CDの2イン1っていうのはどうも聴きづらい形態です。
2枚分聴けて価格は1枚分で 収納も半分っていうのは有り難いですが
収録時間が75分とかになると最初から最後まで集中して聴いていられないですね。
おかげで今回取り上げたCDも後半部分はかったるい音だなーという
間違った思い込みのある盤ばっかりです。
レヴューするんだからちゃんと聴き返してみるという事も無く
それでも強引にレヴューへ突入致します。







McGUINNESS FLINT 「RAINBOW / C'EST LA VIE」 (1973/1974)
独 CASTLE CHC 7111 (CD/1993)
Rainbow
 1 Ride On My Rainbow
 2 If You Love Me
 3 High Again
 4 Berry Blue Tuesday
 5 Rocking Chair
 6 Take It Down
 7 Dear Folks At Home
 8 Bye Bye Baby
 9 Just One Woman
10 This Song
  C'est La Vie
   11 Catfish
   12 C'est La Vie
   13 Ride That Horse
   14 (I Don't Like Your) Country Music
   15 Please Give Me
   16 Fast Eddie
   17 Siren Sadie
   18 Union Hall
   19 Rabbit Isle

マッギネス・フリントの3rdと4thの合体CD。
ジャケットにでっかーく2on1なんて印刷されていて格調低いです。
2イン1を嫌う人はこの格調の低さに更に購買欲が減退するんでしょうね。

しかしこの2イン1は既に廃盤になっていると思われるし
彼らのこの時代のCDはこれしか見た事ありません。
死に物狂いで中古盤を探して 見つけたら拝んでから購入しましょう。

2ndまで在籍し多くの楽曲を提供していたギャラガー&ライルのコンビは
ロニー・レインにそそのかされてスリム・チャンス入りしてしまいました。
ギャラガー&ライル脱退で1stと2ndに入っていたような極めて英国的な陰影のある
美しい響きのフォーク・タイプの曲が収録されていないのはちょっと残念ですね。
それでものどかなフォーク・ロックが基本となっていてるのは変わっていません。

1stと2ndから変わったところは新加入したジム・エヴァンスというヤツが
ペダル・スティールも弾くのでカントリー風味が増した感じがあります。
それとキーボードが印象的な曲が増えていて
キーボード入りのロックン・ロール曲なんかはブリンズリー・シュウォーツにそっくりです。

お昼寝のお供に最高なカントリー風味フォーク2。
初期のブリンズリー・シュウォーツみたいな草の香りソング5。
アイリッシュ・トラッド風メロディーを持った楽しげなワルツ12。
大地に沈む夕陽を思わせる切ない13。
フィドルとバンジョー・ロール入りでとぼけたブルーグラスの14。
など どの曲も土臭くてのどかでフレンドリーな曲ばっかりで素晴らしいです。

ただ17と19は変なプロ意識が炸裂していて中途半端なプログレ・バンドみたいです。
これはいけません これはいけません あーいけません。






FAIRPORT CONVENTION 「THE BONNY BUNCH OF ROSES / TIPPLERS TALES」 (1977/1978)
英 VERTIGO 512 988-2 (CD/1992)
The Bonny Bunch Of Roses
 1 Jams O'Donnells Jig
 2 The Eynsham Poacher
 3 Adieu Adieu
 4 The Bonny Bunch Of Roses
 5 The Poor Ditching Boy
 6 General Taylor
 7 Run Johnny Run
 8 The Last Waltz
 9 Royal Seleccion No.13
  Tipplers Tales
   10 Ya Marriners All
   11 Three Drunken Maidens
   12 Jack O'Rion
   13 Reynard The Fox
   14 Lady Of Pleasure
   15 Bankruptured
   16 The Window Of Westmoorland
   17 The Hair Of The Dogma
   18 As Bitme
   19 John Barleycorn

2イン1のジャケットでよくあるタイプの2枚のジャケットをちっちゃくして横に並べてみるとか
どちらか1枚を使うパターンと比べると これは2枚のジャケをうまく混ぜ合わせています。

こーゆーのを見ると2イン1には2イン1なりのデザインがあるのね と感じるのですが
マニアになればなる程 オリジナルLPとジャケが違うじゃん。 許せねーぜ。
あれもこれもオリジナル・ジャケで出しやがれ! と思ってしまうのでしょうか。
そういう人はどんどんオリジナル・ジャケ1枚ものに買い替えて下さい。
その結果出回る中古盤を 僕のようなとにかく安く仕入れたいヤツが入手してあげます。
なんといっても僕は輸入盤新品2180円くらいの価格でも購入を迷う人間なのです。

という事でこれはフェアポート・コンベンション末期の2枚をブチ込んだCDです。
末期といっても彼らはこの後すぐ再結成するんですけどね。
これも最近見た事無いので廃盤になっている可能性が高いです。

サイモン・ニコル デイブ・スワブリック デイブ・ペグ ブルース・ローランドという布陣で
トラッド曲をたくさん取り上げているし演奏形態も王道エレクトリック・トラッドなのですが
リチャード・トンプソンやサンディ・デニーが在籍していた時代の作品と比べると
やはり凄みみたいな物が無く 音が軽いですね。

しかしリラックスした雰囲気の中にも躍動感のある爽快な仕上がりになっていて
なかなか良いアルバムなのではないでしょうか。
特に 「Tipplers Tales」 の方は1970年前後のフェアポートが一番凄かった時期の
呪縛がふっきれた感じがして 楽しく弾んでいて聴いていて気持ちがいいですよ。






THE HUMBLEBUMS 「THE NEW HUMBLEBUMS / OPEN UP THE DOOR」 (1969/1970)
英 CASTLE/ESSENTIAL ESM CD 498 (CD/1997)
The New Humblebums
 1 Look Over The Hill And Far Away
 2 Saturday Round About Sunday
 3 Patrick
 4 Everybody Knows That
 5 Rick Rack
 6 Her Farther Didn't Like Me Anyway
 7 Please Sing A Song For Us
 8 Joe Dempsey
 9 Blood And Glory
10 Coconut Tree
11 Silk Pyjamas
12 Good-bye-ee!
  Open Up The Door
   13 My Apartment
   14 I Can't Stop Now
   15 Open Up The Door
   16 Mary Of The Mountains
   17 All The Best People Do It
   18 Steamboat Row
   19 Mother
   20 Shoeshine Boy
   21 Cruisin'
   22 Keep It To Yourself
   23 Oh No
   24 Song For Simon
   25 Harry
   26 My Singing Bird

第14号でペンタングルを紹介した際にもちょっと書きましたが
英キャッスルからのトランスアトランティック・レーベル物のこのデザイン。
1枚物でも2イン1でも同じデザインなんで もうちょっと考えて欲しいものです。

これは彼らの2ndと3rdのカップリングです。
1stはビリー・コノリーとタム・ハーヴェイという2人組でした。
2ndからはタム・ハーヴェイが抜け ジェリー・ラファティーに変わっており
ビリー・コノリーとジェリー・ラファティーで分け合って楽曲を提供しています。

2ndの方は1曲目からアコギとダブル・ベースの上にフルートやオーボエが絡み
朝の優しい陽射しを思わせる室内楽フォークでめちゃくちゃ良いです。
1〜6が室内楽フォークになっていて凄い必殺ぶりかと思うと
7〜12は一転して古き良きアメリカを感じさせるラグタイム・フォークといった趣。
もちろんこちらも素晴らしいので一粒で二度おいしいアルバムになっています。

3rdの方はドラムスやエレキ・ギターも入った土臭いフォーク・ロックが幅をきかせていて
ポール・マッカートニー〜ウイングスあたりのアルバムに入っている
地味で目立たない曲なんかと近い感じだったりします。

やはり後半部分は収録時間の長さのせいで かったりーなーと感じてしまいます。
19とか24とか単独で聴くと凄くいいんだけどねぇ。
・・・最初の6曲があまりにも素晴らしいせいもあるのかなぁ。
これはバラ売りをした方がいいタイプでしょう。
バラ売りしても買い替えるつもりは一切無いけどね。







MAGNA CARTA 「LORD OF THE AGES / MARTIN'S CAFE」 (1973/1977)
英 MERCURY 538 813-2 (CD/1999)
 Lord Of The Ages
 1 Wish It Was
 2 Two Old Friends
 3 Lord Of The Ages
 4 Isn't It Funny
   (And Not A Little Bit Strange)
 5 Song Of Evening
 6 Father John
 7 That Was Yesterday
 8 Falkland Grene
  Martin's Cafe
    9 Easy If You Try
   10 Tommorrow's Up For Sale
   11 Mixed Up Sensations
   12 Old Man
   13 All Part Of The Game
   14 Roll On
   15 You Are Only What You Are
   16 People's Friend
   17 Won't Set The World On Fire
   18 I'm Gonna Take You Down
   19 Martin's Cafe

これを入手する前僕は 「Lord Of The Ages」 の方を1枚物のCDで所有していました。
この2イン1は新品1490円プラス税という安価で発見したので迷わず購入。
さっそく1枚物の方を売り飛ばしに行ったら300円位にはなったのかな。

売り飛ばした 「Lord Of The Ages」 は確か1000円程の中古盤で購入したのですが
購入してすぐにこの2イン1が出やがったので所有期間2ヶ月で手放したのでした。

この行為で僕は凄い儲かったような気がしていたのですが
今計算してみたら1490円−300円+1000円=2190円の出費じゃないですか。
アルバム2枚分聴けるようにはなったけど・・・何で儲かったとか思っちゃうんでしょうね。

ただ中古で購入した物を更に売り飛ばすという行為は
リサイクルが叫ばれる今こそ皆で行わなければいけないのではないでしょうか。
更に人から貰ったものは売り飛ばす 拾った物を売り飛ばす
などの一歩進んだ行為をして地球に優しい人にならないといけません。

この2イン1の新品1490円というのはセールでも無く 通常の値札でした。
かなり穴場のレコード屋で 当ページにも一度も名前を出していない店です。
ここはオール・ジャンルの総合店なのですがキッシング・スペル盤なども置いてあり
最後の楽園ともいえる店なのでやっぱり店名は出したくありませんね。

そうそう この間新宿で最大という触れ込みでヴァージン・メガストアが
移転オープンしたんで見に行ったけど 価格も品揃えも全くそそりませんでした。
やっぱり外資系大型店はホントにダメダメです。

これはディスク・レヴューなので仕方ないから最後にマグナ・カルタの音楽についても
ちょっとだけ触れておくと 潔癖症なヤツがくつろいでいるようなフォークです。
これも後半部分はかったるいです。


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