英国フォークのアルバムはホント色んなヤツが続々とCD化されてきた訳ですが
CD時代もひと回り いや ふた回りして すでに入手困難な再発CDも多くなりました。
そんなんで最近見かけないので入手困難なのか?と思われるCDを並べてみましたが
僕の調査能力は計り知れない程低いので 実は全く入手困難では無いかも知れません。
中古盤ではたまーに見かけますしね。 実際僕も今回登場したCDは中古購入が多く
入手困難なのではなくて 目クソ鼻クソ・レベルのしょーもねー不人気盤として
各店舗さんが新品を入荷しないだけなのかもね。


TheWordsInBetween.jpg
DAVE EVANS 「THE WORDS IN BETWEEN」 (1971)
英 WEEKEND BEATNIK WEBE 9039 (CD/2001)
1 Rosie
2 The Words In Between
3 Grey Lady Morning
4 Insanity Rag
5 Magic Man
  6 Now Is The Time
  7 Doorway
  8 City Road

  9 Circular Line
 10 Sailor
 bonus tracks
 11 Beauty Queen
 12 St Agnes Park
 13 Lady Portia
 14 Only Blue
 15 Elephantasia

一瞬何だ?このババアは!と思ってしまう顔面アップ・ジャケットのデイヴ・エヴァンスの1stです。
いやババア顔ですがデイヴ・エヴァンスは男性で おしゃれなアコギ・テクで聴かせるフォーキーです。
そんなこのCDですが 最近めっきり見かけないので入手困難ではなかろうかと勝手に思ってます。

曲によって2本目のギターや女性コーラスやハーモニカなども入りますが 基本はギターと
クセの無い優しげなオヤジ声のヴォーカルで聴かせる地味なフォーク・アルバムですねぇ。
楽曲のメロディーは暗くもなく かといって明るくもなく 中途半端なので地味に聴こえてしまいます。

そんな感じの楽曲なので 勝手な想像をすると 彼は主旋律から楽曲を作るタイプでは無く
まずギターのフレーズを作って その上に歌うメロディーを乗せていく曲の作り方をしているのかなぁ。
なので主旋律に魅力が薄く中途半端に感じてしまい地味なフォークに聴こえてしまうのですが
そのギター・テクが凄くてよぉ! 彼のギターをじっくり聴いているとホント凄くてチビっちゃいそうです。

いやぁ 素晴らしい! 繊細なギター演奏が英国を感じさせてくれる名盤なので目クソ鼻クソ・レベルの
しょーもない作品ではありません。 実際彼の顔面アップ・ジャケットに目クソもついていませんしね!

このアルバムのオリジナルLPはヴィレッジ・シングというレーベルから出ていたのですが
同じくヴィレッジ・シングから1stを出していたスティーヴ・ティルストンとも雰囲気が似ています。
スティーヴ・ティルストンも地味なフォークで ギターのフレーズに耳が行くタイプだからねぇ。

ボーナスの5曲は1972年の2nd「エレファンタジア」からの曲です。 本編の10曲までと同様に
ギター・テクに耳が行きますが バックにピアノなんかも聴こえてきて1stとはまた違う魅力があります。
うーん 2ndもちゃんと全部聴きたいなぁ。 こんな変なボーナス曲の入れ方しないで2ndは2ndで
単独でCD化しないかなぁ・・・っつーかCD化されているかも・・・調査能力低いので分かりません!
 


PrinceOfTheNorthlands.jpg
BRACKEN 「PRINCE OF THE NORTHLANDS」 (1979)
英 VINYL TAP DORIS 4 (CD)
1 Pibroch/Sands O'Dee
2 Annan Water
3 T'Fellow And T'Maiden
4 King Pharim
5 All Things Are Quite Silent
  6 Wraggle Taggle Gypsies
  7 Brave Wolfe
  8 Land O' The Leal

  9 T'Lass O'Newsholme Dean
 10 The Auld Triangle
 11 Prince Of The Northlands
 bonus tracks
 12 The Lights
 13 False Lampkin
 14 Carlisle Wall

英ヴィニール・タップ社からのCDも最近めっきり見かけないので入手困難だと勝手に思っています。
手元にあるヴィニール・タップ社製品は Miriam Backhouse「Gypsy Without A Road」(DORIS 1)
Mountain Ash Band「The Hermit」(DORIS 2)(第65号でレヴュー済み)
Silver Birch「Silver Birch」(DORIS 3)(第41号でレヴュー済み)
そして本作のブラッケンの(DORIS 4)で ヴィニール・タップのカタログはこの4枚だけかどうか
調査能力低いので分からないけれど 1990年代中頃から2000年位までにCD化されたものです。

で この(DORIS 4)のブラッケンは男性2人女性1人の3人組で トラッド曲をメインに演奏しています。
きっとオリジナルLPとかは非常にレアなアルバムなのだろうけれど バックの音も伴奏ですって感じだし
3人のヴォーカル・ハーモニーで聴かせたりと よくありがちなセミプロタイプのトラッド・グループですね。
女性ヴォーカルも美声では無いのであまり魅力が無いし まったく大騒ぎする程の作品ではありません。
収録曲のタイトルとか見ているとアイリッシュっぽくもあるのでアイルランドのグループかも知れませんね。

このテの作品は聴く側の意識を最大限に発揮する事によって霞の向こう側から浮かび上がってくるような
レア盤独特の空気感を感じる事ができる作品なので 頑張って最大限に発揮して聴かないとダメです。
ここが目クソ鼻クソ・レベルに聴こえるか 目クソ鼻クソ以上に聴こえるかの分かれ目のポイントですよ!

僕も5〜6年前だったら最大限発揮処理で空気感を感じて興奮したのだろうけど・・・今やムリですね。
時折入る笛が可愛らしくて中々良いですが他に魅力が・・・また今度体調の良い時に聴いてみます。
まあ他に聴きたいモノが沢山あるので体調が良くても聴かないんだろうけどね。
ボーナス曲は出自が載っていませんが 本編とさほど変わらぬ音だし同時期の録音のようです。
 


WhatAilsThee.jpg
GREEN MAN 「WHAT AILS THEE ?」 (1975)
英 KISSING SPELL KSCD 929 (CD/2002)
1 The Sleight's Song
2 Salisbury Plain
3 Bonnie Wee Lassie-Bundle & Go
4 I Once Loved A Lass
5 Hewlett
6 The Rolling Of The Stones
7 Hunting The Wren
  8 Poor Sally Sat A Weeping
  9 Durang's Hornpipe
 10 John Barleycorn
 11 Planxty Irwin
 12 Pretty Polly
 13 Miss McClouds
 14 Nottamun Town
 15 Farewell
 bonus tracks
 16 Lowlands
 17 Henry My Son
 18 We Bring The Summer With Us
 19 Glad To BeHere

英キッシング・スペル社のCDは入手困難なヤツってあまり無さそうだけど このグリーン・マンのCDは
なぜか最近めっきり見かけませんねぇ。 そんなんで入手困難だと勝手に思い込んでいますよ。

グリーン・マンは男性3人女性1人の4人組で 前項のブラッケンと同路線のセミプロタイプの
トラッドをやるグループなので ブラッケンが目クソだったとしたら グリーン・マンは鼻クソでしょうか。

いや 違う! 本作から放たれるレア盤独特の空気感は聴く側の意識を最大限に発揮せずとも
勝手に向こう側からやってきます。 これは録音状態の悪さと全体に入るフルートのせいでしょうか。
ジャケットの素敵な絵も笛を吹いていますし フルートは相当効いていて
フルート入りフォークという僕の大好物の必殺パターンに意識が遠のきそうになります。

またドラムスは入らないのでロックっぽさは薄いですが エレキ・ギター&ベースが多く使われていて
エレクトリック・トラッド風味もあり クソ真面目でディープなトラッドものでは無いので聴きやはあります。
クレジットを見ると笛類はフルートの他ピッコロとティン・ホイッスルも吹いているようです。
その他 曲によってマンドリンやフィドルやハーモニカなども入って使用楽器はけっこう多彩ですね。

メガネっ娘な女性ヴォーカルの歌声は音程が不安定で素人っぽいけど まあまあ可愛らしさがあり
バックの楽器演奏も素人っぽく この素人っぽさが「レア盤の凄いのを聴いている感」を増幅させます。
そしてやはり何と言ってもフルートの炸裂ぶりが素晴らしく 炸裂に次ぐ炸裂。 そして炸裂です。

ボーナス曲の19曲目はドラムスが入りヴォーカルにも変なエフェクトがかかって別のバンドのようです。
ただこちらにもフルートの間奏がたっぷり入り 押さえるところはしっかり押さえていて凄いです。
 


Outlander.jpg OutlanderBack.jpg
MEIC STEVENS 「OUTLANDER」 (1970)
米 RHINO HANDMADE RHM2 7839 (CD/2003)
1 Rowena (full version)
2 Love Owed
3 Left Over Time
4 Lying To Myself
5 The Sailor And Madonna
6 Oxblood
7 Yorric
  8 Midnight Comes
  9 Ghost Town

 10 Dau Rhosyn Coch
 11 Ballad Of Old Joe Blind
 bonus tracks
 12 Great Houdini
 13 All About A Dream
 14 Evening Comes Up
 15 Upon The Mountain
 16 Where Have All My People Gone
 17 Yorric (early version)
 18 The Sailor And Madonna (early version)
 19 Blue Sleep
 20 Ballad Of Old Joe Blind (alternate version)

ウェールズの子煩悩フォークことマイク・スティーヴンスの1st「アウトランダー」。 裏ジャケが子煩悩!
このアルバムは現在は米ウォーターというレーベルからCD化されていて入手可能なはずですが
ボーナス曲がたっぷり入ったこのライノ・ハンドメイド盤は見かけないのですでに売り切れでしょうか。
日本盤の紙ジャケCDなんかも元々限定プレスだろうけれど このCDも元々2500枚の限定盤で
目クソ鼻クソのような内容ならともかく こんな傑作なら発売から5年経てば売り切れにもなるでしょうね。

内容は本当に素晴らしくて これぞアシッド・フォーク!と言えるような音になっています。
アシッド・フォークと言ってもニック・ドレイクのような内省的なつぶやき系では無く
ヴォーカルもけっこう力強く 曲調もフォークからロックっぽいのまで多彩でサイケデリックに迫ります。

1曲目からガチャガチャ・アコギにサイケなエレキ・ギターが絡みつき後半変態的なスキャットが爆発する
軽快なフォーク・ロックでもう最高ですよ! その1曲目と同様のガチャガチャ・アコギが軽快な9曲目も
ヴォーカルがウギャーっと叫んじゃったりして 只者では無い強力なエナジーを放つ名曲だなぁ。
そして本作のアシッド・フォーク色を決定付ける5曲目と7曲目は シタールとフルートが炸裂して
じわじわと妖しさが増幅しサイケデリックに迫って彼のワールドへと引きずり込まれてしまう危険曲!

ドラムスが入ったりするフォーク・ロック曲とギター&ハーモニカで聴かせるフォーク曲とが
交互に入るような感じでアルバムは展開しますが フォーク曲のプヒーってハーモニカの入り方は
ボブ・ディランのようです。 ドラスムが入る2曲目や11曲目のフォーク・ロック曲もディランっぽいぞ!

弾き語りタイプの曲が中心のボーナス曲も素晴らしく グイグイと彼のワールドに引きずり込まれますが
本編があまりに濃くて引き込まれ方が尋常では無いので 弾き語りだと地味に聴こえてしまいますね。

彼が英語で歌うアルバムはこれ1枚だけで 1972年の2nd以降はウェールズ語で歌っています。
その2nd「Gwymon」(発音できねー!)も「アウトランダー」の放つアシッド臭を引きずった名盤で
近年素晴らしい再発作業をしている英サンビーム社から2008年にCD化されたので
「Gwymon」(発音できねー!)も入手困難になる前に急いで入手しないといけません。

マイク・スティーヴンス「RAIN IN THE LEAVES : THE EPS, VOLUME 1」のレヴュー・・・第119号
 


IfSadnessCouldSing.jpg
SAM PARRY 「IF SADNESS COULD SING」 (1972)
英 SMALL TOWN CAMD1 (CD)
1 Ain't No Place Like Home
2 My Farm
3 The Blind Man
4 All I Wanted Was A Walk
 5 Fusion
 6 Going Up The Mountain

 7 The Day I Met My Lord
 8 If Sadness Could Sing
  9 Those Summer Days Are Over
 10 What's A Gambler To Do
 11 Everybody Knows I Do

サム・パリーという人の英スモール・タウン社からのCD。 僕の調査能力が計り知れない程低いので
CD化された時期もよく分かりませんが これは2002年〜2004年くらいの間にCD化されたはずです。

しかしこれ ジャケットがカラー・コピーっぽくて怪しげですねぇ。 そんなんでアルバムの内容以前に
スモール・タウン社のCDの存在が目クソ鼻クソ・レベルです。・・・でもしっかり購入しているけどね!

そんなこのCDも最近まったく見かけないので入手困難なのではないか?と勝手に思っています。
いや スモール・タウン社のCDは 新宿のレコード店ヴィニール・ジャパンの独占販売・・・って
どこかで見た記憶があるのでヴィニール・ジャパンに行けば今もフツーに販売しているのかなぁ。

彼のアルバムがこれ1枚しか無いのかどうか未調査ですが オリジナルLPはアーゴ・レーベルからで
アコギの弾き語りにその他の楽器がほんの少々乗っかる程度のフォーク〜ブルース作品です。

ギターのアルペジオで地味に弾き語る暗めのメロディーを持った曲を中心に聴かせますが
スンゴい達者なハーモニカが暴れまくってスピード感もバツグンの 1 5 7 曲目あたりが真骨頂!
最後の11曲目は暗めのメロディーの地味な曲に爆発するハーモニカが融合したブルージーな曲。

ただ残念な事に 音がこもっていて 特に低音があいまいに響いてしまいこれは厳しいですねぇ。
音がこもっている事によって「レア盤の凄いのを聴いている感」や「アシッド臭」を感じる場合もあるけど
本作に関しては違いますねぇ。 2 3 8 10 曲目あたりのもの哀しいフォーク曲などは
クリアな音だったら更に繊細でもの哀しく響いてくれそうなのに こんな音質じゃ魅力も半減です。
 
元々のオリジナルLPからしてこんな音だったのか それともこのCDの音がダメなのでしょうか。
このCDのせいであれば 是非クリアな音で聴きたいので どうです? 英サンビーム社さん!
韓国ベラ・テラ社さん! エアー・メイル社さん! その他各国再発CD業界の皆さん!
クリアな音質でサム・パリーを出してみませんか?・・・っつーか はやくどこか出してくれ!
 


TennentMorrison.jpg
TENNENT・MORRISON 「TENNENT・MORRISON」 (1972)
HUGO-MONTES PRODUCTION HMP-031 (CD/2005)
1 Good For You
2 Tomorrow It Might Rain
3 Keep My Secrets
4 I Should Have Known Better
 5 Round And Round
 6 For In The Future
 7 I Can't Imagine
 8 Easy Come, Easy Go
  9 The Last Hour
 10 Take My Place
 11 Death In A Distant Country

とても怪しいレーベル ヒューゴ・モンテス・プロダクションからのCDも初期にリリースされていたヤツは
もう流通していなさそうですねぇ。 このテネント・モリソンは2005年のCDなので割と新しいですが
なぜか今やまったく見かけません。 そんなんで入手困難だと勝手に思い込ませていただいています。

盤起こしでCDを製作しちゃう ヒューゴ・モンテス・プロダクションの存在が目クソ鼻クソ・レベルだけど 
ヌルヌルした目クソなどは人差し指と親指でこすっていると あーら不思議! 消滅するじゃないですか!
でも実は細かいカスとなって指先についているんだろうなぁ。 その指先で電車のつり革を握って
次につり革を握った人の指から指へ・・・世の中そんなモンです! ・・・何が言いたいかというと つまり
細かい事は気にするな! ヒューゴ・モンテスのCDも平気でどんどん購入しようぜ!って事です。

さて ジョン・テネントとデヴィッド・モリソンによるこのデュオ。 1曲目と11曲目が2人の共作で
2 4 7 8 10 曲目がテネント作 3 5 6 9 曲目がモリソン作となっていて それぞれ自分の曲で
メイン・ヴォーカルをとっているようです。 優しげな歌声のモリソンは 曲調もシンガー・ソングライター風。
渋くかすれた米国南部ロック声でアクの強いテネントは サウンドも土臭い曲が多いです。
こうやって作者を分けて聴くとその違いが浮かび上がり面白いですが そんな事を気にせず聴いても
おらかで土臭さのある英国ルーツ・ロックの1枚として傑作!・・・とまではいきませんが素晴らしいです。 

フォーク色は薄く トラッド臭もしませんが テネントが歌う8曲目〜モリソンが歌う9曲目という流れは
2曲ともドラムレスのフォーキーな音で 収録曲の中では地味な方だけど サウンドの装飾が少ない分
じわじわと沁みてくるってモンです。 こんな2曲を並べている構成もまた素晴らしいじゃないですか!
ところで苗字からいって2人ともアイリッシュ系でしょうか。 もしかするとホントにアイルランド人なのかもね。

しかし ヒューゴ・モンテス・プロダクションのCDの存在が目クソ鼻クソ・レベルだと書いておきながら
僕はこのCDを鼻クソほじりながら聴いていました・・・うーん CDより僕の存在が目クソ鼻クソですね。
ただ まだ ほじくった鼻クソを食べる所までは至っていません・・・たまに食べているヤツいるよねぇ。
あいつらは凄いです。 何かを超えています。 はやくそのレベルまで到達しないと。 頑張ろーっと!
 

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