マーマレードの1977年作「The Only Light On My Horizon Now」がCD化されたので
購入して聴いてみたら想像していた通りのポップ・ロックな音で凄く良くかったのです。
いやぁポップ・ロックも良いね! でもポップ・ロックってどんなんだ?と思い
そのテのサウンドのアルバムを並べてみたら なんと! 全部スコットランドのバンドでした。
そう 今ここにスコティッシュ・ポップ・ロックが大集合して大会を開催だぁ!
・・・と 4枚しか並んでいないので大会を開催する程並べられていないですけどね。 


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MARMALADE 「THE ONLY LIGHT ON MY HORIZON NOW」 (1977)
英 7T's GLAM CD 101 (CD/2010)
1 The Only Light On My Horizon Now
2 You Steal The Limelight
3 Living To Feel The Magic
4 Walking A Tightrope
5 Louisiana
6 So Sad

7 Hello Baby
8 What You Need Is A Miracle
  9 The Rusty Hands Of Time
 10 It's Hard To Understand
 11 Rollin' On
 12 Falling Apart At The Seams
 bonus tracks
 13 Fly Fly Fly
 14 My Everything
 15 Sentimental Value
 16 Mystery Has Gone
 17 Wasting My Time
 18 Talking In Your Sleep
 19 Make It Really Easy
 20 Hot And Cold All Over
 21 The Blind Man

1960年代から活動するスコティッシュ・バンドのマーマレードですが1977年の作品ともなると
度重なるメンバー・チェンジにより結成当初とはもう別のバンド状態で スコティッシュ・バンドとしての
色合いは薄れてしまい・・・というか 元々スコティッシュ色はそんなに無いバンドですけどね。

ただメンバーが変わってもこのポップ・ロック・サウンドは聴いていてマーマレードの音だなぁと感じます。
もちろん時代時代で音は少々違い 1970年代後半の本作はほんのりとAOR風味が香ります。
また英国ソフト・ロック方面で有名なトニー・マコウレイが何曲か楽曲提供&プロデュースもしていて
トニー・マコウレイが絡んでいるとなれば そりゃー一級品のポップ・ロックに仕上がっているのは当然!
全曲一緒に歌いたくなるようなキャッチーなメロディーの連発で相当素晴らしい作品になっていますよ。

で 本作のポップ・ロックってどんなんだ?というと ダン池田の楽団と一緒にロック・バンドが
演奏しているような感じで ストリングスや管楽器などなど多彩な楽器がバックで活躍しています。
またぶ厚いハーモニー・コーラスも印象的ですね。 AOR風味の他に土臭いフォーク・ロック曲もあって
土臭方面だとホリーズっぽい5曲目が凄く良くて・・・アルバムだと「ディスタント・ライト」「ロマニー」期の
少々土臭いルーツ・ロックをやっていた1970年代前半のホリーズ似のサウンドになっています。

ボーナス曲はダン池田の楽団が入らずロック基本楽器のみで演奏するタイプの曲が多いですね。
このボーナス部分はシングルB面曲が中心で A面曲に比べゴージャス感不足ですが ポップ・ロックの
「ロック」部分を感じられ マーマレードはバンドである事を認識できるナイス・ボーナス収録ですよ。

なおこのチェリー・レッド傘下の7T’sというレーベル。 その名の通り1970年代の作品を中心に
CD化しているようです。 ブックレットにはカタログが載っていてベイ・シティ・ローラーズやノーランズ
グリッター・バンドだとか・・・ヒット・チャートを賑わした王道ポップス〜ロックがラインナップされています。
そしてグラム・ロックじゃなくてもカタログ・ナンバーは全部「GLAM CD」とついていて面白いですねぇ。
 


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BLUE 「ANOTHER NIGHT TIME FLIGHT」 (1977)
英 ROCKET ROLL 7 (LP)
A1 Another Night Time Flight
 2 Fantasy
 3 Women
 4 The Shpherd
 5 Strange Thing
 B1 Bring Back The Love
  2 I'm Alone
  3 Tired Of Loving You
  4 Capture Your Heart
  5 I Understand

ブルーはマーマレードに一時期在籍し中心人物として活動したヒュー・ニコルソンが結成したバンドです。
これはブルーの3rdですが前項のマーマレードと同じ1977年作品でAOR風味が漂うポップ・ロックですねぇ。
しっかりとしたハーモニー・コーラスも入るし じゃあマーマレードと同じようなサウンドか?というとこれが違って
ダン池田の楽団が入らないシンプルなサウンドになっています。 そしてシティー・ポップ風味なんだなぁ。 

ヒュー・ニコルソン時代のマーマレードにはポップ・ロックな曲もありましたが 得意としていたのは大らかな
ルーツ・ロック・サウンドでブリンズリー・シュワーツなんかと並べて語っても違和感の無い音になっていました。
ブルーというバンドでもその傾向は引きずっていて そしてどことなくスコティッシュ色も感じられますねぇ。

最も以前の大らかなルーツ・ロックを引きずった曲はハーモニカがのどかに響くカントリー風味のA3で
そよ風のような心地良さがありますね。 でもこれヒュー・ニコルソンではなくイアン・マクミラン作なのでした。
そして切ないバラードB3〜軽やかなおしゃれフォーク・ロックのB4〜ジョージ・ハリスンを思わせるような
ギターが入ってじわじわと盛り上がるミディアム・テンポのB5 というB面後半の流れがまた良いですねぇ。

聴いていると全体的にキーボードが多く入っていて それがAOR〜シティー・ポップ風味の原因でしょうか。
このキーボードの多用はプロデュースがピアノ系シンガー・ソングライターのエルトン・ジョンだという事も
影響しているのかなぁ。 ・・・そんな事無いか。 1970年代後半はみんなこんな音になっていたもんね。
 


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PILOT 「SECOND FLIGHT」 (1975)
英 EMI EMC 3075 (LP)
A1 You're My No.1
 2 Love Is
 3 Call Me Round
 4 55°North 3°West
 5 To You Alone
 6 Do Me Good
 B1 Heard It All Before
  2 Bad To Me
  3 You're Devotion
  4 January
  5 Passion Piece
  6 Dear Artist

バカみたいにポップなパイロット。 胸キュンポップですねぇ。 いや胸キュンとかいう単語を使ってしまうのは
本当に恥ずかしくて最低・最悪ですが 胸キュンを使わずにはいられない程胸キュンなんだなぁ これが。
本作は彼らの最大のヒット曲B4も絶賛収録中の2ndアルバムで ホント バカみたいにポップで絶好調!

1曲目から彼らの得意技のハンドクラップが入って もちろん曲に合わせて一緒に叩かずにはいられませんし
インストのA4はエレ・ポップのさきがけのような響きで ダサいキーボードの音色は時代を感じさせますが
ダサいが故に愛しくてもうたまらなく好きですね。 ボサノバ風味の小粋なA5のような小品もとても良いですよ。

B1もハンドクラップがタン!タン!で 間奏のキーボードのダサい音色には思わず笑顔になってしまう名曲。
大ヒット曲のB4はハンドクラップが入るのは当たり前で 激しく入り過ぎ! やり過ぎ! つまり最高だぁ!
スタイリッシュおもちゃ箱ポップスとでも呼びたくなるようなB5はスタックリッジを思わせる響きがあって面白いし
ミディアム・テンポでしっとりと聴かせる最後のB6まで 全編に渡りこれぞスコティッシュ・ポップ・ロック!な
人懐っこい素敵なメロディーがちょっとバカっぽいアレンジと共に迫るポップ・ロックの傑作アルバムですね。

で パイロットには初期のベイ・シティ・ローラーズに在籍していたメンバーがいるのですが
結果的にベイ・シティ・ローラーズもパイロットもヒット曲を連発するようなバンドになれてお互い良かったよね。
両バンドとも最も活躍していたのがこの1975年あたりで 両バンドとも1980年代に向けて失速してしまいます。
成功したおかげでメンバー間のトラブルなどもあったようで・・・バンド活動って難しいですよねぇ。

バンド活動の難しさは音楽性の違いというよりも 結局人間関係なのですよね。 皆さん年齢を重ねて
丸くなってから再結成とかしてますからねぇ。 パイロットも再結成して来日公演もしちゃいましたね。
前項のマーマレードとブルーも再結成していて・・・というかバンド名だけ使ってノスタルジー業界で
一儲けしているのでしょうか? よくわかりませんがとにかく近年も活動しているようです。
 


ByRequest.jpg
BAY CITY ROLLERS 「BY REQUEST」 (1992)
日 ビクター BVCA-151 (CD)
1 Keep On Dancing
2 Shang-A-Lang
3 Bye Bye Baby
4 Saturday Night
5 Wouldn't You Like It
6 Give A LIttle Love
7 Money Honey

8 Rock'N'Roll Love Letter
  9 I Only Want To Be With You
 10 Rock'n Roller
 11 Yesterday's Hero
 12 Dedication
 13 You're A Woman
 14 My Lisa
 15 It's A Game
 16 You Made Me Believe In Magic
 17 Don't Let The Music Die
 18 The Way I Feel Tonight
 19 Where Will I Be Now
 20 Another Rainy Day In New York City
 21 Saturday Night (vocal by Nobby Clark)
 22 
Dedication (vocal by Leslie McKeown)

さて そしてベイ・シティ・ローラーズですが このベスト盤は「JTイエーイエー」というFM番組が絡んでいて
裏ジャケにJTと東京FMのロゴが印刷されています。 こういう日本編集のベスト盤などはこだわりを持った
音楽マニアは所有してはいけないタイプの1枚でしょうかね。 当然僕もこだわりのある音楽マニアなので
できれば所有したくない1枚ですが 平気で所有していまーす。 むしろ積極的に所有していまーす。

彼らはタータン・チェックの衣装でスコティッシュ・バンドである事を前面に押し出していますねぇ。
おかげで今回登場したバンドの中でも最もスコットランド色が強いですよ。 まあ衣装だけですけど。
肝心のサウンドは ダン池田の楽団も入るし ビーチ・ボーイズばりのハーモニーで迫ったりもするけど 
ロック基本楽器によるシンプルなバンド・サウンドが根底にあり ロケンロールとロッカバラードをポップに
演奏しているだけとも言え 何かそこら辺にいそうな どうって事無いバンドな感じもありますね。

そんなどうって事無いバンドが人気が大爆発して ビートルズの再来とまで言わていた訳ですが
どうしてそれ程までの大人気バンドになったか・・・もちろん売り方やルックスが良かったというのもあるけど
それ以上に純粋に曲が良く ポップで覚えやすく一緒に歌いたくなるタイプの曲の連発!連発!ですよ。

4曲目と21曲目に2バージョン収録された「サタデイ・ナイト」などは全員知っている大ヒット曲なので
聴いている事自体恥ずかしいけれど やはり彼らを象徴するような楽しいポップ・ロックの名曲ですねぇ。
「サタデイ・ナイト」以外もヒット曲満載なので 聴いたら この曲もその曲も知ってる・・・となりそうですね。

8曲目は「ロックン・ロール・ラブレター」 10曲目は「ロックン・ローラー」で タイトルにロックン・ロールと
入る事自体何だかなぁ的です。 また全曲の歌詞をまとめると「朝までロケンロールでダンスさベイビー」
なのでどうでもいいような曲ばっかりとも言えますよ。 そんな「何だかなぁ」と「どうでもいいような曲」と
感じる部分こそがポップ・ロックの王道なのでしょうね。 深く考えず楽しんで聴くのが一番さベイビー!

マーマレード パイロット ローラーズを書いた イカしたページはズバリ! これだ!・・・第19号
そして更にこれらもあるぞ!  Blue 「Blue」・・・第71号 Pilot 「Two's A Crowd」・・・第126号
The Marmalade 「Rainbow-The Decca Years」・・・第149号 
 

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