そんなジャケットじゃ購入する気も失せるぜ!のナルシスト・オヤジ・ロック。
しかしナルシストなジャケットは自信の表れという事も考えられるので
変なポーズをとったオヤジのレコードは積極的に購入しましょう。



  

VAN MORRISON
「POETIC CHAMPIONS COMPOSE」 (1987)
米 MERCURY 832 585 1 Q-1 (LP)
 A1 Spanish Steps
  2 The Mystery
  3 Queen Of The Slipstream
  4 I Forgot That Love Existed
  5 Sometimes I Feel Like
    A Motherless Child

 B1 Celtic Excavation
  2 Someone Like You
  3 Alan Watts Blues
  4 Give Me My Rapture
  5 Did Ye Get Healed ?
  6 Allow Me
 ヴァン・モリソン! アイルランドが生んだ最強の頑固オヤジにして
 ローリング・ストーンズが来日した今となっては 来日していない最後の大物。
 更にハゲ デブ チビと3拍子揃ってお徳(?)だし
 何だか分かんないけど凄みを感じさせるオヤジです。

 ふてくされたジャケットの表情は てめぇーこのアルバム買うんじゃねぇ!
 とでも言っているようで数多い彼のアルバムの中でも中々手が出ない1枚。

 楽器を抱えた3枚の写真は裏ジャケに挿入されている写真で
 写真撮影だとぉー? 面倒臭いからそこら辺のスタジオに楽器用意しとけよ。
 10分後に行くから。 といった適当さが感じられます。
 ジーンズに革ジャンといった服装も間違いなく家から出てきたそのままの服装。
 おおよそロック・スターとは思えないこの適当さはさすが大物です。

 しかし適当な環境の中でも しっかりポーズをとりカメラを意識。
 やっぱ俺って最高だぜ!と強烈なナルシストぶりを発揮しています。

 サックスがむせび泣くインストのA1 B1 B6は
 ブランデー・グラス片手に過ごす夜の如きムード・ミュージックぶり。
 歌入りの曲もAORすれすれのソウル・ミュージックでしょうか。
 しかし しかし 全体から圧倒的な美しさを放つアルバムであり
 聴き終えた後には心が浄化されてしまうという宗教系(?)です。
 これを聴くとイヤな事を忘れられますよ! いや本当に。

 彼のアルバムは30枚位ありますが アルバムによって
 テンションの振幅が激しく このアルバムは最も暗いうちの1枚なのです。
 という事で全アルバムを聴いておかないと彼の魅力は分かりません。
 ビートルズ ボブ・ディランと並んでヴァンも全アルバム必携の人です。
 僕ももちろん全部持っております。



  
KEVIN ROWLAND 「MY BEAUTY」 (1999)
欧 CREATION 495492 2 (CD)
  1 The Greatest Love Of All
  2 Rag Doll
  3 Concrete And Clay
  4 Daydream Believer
  5 This Guy's In Love With You
  6 The Long And Winding Road
  7 It's Getting Better
  8 I Can't Tell The Bottom From The Top
  9 Labelled With Love
    (I'll Stay With My Dreams)
 10 Reflections Of My Life
 11 You'll Never Walk Alone

女装した上に 俺の激しく盛り上がった股間を見やがれ!と言わんばかりに
ドレスをめくり上げちゃって・・・これは下品なジャケットですね。
下着姿の女性をはべらせエンターテイメントする写真は透明CDケースの内側の写真です。
人によっては嫌がらせに限りなく近いジャケットに見えるかも知れないですね。
僕が勝手に解釈したこのジャケットの意味は
英国人が間違ったアメリカ(ラスベガス)を演ずるというナイス・コンセプト!なのです。

ケビン・ローランドは1980年代にデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズを率い
それはそれは素晴らしいアルバムを3枚発表しました。
1988年にはチョビひげを生やしポーズをとり金持ちチンピラしまくるジャケの1stソロを発表。
・・・これも見ているとムカムカするイヤなジャケットだなー。
それから9年経てやっと届いた2ndがこの変態ジャケット盤だったのでした。

内容は全曲カバーで バックにオーケストラやコーラス隊もゴージャスに登場し
ラスベガスのいかがわしさを感じさせてくれるポップスが詰まっております。
聴いて初めてジャケットの意味が分かります。 ・・・完全にこじつけですけど。
しかし無理矢理鼻詰まりぎみに歌っているかのような独特の声や
曲の間に語りを多用する所などはデキシーズ時代から変わらないですね。

収録された曲は1960年代から70年代のロック〜ポップスに詳しいヤツだったら
へぇーあの曲もカバーしてんのかぁーと思うのでしょうが
僕がオリジナルを知っているのは モンキーズの4 ビートルズの6
そしてマーマレードの10(それもつい最近知った) と3曲だけです。

フジテレビのミュージック・フェアに出演しているかの如き
歌い上げる曲が多いですが これがかなりいいんだ。
彼の歌唱もさる事ながら 何といっても曲のメロディーがめちゃくちゃ良いのです。

もう自分で曲を作る才能が枯れたのであればカバー曲を歌うというスタイルでいいので
次作は又9年後なーんて事が無いよう祈ります。
僕にとっては長年待ったかいのある素晴らしい作品でした。 もちろんジャケットも含めてね。



  
 A1 Paranoia Key Of E
  2 Mystic Child
  3 Mad
  4 Ecstasy

 B1 Modern Dance
  2 Tatters
  3 Future Farmers Of America
  4 Turning Time Around

 C1 Like A Possum
  2 Rouge

 D1 Rock Minuet
  2 Baton Rouge
  3 Big Sky
LOU REED 「ECSTASY」 (2000)
欧 REPRISE 9362-47425-1 (LP)

ルー・リードのジャケットはイヤーな感じのが多いんだよなぁ。
サングラスがギラギラ光って夜の帝王ぶりを見せる1978年の「ストリート・ハッスル」。
大股開きで座ってテレビゲームに熱中する1984年の「ニュー・センセーションズ」など。
そして2000年 それらを凌ぐヤバいジャケットで「エクスタシー」が登場しました。

ディスク・ユニオンでCDとLPが並んで置いてあり
1800円くらいのCDに対しLPは2990円の値札が付いていたのですが
このジャケットのせいで思わずLPに手が出てしまったのでした。

バックに赤い閃光が走り これが俺のエクスタシーの表情だ!どうだ!と言っています。
半開きの口 必要以上に太い首 ザラザラした肌の質感 微妙にパーマがかかった眉毛・・・
見れば見る程イヤーな感じじゃないですか。 つまりLPで購入して正解(?)って事ですね。

楽曲は渋くて味わい深く 大人のロックを感じさせる曲が並んでいます。
語り系のヴォーカルも表情豊かで ジャケット同様絶好調なのではないでしょうか。
C1なんて18分以上ある曲ですが全く飽きさせず じわじわと彼の世界へ引き込まれますね。
地を這うようでいながらメロディアスなベースの音も心地良いですね。
穏やかな表情の曲が多いですが さすがはニューヨーク出身。
どんな曲をやってもなぜか「夜」とか「黒」といったイメージが巡ります。

このオヤジの作る曲はベルベット・アンダーグラウンド時代から
歌詞が重要なポイントになっているようなので
日本盤CDを購入して訳詞を見ながら聴くというのが正しい聴き方でしょう。
そういえば数年前ルー・リード詩集っていう本を人から貰ったのだけど全く読んでいません。
僕は彼のナルシスト・ジャケットを見てイヤな気分になるだけでお腹いっぱい。
歌詞にまで手が出ません。

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