遂に英国フォーク「3大女ジョン」の登場です。
「ジョン」という名前は日本でいったら「太郎」「一郎」レベルの
伝統的にポピュラーな男の子の名前なんでしょうが
僕が「ジョン」と聞いて思い浮かぶのは女の子なのです。
みんな苗字じゃないか? 女の子じゃなくてオバサンじゃないか?
なーんて疑問は持たないのが女ジョン業界のルールです。



 
BRIDGET ST. JOHN 「JUMBLEQUEEN」 (1974)
英 BEAT GOES ON BGOCD 260 (CD/1995)

  1 Sparrowpit
  2 Song For The
    Waterden Widow
  3 I Don't Know
    If I Can Take It
  4 Some Kind Of Beautiful
  5 Last Goodnight
  6 Curious & Woolly
  7 Want To Be With You
  8 Jumble Queen
  9 Sweet Painted Lady
 10 Long Long Time
 11 Curious And Woolly
 12 Come Up And
    See Me Sometime
 13 Easy-Come Easy-Go
 14 Moody
 赤い照明の中から浮かび上がる幽霊のような女性は
 英国フォーク女ジョン業界最高峰の女ジョン
 ブリジット・セント・ジョン様。
 4thアルバム「ジャンブルクイーン」の紹介です。

 暗ーいどフォークの1969年の1stから
 アルバムを重ねるごとにサウンドが洗練され
 この4thでは初期の頃の素朴な雰囲気は無くなってしまっています。

 それが原因なのか 彼女を紹介している文章を見かけても
 このアルバムってなかなか取り上げられていませんねぇ。
 でも彼女のちょっとハスキーで優しげなヴォーカルが
 耳に心地良い作品になっているし 僕は好きです。
 特に3曲目なんか ふっと人恋しくなる淋しい夜中に聴いてみたりすると
 涙ボロボロのフォーク・ロックの名曲じゃーないですか。

 全体的には生ピアノが美しく響く優しげな曲調の曲が印象に残ります。
 そのタイプの代表としては10曲目が良いです。
 これも夜のイメージの 淋しさを煽る曲になっております。

 11〜14はCDのボーナス・トラックになっていて
 ニューヨークに渡り録音された作品のようです。
 これらは明らかに雰囲気が違って 妙に都会的だし
 かなりフツーのポップスに聴こえます。

 彼女はこのアルバム発表後 シーンから消えましたが
 録音は残していたようで 1970年代後半から1980年代始めの
 ニューヨーク時代の作品を集めた「Take The 5ifith」という編集盤も
 1995年に発売されております。 そちらも都会的な音です。



 
KATE ST JOHN 「SECOND SIGHT」 (1997)
ALL SAINTS/パラダイス・アイランド FLCP-1008 (CD)

  1 Don't They Know
    You've Gone
  2 Where The Warm
    Winds Blow
  3 Songs And Silhouettes
  4 A Flicker Of Gold
  5 My Lonely Love
  6 Notti Senza Amore
  7 Nowhere No One
  8 Dreaming Spires
  9 J'attendrai
 10 Fireworks
 11 A Foolish Dance
 12 Dark Heavens
 13 Colonel Sinnott's Song
    Of Love
 1990年代に入って女ジョン業界に殴りこみをかけて来た
 この美しい女の子こそがケイト・セント・ジョンです。
 こちらは2ndアルバムとなっております。

 その殴りこみの具合はというと
 必殺という程の美声では無いけど 柔らかい歌声がたまりませーん。
 どーして今まで歌わなかったのですかー。

 彼女はドリーム・アカデミーのメンバー&セッション・プレイヤーとして
 1980年代前半から活動はしていたのですが
 オーボエやサックス演奏での参加だったので
 歌を歌い始めたのは1990年代になってからなのです。
 という事はけっこう歳もとってたりもするのですが
 僕はもうケイト様にメロメロですよ!
 ・・・もう一体何人目のメロメロ状態なんでしょうか。
 僕はあまりにもメロメロ状態の女性が多すぎますかね。

 で このアルバムは全然フォークでは無いのですが
 さりげなくオーボエやフルートやストリングスなどが絡んで来て
 穏やかに射し込む陽射しを思わせる室内楽ポップスになっています。
 1部の曲ではパリの街角の雰囲気もあります。

 必殺ブリティッシュ女性フォークのチューダー・ロッジや
 ヴァシュティ・バニアンからアコースティック・ギターを抜いて
 炭酸水で薄めて 英国式庭園にまいた時
 飛び散った雫に反射した光のようなサウンドです。
 ・・・余計わかりにくくなったかなぁ。
 まあ時代が新しく 録音状態もクリアーなので
 あそこまでのはかなさは求められませんが。

 強力ナンバーは2曲目。 この曲は死ねます。
 7と8は日本盤のみのボーナス・トラックとなっています。



 
OLIVIA NEWTON-JOHN
「OLIVIA NEWTON-JOHN」 (1971)
東芝EMI TOCP-3453 (CD/1998)

  1 Me And Bobby McGee
  2 If
  3 Banks Of The Ohio
  4 In A Station
  5 Love Song
  6 Help Me Make It
    Through The Night
  7 If Not For You
  8 Where Are You Going
    To My Life
  9 Lullaby
 10 If You Could Read My Mind
 11 If I Gotta Leave
 12 No Regrets
 英国フォーク3大女ジョンの3人目は
 聖子ちゃんカット度 ガン克服度 シドニー・オリンピック登場度と
 どれをとっても他の追随を許さぬオリビア・ニュートン・ジョンです。

 この人がイギリス出身である事はこのCDの解説で初めて知ったし
 音楽もフォーク風味はほんのちょっとだけです。
 しかし英国フォーク3大女ジョンを完結させるために
 この1stアルバムを無理矢理入れておきました。

 ここで聴かれるサウンドはポップなカントリーが中心で
 英国出身でありながら英国臭さは皆無のアメリカンな感じです。
 収録曲はカバー曲ばっかりですが良い曲ばっかりだし
 爽やかで瑞々しい歌唱はかなり興奮できる事うけあい。
 当時アメリカン・カントリー風味で活躍した
 リンダ・ロンシュタットあたりと比べても
 僕は断然オリビアの方が好きですね。

 騙されたと思って聴いてみて下さい。 ハマりますよ!
 気付いたら1970年代後半のディスコ・サウンドのアルバムや
 オリビアが主演した最悪のディスコ・ミュージカル映画
 「ザナドゥ」も見てみたくなるから!
 それこそ正に「オリビアを聴きながら」状態(?)。
 オリビアを聴きまくってこそ女ジョンが語れるのです。

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