2010年3月・・・働けど働けど我が暮らし楽にならず じっとレコード棚 ・CD棚を見る。
深刻な資金不足により 購入しようと思っていた作品がまだ棚に収まっていない事に気付く。
購入を先送り先送りにしていて その内手遅れになったら大変だ! これは急がないと!
そこで格安販売で何かと話題のCDWOW!のサイトで購入予定作品をチェックしてみる。
これは確かに安い・・・ただその「何かと話題」とはちゃんと届くかどうか怪しいだとか
アメリカ盤を買ったつもりがアジア盤が届いてウギャー!だとか そんな負の話題ですが
それもまた面白いじゃないですか。 ん? そんなの面白いか? 俺 頭大丈夫?
いやいや この深刻な資金不足の中 CDWOW!の価格の魅力に負けて
何がどこから届くかわからないスリルが楽しいんだと自分に言い聞かせて購入してみました。
まあ そんな何かと話題のCDWOW!なので 今後も利用するかどうかわかりませんけどね。


ARareConundrum.jpg
BERT JANSCH
「A RARE CONUNDRUM」 (1977)

欧 VIRGIN 5099996486528 (CD/2009)
 
1 Daybreak
2 One To A Hundred
3 Pretty Saro
4 Doctor, Doctor
5 3 A.M.
6 The Curragh Of Kildare
7 Instrumentally Irish (Per's Hose Pipe)
  8 St. Fiacre
  9 If You See My Love
 10 Looking For A Home
 11 Poor Mouth
 12 Cat And Mouse
 13 Three Chord Trick
 14 Lost Love
 bonus tracks
 15 Three Dreamers
 16 Dragonfly
 17 Candyman

2009年 バート・ヤンシュの未CD化だったカリスマ・レーベル時代の3作品がやっとCD化されたのですが
3作品中これだけ未購入だったので注文。 150円引きセールにて1350円ポッキリでドイツから到着です。
そうなんです。 これを注文した時はちょうど150円引きセールをやっていました。 どうやらCDWOW!は
色々なセールを頻繁にやっていて 深刻な資金不足に振り回されている僕などはその時を狙って購入です。

で これはCD化された3作品の内 最も従来のバート・ヤンシュらしい音で安心して聴ける作品でした。
ヤンシュらしい音といっても米国録音の「LA・ターンアラウンド」と「サンタ・バーバラ・ハネムーン」からの
流れも引きずっていて・・・いや 全然アメリカンなサウンドじゃ無いけど 何を引きずっているかというと
いかにも英国フォークなマイナー調の楽曲が多かった1960年代〜70年代前半の作品と比べると
暗い表情の曲がほとんど無くて そこら辺に米国録音の前作・前々作からの流れを感じるのです。

バックはロッド・クレメンツやマイク・ピゴットやラルフ・マクテルなど英国軍団でロンドン録音になっています。
ヤンシュのギター&ロッド・クレメンツのベースやギターを基本に ドラムスやバイオリンなどが入る曲もあり
どの曲も小人数でのシンプルな演奏です。 マイク・ピゴットのバイオリンが入る1曲目から凄く良くて
全体的にもマイク・ピゴットのバイオリンが入る曲がとても印象的です。 彼のバイオリンはトラッド風味でも
カントリー風味でも無く「フィドル」というより「バイオリン」ですね・・・でもクラッシック風でも無いんだこれが。

ジャケットがギターを弾く絵だけど それ程ギター中心に聴かせるアルバムには聴こえません。
・・・と じっくりギターの音に耳を傾けて聴くと やはりあらぬフレーズをあらぬ譜割りで弾いていますよ。
4曲目はバンジョーによる弾き語りですが バンジョーでもギターと一緒の感覚で演奏しているかのようで
あらぬフレーズをあらぬ譜割りで弾いてしまっています。 なおこの4曲目だけパリ録音になっていますね。

可愛らしいインストの7曲目や ラルフ・マクテルのハーモニカ入りで郷愁を感じる 10 11曲目も良くて
数多いバート・ヤンシュのアルバムの中でも目立たない方なんだろうけど 僕の耳には彼の作品の中でも
かなり上位に来る作品ですね。 のどかなフォークの15曲目やレゲエの17曲目といったボーナス曲も良い!

バート・ヤンシュの作品を書いたページ
「Heartbreak」・・・第14号 2000/5/20 ペンタングルのしごきサウンドに君は耐えられるか
「Moonshine」・・・第112号 2006/3/23 メアリ・ホプキン様を無理して探せ!
「The Black Swan」・・・第141号 2008/7/6 お待たせしました 2006年ベスト10!
「L.A. Turnaround」をちょっと語った文章・・・2009年10月18日更新の表紙
 


EveryTimeYouMove.jpg
HUNTER MUSKETT
「EVERY TIME YOU MOVE」 (1970)

英 CHERRY TREE CRTREE001 (CD/2009)
 
1 Every Time You Move
2 Hey Little Girl
3 Midsummer Night's Dream
4 Press Gang
 5 Storm On The Shore
 6 Castle
 7 I Have A House
 8 Inside Mine
  9 The Wait
 10 Carboard Man
 11 Davy Lowston
 12 Snow

今回CDWOW!で購入した中でも最も手遅れになったらどうしようと焦っていた作品がこの英国フォークの
ハンター・マスケットの1stです。 150円引きセールで1400円ポッキリでスイスから到着しました。
前項のバート・ヤンシュと共に注文したのですが 両作ともちゃんとした欧州盤が無事到着したので
CDWOW!大丈夫だな・・・って事でこの後 買い逃していた作品を続々と注文するハメになりました。

このアルバムは数年前にロシア盤でCDとLPが再発されたけど 何かタイミングが悪くて購入しませんでした。
更にこの英チェリー・レッド傘下のチェリー・ツリー盤も 何かタイミングが悪くて購入できていなかったのです。
そしてやっと入手できたハンター・マスケット! やった!・・・と 実は音源自体はある方からいただいていて
聴けてはいたので「タイミングが悪くて未購入」だったのではなく割と高額だったので未購入だったのです。

ジャケットの絵の如く アコギの演奏にハーモニー・コーラスが乗っかるというのが基本路線になっていて
ダブル・ベースが入ったりストリングスが入ります。 ドラムス入りの曲もあるけどアルバムの印象はフォークで
ブンブン唸るダブル・ベースは やっぱりアンタなのね!ことペンタングルのダニー・トンプソンですよ。

鮮やかにストリングスが入る1曲目は室内楽風フォークの名曲! いや 聴いていると室内楽というより
屋外の風景が思い浮かびますねぇ。 桜が咲く土手の道を 今卒業式を終えたばかりの生徒達が向こうから
にこやかに歩いてくる・・・卒業の寂しさよりも旅立ちの歓びを称えた春の風景が思い浮かぶ曲です。

この1曲目の印象が非常に強いのか 前半は春をイメージさせる楽曲が多くて爽やかさも感じますね。
後半は秋を連想させる曲が多くなり 秋枯れフォークのウォーター・イントゥ・ワイン・バンドとイメージが重なり
素晴らしいですが 春とか秋とか あくまで僕のイカレた頭の中で解釈しているイメージですからね!

多用されるストリングスは耳障りに感じる人もいそうですが このストリングスこそが僕に様々な風景を
想起させてくれる重要な要素になっています。 音楽を聴いて風景が思い浮かぶというのは僕にとっては
文句なしに名盤・名曲であり つまりこのハンター・マスケットも文句なしに名盤だという事なのです。

ドラムスが入る切ないメロディーを持った大らかなフォーク・ロックの4曲目などは2ndの路線ですね。
2ndも凄く良いのだけど 今のところヒューゴ・モンテス社の怪しいCDしか存在しないのでしょうか?

2nd「Hunter Muskett」・・・第94号 2004/12/31 英国フォーク再発業界は怪しげ盤の宝庫だ
 


Arrow.jpg
CLARE AND THE REASONS
「ARROW」 (2009)

米 FROG STAND FSR 004 (CD)
 
1 All The Wine
2 Ooh You Hurt Me So
3 Our Team Is Grand
4 You Got Time
5 That's All
 6 Mellifera
 7 You Getting Me
 8 Kyoto Nights
 9 This Is The Story
 10 Perdue A Paris
 11 Photograph
 12 Murder, They Want Murder
 13 Wake Up (You Sleepy Head)

CDWOW!の恐るべきは配送料が完全無料なのですよ。 アマゾンは1500円以上 HMVは2500円以上で
配送料が無料になるので その金額に達しない時は何かもう1枚注文して配送料無料にするのが世の常です。
CDWOW!にはそんな世の常は存在せず 500円のCD1枚でも配送料無料という恐るべきワールドなのです。

そして 同時に何枚注文しようが1枚ずつ郵便扱いで送られて来ます。 この1枚ずつ郵便扱いというのが
配送料無料の秘密でしょうか。 米国のバンド クレア&ザ・リーズンズの2ndもドイツからの郵便で郵便受けに
放り込まれていて開梱すると僕の嫌いなデジパックでした。 150円引きセールで1400円ポッキリで入手です。

クレア&ザ・リーズンズはバンド・メンバーにストリングス隊がいるという特殊編成で 1stの「ザ・ムービー」は
アルバム・タイトルが物語るように まるで古い映画音楽かのような室内楽サウンドにクレア・マルダー・マンションの
愛らしいロリータ・ヴォーカルが乗っかるというものでした。 この2ndも前作を踏襲していますがエレクトロニカ的な
サウンドを取り入れた曲もあるし 1stではまったく印象に無かったエレキ・ギターの音も耳に入ってきて
1stより少しだけロックっぽく響きます。 ・・・と ほんのちょっとだけね。 実際全然ロックでは無いですからね。

最も耳に残る曲はジェネシスのヒット曲のカバー5曲目で これは元曲を知っているから耳に残るのかなぁ。
いや このカバーはドラムレスでストリングス隊とホーン隊で聴かせてくれて クレア&ザ・リーズンズといえば
このサウンドだ!と言える特徴的なサウンドだから最も耳に残るのでしょうね。 しかしカバー曲が一番印象に
残るなんてもったいないですねぇ。 残りのオリジナル曲12曲もそれぞれとても良いのだけれど・・・。 

これで耳に残る印象的な曲がずらりと並んだら大変な事です。 世界的大ブレイクしてもおかしくありません。
クレア・マルダー・マンションの愛らしいロリータ・ヴォーカルがヒジョーに魅力的なのでその可能性はあります。
とりあえずこの2ndが大騒ぎされている様子は無いので 次の3rdが大騒ぎされるような作品になる事を期待して
「アハハハッハー」のサビが素敵な6曲目や 京都での思い出な8曲目なんかをじっくりと噛み締めて聴きますか。

なおクレアさんはクレア&ザ・リーズンズ以前にクレア・マルダー名義でソロ・アルバムも2枚出していますよ!
 


ThroughTheDevilSoftly.jpg
HOPE SANDOVAL & THE WARM INVENTIONS
「THROUGH THE DEVIL SOFTLY」 (2009)

米 NETTWERK 0 6700 30848 2 6 (CD)

 
1 Blanchard
2 Wild Roses
3 For The Rest Of Your Life
4 Lady Jessica And Sam
 5 Sets The Blaze
 6 Thinking Like That

 7 There's A Willow
 8 Trouble
  9 Fall Aside
 10 Blue Bird
 11 Satellite

ホープ・サンドヴァル&ワーム・インヴェンションズ 2001年の1st以来 実に8年ぶりの2ndもやっと入手。
150円引きセールで1300円でドイツから到着しました。 梱包を開けたら げげっ またデジパックだぜ!
これは米国のマジー・スターというバンドのヴォーカルだったホープ・サンドヴァル姐さんと アイルランドの
マイ・ブラディ・ヴァレンタインとうバンドのドラムの人が中心メンバーでやっているグループ(なのかな?)です。

前項のクレア・マルダー・マンション同様 ホープ・サンドヴァルの武器はロリータ・ヴォイスなのですが
ホープ姐さんの歌声は気だるく虚ろです。 アップテンポの曲はいっさい無く 隙間のある音が夜をイメージさせ
じわりとサイケデリックな空間へ導くという曲が並び マジー・スター時代からこの志向は一貫していますね。
呪い系の妖しげなベースのフレーズが繰り返される3曲目が特にじわりとサイケデリックな空間へ導いてくれます。

またマジー・スターの代表曲である「Fade Into You」はじめ8分の6拍子の曲が多いのも特徴的ですよ。
ん? ホープ姐さん 8分の6拍子の曲って本当に多いのか? そんな気がするだけかも知れないけれど
本作で僕が最も好きな 夜の闇に溶け込んで自分自身が夜になってしまうような10曲目も8分の6拍子ですよ。

アコースティックな響きの曲も多いし フリーク・フォーク〜フリー・フォークとして語れる音でもありますね。
しかし彼女のアルバムのリリースが無かった2002〜2008年の間に フリー・フォークという単語と共に
このようなサウンドは多く消費されてしまい ずーっと前からこの音を出していた彼女の歴史を知らずに聴いたら
またこのテの音かよ・・・てな事になりかねません。 なのでフリー・フォークで語ってはいけませんよ!

さて 2001年以来の作品でずいぶんと長い事待たされた・・・と言いたいけれど実は僕は待ってませんでした。
あまりにも美しい傑作「ババリアン・フルーツ・ブレッド」を最後にこのまま音楽業界から消えてくれて
伝説になったらいいじゃないと思っていましたからねぇ。 ホープ姐さん・・・伝説になり損ねましたね。

いや 今のインターネット時代 凄い傑作を残して消えても伝説なんか生まれないのかも知れません。
ヴァシュティ・バニヤンやリンダ・パーハックスやサイモン・フィンやマーク・フライなど伝説だった人たちも
インターネットの時代になり続々と墓は暴かれ復活しましたからねぇ。 インターネットの力を借りれば本人と
会話さえできるかも知れない環境だし もう伝説になるには死ぬというパフォーマンスしか無いのでしょうか。
・・・いやいやホープ姐さん死なないでね。 せっかく活動再開したので次のアルバムは早く出して下さい!

「Bavarian Fruit Bread」・・・第84号 2004/3/19 ホープ・サンドヴァルの虚ろなロリータ・ヴォイスであの世行き
 


OutlawHeaven.jpg
THE POPES 「OUTLAW HEAVEN」 (2009)
英 SHAKE THE TREE STT001 (CD)

 
1 Black Is The Colour
2 Let The Bells Ring Out
3 Angels Are Coming
4 Raw
5 Back In Your Heart
  6 Outlaw Heaven
  7 Boys - They Don't Cry
  8 You're Gonna Shine

  9 Crucified
 10 Bastards
 11 Underneath The Blue Sky
 12 Slip Away
 13 Loneliness Of A Long
 14 Distance Drinker

ザ・ポープス! これは2000年の「Holloway Boulevard」以来のアルバムでしょうか。 あまり詳しくは無いですが
ライブ盤や編集盤は出ていたけどスタジオ録音のオリジナル・アルバムとしては実に9年ぶりの作品のはずです。
150円引きセールで1200円ポッキリでスイスから到着しました。 はぁーっ ポッキリ ポッキリ ポッキリなぁー。

そう ここまで書いた作品は全て50円刻みのポッキリ価格で CDWOW!の基本はポッキリ価格なのです。
海外業者なので日本の消費税は関係無さそうですが 為替により1円単位で価格が変わるアマゾンと比べると
けっこう適当な価格設定です。 1円単位なんていちいち面倒臭いのでポッキリ価格にしているのでしょうかねぇ。

さてポープスというバンドは シェイン・マッゴワン&ポープスで2枚アルバムを出した後シェインに逃げられ(?)
前作「Holloway Boulevard」はポープス単独名義の作品でした。 やはり元ポーグスのシェイン・マッゴワンという
強力な名前が消えてあまり売れなかったのですかねぇ。 それが本作まで9年も間が空いてしまった原因かな?
そんなんで本作のジャケットの「The Popes」の下に「featuring Shane MacGowan」とあり またシェイン頼りですよ。

1曲目からガラガラ声のオヤジが唸り エレキ・ギターがギュイーンと入ってヘヴィー・メタル・バンドみたいで
びっくりして心臓が飛び出しそうになりました。 2曲目以降もガラガラ声のオヤジ&ギューインなギターで
フィドルやマンドリンも入っているけれど アイリッシュ・トラッド風味の曲をパンキッシュに演奏していた かつての
ポープスとは違う音ですねぇ。 「Holloway Boulevard」からリーダー格のポール・マッドドッグ・マッギネス以外は
メンバーが総とっかえになっているし これはもう別のバンドと言ってもいいような感じですね。
しかし相変わらずポープスを名乗り そしてシェインの名前も出して 何とか起死回生を狙ったのですかねぇ。

問題のシェイン・マッゴワンは どこにいるんだ?状態で これで「featuring Shane MacGowan」は無いだろ!
騙された!と思うことうけあいです。 ヴォーカルでクレジットされているけれど それらしき歌声は聴こえず
本当に騙された!と思っていたら全曲中最ものどかに流れる最後の14曲目のヴォーカルがシェインでしたよ。

なおガラガラ声のポール・マッドドッグ・マッギネスは激ワルな風貌のオヤジで ここであまり変な事を言って
本人がケチをつけてきたら そりゃー怖すぎでビビりまくって ビビり死にしてしまいそうな程 激ワル風貌ですよ。
・・・「マッドドッグ」を名乗っているんだもんなぁ。 だから良いところを言うと 勢いがあって気合いが入る作品です。
大音量で聴いたら元気出ますよー。 ふぅ・・・マッドドッグさん ケチつけてこないでね!
 


RunningForTheDrum.jpg
BUFFY SAINTE-MARIE
「RUNNING FOR THE DRUM」 (2009)

米 APPLESEED APR CD 1117 (CD+DVD)
 
1 No No Keshagesh
2 Cho Cho Fire
3 Working For The Government
4 Little Wheel Spin And Spin
 5 Too Much Is Never Enough
 6 To The Ends Of The World
 7 When I Had You
 8 I Bet My Heart On You
  9 Blue Sunday
 10 Easy Like The Snow Falls Down
 11 America The Beautiful
 12 Still This Love Goes On

こちらは13%引きセールというのをやっていたので注文。 通常2100円が1827円でドイツから到着しました。
今回購入した他の作品と比べると1800円台とちょっと高額だけどDVD付きの2枚組なので まあ納得です。

これはアメリカ盤CDなので アメリカ盤ならアメリカから発送するのが最もお安く済みそうな気がしますが
今回購入したアイテムは全てドイツとスイスから届きましたねぇ。 これは一体どーゆー事なのでしょう。
ドイツとスイスに巨大なCDWOW!の秘密基地があるのでしょうか? 秘密基地かぁ。 ワクワクします。

バフィー・セント・メアリーもホント久々のアルバムで1996年の「Up Where We Belong」以来なので
実に13年ぶりのアルバムですよ。 プログラミングされたドラムなども多く入っていて「Up Where We Belong」と
もうひとつ前の1992年作「Coincidence And Likely Stories」での音作りを引き継いでいる作品です。

パウワウ・コーラスが炸裂する冒頭の3曲がダンサンブルで バフィーってこんなんだったっけ?と思いますが
蜃気楼のようなゆらめきを感じる妖しげな佇まいがアシッド・フォークな1960年代の曲の再演4曲目以降は
センチメンタルなメロディーを伴ったナイスなフォーク・ロック曲が並んでいて これはとても良いですねぇ。

そして最初「?」だった冒頭の3曲はDVDの方を観た後で聴くと 音楽の未来を切り開くヒントが隠されている
ように聴こえてきました。 インディアン伝統のパウワウ・コーラスを現代的なアレンジに乗っけて歌うという
自らのルーツを追求しながらも未来志向なその姿勢は美しく 今後追随者を生む可能性を秘めた名盤!
ただ細かくビブラートする彼女の歌声は好き嫌いが分かれそうなので注意が必要です。

「A Multimedia Life」と題されたDVDの方は2006年の作品で バフィーの歴史を追ったドキュメンタリーです。
ロビー・ロバートソンやジョニ・ミッチェルやタジ・マハールなどが出てきてバフィーは凄いよ!と語ってます。
誰?このおばさんと全員思ってしまうイアン&シルビアのシルビア・タイソンも一瞬だけ出てきて語っていました。

演奏シーンも多く登場しますが どれも断片で1曲丸々の映像は無く まあ そういうつくりの作品です。
最後はバフィの曲の中でも最もパウワウ・シンギング大炸裂の「サスカッチェワン」と「ダーリン・ドント・クライ」が
連続で流れ この大名曲2曲を聴けば彼女がなぜ凄いのかわかります。 「ダーリン・ドント・クライ」は
ミュージック・ビデオの映像ですが 自ら叩く太鼓とバフィーの歌声だけの「サスカッチェワン」がよおおおぉ!
たぶん1970年代の映像だと思いますが この映像どこかに無いものですかねぇ。 1曲丸々観たいです。

「Sweet America」「Up Where We Belong」・・・第8号 2000/3/5 死ぬ程名曲サスカッチェワンを求めて
「I'm Gonna Be A Country Girl Again」・・・第45号 2001/10/1 アメリカン・フォークの遺影
 


ModernGuilt.jpg
BECK 「MODERN GUILT」 (2008)
米 DGC B0011630-01 (LP)

 
A1 Orphans
 2 Gamma Ray
 3 Chemtrails
 4 Modern Guilt
 5 Youthless
 B1 Walls
  2 Replica
  3 Soul Of A Man
  4 Profanity Prayers
  5 Volcano

CDWOW!はその名の通りシーディーがワウ!なのですが CD以外にもゲームソフトやDVDなども販売していて
ヴィニールというコーナーもありそこを見ていたら 買い逃していたベックのLPがあったので購入しました。
いや 2006年の前作「ザ・インフォメーション」は購入していなくて 他に買うべき物も沢山あるし
もうベックはいいかなぁという気分だったので 買い逃していたというより 積極的に買ってなかったのですけどね。

150円引きセールで1400円ポッキリでドイツから到着です。 この価格のせいで思わず購入するハメになりました。
しかしLPも格安で販売しているとなると CDじゃなくてLPで欲しい! と思っている気の狂った音楽マニアにも
CDWOW!は優しい・・・かというとそんな事も無く LPのタイトルは少なく マニアックなヤツはほとんど無いです。

「ミューテーションズ」や「シー・チェンジ」路線の素晴らしき歌もの系作品である事を期待して盤に針を落とすと
ヒップ・ポップ〜電子サウンド系では無く まあ「シー・チェンジ」方面の作品で それなりに変な音の絡み方もあり
ベックらしい作品でした。 しかしけっこうフツーな今どきのロックにも聴こえ 物足りなさも感じてしまいましたよ。

うーん どうなんでしょう。 ベックはもう購入しなくてもいいかなぁというこちら側の気分が影響しているのかもね。
どの曲も全く悪くは無いし 良いアルバムだとは思うけれど とにかく聴いていて盛り上がらないのです。
ベックに飽きたのかなぁ・・・ちょっとまた体調万全の時に聴いてみて どれだけ盛り上がれるか確認してみます。

「Mutations」のレビュー・・・第53号 2002/3/31 若手ルーツ・ロック芸人でヤングとの溝を埋めてみよう


えーと 実は今回登場した作品の他に 英サンビーム社からのマンディ・モアの2枚組CDも注文しましたが
販売元から入手できないので 一方的にキャンセルしますが何か文句ある? というメールが来やがりました。
150円引きセールで1700円だったので注文したのだけれど この価格での提供ができなかったのでしょうね。
価格の安さに惹かれて注文しても こういう事があるとドッチラケで テンション下がってしまうのでこれはいけません。
まあ他の大手オンライン・ショップのアマゾンやHMVも一方的なキャンセルはよくある事なので一緒ですけどね。
 

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