当ページには何度も登場している新宿のレコード屋ガーデン・シェッド。
ヘロンのCDがずらーっと並んでいたので発作的に購入してしまいました。
おかげ様でここのところヘロンしか聴いていません。
何をしていても あぁーヘロン様ヘロン様・・・とうわごとのように言っております。
かなりヤバい領域に突入しております。


TwiceAsNice&HalfThePrice.jpg TwiceAsNice&HalfThePriceBack.jpg
HERON 「TWICE AS NICE & THE HALF THE PRICE」 (1971)
no label DNLS 3025 (CD/2000?)
  1 Madman
  2 Take Me Back Home
  3 Love 13
  4 Something Inside
  5 John Brown
  6 Big A
  7 Winter Harlequin
  8 The Sound Of Music
  9 Wanderer
 10 You Really Got
    A Hold On Me
 11 The Great Dust Storm
 12 My Turn To Cry
 13 This Old Heart Of Mine
 14 Minstrel And A King
 15 Getting 'Em Down
 16 I Wouldn't Mind
 17 He's A Poor Boy
 18 The Devil
 19 Your Love And Mine
 20 Miss, Kiss
 21 Harlequin 5
 Roy Apps
 vocals, g, electric g, p, organ
 Steve Jones
 all keyboards
 Tony Pook
 vocals, percussion
 Gerald T. Moore
 vocals, g, electric g, p, organ

 この2ndはメンバーが自主制作で再発したという事らしく
 オリジナルの2枚組LPとは若干曲順が変わっております。

 ジャケットには2枚組だけど2ポンド30ペンスで安くなってまーすのステッカーが
 そのまま印刷され レコード番号はDawnから発表された当時のLPの番号のままです。
 盤はもちろんCD−Rと来たもんだ。 これは海賊盤と呼んであげたい胡散臭さですね。
 だけどそんな盤であればこそ余計有り難みが増すっていうもんです。

 第2号で紹介済みの1stは奇跡の傑作で 全編のどかな木漏れ日フォークでしたが
 本作ではエレキ・ギターとベースとドラムスが入ったロックな曲が中心になっています。
 そのベースとドラムスはゲスト・ミュージシャンに演奏してもらっています。

 ザ・バンドのような大らかでもたついたロック・サウンドが展開されるのですが
 又もやの屋外録音で 美しいメロディーとコーラスは健在だし 捨て曲無しで
 1st同様これも又 奇跡的な傑作の木漏れ日ロックなのです。

 その中でも特に信じられないような名曲はフォーク・タイプの7曲目「Winter Halequin」。
 本作中一番大きな音でバックに鳥のさえずりが聴こえてくるし
 後半のアコギのインスト部分は深い深い森に迷い込んだが如きの幻惑を味わえます。

 「Winter Halequin」は韓国Si−WanからCD化された1stのボーナス・トラックと
 英See For Milesの「The Best Of Heron」の両方にも収録されております。
 この2枚はお求めやすいと思うので この名曲をまだ聴いた事が無いという
 不届き者はそちらのCDを今すぐゲットしなければいけません。 走れ!


OpenUpTheRoad.jpg
HERON 「OPEN UP THE ROAD」 (1983)
英 RELAXX no number (CD/2000)
 Roy Apps
 guitar, vocals
 Gerald T. Moore
 guitar, vocals, whistle, bongos
 Steve Jones
 piano, accordion, keys
 Tony Pook
 vocals
 1 Traveller's Song
 2 Dance Of Time
 3 Barbara Allen
 4 Serpentine
 5 Open Up The Road
  6 Louise
  7 The Water Is Wide
  8 Stolen Time
  9 Lakes Of The Ponchetrain
 10 Lady In May

 こんな物まで出ました。 1983年にカセット・テープのみで制作されたライブ音源だそうです。

 ライブとはいいながら観客の拍手などは聴こえてきません。
 観客数が5〜6人だったのか あるいは観客も反応しないお寒いライブだったのでしょう。

 オリジナル7曲 トラッド3曲(3 7 9)が収録されていますが
 楽曲自体がアメリカ風というか あのはかなげなメロディーが希薄なんですよね。
 アメリカのシンガー・ソング・ライター物を聴いているような雰囲気もあります。
 そのテの音も好きなんですが・・・英国の田園風景を想起させてはくれません。

 これがヘロンで無ければ あぁのどかだねぇと素直に聴けるな音なのです。
 失われた1980年代の音が聴けるっていうんで期待しすぎたのがダメだったんでしょうね。
 僕のようにヘロン ヘロン・・・と気が狂った人はがっかりするアイテムでしょう。

 こちらも盤はCD−Rにジャケットはカラー・コピーという有り難味のある(?)体制です。


Hystorical.jpg HystoricalBack.jpg
HERON 「HYSTORICAL」 (1991)
英 RELAXX no number (CD/2000)

 Roy Apps
 guitars, vocals
 Tony Pook
 vocals, percussion
 T.J. Robinson
 guitars, vocals
 Steve Jones
 all keyboards
 1 Lakes Of The Ponchetrain
 2 Please Go
 3 You Ain't Going Nowhere
 4 Last Train
 5 Do You Believe It's Easy
 6 Broken Arrow
 7 Only A Hobo
  8 Walking With The One I Love
  9 Yellow Roses
 10 Gypsy Roads
 11 Ramblin' Gamblres
 12 Wild Mountain Thyme
 13 Summer In The City

 こちらは長い事探していた1991年のスタジオ録音盤の再発。
 ジャケットはしっかり印刷されていますが盤はCD−Rです。
 音の感覚は1983年のライブ盤と同様ののどかなフォークですが
 鼻血ブーもののスンバラシー選曲がたまらないじゃないですか。

 コンテンポラリー・アイリッシュ・トラッド屈指の名曲1。 ディラン作の3と7。
 フリッパーズ・ギターも思いっきりパクっていたバッファロー・スプリングフィールドの6。
 1st収録の名曲9。 こちらも名曲のトラッド12。

 そしてここで最高に郷愁を誘う曲は10「Gypsy Roads」でしょう。
 アコーディオンとエレピの音色のキーボードが あのヘロンを蘇らせてくれます。
 しかしその「Gypsy Roads」の作者であるG.T.ムーアは
 もうお前らとだらだらフォークなんかやってられねーよ!と抜けちゃったのですね。

 裏ジャケの写真はどう見ても1970年代の写真のようです。
 一番左のエレキ・ギターを持ったオヤジがG.T.ムーア(たぶん)で
 俺はエレキでロックをやるんだと主張していて象徴的な写真になっております。


RiverOfFortune.jpg
HERON 「RIVER OF FORTUNE」 (1998)
英 RELAXX RH 0001 (CD)
 1 Car Crash
 2 Lord & Master
 3 River Of Fortune
 4 Wanderer
 5 Yellow Roses
 6 Stars/B.D. Blues
 7 Friend
 8 I Wouldn't Mind
  9 Harlequin 5
 10 Adagio
 11 Carnival & Penitence
 12 Summer In The City
 13 Harlequin 2
 14 Upon Reflection
 15 Smiling Ladies
 16 Gypsy Roads
 Tony Pook
 vocals, percussion, tea
 Roy Apps
 vocals, guitars
 Gerry Power
 vocals, guitars, mandolin, percussion
 Steve Jones
 keyboards, accordion, direction

 こちらはストリングスや女性コーラスも入った1998年発表作品。
 今回紹介したアルバムの中では唯一まともなジャケットと盤のフツーのCDです。
 G.T.ムーアの後釜にも逃げられた(?)ようでまたメンバーが変わっています。

 とてもクリアな録音状態で ヴォーカルにも淡いエコーがかかっています。
 時折登場するストリングスはクラッシック系の奏法だし まったくヘロンらしくなく
 ここでのヘロンは木漏れ日フォークのヘロンではありません。

 収録曲は昔のレパートリーの焼き直しばっかりですが
 これは彼らなりのチャレンジでしょう。
 とても前向きな姿勢が感じられるアルバムで好感が持てます。
 あの数々の名曲が美しい室内楽フォークになって蘇っているのです。
 その美しさに絶句・・・これは間違いなく傑作です。

 録音場所はRELAXXスタジオと 2ndが録音されたのと同じ家の前(!)ですが
 屋外録音は14だけなのかな? この曲だけ鳥のさえずりが聴こえてきます。
 その鳥の鳴き声もなんか不自然なんだけどね。
 「Upon Reflection」は名曲ばかりの彼らの中でも 名曲中の名曲だから許します。


BlackDogInConcert.jpg BlackDogInConcertBack.jpg BlackDogInConcertBack2.jpg
HERON 「BLACK DOG IN CONCERT」 (2000)
英 RELAXX RH 002 (CD)
 1 I Wouldn't Mind
 2 Gypsy Roads
 3 Harlequin 2
 4 Last Train
 5 Lord And Master
  6 River Of Fortune
  7 Yellow Roses
  8 Tomorrow's Child
  9 The Devil
 10 Another Goodbye
 members no credit

 こちらは1997年に行われたライブ音源です。
 これもまた信じられないような傑作です。
 1曲目のサビのコーラスを聴いただけで卒倒しそうになりました。
 ファンの望むヘロンのあの音が詰まっていて あぁーヘロン様ー状態なのです。
 そしてCD−Rにカラー・コピー・ジャケ。 めちゃくちゃ有り難いじゃーありませんか。

 ジャケットに写る家は2ndアルバムの録音が行われた場所と一緒でヘロン様。
 観客は30人位しかいない感じで 騒ぐ子供の声とかが聴こえてきてヘロン様。
 アロハを着たオヤジ(たぶんトニー・プーク)が叩くバウロンの音が
 ボテッボテッともたついていてヘロン様。
 最後の曲が終わってメンバーが喋っているのに
 突然ぶった切るようにCDが終わって さすがヘロン様。

 このアルバムはビデオも撮影されていたようで ビデオもカミング・スーンらしいです。
 ジャケットに使われている写真達はビデオから取り出したものでしょう。
 つまりビデオではトラクターに乗り凄いスピードで疾走するヘロン様が見られるんだぜ!
 産まれてこの方ビデオデッキを所有した事がないという貴重品のような僕が
 へロンのせいでとうとうビデオデッキを導入する日が来るのでしょうか。


DawnSingles.jpg
 DAWN SINGLES (2000)
 
英 CASTLE CMDDD 072 (CD)
 disc 1
  1 Mungo Jerry In The Summertime
  2 John Kongos Flim Flam Pharisee
  3 Trader Hone Goobye Mercy Kelly
  4 Prelude Here Comes The Sun
  5 King Earl Boogie Band Plastic Jesus
  6 Small Wonder Ride A Black Sheep
  7 Ray Dorset Cold Blue Excursion
  8 David McWilliams Love Like A Lady
  9 Comus In The Lost Queen's Eyes
 10 Pluto Rag-A-Bone Joe
 11 Gravy Train Climb Aboard The Gravy Train
 12 Atomic Rooster Save Me
 13 Stray Precious Love
 14 Mungo Jerry Lady Rose
 15 Fruup Prince Of Heaven
 16 Atlantic Bridge I Can't Lie To You
 17 Paul Brett's Sage Dahlia
 18 Prelude Fly
 19 The Quiet World Of Lea & John
     Miss Whittington
 20 Mike Cooper Watching You Fall (Pts 1 & 2)
 disc 2
  1 Kilburn & The High Roads Rough Kids
  2 Bronx Cheer Hold On Me
  3 Pluto I Really Need It
  4 Gravy Train Starlight, Starbright
  5 Jonesy Richochet
  6 Mungo Jerry Alright Alright Alright
  7 D'Jurann Jurrann Streakin'
  8 Prelude After The Goldrush
  9 Comus Diana
 10 Trader Hone Here Comes The Rain
 11 Quicksand Time To Live
 12 Heron Bye And Bye
 13 Gravy Train Strength Of A Dream
 14 The Quiet World Children Of The World
 15 Mike Cooper Time Is Hand
 16 Stray Smile
 17 Smokestack Crumble Got A Bad Leg
 18 Titus Groan Open The Door Homer
 19 Small WonderOrdinary Boy
 20 Jackie McAuley Rockin' Shoes
 21 Mungo Jerry Baby Jump

 こちらは昨年11月に購入済みだったDawnレーベルのオムニバス盤なんですが
 購入理由はもちろんアルバム未収録のヘロンのシングル曲が入っていたからです。

 キャッスルからは続々とDawnのCD化が始まっているので
 ヘロンの2ndアルバムも出るのではないかと期待していたのですが
 今回紹介した海賊盤まがいの盤をゲットしたので正規盤など出て欲しくないですね。

 で ディスク2の12曲目に入っているヘロン様は2nd路線のフォーク・ロック。
 軽快な曲調でもちろん素晴らしい曲なんですが
 ディスク2を最初から聴いて行くと21曲中の12番目って感じで埋もれちゃいますね。
 ヘロン狂状態の今こそエンドレス・リピートで1万回は聴かないといけません。

 Dawnというレーベルはフォーク〜フォーク・ロック系のヘロン トレイダー・ホーン
 プレリュード マンゴー・ジェリー以外はプログレ・バンドばっかりだと思っていたのですが
 このCDを聴く限りではアコースティックな響きの素晴らしい曲が多くて
 プログレッシブ・ロックな曲の方が少ないです。 すべてシングル曲だからなのかなぁ。
 1970年代の英国にはまだまだ知られざる名曲が埋もれているのです。
 奥が深いですねぇ。

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