「クリエイターズ・オブ・レイン」という曲が好きなのですが
この間やっと作者であるスモーキー&ヒズ・シスターのヴァージョンを聴いたのです。
これで スモーキー&ヒズ・シスター イアンとシルヴィア クロディーヌ・ロンジェ と
3組のヴァージョンが揃って これで「クリエイターズ・オブ・レイン」完全制覇でしょうか?
やったぜベイビー! 完全制覇だ! 嬉しいな! 嬉しいな!
いや 他にも演っている人がいるかも知れません。 積極的に調べはしませんが・・・


SmokeyAndHisSister.jpg
SMOKEY AND HIS SISTER 「SMOKEY AND HIS SISTER 」 (2007)
米 SUNDAZED SC 6248 (CD)
1 Losin'
2 Come And Be Mine
3 In A Dream Of Silent Seas
  (You Can Find Me)
4 A Simple Cameo
 5 Creators Of Rain
 6 Ever Losin' Lover
 7 Would You Come Home
 8 A Far Better Thing
 9 A Lot Of Lovin'
 10 Don't Sing To Me Of Pride
 11 Where There's Fire
 12 Please Stay Awhile
 13 A Far Better Thing
    (alternate version)

クリエイターズ・オブ・レインの作者スモーキー・ミムズは姉のヴィッキーと「スモーキー&ヒズ・シスター」として
1960年代に活動していました。 その当時オリジナル・アルバムは1枚しか出さなかったようですが
このCDはその1枚のアルバムでは無く シングル曲と未発表音源で構成された編集盤になります。
3 5 7 9 曲目がシングルで発表した曲でその他は未発表曲。 録音は1966〜1967年となっています。

1966〜1967年といえばフォーク・ロックの時代なのですが フォーク・ロックの「ロック」部分は薄いですね。
ロック度低い原因はエレキ・ギターがほとんど入らないからで 基本はアコギを弾いて2人がハーモニーで歌い
そこにストリングスやホーンなどが被さるサウンドになっていて 歌謡フォークしまくる内容になっていますよ。
4曲目なんてホント歌謡曲っぽくて 何だか日本の歌謡曲に同じような曲があったような無いような・・・

歌謡フォーク曲が並ぶ中でも5曲目の「クリエイターズ・オブ・レイン」は歌謡フォークとしては最高峰の部類で
8分の6拍子の美しいメロディーにストリングスがけっこう過剰に被さりドラマティックに盛り上げてくれます。
いやぁ ホント良いわぁ。 この曲 何だかヴォーカルの録音がもごもごとしていて逆にそこが又良いですね。 
そして11曲目も「クリエイターズ・オブ・レイン」にそっくりな8分の6拍子の曲で これが又素晴らしいんだ。

スモーキーの歌声は軟弱な少年が歌っているかのようで 強風にあおられ飛んで行ってしまいそうです。
ところがところが 風に飛ばされそうなこの歌声が思いがけず虚ろに響いて儚げな雰囲気がありますねぇ。
ヴィッキー姉さんはメインに歌う部分は少なめでコーラス中心にやっていて 軟弱な弟のスモーキーを
後ろから支えるかの如くの微笑ましさですが 実はヴィッキーの歌声も何だか虚ろで・・・凄いですねぇ。

他にも中々良い歌謡フォーク曲が満載だし 編集盤だけども1枚のアルバムとしてまとまりもあります。
ヴォーカルが虚ろなところはそっち方面で語ってみたくもなりますし・・・どっち方面? そっち方面ですよ!

しかしスモーキーの風貌はボブ・ディランっぽいですねぇ。 このジャケットをパッと見て若い時のディランか?
と一瞬思ってしまう率は80パーセントになります。 更にディランの作品だと思って間違って購入する率は
10パーセント程度はあるでしょう。 いやいや そんなおっちょこちょいな奴はめったにいませんが
それでも10パーセントくらいは間違って購入してしまい 聴いてはじめてディランじゃ無い事に気付く率が
ここでやっと100パーセントになります。 間違ってしまう原因はパーマネントなヘアースタイルですが
それにしてもスモーキーの頭はデカい! 縦への距離が長過ぎ! コーンヘッド級の縦の距離ですね。
 


TheBeginningOfTheEnd.jpg
IAN & SYLVIA 「THE BEGINNING OF THE END」 (1971)
独 BEAR FAMILY BCD 15940-AH (CD/1996)
1 More Often Than Not
2 Creators Of Rain
3 Summer Wages
4 Midnight
5 Barney
 6 Some Kind Of Fool
 7 Shark And The Cockroach
 8 Last Lonely Eagle
 9 Lincoln Freed Me
10 Needle Of Death
 11 Everybody Has To Say Goodbye
 12 Give It To The World
 13 Jordan Station
 14 Long Beach
 15 Love Is Strange

イアンとシルヴィアのこのアルバムは以前LPをレヴューしましたが 内容がまったく同じであっても
LPとCDはまったくの別物であるという僕が編み出した独自の法則に従って まったく別の作品ですよ!

特にこの作品はLPとCDだとアルバム・タイトルもジャケットも違っていて ボーナス曲も追加されているし
まったく別物とか言わなくてもまったくの別物ですね。 ・・・と 実はLPとは本当に別の作品だと思って
購入したのだけど 聴いたら1〜11曲目が以前書いた1971年のアルバム「Ian & Sylvia」の全曲で
うわぁ俺同じアルバム買ってしまった! くっそー騙された! 俺ってダメ人間! とガックリ人間です。

12〜15曲目はボーナス曲ですがどこにもボーナス曲の表記も無いし 何だろう? このアルバム? 
未発表音源集かな? と思って購入してしまったのです・・・ああ俺ってガックリ人間。 ただガックリしようが
どうしようがLPとCDはまったくの別物! そう思わないとやってられないのでそう思うようにしていますよっ!

2曲目に収録された「クリエイターズ・オブ・レイン」は彼らのヴァージョンを最初に聴いたので
イアンとシルヴィア・ヴァージョンが僕のスタンダードなのですが スモーキー&ヒズ・シスターを聴いたら
ストリングスの入り方や男女ヴォーカルの絡み方なんかもほぼ一緒で スモーキー&ヒズ・シスターの
ヴァージョンを忠実にコピーした感じだったのですね。 ただイアンとシルヴィアにはスティール・ギターが
加わっていて 忠実なコピーのようでやっぱり違う カントリー・ロック時代の音になっていますね。 

3曲目は「So Much For Dreaming」に入っていた曲のカントリー・ロック・ヴァージョンによる再演になります。
5曲目の「バーネイ」はイアン・タイソンの馬の名前だそうで 彼は本物のカウボーイですからねぇ。
・・・とオリジナル曲の他 デヴィッド・ウィフェンの1曲目やニュー・ライダーズ・オブ・ザ・パープル・セイジの
8曲目とかのカバーも劇的に良く シルヴィアがソロで歌うバート・ヤンシュの10曲目なんてのも入っています。 

全体的にゆったりとしたカントリー・ロック・サウンドながら素敵なメロディーのあるポップ度高い曲の連発で
そこにイアン・タイソンのバリトン・ヴォイス乗っかったら まあ心地良いったらありゃしない傑作ですね。
ボーナス曲の4曲も本編と連続して聴いてもまったく違和感が無く 最後まで心地良く聴けますね。

このCDのオリジナルであるLP「Ian & Sylvia」(1971)を書いたページ→第1号
「Play One More」(1966)→第49号 「So Much For Dreaming」(1966)→第130号
「You Were On My Mind」(1972)をちょっと語った文章→2003年12月23日更新の表紙
 


TheLookOfLove.jpg
CLAUDINE LONGET 「THE LOOK OF LOVE」 (1967)
日 ユニバーサル・ミュージック UICY-3285 (CD/2002)
1 The Look Of Love
2 Man In A Raincoat
3 Think Of Rain
4 How Insensitive
5 Manha De Carnaval
  6 I Love How You Love Me
  7 Creators Of Rain
  8 When I'm Sixty-Four

  9 Good Day Sunshine
 10 The End Of The World

こちらはたどたどしい英語で歌うビューティフルなフランス人 クロディーヌ・ロンジェの2ndアルバムです。
いやぁ 彼女のロリータでウイスパーなヴォーカルが凄くて 興奮度100パーセント! もちろん鼻血ブー!
特に7曲目「クリエイターズ・オブ・レイン」に関しては鼻血噴出最高潮! もう止まりません止められません!

鼻血噴出最高潮のクロディーヌの「クリエイターズ・オブ・レイン」はやっぱりそう来るか?それしか無いのか?
といった感じの歌謡フォーク・サウンドですが これが彼女のヴォーカル・スタイルにとっても合っています。
・・・と サウンドにビミョーな違いはあっても 結局今回登場した3組とも歌謡フォークな音でしたが
特に最も愛らしく響くクロディーヌ・ヴァージョンなどは きっかけがあれば大ブレイクしてもおかしくないです。

で これ歌詞対訳付きの日本盤なので「クリエイターズ・オブ・レイン」がどんな歌だかやっとわかりましたよ。
地のクリエイターが雨を創りだした・・・雨のクリエイターがあなたを創りだした・・・とか何とか歌っていて
中々詩的な歌詞でラブ・ソングでもあるけど「地のクリエイター」とかのフレーズは宗教的な感じもしますね。

ところで この作品は彼女の8枚のアルバム中 最も地味でつまらない部類のアルバムでもありますよ。
いやいや興奮せずにはいられないヴォーカルに大興奮なので つまらないなんて事は無いですけどね。
でも他のアルバムと比べると選曲がちょっと弱いんだよなぁ。  ビートルズのカバー 8 9 曲目なんかも
ビートルズを2曲続けるにあたって何でこの2曲なのさ?といった印象で地味に流れて行ってしまいます。

ちなみに僕のクロディーヌ・ロンジェの第1位はフォーク色が強い「カラーズ」というアルバムなのですが
まあ彼女の作品はどれも 緻密なアレンジで落ち着いたムードがあるというA&Mポップスの王道なので
作品毎にガラリと音が違うという事は無いし安心して聴ける安心商法でもありますね。

そんな安心商法なので8枚のアルバム全部揃えても損は無いし 最もつまらないと言ってしまった本作も
ホントに鼻血噴出最高潮で即死級の「クリエイターズ・オブ・レイン」が聴けるので 聴いて即死して下さい。
というか「クリエイターズ・オブ・レイン」自体が即死級の名曲なのでスモーキー&ヒズ・シスターも
イアンとシルヴィアも聴いて完全制覇しましょう。 制覇したらきっとびっくりする程嬉しいはずです・・・たぶん。
 

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