何かが飛び出す時の擬音はポン!でないとダメだと思う今日この頃 ほら、姉妹でやっているアルバムがこんなにポン!と飛び出しているじゃないですか。 それも2001年以降の21世紀のアルバムなので21世紀の姉妹でポン!ですよー。 |
FIRST AID KIT 「THE BIG BLACK & THE BLUE」 (2010) 英 WICHITA WEBB222LP (LP)
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ヤングで若い1990年代生まれのスウェーデンのヤングな姉妹デュオ、ファースト・エイド・キットの1stがポン! エイロス・チャイルズ、クラップ・ユア・ハンズ・セイ・イエー、エスパーズ(!)でお馴染み(っつーかそれだけ所有)の 英ウイチタ・レーベルからポン! 最近のLPなので当たり前のようにダウンロード・コード付きでポン! 夜の砂浜でマンドリンを持った少女のジャケットはちょっと怖い呪い系ですが、アルバムの内容は呪い系ではなく ヤングな姉妹のハーモニー・コーラスで聴かせるフォーキーな音です。 何曲かドラムスが入る曲もあるけど 基本はドラムレスでアコギ&ベース&キーボードくらいの伴奏でヴォーカルを聴かせるタイプの曲が並びます。 そしてこのヴォーカルが問題で、2人とも地声が中音域なのでいわゆる美声ではない上に、頻繁にヨーデル風の 裏声になるため、何だか「どカントリー」タイプのカントリー・シンガーが歌っているようにも聴こえてしまいますねぇ。 ヨーデル風の裏声になる部分はハーモニーもヨーデルっていて、けっこう高度なテクニック!・・・なのかなぁ。 B4ではアコギ&フルート(の音色のキーボード?)の演奏が良い感じなのですが、ヴォーカルが急にコブシ回って、 どカントリーを通り越して、ど演歌だあぁ! 何だこのヴォーカルは! 僕も最初聴いた時はイヤーな感じがして カァーッ、ペッ!ってなモンでしたが繰り返し聴いていたら段々このクセのある感じが好きになってきました。 ヴォーカルはカントリー・シンガーのようですが、楽曲自体にカントリー臭は無く、聴きやすいフォーキーな音で ほんのちょっとトラッド風味も香り、マイナー調の曲も配置されているという、ヨーロッパ的な佇まいがありますね。 ジャケットどおりマンドリンが入るA2、3拍子のA4、シングル・カットされたA6、そして最後を飾る美しいB5など ゆったりと流れる曲はホント良いですよー。 これだから21世紀の姉妹でポン!はやめられません。 昔のフォークやロックやしか聴かないという、小汚くハゲ散らかしたオヤジにもオススメの21世紀姉妹ですよー。 |
LILY & MADELEINE 「LILY & MADELEINE」 (2013) 米 ASTHMATIC KITTY AKR 118 (LP)
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ヤングで若い1990年代生まれのアメリカのヤングな姉妹デュオ、リリー&マデレインの1stがポン! この2人はバリバリのフォーク・デュオだと勝手に思い込んで聴いたら、A面1曲目がピアノで始まったので え?フォーク・デュオなのにアコギじゃくてピアノなの?・・・と、何だか知らないけどドキッとしてしまいました。 ドキッとしたせいなのか、このA1が頭の中でグルグル回り出してしまい、気付いたら口ずさんでいる始末。 いやいや、ドキッとしたせいじゃないな。 A1はまるで暮れ行く夏の哀しみを運ぶ秋の風のような名曲で、 ドラムレスでピアノとストリングスが基調になり、どこかで聴いた事があるようなメロディーに懐かしさも感じます。 そしてA2はアコギのアルペジオが入ってほっとしますが、やはりどこかで聴いた事があるようなメロディーで うわぁ、この曲にもやられた・・・と思ったら曲の中盤からドラムスが入り、えっ?そうなの?ドラムス入るの? またドキッとして、結果的にこのA2も頭の中でグルグル回って、気付いたら口ずさんでいたという名曲だぁ! ・・・と、出だしの2曲で完全にやられますが、全体でもアコギ&ピアノを中心にしたフォーク〜フォーク・ロックで 特別な事はないけど、覚えやすいメロディーがあり、何度か聴いてる内に全曲口ずさんでいるという凄さ! 日本の歌謡フォークみたいなB2とB4、アコギ&タンバリンのB5あたりの何だか懐かしい響きも良いですねぇ。 ヴォーカルは美声とは言えないけれど、クセのない中音域で聴かせてくれ、すぅーっと耳に入ってきます。 主旋律に対して上、または下のハーモニーをつけるタイプの端正なフォーク系コーラスで丁寧に歌っており、 楽器演奏もヴォーカル・ハーモニーも頑張らなくてもできちゃう的で、さらりとこなしている感じが末恐ろしく 1970年代のケイト&アンナ・マッガリグル姉妹に近い、通もうなる本格派の香りがして、うおおぉー!です。 さて、この1stアルバムを聴いてびっくりした僕は、これのちょっと前に出た5曲入りのデビュー10インチEPも すぐにダッシュで凄いスピードでポン!と購入しました。 そちらもかーなり素晴らしい事になっているので 昔のフォークやロックしか聴かないという、小汚くハゲ散らかしたオヤジにもオススメの21世紀姉妹ですよー。 なお、本作はダウンロード・コード付きのLPですが、ダウンロードするとB6の後に隠しトラックが付いてきます。 調べたところによるとCDだと元々入っている隠しトラックのようでした。 タイトルは「Token」だそうです。 このLPについてちょっと語っています・・・2014年1月5日更新の表紙 デビュー10インチEP「The Weight Of The Globe」もちょっと語っています・・・2014年3月7日更新の表紙 |
PASCAL PINON 「TWOSOMENESS」 (2013) 独 MORR MUSIC 121 (LP)
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ヤングで若い1990年代生まれのアイスランドのヤングな双子デュオ、パスカル・ピノンの2ndがポン! ドイツのモール・ミュージックからポン! 最近のLPなので当たり前のようにダウンロード・コード付きでポン! 姉妹でやっている人たちもそれほど多くない中、双子は貴重なので、無駄にポォォォォーン!と言っておきます。 で、チープなリズム・ボックスで始まるA1を聴くとヤング・マーブル・ジャイアンツみたいだなぁと思うのですが、 アルバム全体はキーボードやギターと様々な効果音が主体になったエレクトロニカ〜フォークトロニカ系の音です。 ヴォーカルは囁き系の柔らかい歌声で、複雑に重なるヴォーカル・ハーモニーが密室ポップス度も高くしています。 そして全編に深めのエコーがかかっていて、まるですべてを水で薄めたようなとても美しい響きがありますねぇ。 また、もの哀しいメロディーを持った曲の連発で、それが美しさを増幅させてくれますが、おかげでどの曲も 同じように聴こえてしまうので、どの曲がどうという感じではなくアルバム全体で楽しむ作品でしょうか。 歌詞は英語が8割、アイスランド語が2割といった按配で、アイスランド語の響きもまったく違和感無く心地良いし ガツンと一発でヤラれてしまうインパクトのある作品ではないけれど、とてもセンスの良い魅力的な音楽であり 聴き終えてもう一回聴こうかな・・・と、リピートして聴きたくなりますね。 また聴きたくなるという事は・・・傑作? 隙間のある音なので、まあこんな感じでいいかとテキトーに感覚だけで作ったように一瞬聴こえてしまうけど よく聴くとノイズのような効果音や各楽器の入るタイミングは絶妙で、実は緻密に計算して作られているのかもね。 おしゃれなカフェ・ミュージック的なところもありますが、ズバリ!これは凄く良いです。 僕、ハマってまーす。 昔のロックやポップスしか聴かないという、小汚くハゲ散らかしたオヤジも、たまにはこんなのも聴いてみたら? |
THE BAIRD SISTERS 「LONELY TOWN」 (2008) 米 no label/no number (CD-R)
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これはグループ名にシスターズが付いているので姉妹だという事がわかりやすいぜ!こと、ベアード・シスターズ。 アメリカのトラッド系フォーク・デュオの2ndですが、レーベルなし、カタログ番号なし、ジャケットはカラーコピー、 そして盤はCD−Rという有難い体制のアルバムなので、有難がってポン!と聴きましょう。 演奏は完全に2人だけで、使用楽器はバンジョー、マンドリン、ギター、マウンテン・ダルシマーとクレジットされ、 ベースとドラムスが無いのでロックっぽさは無く、1、5、6、7曲目がトラッドで、2曲目はジーン・クラークのカバー、 残りの3、4、8、9、10曲目には作者クレジットがありませんが、どうやらオリジナル曲のようです。 多くの曲は2人でハモって、バンジョー&ギターで演奏するパターンで、トラッド〜マウンテン・ミュージック風なので まあ、地味な音ですよ。 その地味さに更に拍車をかけるのが、中音域の地声のローラさんが主旋律を歌う曲が 多いからで、高音域の地声のメグさんは主旋律に対して上のハーモニーをつける事が多いです。 そんな中、メグさんが主旋律を歌い、美しくて可愛らしい歌声を披露する曲にはヤラれてしまいますねぇ。 それはズバリ!3曲目、そしてダルシマーを使った5曲目です。 メグさんの歌声が素晴らし過ぎてメロメロなので この2曲にヤラれてヨダレを垂らしてしまう訳ですが、実はローラさんのクセの無いまろやかな声も良いですよー。 昔のロックやポップスしか聴かないという、小汚くハゲ散らかしたオヤジはきっと、このテの、メグさんのような 美声系ヴォーカルが大好物だろうから、僕がやっているようにヨダレを垂らし、ウハウハしながら聴きましょう。 ちなみに高音の地声のメグさんは、エスパーズ(!)のメンバーでもあるメグ・ベアードさんです。 ウハウハー! メグ・ベアードのソロ1st「Dear Companion」を書いたページ・・・私をエスパーズに連れてって! ソロ2nd「Seasons On Earth」はこちら・・・続々と登場するあの人たちの新作に もうカンカン! Meg Baird, Helena Espvall, Sharron Kraus 「Leaves From Off The Tree」・・・紙ジャケCDなんて燃やしてしまえ! |
LEICHTMETALL 「LEICHTMETALL」 (2003) 仏 KARAOKE KALK 34 (LP)
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えっ? 双子じゃないんだ・・・くっそー、騙された! 同じ背格好で同じ服を着ている芸風は双子芸の定番なので、 この2人はずーっと双子だと思い込んでいましたが、双子でないどころか、姉妹でもないようで・・・完全に騙されたぁ! そんなんで今回の姉妹のテーマに合っていないけど、ジャケット写真を撮って曲名を打ち込んでしまったので、 えーい面倒臭ぇ!そのままポン!と書いてしまえ!・・・こと、ドイツの女性2人組ライヒメタルの1stになります。 レーベルはエレクトロニカ〜ポスト・ロックで懐かしのドイツのカラオケ・カルク・・・ってドイツのレーベルのはずだけど ジャケ裏にはメイド・イン・フランスと印刷され、そして最近のLPではないのでダウンロード・コードは付いていません。 2人のヴォーカルはクセの無い中〜高音域で、ハモり部分は少なく、主旋律を一緒に歌うアイドル系(?)タイプで、 ハモる曲はB2、B4くらいですね。 上手いヴォーカルではないので、アマチュアっぽい感じもあります。 メインに使っている楽器がグロッケンシュピール、チューバ、トロンボーンで、あとキーボードなども入ります。 A1からダサい音色のエレクトリック・ドラムが入って、ダサっ! 狙ったのでしょうか・・・正直これはダサいですが 全編がグロッケンの美しく可愛らしい響きに覆われていて、可愛らしいA2などは本当に素敵な子守唄ポップス! ギターが入らないので、まったくロックっぽさは無く、フルートが入る最後のB6なんかも可愛らしい響きがあります。 ただドイツ語の響きはどうしても硬い印象があるので、可愛らしいけど硬い、という特殊な音になっていますよ。 まあ、これはエレクトロニカ系の音なので、昔のロックやポップスしか聴かないという、小汚くハゲ散らかしたオヤジは 聴く必要はないタイプのアルバムです。 なのでまだハゲ散らかしていない人はハゲ散らかす前に聴きましょう。 ちなみに小汚くハゲ散らかしたオヤジとは誰の事かというと・・・いや、違います!僕の事じゃないです!ホントに! |