え? そのアルバム、2000円もするの? 無理です、そんな高額商品買えません! ・・・あ、申し遅れました、わたくし低所得者層と申します。 ネタではなく、僕の収入を聞いたら全員大爆笑ものの、リアルに低所得者層です。 おかげ様で最近は2000円どころか、1000円でも高いと感じています。 ・・・え?気付きました? そうなんです、わたくし、アウトです。 |
THE OWL SERVICE AND ALISON O'DONNELL 「THE FABRIC OF FOLK」 (2008) 英 MIDWICH WYND005 (12"/2009)
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低所得者層は娯楽に金をかける余裕はありません。 当然音楽ソフトにもそんなに金を使えないけれど ビョーキなので購入せずにはいられません。 さあ、どうしてくれよう。 そこで思いついたナイス・アイデア! それは安く買うというアイデアです。 そんなんで安く買うために必死です。 とにかく必死な俺・・・アウト! さて、これはガイコツのジャケットに買う気がおきない!こと、英国のオウル・サーヴィス&アリソン・オドンネル。 5曲入り45回転のEPっぽい作品を中古300円で必死でゲットです。 盤面は透明のカラー・レコードでした。 何でこれを購入したかというと、アリソン・オドンネルの名前があったからで、やはりこのジャケットの図柄だと ガイコツのジャケットがヒドい!買う気がおきない!状態なので、知っている名前が無いと買えませんね。 アリソン・オドンネルはプログレッシヴ・フォークの必殺バンド、メロウ・キャンドルのヴォーカルだった女性で、 オウル・サーヴィスはトラッド系バンドだという事は知っていましたが、クレジットを見ると、楽曲提供もしており 様々な楽器を操るスティーヴン・コリンズという人が中心人物のようです。 ちなみにメロウ・キャンドルで もう一人の女性ヴォーカルだったクローダー・シモンズのソロ作は、ピンと来ず遠い昔に処分してしまいました。 収録曲はA2とB1がトラッド曲で、残りはオリジナル曲。 A1は陰鬱なメロディーが怖い、呪い系のフォーク。 エレキ・ギターとドラムスが入ってエレクトリック・トラッドするA2には、それっぽい音色のフィドルも入ります。 B1はとても聴きやすいポップ・フォーク調の仕上がりで、ウクレレやグロッケンシュピールが入るインストB2は 初夏の優しい日差しにうたた寝しているかのような素敵な響きがあります。 ピアノを基調にしたB3は シンガー・ソングライター作品といった趣で、違ったタイプの曲が並び楽しめる充実した内容になっています。 音域が広そうなアリソンのヴォーカルは、低〜高音域まで聴かせるため演劇的に聴こえる部分もあるけれど、 イヤーな感じはしないです。 ああ、B3のタイトルはファブリック・オブ・ライフかぁ・・・何だか知らないけど、涙。 Mellow Candle 「The Virgin Prophet」・・・第50号 2002/1/14 キッシング・スペル盤回収に出動せよ |
MIKE OLDFIELD 「TUBULAR BELLS」 (1973) 英 VIRGIN V2001 (LP)
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チューブラー・ベルズの中古LPが300円で転がっているのを発見! 税込300円! さあ、どうする? マイク・オールドフィールドは昔「クライシス」を所有していたのだけど、あまり聴かずに処分してしまったし 彼の作品って基本インストで、一曲が長くて、かったるいプログレだし・・・という勝手なイメージを持っていて 敬遠していたのですが300円だったら低所得者層にも優しいエコな価格なので買う事にしました。 これがもし500円だったら高いので買っていません。 うーん、500円で高いとか言っている俺・・・アウト! A、B面1曲ずつの収録で、コンパクト・ディスクだとこの2曲はチューブラー・ベルズ・パート1、パート2と 表記されているようですが、この300円のLPだと特に曲名表記はないので、曲名「ノー・クレジット」にしました。 両面とも基本、ヴォーカルは入らず、曲が進むにつれ多彩な使用楽器と共に曲調が変わっていく内容で 全体の簡単な印象は、アコースティックな響きのケルティック・シンフォニーといったところでしょうか。 特にB面の中盤にはアイリッシュ・トラッドを思わせる、美しく、もの哀しげなメロディーが登場するし 終盤はトラッド曲「セイラーズ・ホーンパイプ」が登場するのでケルティック臭を感じるのかも知れません。 チューブラー・ベルズはプログレッシヴ・ロックを代表する名作の内の1枚として評価も確立されており、 実際聴いてみて、これは凄く良かったです。 名作としての評価に誤りはありませんでした。 ただやはりトラッド臭があるのが僕が良いと感じるポイントのようで、同じように名作として評価されており 片面1曲のピンク・フロイドの原子心母のA面みたいにクラッシック色が強いとダメなのですけどね。 まあ、聴かず嫌いはいけませんね。 おかげ様で購入後頻繁にターンテーブルに乗っています。 300円で買って、すでに300円分は聴いた気分です。 俺、買い物上手! そうだ、今後300回聴けば 1回1円で聴ける計算だぜ! やった!俺、計算が完璧! そしてこんな計算している俺・・・アウト! なお、チューブラー・ベルとは、ジャケットに登場している「又」の字のチューブではなく、 のど自慢で鳴らされる鐘、あれがチューブラー・ベルなので間違えないように気をつけましょう。 マイクが15歳(!)の時のサリアンジーの作品・・・第49号 2001/12/22 男女デュオ世界の国からこんにちは |
MARTYN BATES 「THE RETURN OF THE QUIET」 (1987) 英 CHERRY RED BRED 81 (LP)
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マーティン・ベイツは英国のバンド、アイレス・イン・ギャザのヴォーカルの人で、中古が100円で落ちていました。 中古100円ポッキリには理由があり、当時大量に売れたため中古市場では在庫過多で100円になっているヤツ。 単純に内容がイマイチないわゆる100円のカス盤。 あとはキズや汚れがあるため100円というのもありますね。 もちろん100円だからといって何でもかんでも入手するわけじゃありません。 内容イマイチなカス盤だったりすると 1回聴いて何じゃこりゃ? 2回目を聴いてやっぱりカス盤である事を再確認し、あとはご存知、放置プレイ。 放置プレイしない場合は速攻で処分。 買取り10円はまだ良い方で、真のカス盤は買取り拒否もありますよ。 さあ、このアルバムの場合はキズ盤でもなかったので、内容がイマイチなカス盤臭がプンプンしていたのですが アイレス・イン・ギャザが好きな僕は、必死でレジへダッシュ! ああ、100円盤を買うのに必死な俺・・・アウト! そして予想どおり、聴いてみたら内容が微妙だねぇ。 それでも100円盤を買うのに必死な俺・・・アウトォー! 基本サウンドはギター、ベース、ドラムス、キーボードなど、ロック基本楽器によるニュー・ウェーヴ系のロック。 カス盤とまでは行きませんが、特にパーカッションやドラムスの音色に1980年代っぽさが漂って、ダサっ! 中途半端にもの哀しいメロディーが連発されるのも微妙で、彼のエモーショナルなヴォーカルも空虚に響きます。 でも実はこの音はアイレス・イン・ギャザと大して変わりなく、じゃあ何が違うのかというと、そこに流れる空気感で、 バンドからソロになって、バンド時代と同じような音づくりをしても、何だか違う響き方をするのはよくある話です。 しかし100円で買ってどれだけ文句を言えばいいんだって感じでしょうか。 いやいや僕はもうアウト!なので アウトついでに100円でも文句は言わせてもらいますよ。 そして100円だとやっぱりあれもこれも買ってしまい またレコード棚にカス盤が増え、気付けばご存知、放置プレイ。 「カス盤御殿」化するのも間近でしょうか。 Eyeless In Gaza 「Kodak Ghosts Run Amok」・・・第48号 2001/11/28 儚き芸人1980年代英国編 |
GROUPER 「THE MAN WHO DIED IN HIS BOAT」 (2013) 米 KRANKY KRANK 177 (LP)
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アマゾンで発見! アメリカの女性、リズ・ハリスさんの1人プロジェクト、グルーパーのLPを911円で発見! アマゾンは翌日には急に倍の価格になったりするので、そりゃー発見した瞬間に必死でマウスをクリックだぁ! そりゃーもう必死! 手首が腱鞘炎になるかの勢いで必死にクリック!クリック! 俺、凄い!・・・そしてアウト! いやぁー、腱鞘炎になるのも覚悟の上の必死のクリックが功を奏してか、これがねぇ、スンゴく良い内容! 深いエコーの彼方からこもった音で聴こえてくる、アンビエントでドローンでかげろうのようなフォークをやっていて、 スローな曲調、隙間の多い音、ドラムレス、何だか曖昧なヴォーカル・・・と、刹那的であり、美しい音です。 このテのサウンドのヤツはサイケ・フォーク〜アシッド・フォークに分類されちゃう事が多いですが グルーパーはアシッド・フォークとは違うなぁ・・・アンビエント〜ドローン度が高く、サイケ感は薄く感じるのです。 裏ジャケの渦を巻く枝の図が、コクトー・ツインズ&ハロルド・バッドの「ムーン&メロディーズ」のジャケに似ており 出てくる音も正に「ムーン&メロディーズ」や「ヴィクトリアランド」の頃のコクトー・ツインズに近い感触があります。 それにしてもこのアルバム、アンビエント感が強いのでBGM的に流してしまいそうですが、盤面に針を落としたら その音世界にグイグイ引き込まれて、BGMとして流しておくなんてできません。 必死でマウスをクリックして 新品LPを1000円以内で購入するというテーマをクリアしたので、良さが倍増しているのかも知れませんね。 なお本作は最近のLPのくせにダウンロード・コードは付いていません。 それってチョーありえなくね? そのかわりステッカーが封入されていました。 またジャケットの女性はリズ・ハリスさん本人ではないようです。 彼女のアルバムは5〜6枚は出ているようで、本作と同傾向のギター&ヴォーカル&美しいメロディーで聴かせる 2008年の「Dragging A Dead Deer Up A Hill」はクランキーからの再発LPで入手しましたが、こちらも良いです。 さて、ではまた低所得者層向けの作品を探しに行こうかな。 価格設定は新品1000円、中古300円以内です。 当然この予算だと買える作品は限られ、300円で買える中古盤なんて90パーセントの確率で内容はクソです。 だから本当に欲しい作品は他の娯楽を削って、削って、削りまくって、予算オーバーでも買っていますよ! ところが予算オーバーで必死で買ったヤツの内容がクソな事も多くて・・・うーん、やっぱり俺、アウト! |