フルートが入る英国フォークって何だか知らないけど多く存在しますよね。
今までもこのフルートが入る必殺パターンで 泣いてみたり よだれを垂らしたり
鼻血を流して 放尿して 何度も何度も色々な体液を垂れ流した事を書いてきましたが
それでもまだフルート入り英国フォークはありますねぇ。
いやぁ 底無しですねぇ。 蟻地獄です。 ブラック・ホールです。
ああ 一体あとどれだけ体液を流せばこの必殺パターンの終わりが見えるのでしょうか。
いいかげん もう垂れ流す体液が残っていないので もう次は脱糞ですね。 脱糞!


TheTunbler.jpg
JOHN MARTYN 「THE TUMBLER」 (1968)
欧 ISLAND IMCD 320/983 073-2 (CD/2005)
1 Sing A Song Of Summer
2 The River
3 Goin' Down To Memphis
4 The Gardeners
 5 A Day At The Sea
 6 Fishin' Blues
 7 Dusty
 8 Hello Train
  9 Winding Boy
 10 Fly On Home
 11 Knuckeldy Crunch And Slippledee-Slee Song
 12 Seven Black Roses

ジョン・マーティンの2ndアルバム。 素晴らしいフルートが入っていて・・・ああ 脱糞です。
基本はアコギの弾き語りでフォーク・ブルースな趣のある曲を演奏し あとは2本目のギターやベースが
少々被さる程度のサウンドでけっこう地味なのですが 数曲に切れ込んでくるフルートがああぁ!

ゆったりと優しげに流れる2曲目に入るフルートなんかもう絶品! 激しく脱糞せずにはいられません。
ここでのフルートは歌メロよりも印象的に郷愁を誘うメロディーを吹くモンで ギターとフルートによる
インスト曲に後から無理にヴォーカルを乗っけました的にも聴こえてしまう程の楽曲ですねぇ。

あとフルートが入るのは 4 7 10 曲目で やはりその他のフルートが入らない曲より耳に残ります。
4曲目はスピード感のあるフォーク・ブルースにフルートが自由に暴れ回る感じでアシッド臭もプーン。
同じフレーズを繰り返すフルートと共に淡々と流れて行く7曲目にもアシッド臭がプーンと漂います。
ゆったりと流れる10曲目は1曲目と同様に郷愁を誘ってくれる美しい曲になっていて良いですねぇ。
これらのフルートを吹いているのはハロルド・マクネアという人で ジャズやロックや映画音楽など
ジャンルに関係なく 色々なところに登場してイカしたフルートを響かせている人のようですね。

地味な弾き語り曲が多い中でフルートが入ると華やかになるので フルートに耳が行ってしまいますが
スピード感のある流麗なアコースティック・ギターの演奏もかなり素晴らしい事になっているので
本来このアルバムを語る際はジョン・マーティンのギターとヴォーカルに注目しなければいけません。
またプロデュースはアル・スチュワートがしているという部分にも注目しなければいけませんねぇ。
・・・が やはりフルートが印象に残るんだよなぁ。 アコギ&フルートは ホント必殺パターンですよ!

なお彼は2009年1月に亡くなってしまいました・・・誰もが知っている人気芸人ではなかったので
亡くなって大騒ぎはされなかったけれど 彼の残した音楽を聴くのがやはり一番の追悼でょう。
もっと皆でジョン・マーティンを聴きまくって 語りまくって 追悼しましょう・・・合掌。

John & Beverley Martyn 「Stormbringer」のレヴュー
第76号 2003/10/14 美しい英国の音で秋の切なさを更に満喫
 


AlunAshworthJones.jpg
AL JONES 「ALUN ASHWORTH-JONES」 (1969)
英 MOONCREST CRESTCD 068 (CD/2001)
1 Siamese Cat
2 Come Join My Orchestra
3 Ire And Spottiswoad
4 Tramp
5 Sarah In The Isle Of Wight
6 What I Was Thinking (take 2)
7 River Bend (instrumental)
8 Railway Lines
9 Big City
 bonus tracks
 10 What I Was Thinking (take 1)
 11 It Takes A Lot To Lough
    It Takes A Train To Cry
 12 Running Shoes
 13 Only A Butchers Knife
 14 Flying
 15 All My Friends Are Back Again

 16 Eight Foot Whelk
 17 Get Out Of My Car

 18 Rather Be The Devil
 19 A Mess Of Blues
 20 That'll Be The Day
 21 La Bamba
 22 Night Is Falling
 23 While Travelling On A Train Going West...
 24 Jupiter
 25 Sheila
 26 Boys

英国フォークのキーワードにセプテンバー・プロダクションという芸能事務所(なのでしょうか?)があります。
セプテンバー・プロダクション作品は地味ながらも英国的な響きを放つ作品が多く このアル・ジョーンズの
1stアルバムにも英国臭が香りますねぇ。 その英国臭を感じさせる要因のひとつがフルートだったりします。

そのフルートは前項のジョン・マーティンの2ndでも吹いていたハロルド・マクネアがここでも登場していて
サウンドもフォーク・ブルースの趣のある曲の弾き語りが基本路線になっているし 何かルックスもクルクルの
カーリー・ヘアーまでジョン・マーティンと同じで このアルバムにこっそりジョン・マーティンの演奏を入れても
バレないんじゃないか?というくらい似ている・・・とまではいかないけれど 共通項が多いですね。

マシューズ・サザン・コンフォートのゴードン・ハントリーの弾くスティール・ギターが入るけど幻想的な響きで
カントリー風味を感じさせないという1曲目から英国臭が炸裂! そしてフルートが2曲目に登場します。
この2曲目は妖精に誘われて夕暮の森へと足を踏み入れてしまったような夢と現実のはざまの如くの名曲!
その他フルート入りの 4 6 曲目なんかもフルートが入っていなかったら地味なフォーク・ブルース曲にしか
聴こえそうにないけどフルートが入る事によって幻想的な美しさを放ってくれていて素晴らしいですねぇ。

スピード感のあるギター・インストの3曲目のような曲が入っているのもジョン・マーティンと似ています。
ドラムスと鋭いエレキ・ギターが入るフォーク・ロックの5曲目はアルバムの中では異色でしょうか。
スティール・ギターが入る7曲目のインストがまた幻想的で良いですねぇ。

ボーナス曲の10曲目は6曲目の別バージョン。 フルートも入って本編バージョンよりも幻想度高くて良い!
11 12曲目は「49 Greek Street」というオムニバス盤に収録されていた曲でロックしていますねぇ。
13〜17曲目は1971年のスタジオ録音で 地味な弾き語り曲が中心ですがとても美しく響きます。
18〜26曲目は1969年のライブ音源。 これも地味な弾き語りではあるけど「ラ・バンバ」まで飛び出して
うーん このライブは美しくないですねぇ。 こんなライブ音源 無理矢理詰め込む必要あったのかしらん?

何かボーナス曲が多過ぎて 最後まで通して聴くと前半の美しく幻想的な響きが遠い昔に聴いた音として
忘れてしまうという現象がおきてしまい この大量ボーナス曲は失敗ですね。 ボーナス曲が2〜3曲だったら
本編と感触が違っても気にならないけれど 何でもかんでも入れりゃー良いってゆーモンじゃないぞ!
 


Synanthesia.jpg
SYNANTHESIA 「SYNANTHESIA」 (1969)
ELEGY E560/1 (CD/1999)
1 Minerva
2 Peek Strangely And Worried Evening
3 Morpheus
4 Trafalgar Square
 5 Fates
 6 The Tale Of The Spider And The Fly
 7 Vesta
 8 Rolling And Tumbling
  9 Mnemoysne
 10 Aurora
 11 Just As The Curtain Finally Falls

このシナンセシアもセプテンバー・プロダクション作品ですが 英国臭というよりもアシッド臭が漂います。
メンバーが岩の後ろからひょっこり顔を出すという意味不明なジャケットも只者では無い凄みを放っているし
このグループのフルートの炸裂ぶりったらそれは激しく 管楽器専門のメンバーがいるモンで 全編に渡り
フルート オーボエ サックスなどが大炸裂! これは脱糞に次ぐ脱糞! そしてまた脱糞に次ぐ脱糞です。

基本はアコギを弾いて歌うフォークな音なのだけど そこに被さる管楽器はジャズ系の即興っぽい演奏。
1曲目からポコポコ打ち鳴らさせるパーカッションとフルートが炸裂して異空間へと連れて行ってくれますよ。
ゆったりとした2曲目はヴィブラホーンとフルートが入り ゆらゆらと揺れる木漏れ日にまどろむような曲。
3曲目はポコポコ・パーカッションに今度はサックスが大暴れして又もや異空間へGO! てな具合で
異空間へGO!の炸裂曲と ゆらゆらまどろむような曲の2パターンで最後まで妖しく聴かせてくれます。

しかしどうなんでしょうねぇ この妖しさは。 本人達はフォークとジャズを融合させたプログレッシヴな音を
目指していたのかもね。 でも結果として妖しく響いてしまい アシッド臭が香っているタイプでしょうか。

収録曲に覚えやすいキャッチーなメロディーや郷愁を誘う泣かせるメロディーは少ないので 聴いて一発で
ぬおおぉー!となるような曲は無いですが しぶとく何度もじっくりと聴いていると じわーりと妖しげな
雰囲気にやられてじわーりと脱糞系です・・・つまり長時間かけて水っぽい便が出るって事なんですよ!
ポコポコ・パーカッション&アシッド臭というと同時期の英国フォークのフォレストにも似ていますね。

このCDは詳細不明のエレジー盤ですが 現在は身元のはっきりとした英サンビーム社が正規盤CDを
ボーナス曲入りで出しています。 一時期勢いのあったエレジー社・・・現在存続しているのでしょうかねぇ。
 


TimHollier.jpg
TIM HOLLIER 「TIM HOLLIER」 (2004)
伊 NIGHT WINGS NWRCD 03 (CD)
from「Message To A Harlequinn」(1968)
1 Message To A Harlequin
2 Street Of Gold
3 Jimmy
4 Do You Remember When
5 And Where Were You
  That Morning Mr. Carroll
6 Full Fathoms Five
7 In Silence

  from「Tim Hollier」(1970)
  8 Seagull's Song
  9 Llanstephan Hill
 10 And It's Happening To Her
 11 Man Of Gentle Sunlight
 12 Evolution
 13 Maybe You Will Stay
 14 Would I Sing
 15 Winter Song (It's Raining And It's Cold)
 16 Love Song
 17 Evening Song
 from「Skysail」(1971)
 18 Tenderly Stooping Low
 19 Time Has A Way Of Losing You
 20 Skysail
 21 Beauty Of The Gardens
 22 And I Wait For That
 23 While London's Days Increase

イタリアのナイト・ウイングスというレーベルから出たティム・ホリアー(読み方適当シリーズ)の編集盤は
1stから7曲 2ndから10曲 3rdから6曲を収録し ジャケットは2nd「Tim Hollier」の印象的な絵を使用。
内容もこのジャケットが象徴するようにサイケデリックな雰囲気漂うシンガー・ソングライター作品ですが
フォーキーな質感の曲もあって 英国フォークで語ってしまっても問題無いサウンドではありますね。

1stの「Message To A Harlequinn」からの曲は1968年作という時代もありサイケ歌謡な雰囲気が濃厚。
2ndと3rdからの曲は1970年代の作品なのでサイケ風味も後退しているかと思いきや そんな事は無く
そのエコー感が1960年代を引きずっていてやっぱりサイケ歌謡な雰囲気がありますね。

頻繁に入るフルートは 炸裂!という感じでは無く 他の管楽器やストリングスと共に迫ってくる感じですが
フルートは埋もれずによく聴こえてきます。 6曲目の可愛らしいサビのメロディーに被さるフルートが良いし
南米モノに通ずる音を放つフルートがイカしたサイケ歌謡の 8 12曲目も良いし フルートが泳ぎまくる
優しげなフォーク・ソング13曲目があって 20 21 23曲目の室内楽風フォーキー・ポップも素敵です。
全体の4分の1くらいの曲でフルートが聴こえ またフルート入らない曲もそれぞれ魅力的でとても良いです。

しかし このCD どうも最初から最後まで通して聴こうと思うと途中から集中力無くなってしまい
飽きてしまっていけません。 うーん ダメな曲なんか無いし フルートも頻繁に登場する脱糞系なのに
ここまで集中できないのはどうしてでしょう。 しっかりと歌うジェントルマンな感じのヴォーカルのせいなのか
マイナー調のメロディーの楽曲が多いせいなのか・・・1曲1曲単品で聴くととても良いのにねぇ。

やはり収録時間が70分と長過ぎるのが原因ですかねぇ。 だいたい いまどきこのようなCD化はビミョーで
3枚のアルバムの元々の収録曲数は11〜12曲で 2ndに至っては11曲入りの作品から10曲を収録!
・・・って残りの1曲はどうするんだ! 21世紀の正しいCD化はボーナス曲入りで3枚別売りが筋ですよ。
こら! ナイト・ウイングス! 音楽ソフトが売れない時代なんだから しっかりしないと更に売れなくなるぞ!
・・・と文句を言いながらこのCDを購入している僕なのでした・・・てへっ。 まあ中古盤購入ですけどね。
 


Isolation.jpg
ISOLATION 「ISOLATION」 (1973)
HUGO-MONTES PRODUCTION HMP CD-028 (CD/2004)
1 Theme (I)
2 Poor Boy
3 Looks Like You're Leavin'
4 Reaching Out
5 'E'
  6 Moon Mood
  7 Theme (II)
  8 Yesterdays Moments
  9 Theme (III)

 10 Banjotune (Trad.)

怪しげなヒューゴ・モンテス・プロダクション社のCDでの登場は 妖しげなレア・フォークのアイソレイション。
最近はヒューゴ・モンテス社がCD化した作品の正規盤も続々と出ているようでヒューゴ・モンテス社の
存在も霞んでしまっている昨今ですね。 本作もデソレイションというレーベルからのCDも出ていますが
そちらが正規盤なのかどうか知りません・・・いずれにせよヒューゴ・モンテスの存在は霞んでいる昨今です。

このグループは男性6人組で ドラムレスですがギターよりもピアノを基調にした曲が多くなっているので
純粋にフォークだとは言えませんが 陰影のあるメロディーも美しいプログレッシヴ・フォーク方面の音です。
そしてメンバーにフルート奏者がいるのでほぼ全曲にフルートが入って脱糞ですよ!
更にヴァイオリン奏者もいてフルートとヴァイオリンが絡んで更に大量に脱糞じゃないですか!

レア盤ならではの録音のバランスの悪さもあって 妖しげな雰囲気を煽ってくれるのがまた良いですねぇ。
1曲目と2曲目は曲がブツリと終わり 元々こういう終わり方なのかヒューゴ・モンテス社だからこうなのか
でもブツリ終わりが妖しげな雰囲気を更に煽ってくれ「レア盤の凄いヤツを聴いている感」が増幅します。

フルートはけっこう強引に絡んでいる感じではありますが 中々の暴れ方をしてくれていて良いんだなぁ。
これはジャズ系のフルートなのでしょうかねぇ。 ピアノも時折ジャズの雰囲気のある演奏になりますね。
でも全然難解では無く 歌メロが素直な展開だし ヴォーカルもしょぼくてジャズを感じさせません。

1 7 9 曲目は同じ曲の別ヴァージョン。 最後はなぜかトラッド色のあるバンジョーによるインストで
一筋縄ではいかない英国レア・フォークの底力を見せつけられます・・・と こんな得体の知れないのを聴いて
喜んでいるのもどうかなーと思うのですが この妖しさはホント魅力的でクセになる1枚。 愛聴盤です。
 


WaitingForTheSun.jpg
WAITING FOR THE SUN 「WAITING FOR THE SUN」 (1978)
英 KISSING SPELL KSCD9508-F (CD/1995)
1 Waiting For The Sun
2 Dear Load
3 I Want To Dance
4 Old Fashioned Dreamer
 5 Come Up Smiling
 6 I Can't Take
 7 This Thing's Gone On Long Enough
 8 The Carpenter's Son
  9 Maybe I'm A Fool
 10 Come To Me
 11 Safe With Me

ウェイティング・フォー・ザ・サンはキッシング・スペル社からのCDですが CD化が1995年ですかぁ。
こんなジーザス物のレア・フォーク・ロックが もっと重要なアレやアレよりも早い1995年にCD化されて
まだこの時期は僕も「一部のマニアにしか知られていない凄いヤツを聴いている感」で興奮していました。

そのレア・フォークの興奮も醒めた今 ウェイティング・フォー・ザ・サンの位置付けはどこにでもあるような
アコースティックな響きのフォーク・ロックを演奏するアマチュアとプロの境目のようなグループですねぇ。
そう 得体の知れない作品を聴いて「凄いヤツを聴いている感」だけで興奮する時代は終わったのです。
ただ前項のアイソレイションも同様ですが「凄いヤツを聴いている感」を差し引いても良い作品も沢山あり
このウェイティング・フォー・ザ・サンもとても良いですねぇ。 何と言ってもフルートが入るしね!

ヴォーカルは男っぽさ香るカントリー・シンガー風でもありますが それを和らげるハーモニー・コーラスや
けっこうよくできたメロディアスな楽曲がフレンドリーでリンディスファーンのような雰囲気もありますね。
すっとぼけた雰囲気が楽しいフォーク・ロックの7曲目なんてホント リンディスファーンにそっくりですよ。
いや これは1970年代後半の同時期のリンディスファーンよりも良いのではないでしょうか。

1曲目からアコギがガシャガシャと鳴り響く爽やかなフォーク・ロック・ナンバーで間奏に必殺のフルート!
このフルートは練習どうりに吹きました的な感じで入り 決して上手くは無いけど逆にそこが良いのです。
大らかに流れ郷愁を誘う9曲目は「ララララー」ってサビにフルートが絡む部分で泣きそうになります。
とてもフツーのフォーク・ロックの10曲目は間奏で2本のフルートが絡んで心地良く脱糞させてくれます。

その他 申し訳程度にフルートが入る曲や まったく入らない曲もあり フルートで脱糞できなくても
フツーに良いフォーク・ロックが沢山入っているので ジーザス物を意識しなければ充分楽しめますね。


いや しかしホント フルートが入る英国フォークのアルバムは沢山あるなぁ。
今まで登場したのと今回のを合わせて何枚くらいなんだろう? 20枚くらいは登場したのかなぁ。
それでも全体の100分の1でしょうか。 いや1000分の1かな? 1000分の1だと全制覇を目指す
僕としては2万枚をレヴューしないといけないのかぁ。 これは大変・・・考えただけでもう脱糞しそうです。
 

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