジョン様は がっちりした体つきで なんかこの女でけえよ! 女子柔道選手ロシア代表みてえだよ! 更に顔も角張っていてゴツゴツしていて男らしいぜ! という感じのババアでした。 そのがっちりボディーにしてあの優しい歌声と繊細なアルペジオ中心のギター演奏だからね。 音楽が美しいと顔も美しく見えてくるというのは本当で ライブも終盤になる頃には観客達も ああぁ ブリジット様ぁー キミにメロメロだよー状態だったと思いたいですね。 観客の中には眠っちゃっているヤツもいたけどね。 当然彼女は子供のために(孫のために?)子守唄を歌ってあげるような年齢でもあるので 彼女の歌を子守唄として聴くのもアリなのです。 |
BRIDGET ST. JOHN 「TAKE THE 5IFTH」 (1995) 英 ROAD GOES ON FOREVER RGFCD O26 (CD) | ||
1 Castaway 2 Chamille 3 Make-Me-Whole 4 Jealous Jailor 5 I Need It Sometimes 6 Best I Can 7 Maybe If I Write A Letter 8 Crazy Heart 9 Feel My Love | 10 Song For John 11 You Make It All Right 12 Safe Place 13 Talk To Me 14 Manhattan Madhatters 15 One-Night-Wonder 16 Catch A Falling Star 17 Flying For Now |
こちらは1970年代後半から1980年代前半に録音された音源の発掘CDです。 今回の来日公演ではこのアルバムからの曲が多かったような気がしました。 ライブは3日間あったので他の日に僕が最も聴きたかった 「Back To Stay」 「Silver Coin」 「I Don't Know If I Can Take It」 あたりの必殺の名曲を演奏したに違い無い。 ちっきしょー。 このCDに収録された曲の多くはいかにもの1970年代後半な感じのAOR的な曲調で たまに入るサックスとかキーボード類が耳につきちょっとイヤーな感じですよ。 もちろんシンプルなフォーク・タイプの曲も収録されていますけどね。 今回のライブでは本作収録曲を弾き語りで聴けたのは良かったです。 このアルバムでは分からなかった楽曲の良さが滲み出ていました。 さて ブリジット・セント・ジョン様は 「奇跡の来日公演」 まで行ってしまって完全復活なのでしょうか。 となると次に期待するのは新作アルバムになるのですが 新作を作るのであればぜひ弾き語りに近いかたちの内容にしてもらいたいものです。 この人の作る曲は全くトラッドっぽさも無く アメリカン・フォークやカントリーの香りも薄いし 素朴なようで実は洗練されたメロディーを持っている という他の人には出せない感覚があります。 シンプルなフォークのくせにそんなユニークな音楽性を持った彼女がもし完全復活なのであれば 女ジョン業界はあと10年は安泰ですねぇ・・・って女ジョンなんて他にいないんだって。 若くて活きのいい女ジョンはどっかにいないもんかねぇ。 英国フォークでなくてもいいんで。 |