とどまる事を知らないレア音源の発掘。
レア音源っていうのは いってみればボツ音源なので
あまり内容に期待してはいけません。
ジミ・ヘンドリックスやT. REXみたいに
かなり無理のある内容のレア音源レコードも多数あるわけですから。
しかし僕はレア音源盤ををありがたやーと拝みながらせっせと購入。
レコード会社の陰謀だろうが何だろうが聴きたいもんは聴きたいんだよー。



SPIROGYRA 「BURN THE BRIDGES the demo tapes 1970-1971」 (2000)
独 REPERTOIRE REP 4846 (CD)
  

  1 Turn Again Lane
  2 Bring Me Back
  3 She's The One
  4 Nothing To Hide
  5 Where There's A Will
    There's A Way
  6 I Gotta Woman
  7 Counting The Cars
  8 We're Going Over
  9 Mackerels And Fishes
 10 Defender Of The Faith
 11 Hey Lady
 12 Sing It Simple
 13 The Forest Of Dean
 14 A Northern Lament
 15 Jerusalem
 16 I Hear You're Going
    Somewhere (Joe Really)
 17 Burn The Bridges
   
   遂に出ました 英国3大フィメール入りプログレ・フォークの一角
   スパイロジャイラのデモ音源です。
   
   天使のように美しいバーバラ・ガスキンの繊細な歌声。
   さかりのついた蛙みたいな声のマーティン・コッカーハム。
   ガチャガチャ鳴らされるアコギとジプシー風バイオリン。
   ちょっと耳障りなベース・ギターと たまーにピアノが登場。
   曲調は相変わらず演劇的で演出過剰な曲が多いですが
   デモ・テープとはいえ ほとんど完成品になっていて
   そのまま1stアルバムに入っていても
   おかしくないような曲ばかり並んでいます。
   
   美しい声の女性ヴォーカルがいながら蛙声が多くを歌い
   バーバラの歌声がたまに登場した時
   うおぉーたまらねー と思わせるパターンは確信犯的です。
   今となっては この蛙声も好きになりましたけどね。
   というか蛙声を聴くためにスパイロジャイラのCDをかけています。
   もう末期症状ギリギリの所まで来ています。
   マーティンが裏声で歌ってみせる6なんか泣きながら聴いてます。
   
   ドラムスやフルートも入った16は1973年のシングルの曲。
   数曲には新たにヴォーカルをオーバーダブしてあります。
   このCDは韓国Si−Wan盤もあり そちらは紙ジャケ仕様です。
   ディープなマニアはそっちも購入しないといけません。



TUDOR LODGE 「IT ALL COMES BACK」 (1998)
米 SCENCESCOF SCOFCD 1005 (CD)
 

  1 Morocco
  2 It's Going To Take
    Some Time
  3 Look At Me
  4 It All Comes Back To Me
  5 Home To Stay
  6 Golden Thread
  7 Ain't Always Easy
  8 Sparkie In Your Eye
  9 It's Cold Outside
 10 One More Drink
 11 Sundown Waker
 12 We Are Today
 13 Kew Gardens
 14 The Good Times We Had
  
  その3大フィメール入りプログレ・フォークの残りの2バンド
  チューダー・ロッジとメロウ・キャンドルにも
  レア音源アルバムがあります。
  僕はその3バンドの中では一番聴きやすいと思われる
  チューダー・ロッジが最も好きなのです。
  
  1曲目から驚きのリンダ・トンプソンをヴォーカルに迎え
  悲しげなメロディーが泣かせるどフォークの名曲だぁ。
  この1970年代初期のリンダ参加の音源は1〜3。
  
  6〜9 12は女性ヴォーカルは入っていません。
  ジャケット写真左側のひげめがねオヤジの
  1970年代のソロ・セッションでロックっぽい音ですね。
  
  4 5 10 は1990年代のアウトテイクで
  女性ヴォーカルはリン・ホワイトランドおばさんで のどかなフォーク。
  
  やはり注目はヴォーカルにアン・スチュワート様が登場の
  11 13 14ですね。
  11は1981年のライブ。 13は1970年のライブ。
  そして14は1971年のシングルのB面。
  ジャケットの真ん中にアン様を登場させてしまったので
  僕みたいな アンさまぁー キミにメロメロだよーという人を
  納得させるために 無理矢理押し込んだような感じでもあります。
  そんなんでファンは納得するのでしょうか。
  僕は何の疑問もなくただ納得。 ありがたやー ありがたやー。



DULCIMER 「ROOM FOR THOUGHT」 (1992)
英 BACKGROUND HBG 122/6 (CD)
 

 
  1 To Need Her
  2 Statues In Maryland
  3 Mr. Rip Van Winkle
  4 The Planters Cottage
  5 Running On Down The Road
  6 Empty Hallways
  7 Grey Lady Morning
  8 Missing In The Head
  9 Mr. Time
 10 Sandalwood Sailors
 11 Scarlet Lady
 12 But Maybe Not

  
  ダルシマーは1971年にアルバム1枚を残して消えた
  男3人のフォーク・グループです。
  このアルバムは2nd用に制作されたけどボツになったアルバム。
  なのかな? 録音は同じく1971年って書いてありますね。
  
  ヴォーカルは甘ったるい感じで
  バックもシンプルなのどかなフォークです。
  時折登場するグロッケンスペルやホイッスルの音色が
  うつろな英国フォークだと言ってしまえばそうだけど
  実態は大して特徴のない地味なフォークです。
  しかし12あたりはジャケットの妖精たちの戯れそのままに
  幻想的な英国の森に迷い込んだような名曲です。
  まあお昼寝のBGMにはもってこいの音ですね。
  
  彼らは1990年代に復活してアルバムも3枚出しています。
  こちらも相変わらずのお昼寝フォークになっています。
  
  レア音源を発表する場合は このダルシマーのように
  アルバム1枚まるまるレア音源にしてもらいたいものですね。
  オリジナル・アルバムにボーナストラックを付けるっていう
  よくあるパターンはもうやめて欲しいです。
  LPを持っているアルバムがCDでボーナス・トラック付きで出ると
  購入すべきかどうか迷ってしまいます。
  音楽ソフトを売らんがためのこの戦略には
  もう勘弁してくれーっていう感じです。
  ・・・騙されて購入してしまったアイテムもかなりあるのです。



RICHARD THOMPSON
「GUITAR, VOCAL a collection of unreleased and rare material 1967-1976
」 (1976)
米 HANNIBAL HNCD 4413 (CD)
 

  1 Time Will Show The Wiser
  2 Throwaway Street Puzzle
  3 Mr. Lacey
  4 The Ballad Of Easy Rider
  5 Poor Will And
    The Jolly Hangman
  6 Sweet Little Rock 'N' Roller
  7 A Heart Needs A Home
  8 The Dark End Of The Street
  9 It'll Be Me
 10 Flee As A Bird
 11 Night Comes In
 12 The Pitfall / The Excursion
 13 Calvary Cross
  
  レア音源発掘はCD時代になってから始まった事ではなく
  この1976年のリチャード・トンプソンのアルバムなんかは
  ホントに素晴らしい内容です。
  LP時代は2枚組で 実は彼のオリジナル・アルバムよりも
  聴く頻度は高かったりもします。
  こーゆーいいアルバムがあるからやめられないのです。
  
  1〜6はフェアポート・コンベンション時代のレア音源で
  バーズのカバー曲4なんかはトラッド曲にはまる前の
  フェアポートのすべてが詰まったような名演です。
  無常感漂うサンディ・デニーのヴォーカルに
  曇り空を鋭く切り裂くが如きのリチャードのエレキ・ギター。
  バーズのバージョンもかなり良いのですが
  これはバーズのオリジナルを超えています。
  
  7以降がソロ〜リチャード&リンダ・トンプソン時代の曲。
  リンダの歌声も良いのだけど 歴代のリチャードの楽曲を彩った
  女性ヴォーカリスト・・・ジュディ・ダイブル〜サンディ・デニーと
  こうやって一緒に並べられると見劣りがしてしまいます。
  
  このアルバムは ほぼ録音年代順に曲が並んでいます。
  ドタバタ・ロックン・ロールの1や2から
  人生は修行だと言わんばかりの仙人サウンドの
  11や13といった10分を超える曲まで
  サウンドが変わっても根底に流れる実に英国的な空気感は不変で
  統一感のあるアルバムになっています。
  
  ジャケットの百面相は現在の彼の姿からは想像できない
  長髪でポーズを決めており 可愛らしい顔が女の子みたいです。
  今や彼は気のいいハゲオヤジじゃないですか。 
  数年であっという間にハゲていきましたね。
  しかしハゲてから風格みたいなのが出てきました。
  僕も無理して早くハゲないといけないですね。
  


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