2014年、続々とスコットランドから愛が込められたアルバムが登場している模様。
スコットランドの音楽をスコッチ・ウイスキーでも飲みながら聴いたらそりゃー最高だね!
・・・いや、酒、弱くてねぇ。 昔、ウイスキー飲んで、速攻でゲロ吐いた事がありました。
ただいまの記録、1分45秒! 速攻ゲロの記録で歴代1位です。
そんなんで残念ながらスコッチ・ウイスキーを飲みながら聴く事はできないけれど
スコットランドからの愛を噛み締めながらじっくり聴きます。


FromScotlandWithLove.jpg
KING CREOSOTE 「FROM SCOTLAND WITH LOVE」 (2014)
欧 DOMINO WIGCD338 (CD)
1 Something To Believe In
2 Cargill
3 Largs
4 Miserable Strangers
5 Leaf Piece
6 For One Night Only
  7 Bluebell, Cockleshell, 1 2 3
  8 One Floor Down
  9 Crystal 8s
 10 Pauper's Dough
 11 A Prairie Tale

アルバム・タイトルそのまんまに、スコットランドからの愛が込められたキング・クレオソートの2014年作。
このアルバムは同タイトルのドキュメンタリー映画のサントラ盤も兼ねているようで、LPも発売されましたが
LPは高額で手が出ないため1500円程度でCDをゲットして我慢、我慢。 CDは見開きの紙ジャケですが
シュリンク剥がしま宣言を続行中につき見開きの中が見られないけど、それも我慢、我慢のザ・ガマンです。

キング・クレオソートはケニー・アンダーソンという人のソロ・プロジェクトなのですが、これでもか、これでもかと
アルバムを凄い勢いで出し過ぎで、そんなに出しまくって各アルバムの質はどーなのよ?的な事になっています。
僕も手元にアルバムが7〜8枚ありますが、質の良し悪しというか、どれも同じ感じで飽きがきていました。

そんな中で2011〜12年にキング・クレオソート&ジョン・ホプキンス名義で出したアルバム&EPは素晴らしく、
ゆったりと流れる音が様々な風景を想起させてくれましたが、本作にもその流れがあり、これは良いぞ!

本作でのサウンドはギター、ベース、ドラムス、ピアノやキーボード類などロック基本楽器をメインに使った
アコースティックな響きのフォーク・ロックで、そこにストリングスが多く被さります。 スロー〜ミディアム・テンポの
哀愁のあるメロディーの曲が並び、郷愁を誘い、切なくなって涙がこぼれてしまう系でもあるのですが・・・
ケニー・アンダーソンのヴォーカルが何だかすっとぼけた感じの声なので泣けそうで泣けないのですよねぇ。

全曲中最もアップ・テンポでロックしている3曲目は間奏にクラリネットが入りジャージーにスゥイングします。
素敵なメロディーと大コーラスで盛り上がる4曲目と10曲目がハイライトでしょうか。 11曲目はインストです。
どの曲も映画のエンディング・ロールに流しても良いような「最後の曲タイプ」の永遠性があって凄いので
スコッチ・ウイスキーを飲みながら聴いたら、もっと盛り上がって、酔った勢いでボロボロ泣けそうですね。
飲める人は是非! 飲めない僕も飲んで、吐いて、速攻ゲロの記録更新するのも、悪くないけどね。

「KC Rules OK」「Favourite Girl EP」・・・第121号 2007/1/2 知られざるヤングなフォーキーのワールド
 


ExileOnTweeStreet.jpg
THE BLUEBELLS
「EXILE ON TWEE STREET : Songs From Glasgow 1980-1982」 (2014)

英 CHERRY RED CDMRED 633 (CD)
1 Everybody's Somebody's Fool
2 Some Sweet Day
3 Happy Birthday
4 No One Ever Waves Goodbye
5 One Last Love Song
6 Wishful Thinking
7 Oh Dear
  8 You're Gonna Miss Me
  9 East Green
 10 Red Guitar
 11 Sugar Bridge
 12 Forevermore
 13 Holland
 14 Honest John
 15 Stand Up Cowboy
 16 Small Town Martyr
 17 Learn To Love
 18 All The King's Horses
 19 Tender Mercy
 20 I'm Set Free

出た! ブルーベルズの初期音源集! この作品のどこにスコットランドからの愛があるかというと、
ブルーベルズの初期音源が聴けるというだけで愛! そしてソングス・フロム・グラスゴーのサブタイトルが愛だし
更に20曲も入っていて愛情たっぷり。 レアなフレキシに収録されていた3曲目も入っていて激愛なのだぁ! 

変な風景写真のジャケットが何だかイージー・リスニングのジャケットみたいだなぁーと思ってしまうけれど
中央に小さくメンバーが楽器を持って演奏していて、ただの風景写真とは違うけど・・・小さくて見えないよなぁ。
そんな人のためにジャケットの大きいLPも発売されているようだ! でもそちらは10曲入りのようですよ。

収録曲はこのあとのシングルやアルバムで発表される曲の初期ヴァージョンが半分くらい入っていて
ここでのアマチュア感丸出しの演奏を聴くと、プロフェッショナルなアレンジの手が入ってメジャー感のある音へ
変わったんだなぁーという事がよくわかります。 まあ、ここに入っている曲は実際、レコード・デビュー前の
アマチュア時代の音源なので、アマチュア感丸出しなのは当たり前ちゃー当たり前ですね。

残りのはじめて耳にする曲も、このバンドの魅力である若くヤングでフレッシュで真っ直ぐな元気の良さがあり、
楽曲自体にもキャッチーなメロディーがあるし、当時アルバム1枚で終了してしまったのがもったいないバンドです。
ブルーベルズは当時ネオアコと呼ばれた他のスコティッシュ・バンドのオレンジ・ジュースやアズテック・カメラや
フレンズ・アゲインなんかと比べても、スタイリッシュさが薄く、トラッドっぽさも香るし、何だか田舎臭くて、
スコットランドを強く感じる度でいったら第1位! そして速攻ゲロの記録の第1位は1分45秒です。

録音状態が悪く、こもった音で収録された7曲目はハーモニカの入り方とか、名曲「キャス」へと繋がっていますね。
1stアルバムにも収録されている10曲目の出だしにはハーモニカで「レッド・フラッグ」のフレーズが入って、おお!
バンジョーが入る14曲目、ピアノが効いている15曲目あたりはデビュー後の音に近い、練られたアレンジです。
最後の20曲目はヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカバー。 これはホント、オマケって感じでしょうかね。

1st「Sisters」・・・第73号 2003/8/6 ヤング・サウンド炸裂にキクチくんも赤面
2nd「Second」とMcClusky Brothers・・・第95号 2005/1/22 おーいキクチくーん!マックラスキー・ブラザーズだよー
 


Heartleap.jpg
VASHTI BUNYAN 「HEARTLEAP」 (2014)
米 DiCristina STEP14 (LP)
A1 Across The Water
 2 Holy Smoke
 3 Mother
 4 Jellyfish
 5 Shell
 B1 The Boy
  2 Gunpowder
  3 Blue Shed
  4 Here
  5 Heartleap

ああ、ヴァシュティ様、ヴァシュティ様、全員待っていた新作のLPが遂に僕の手元にも届きました。
本作はスコットランドの首都エディンバラのヴァシュティの自宅スタジオでの録音を中心に収録しているという事で
そんなモンは明らかに、スコットランドから届けられた愛に溢れた1枚である事は間違いありません。

シュリンク剥がしま宣言のため見開きジャケットの中は見ていませんが、ダウンロード・コード付きだったので
ダウンロードしたらMP3ファイルの他に歌詞やクレジット類のデータが入ったPDFファイルも付いてきました。

自宅録音のためか今まで以上にプライベート感が強くて、1st、2ndと比べると、特にこの曲がぁ!という曲も少なく
楽曲のメロディーも弱いし、何だか演奏もアンビエント感が強くて、もやーっと曖昧な感じに響きます。
あれ?いつの間にか曲が終わっているよ!てな感じのヒジョーに曖昧なフェード・アウトの多用も曖昧だぁ!
ギター基調の曲とピアノ〜キーボード基調の曲の割合は半々くらいで、ストリングスが入る曲もありますが・・・うーん。

となると、こんなモン全員が大興奮した「Lookaftering」ほどの熱狂で迎えられるかといえば答えはNO! 
1度聴いた印象は何じゃこりゃ? 答えはNO! ところが、ところが、2度、3度、繰り返し聴いていると
心にじわりと入り込んできて、染みます、美しいです。 美しさでいうと過去最高の美しい響きではないでしょうか。
つまりこれは凄い名盤! 答えはYES! といってもまだたった20回ほどしか聴いていないので
腐敗した耳の持ち主の僕には曖昧な事しか言えませんが、それでも言わせてもらうと、これは凄い名盤!

ブリジット・セント・ジョンの「バック・トゥ・ステイ」似の最後のアルバム・タイトル曲の美しさはハンパなく
これが最後のアルバムだとアナウンスされている事が事実であれば、このB5がヴァシュティ最後の曲・・・
B5を聴き終えると、何かが終わってしまった喪失感に襲われ、涙ボロボロですよ。 うぇーん、ヴァシュティー!
スコッチ・ウイスキーを飲まなくてもこれは泣けます。 飲んだらもっと泣けます。 そして吐けます。

それにしてもこのあまりにも美しく儚いウィスパー・ヴォーカルが70歳手前のババアの歌声とは!
ヴシュティ・バニヤン・・・その歌声は儚いけれど永遠であり、永遠だけど儚い・・・ああ、また泣きそうです。

ヴァシュティ様を書いたページ
「Just Another Diamnod Day」・・・第13号 2000/5/1 そそるジャケットに社会復帰不可能状態
「Just Another Diamnod Day」・・・第22号 2000/9/24 遂に出ましたヴァシュティ様の正規盤CD
「Just Another Diamnod Day」「Lookaftering」・・・第109号 2005/12/31 母さん!事件ですよ!ヴァシュティですよ!
初来日公演の話・・・第124号 2007/3/9 全米が泣いた!ヴァシュティ・バニヤン来日公演
「Some Things Just Stick In Your Mind」・・・134号 2007/11/29 英国フォークレア音源の最終兵器にもう泣くしかない
「Some Things Just Stick In Your Mind」・・・150号 2009/3/14 ささやき女将が語る英国ウィスパーヴォーカルの真実
2度目の来日公演の話・・・2010年4月7日更新の表紙
 

表紙へ戻る

inserted by FC2 system