いやとんでもない! 僕は韓流ブームに乗り遅れた訳じゃありません! 
確かに韓流スターは 僕はハンディカムこと「ヨン様」という人しか知らないし
その人が出ていた「冬のソナタ」ってゆー有名ドラマも1度も見た事が無いけれど
それ以前に韓国シー・ワン社から世界初CD化されたヘロンの大傑作1stも購入したし
韓国メリー・ゴー・ラウンド社からのリンダ・パーハックスの「パラレログラムス」再発LPも購入したし
韓国M2U社から5枚CD化されたヤンシス・ハーヴェイも5枚とも購入したし
韓国製と言われているヒューゴ・モンテス・プロダクション社の怪しげなCDも沢山購入したし
韓流ブームを先取りどころか 韓流ブームを作ったのは俺だ!くらいは言わせて下さい。
いやそれどころか 俺が韓流スターだ!と言ってしまっても全く問題無いじゃないですか!
そして最近は韓国ベラ・テラ社というのがフォーキーなヤツを中心に素晴らしい再発を
中々良いつくりの紙ジャケCDでしていてブレイク目前ですねぇ・・・うーんホントやるなぁ韓国。


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STEVE TILSTON 「AN ACOUSTIC CONFUSION」 (1971)
韓国 BELLA TERRA/RIVERMAN BTR0016 (CD/2007)
1 I Really Wanted You
2 Simplicity
3 Time Has Shown Me Your Face
4 It's Not My Place To Fail
5 
Train Time
  6 Sleepy Time On Peel Street
  7 Prospect Of Love
  8 Green Toothed Gardener
  9 Normandy Day
 10 Rock & Roll Star
 bonus tracks
 11 Show A Little Kindness
 12 The Price Of Life

ベラ・テラ社の紙ジャケCDは帯付きで その帯にはカタカナ表記で芸人名/作品名が印刷されています。
本作にも「スティーヴ・ティルストン/アン・アコースティック・コンフュージョン」と印刷されていますねぇ。
そんなんで今回のレヴューは各盤の帯も無駄に写真を撮って 無駄に一緒に載せてみました。

これは日本盤の帯が世界的に人気なので真似てカタカナ表記を入れたのか 購入者の多くが気持ち悪く
マニアックな日本人なので日本向け商品としてカタカナ表記を入れたのか そこら辺はわからないけれど
紙の厚みがありすぎで扱いにくかったシー・ワン社やM2U社など 今まで僕が入手してきた
韓国盤紙ジャケCDと比べると ベラ・テラ社の商品はつくりも良く 扱いやすさもよろしいですよ。

で この「スティーヴ・ティルストン/アン・アコースティック・コンフュージョン」は彼の1stアルバムで
オリジナルLPは英ヴィレッジ・シング社から出ていたヤツです。 まだ彼が20歳くらいの時の作品なので
若くて青くて瑞々しさがあるかというと・・・若くしてすでに円熟味が出ているかのような渋い内容です。

1曲目からアコギと弓弾きベースによる演奏が素敵で凄く良いのですが 何かその後が渋くて地味なんだ。
ただこのアルバムが悪いという訳では無く彼のアルバムはどれも(といっても3枚しか聴いた事が無いけど)
曲に合わせて一緒に歌って楽しいとか 何だかわからないけれどグイグイ引き込まれるタイプでは無く
1音1音噛み締めて聴くタイプなので 僕も1音1音噛み締めて聴かせてもらっていますよ。

各曲は弾き語りに近いかたちで あとはもう1本目のアコギが絡んだり ダブル・ベースやハーモニカが
ちょっと入る程度の非トラッドの英国フォークです。 そうだなぁー 彼のヴォーカルの雰囲気も含めて
初期のラルフ・マクテルに似ていますね。 いや もちろん僕は韓流スターに似ています!

ボーナス曲は1978年の録音との事ですが 1971年作の本編と一緒に聴いても違和感がありませんね。

Steve Tilston 「Life By Misadventure」のレヴュー・・・第131号
 


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JOHN JONES 「COLLAGE」 (1971)
韓国 BELLA TERRA/RIVERMAN BTR0021 (CD/2007)
1 Oh, What A Pity
2 That's Alright By Me
3 Hey Girl
4 Man Of 21
5 Working
  6 Anthem
  7 Fade Away
  8 Smiling Eyes
  9 Feeling For Today

 10 Live In 2
 bonus tracks
 11 The Prisoner
 12 It's Been Such A Long Time

前項のスティーヴ・ティルストンのCDの帯の裏側には今後のリリース予定作品が印刷されていて
そこにこの「ジョン・ジョーンズ/コーラージュ」も印刷されています。 帯にリリース情報を載せるのも
日本盤帯にならった仕様で面白いですねぇ。 しかしそれよりジョン・ジョーンズって! 
苗字と名前で韻を踏んでしまう名前は犬山犬子の影響・・・いや段田男の影響をモロに受けています。
本人もその韻の踏み方に これはまずいなぁと思ったのか 本CDに寄せた彼自身が2007年に
書いた文章では「ジョン・エヴァン・ジョーンズ」と名乗っていて韻踏み事件は一件落着です。

彼はセッション・ギタリストとして英国で多くの仕事をしているようですが 1970〜71年の時期には
アイルランドのアノ・ドミーニへの正式メンバーとしての参加と 本作の製作と忙しかったようですね。
また このソロ作の後はジョンズィーというバンドを結成してアルバムを何枚か出しています。

アノ・ドミーニはフォーク・ロック色が強く ジョンズィーはよく知らないけれどプログレ・バンドらしく
そして本作はソロ名義らしいフォーキーな響きのシンガー・ソング・ライター作品になっています。
寂しげだけど暖かさのあるメロウなメロディーも覚えやすくて心に染み入る良い曲の連発ですねぇ。

イカれたロケンロールの5曲目 宇宙サウンドのシンセがギュルギュル回る10曲目というのもあるけど
ミディアム・テンポの穏やかなフォーク〜フォーク・ロック曲が大半で それらの曲の持つメロウな
メロディーはどれも絶品だし少々ヨレた彼の歌声がまた良い雰囲気を出していて・・・名作です!
どれも素晴らしいですが僕は特にピアノを基調にした6曲目にやられっぱなしですよ。 ああ良い!

ただこのメロウな感覚はソウル・バラードのようでもあり この感覚を気合いを入れて突き詰めると
AORギリギリの危うさも孕んでます。 同様の危うさを放つという点で こちらも名作のアンドウェラの
「ピープルズ・ピープル」ってアルバムに似ていますね。 そして僕は韓流スターに似ています!
まあ ボーカル バックの音 共にアンドウェラから迫力を引いたような穏やかな音ですけどね。

ボーナス曲はイヤーな音処理のエレポップ! 1980年代の録音なのでしょうか? 何だこりゃ?

ヒューゴ・モンテス社のCDによるAnno Domini「On This New Day」のレヴュー・・・第82号
 


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THE FLOATING HOUSE BAND 「THE FLOATING HOUSE BAND」 (1969)
韓国 BELLA TERRA/RIVERMAN BTR0014 (CD/2006)
1 Livin' Like There's No Tomorrow
2 Any Day Woman
3 Mayday Waltz
4 It Won't Be Easy
5 Valentine Day Massacre
6 
Song For Martha Lee
  7 One-Way Road
  8 The Simple Life
  9 For Sharl

 10 Doubter's Highway To Glory
 11 Shep's Goin' To The Country
 12 Let Me Fly

ベラ・テラ社の帯の基本パターンは芸人名/作品名のカタカナ表記の横に英文の解説があるのだけど
この米国バンド フローティング・ハウス・バンドの帯にはなぜか日本語の解説文がついています。
「メロディラインがとても素晴らしく、アコギの音色とコーラスワークが美しい作品として69年にTakomaから
リリースされた唯一のアルバム。 素朴な自然派志向のコミューン系、フォークグループの名盤。
超お薦め盤。 世界初CD化。」・・・とこれが帯に日本語で書かれている全文です。

「超お薦め盤」という表現がレコード屋のポップみたいで何かねぇーと思うけれど 韓国人がこれだけ
流暢な日本語を書ければ文句は無いでしょう。 いや日本語が得意な韓国人が書いたのではなくて
韓国語が得意な日本人が書いたのかも。 日本語が得意な日本人が書いた可能性も捨てがたいです。
内容はこの帯の文章でだいたい合っていて あと追加で書くとすればアメリカのグループらしく
ちょっとカントリー風味が漂うのでアメリカンな音がダメな人が聴いたらオエェーってなるかもね。

メンバーは男性3人で この3人による3声コーラスを中心に聴かせますがこれがあまり美しくなく
ここら辺が「素朴な自然派志向」でしょうか。 バックの演奏の基本はギター2本とベースで
あとはオートハープやハーモニカやバンジョーなどが所々切れ込んできます。
アルバム全体ではフォーク〜カントリー度高いですが 数曲ドラムスも入るフォーク・ロック曲もあります。

オートハープが入る 2 10 曲目あたりはイアンとシルビアの1966年の「So Much For Dreaming」
に収録されている「Wild Geese」と「Come All Ye Fair And Tender Ladies」っていう大好きな曲に似た
オートハープの入り方をしていて好きですねぇ。 そして僕は韓流スターに似ているときたモンだ!

まあそれほど強力な名盤!って事はないけれど聴きやすいタイプの音だしのどかな雰囲気があるので
初夏の程よい日差しの中でうたた寝のBGMとして流したら気持ち良く響いてくれそうな作品です。
 


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THE SEVENTH DAWN 「SUNRISE」 (1976)
韓国 BELLA TERRA/RIVERMAN BTR0023 (CD/2007)
1 Robin
2 Such A Lonely
3 Latecoming
4 The Snail
5 Earth's lullaby
6 
Sunrise
  7 Streisand
  8 On The Open Road
  9 Such A Lady
 10 Free
 11 Day And Nights Go Flashing By
 12 Goodnight
 bonus tracks
 13 Greenwood Song
 14 Of Ellen
 15 Anxious Heart
 16 Orbs

このセブンス・ドーンはアメリカのグループで男性3人女性1人の4人組です。
クレジットを見ると4人のメンバーは全員苗字が「Munson」で兄弟か親戚関係なのでしようか。
あるいはラモーンズみたいに芸名としてみんなで同じ苗字を名乗るシリーズなのでしょうか。 どっちだ!

1曲目から綺麗なメロディーのフォーク曲に美しくて可愛らしい女性ヴォーカルが乗っかるモンだから
これはあぁー!とビビりました。 ・・・と思ったら2曲目は男性ヴォーカルがピアノをバックに歌い上げて
3曲目はアップ・テンポでドラムスやキーボードやギターも暴れてプログレ的なロックじゃないですか。
その後も色々あり最初聴いた時は ちょっと焦点の定まらないとっちらかった内容だと感じました。

ところがアルバムとしての流れでは無く1曲1曲単品で耳を傾けてみるとどの曲も短く上手くまとまりがあり
基本路線はアコギやピアノによるシンプルな伴奏のフォーク・タイプと歌い上げタイプの曲だし
素直で美しいメロディーが聴きやすい事になっているし またカントリーやブルースの要素が希薄で
本当にアメリカのグループなのか?と思わせる英国的な陰影も放たれ・・・これは素晴らしい作品ですよ。
一瞬あれれ?となるけど実は各曲は素晴らしいというタイプのアルバムで女性ヴォーカル入りとくれば
アイルランドのラウデスト・ウイスパーに似た雰囲気がありますね。 そして僕は韓流スターに似ている!

8割方男性ヴォーカルが歌っていますが 女性ヴォーカルが歌う 5 6 16 曲目の美しくて哀しげな
フォーク曲なんかホント素晴らしいよなぁ。 またシンセサイザーが多く登場するけど嫌味はありません。

オリジナルLPはかなりのレア盤らしく 録音状態もあまり良くないし レア盤を聴いていると放たれてしまう
「何か凄いモノを聴いているのではないか感」も充分味わえます。 ボーナス曲も本編と何ら変わりなく
「何かもっと更に凄いモノを聴いているのではないか感」で更に楽しめますよ! 良い!

帯裏の今後のリリース情報には「Dreams/The Seventh Dawn」って印刷されていて 本作が1stだとすると
「Dreams」っていうのは2ndアルバムなのでしょうか。 それも聴きたい! えーい面倒臭ぇ! 買うか!
 


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STAN MOELLER 「THIN TIES」 (1980)
韓国 BELLA TERRA/RIVERMAN BTR0024 (CD/2007)
1 Changes
2 Down With Your Ship
3 Cold War
4 Alone In L.A.
5 What Ever Happened To Love
6 City Lights

  7 Love Is A Child
  8 If It's Love
  9 Margarita
 10 Ledges
 11 When You Say Goodbye To Me

いやぁ帯にカタカナ表記があるといいですねぇ。 もしカタカナ表記が無かったら読み方がわからず
適当発音でこの人の名を「スタン・モエラー」にしていたところです。 もし「モエラー」にしてしまったら
「萌えラー」と変換して そのネタで2〜30行は行を埋めてしまうところでした・・・ふぅ危ない危ない。

そんな彼の名前の発音は帯のカタカナ表記によると「スタン・ミーラー」が正解です。
1980年のアメリカのシンガー・ソング・ライターの作品ですが これは1980年作っぽく無いですねぇ。
またアメリカっぽくもなく 時代や国境を超えた響きの儚く美しい作品になっていて素晴らしいですよ。
犬ジャケは名盤ばかりというのはその手のマニアの間では承知の事実ですが これも名盤な訳です。

弱々しい優しげなヴォーカルでトロトロと弾き語る繊細な雰囲気のフォーク曲がメインになっていて
全編ドラムレスで あとは2本目のギターやベースやピアノやハーモニカが少々絡む程度です。

トロトロ弾き語りタイプの曲もどれも良くて 泣けるメロディーを持った 7 11 曲目あたりで
思わず泣きそうになってしまう訳ですが 更にこのアルバムを名盤化させているのがボサノバのリズムを
感じさせるアコギのカッティングで聴かせる 4 6 8 9 曲目で 4 9 曲目なんかは
カッティングなのに繊細だし 優しげな歌声は英語で歌っているのにまるでフランス語のように響き
カナダはケベックのプログレッシヴ・フォーク・グループのハルモニウムとイメージが重なります。

ハルモニウムにも似ていますが アコギのカッティングで聴かせるタイプの曲は1980年代の
同時代的に言うとエブリシング・バット・ザ・ガールのベン・ワットのソロ作「ノース・マリン・ドライブ」に
似たサウンドでもあります。 ハーモニカ&指パッチンが入る6曲目なんかは特に似ていますよ。
そして僕は同時代的に言っても言わなくてもいずれにせよ韓流スターに似ています!
 


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LARRY CONKLIN & JOCHEN BLUM 「JACKDAW」 (1980)
韓国 BELLA TERRA/RIVERMAN BTR0025 (CD/2007)
1 Paris
2 The Shepherd's Hour
3 Mandeleine
4 Alathea
5 
Water & Time
  6 Your Gentle Words
  7 Jackdaw
  8 Traveler
  9 The Diamond Cutter
 10 River Of Stories

これはラリー・コンクリン&ヨッヘン・ブルームの1980年作「ジャックドー」というアルバム。
ラリー・コンクリンがヴォーカル&ギター ヨッヘン・ブルームがバイオリン&12弦ギターを演奏し
ゲスト参加者も無く2人だけですべて演奏し ヴォーカル曲とインスト曲が半々で入った作品です。

封入された紙にはラリー・コンクリンのバイオグラフィーが載っていて 白髪になった近年の写真も
載っていますねぇ。 そのバイオによると彼はこのアルバム以降はヨーロッパで活動していたみたいで
ヨッヘン・ブルームの方はノー情報です。 そんなんで当時米国でリリースされた作品ですが
彼ら2人が米国人なのかどうかは定かではないです。 「ヨッヘン」ってゆーのも何か北欧っぽいしね。

また封入の紙と帯に印刷された曲順は1曲目が「Jackdaw」になっていますが歌詞に「パーリスー」って
聴こえてきたので裏ジャケに印刷された曲順を打ち込んでおきました。 全曲歌っていれば聴き取りで
何となく曲のタイトルがわかるけど 半分インストなので何となくもわからず 曲順の正解は知りません!

サウンドはバイオリンがジプシー風あるいはクラッシック風なので カントリーやトラッドの香りはせず
もの哀しいメロディーの曲ばかりだし ヨーロッパ的な響きがあり陽気なアメリカンはまったく感じません。

1 4 6 8 10 曲目で登場するラリー・コンクリンのヴォーカルは決してこれは素晴らしい!
というようなイケてる声では無いけれど優しげにジェントルに丁寧に歌っていて好感が持てます。
このヴォーカル入りの曲は美しい室内楽風フォークとして響き 英国フォークの素敵なヤツと並べても
違和感の無い素晴らしさがあります。 インスト曲もヴォーカル入りの曲ほどでは無いけれど良いです。

そうだなぁ ギター&バイオリンという楽器構成だし 英国フォークのウォーターフォール似ですかねぇ。
そして僕は承知の通り韓流スター似ですかねぇ。 いや韓流スターそのものですよ!

さて 韓国ベラ・テラ社は今後も続々と良い内容のアイテムをリリースしそうな勢いですね。
僕も これは良さそうだ! と思ったら続々と購入していく勢いです。 今回登場させた芸人さん達も
スティーヴ・ティルストン以外は全部ベラ・テラ社のCDではじめて知ったし まだ知らない音楽って
いくらでもありますね。 くっそー! この程度知らないようじゃ韓流スター失格かぁー?
 

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